狂わなかった「Z」の力 ~勇者王ガオガイガーif   作:睦月透火

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いちおう今回で通算100話目の投稿です……
(※設定、閑話含む)

合体原種と宇宙怪獣の打倒に成功したGGG……
しかし、これで終わった訳ではない。

混乱に乗じて逃げた2体を含め、地球に潜伏する原種はまだ残っている。
……だが事態は、我々も予想だにしなかった方向へと進んでいるのだった。



第91話 未来への選択肢(1)

 満身創痍になりながらも、大型宇宙怪獣の撃破に成功した双子座……

 サイズ故にオービットベースにも収容できない双子座の機体は、自己修復とアップデートを兼ねて再び待機用の亜空間へと転送され、搭乗者でありコア・ボディあるノリコとカズミはアマテラスに収容……そのままオービットベースへと帰還した。

 

──────────

 

 オービットベース、ビッグオーダールームに集まった関係者達……長官を始めとしたGGGの首脳陣と、人間形態を持つアーマロイド達、そして共に戦った勇者達が一同に揃う。

 

『……お帰り、2人とも。今まで何をしていたのかはさておき、よく無事に帰って来たね』

 

 シオン不在の今……補佐役として全権を任されている【蠍座】グラヴィスは2人に労いの言葉を掛けた。その言葉に、暫し沈黙の後……カズミはこう返答する。

 

『……いいえ……全ては地球圏に起きる不測の事態を事前に察知しながらも、今の今まで応援に来られなかった私達の不手際ですわ、どうかご容赦を……』

 

 何故かカズミは、“自分たちの不手際”だと返答した。

 

「どういう事かね? 我々からすればこの上ないタイミングじゃったのだが……?」

 

 それを疑問に思った麗雄は、その真意を問う……すると今度はノリコから答えが帰って来た。

 

『私達は……あの時、超竜神と一緒に転移した後……いつの間にか、大昔の木星圏に居たんです……』

 

『正確には、約6500万年前。私達は、あのESウィンドウを抜けた先で超竜神から分離させられ、謎の力によって時空間を超越……遥か昔の木星圏に辿り着きました』

 

 カズミの補足に、GGGの皆様一様に驚く……あのESウィンドウの先で更に謎の現象に遭遇し、超竜神と離れ離れとなってしまった事に頭を下げる双子座。

 

「……そうだったのか……しかし、木星圏とはのぅ」

 

 麗雄は()()()という単語に何か引っ掛ける様で、腕を組み頭を捻る。カズミはそれに気付いて、自身の観測情報を麗雄に伝え始めた。

 

『既にご存知かとは思いますが、木星圏では謎のエネルギー反応が頻繁に確認されています……恐らく私達と超竜神は、そのエネルギー反応の影響で引き剥がされたのではないかと……』

 

『物凄いエネルギーでした……まだ不完全だった私達の戦闘用ボディの組成を、瞬く間に構築してしまう程に……』

 

 双子座の戦闘用ボディは、当時まだ構築が間に合っておらず未完成状態。双子座自身はそれぞれ実体化させずに保持はしていたが、まだまともに稼働させられる状態では無かった……それを“謎のエネルギー”は一瞬で穴を埋めるかの様に構築し、本来の想定強度より数倍近い性能を発揮できる様になっていた。

 

『……そのエネルギーは、今も?』

 

 少しの思案の後、グラヴィスは双子座にそう問い掛けるが……

 

『いえ……充分とは言い難いですが、サンプルとデータは確保しています。詳細な解析は此方(GGG)の方が適任かと思いますので』

 

 返答にカズミは首を横に振ったが、微量ながらサンプルは確保出来ていたらしい……何処からか銀色の小さなカプセルを取り出す。

 

 カプセルの中心は透明なプラスチック製で、左右の端から伸びた支柱に支えられた中央には、銀色の球体がもう一つ……それが特殊な液体と共に封入されており、中央の球体は黄金のオーラを時折放っている。

 

(あの光……シオンさんのと同じ……?)

 

 護は、カズミの掌に乗せられた件のカプセルを見てそう直感する。護のGパワーセンスは、シオンが封入されている黄金の繭から放たれる微弱なエネルギーをしっかりと感じていた。

 

『我々の能力による解析は、やはり難しそうですね……長官、この件はそちら(GGG)にお任せしても?』

 

「うむ、了解した。……では博士」

 

「任された……ではスワン君。それからカズミ君も手伝ってくれ」

 

 カズミからカプセルを受け取り、麗雄はスワンとカズミを伴って早速研究施設へと赴く。

 

『……それで、グラヴィス……マスターは……?』

 

 麗雄が去った後、ノリコは何処か不安そうに自分達の“主”であるシオンの事を尋ねる……

 

『……主は、その……』

 

『……っ、私達の事で忙しいもんね!? 邪魔しちゃ悪いし、折を見て……』

 

 いつもならスパッと言い切るグラヴィスの言い淀み……ノリコはその言動に何かを察したのか、動揺を隠そうと話を切ろうとした。

 

「…………」

 

 気の遠くなる程に(6500万年もの)長い間離れていた者との再会……しかし、一番に会いたい相手には未だに会えない。

 幾ら彼女が気丈に振る舞おうとも、内に秘めた心情は察するに余りあるものだった。

 

『双子座……主は……』

 

『良いんです! ……気にしないでください……』

 

 ジョルノの言葉を無理やり止めるノリコの声に、その場の全員が気まずさを深めるしかない……その後、山羊座に促されてノリコがこの場を後にすると、大河はグラヴィスに問い始めた。

 

「あの宇宙怪獣……奴等の目的は、何なのか……君達には分かるかね?」

 

『……我々が保有している情報()()()()であるならば、奴等の目的は間違いなく“地球人類の滅亡”でしょう。最も、時期としては本来ならばあまりにも早すぎるのですが……』

 

 グラヴィスをはじめとするアーマロイド達には、件の“宇宙怪獣”の真意と目的が予めシオンから齎されていた。しかし、本来ならば()()()()()()()()()()と想定されていた筈の襲来……それが何故かここまで早まったのは、不可解すぎた。

 

「それは……どういう事かね?」

 

 大河はグラヴィスを『あまりにも早すぎる』という言葉に疑問を投げ掛ける。それにはグラヴィスではなく牡牛座が返答した。

 

『奴等には、空間転移を行う際に必ず発生する“跳躍波動”……「バニシングドライブ波」を感知でき、一定以上のサイズへと成長した奴等には、例外なく空間転移能力がある』

 

「なん……だと……!?」

 

『本来ならば、地球人類がワープ技術や空間転移技術を自らの手で開発し、普及させた後に来る筈だった……それが、原種による地球襲撃などで大きく狂ったのでしょう。原種のESウィンドウによる空間転移……それが奴等を、この地球圏に引き寄せた可能性が高い……』

 

 牡牛座の言葉に大河は驚愕……そこへグラヴィスが更に補足を付けた。

 

『奴等には、自分達以外に“空間転移”を行うモノを()()()()()()()()習性と、恒星に産卵して無尽蔵に増え続ける……という特徴を持っています』

 

 アーマロイド等によって齎された、宇宙怪獣に関する情報……それは既存生物の概念を根本から覆すものばかりであった。

 

「恒星に産卵……ですか……?」

 

『宇宙怪獣に産卵された恒星の核は例外なく不活性化し、本来ならば長い時を掛けて放出されるエネルギーを短期間で吸い付くされ、死の星と化す……やがてそれは絶え間なく続く宇宙の循環サイクルを停止させ、()()()()()()()()()()()()()事になります……』

 

「…………なんという……」

 

 牛山の問いに、今度はジョルノが答える……宇宙怪獣の増殖プロセスは、宇宙のエネルギーをいたずらに消費するものであり、それはやがて宇宙そのものを殺す事になるという。

 

『宇宙怪獣の脅威とは、正しく宇宙そのものの脅威……この宇宙にとって奴等はガン細胞に相当するモノ、と言えば良いでしょう』

 

 最後にグラヴィスがそう締める……原種よりも遥かに純粋悪に近い存在、それが“宇宙怪獣である”と。

 

「……放置してはならない、危険過ぎる存在……か」

 

 そんな脅威への対処を、人類は原種撃退と同時期に行わなくてはならない……まさに、“人類に逃げ場無し”であった。

 

──────────

 

 合体原種の敗北から約数時間後……

 

 地球上の何処かで、敗北こそすれど生き延びた2体の原種と、パリアッチョ……そして謎の幻影が再び一同に会していた。

 

「機界最強7原種、敗北……」

 

 パリアッチョの淡々とした発言が、残された腕原種と腸原種を逆撫でする……いや、正しくは“毎度の如く場を混乱に陥れる謎の幻影”の存在の前でそう言われる事に業腹なのである。

 

《やはりイレギュラー共の影響か……本筋よりも比較的楽に排されたな……》

 

 そして己の所業を一切顧みない謎の幻影のこの言葉に、さすがの腕原種も今回ばかりはキレ気味に反論した。

 

「イレギュラーと言うなら貴様の手先の方だ! 何なのだあの化け物どもは!? アレでは星そのものを消しかねん! これ以上あの様なモノを使えば、地球を機界昇華するどころか、この銀河系を無に帰す行為だぞ?!」

 

《……フン、我が目的は地球人類の滅亡……そのプロセスがどうなろうと我は一向に構わん。そうなる前に貴様たちが目的を達成すれば良いだけのこと》

 

 腕原種は、自分達の作戦中に独断で宇宙怪獣をけしかけ、あわよくば地球そのものを破壊しかねなかった謎の幻影のちょっかいに激昂する……確かにあのまま行けば、地球は人類諸共致命的なダメージで滅びの道を歩んでいた。それもGGGとアーマロイド達に拠って阻止された事から、回りまわって原種達も彼らによって勝ちの目を拾った(“地球機界昇華計画”の頓挫を回避できた)ようなものである。

 

 だが謎の幻影は“地球人類が死滅すればそれで構わない”というスタンスらしく、過程には一切頓着しないと豪語した……それは原種の計画である“地球の機界昇華”であろうと無かろうと構わない……

 

 つまりは原種に“協力する”という明確な意図など、己にはない……そう言っているに等しかった。

 

「ならば! 次の作戦は手出し無用!!」

 

「今後は一切黙って見ていて貰おう! 我々が地球を機界昇華する様をな!!」

 

 それぞれそう言い放ち、腸と腕、そして地球に未だ潜伏していた最後の2体。鼻と胃を引き連れこの場を去る原種達……パリアッチョと謎の幻影だけが残った所へ、あの白いクーゲルもどきが現れる。

 

「お前達の計画に手は出さぬが、私にも目的があるのでな……そのための行動はさせて貰う。フフフ……」

 

 謎の幻影は白いクーゲルもどきの中へと消えていき、パリアッチョを置いて空へと駆け上がり去っていく。

 

 無表情のままそれを見送ったパリアッチョもまた、その身体を変形させ球体になり何処かへと飛び去っていくのだった──




謎の幻影……その目的は“地球人類の滅亡”。
その為ならば宇宙怪獣を地球に送る事も厭わない……
何の躊躇いもなくそう言う割には、シオンに対してまた何かちょっかいかけて来そうですなぁ……

そしてGGGでは木星圏にて双子座が入手した謎のエネルギーサンプルの解析がスタート!
やはりこの辺りも原作から変わってるね……

ついでに原種達……やはり生き残ったのは腕と腸でした。
この2体ぜったい何かやらかすよね今後も。
原作でもそうだったし……

あ、でもそうなると次はあの“超竜神”が戻って来る?!

次回もお楽しみに!!





































今回限り!!
次回予告抜きで勝利の鍵が……!?

コレが(次回の)勝利の鍵だ!!

  • 幻竜神と剛龍神の活躍
  • シオンが人類にやってきた事
  • またしても何も知らない腕原種
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