狂わなかった「Z」の力 ~勇者王ガオガイガーif   作:睦月透火

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前回から引き続き

太古の木星圏から地球へと帰還した双子座……
彼女らは、途中で分かたれた超竜神の行方を案じていた。

だが彼女等の帰還の翌日。
GGGに奇妙な報が齎される……



第92話 未来への選択肢(2)

 双子座の帰還の翌日……GGGに、奇妙な報が齎された。

 

「福井の発掘現場に、奇妙な色をした謎の発掘物……ですか?」

 

 如何にも半信半疑な感じで質問する牛山……その問いに、現場行きで不在の麗雄に代わって火麻が答える。

 

「あぁ、少し前から恐竜が見つかってる有名な発掘現場の地層で、“赤”と“青”に染まったデカい物体が見つかったらしい……しかも明らかに化石とは違うヤツなんだそうだ」

 

 火麻が言うには、埋もれていたのは“赤”と“青”に染まった巨大な物体……それは化石とも違う組成をしており、その2つは結構な至近距離でほぼ同時に見つかったとの事。

 

 白亜紀後期の地層に化石以外のモノが発見されたとの事で一大発見とされたが、その巨大さ故に通常の発掘装備では賄いきれず、GGGに協力要請が来たのだった。

 

「そう言えば、護くんも社会科見学で福井に行ってましたよね?」

 

「えぇ。先ほどボルフォッグから、調査隊と合流したとの報告が来ています」

 

 猿頭寺の報告に、大河は奇妙な縁を感じていた……“赤”と“青”……()()()()()()、という奇跡を。

 

──────────

 

 そしてそれは、現実のものとなっていた……

 

『氷竜……先輩……』

 

『炎竜……先輩……』

 

 あの時は不可抗力で後ろ姿を見送るしか無く、いつの日か迎えに行く事を約束して別れた面影をほぼそのままに……力なく崩折れ、大地に縛り付けられたその姿を見て風龍と雷龍は、複雑な感情の入り混じった声で2人の名を呼んだ。

 

 巨大な崖の様になった化石発掘現場の一角……その大きな崖となった地層には、気の遠くなる程の時を経て劣化した2色の金属の身体となりながらも、原型を保ったまま時を超えて帰って来た、“赤”と“青”のロボット……

 

 一切のエネルギー反応すら発しないとはいえ、酷く経年劣化しながらもその姿を留めたまま、超竜神が埋もれていたのである。

 

「……信じられん。あの時ESウィンドウに消えた超竜神が、白亜紀後期の地層に埋もれていたなど……」

 

 事実は事実としても、到底信じられない……否、不可解に過ぎる事が多いと麗雄は思考を巡らせる。

 

 だが、超竜神が見つかったとの報を受けて、居ても立っても居られなくなった双子座の2人……強引ながら麗雄博士に同行して現場に着いた彼女達は、麗雄の推測の矛盾点を解消する経緯を語ってくれた。

 

『やはり、強制分離させられたとはいえ、木星圏へまでは、一緒に飛ばされた様ですわね……そこから私達は何かの力に引き寄せられ、木星圏を彷徨い……』

 

『超竜神は、木星圏から弾き飛ばされ……地球圏に戻されていた……?』

 

 曖昧で細かな部分はさておき……超竜神は双子座と共に、一度アステロイドベルトへと転移。その後更に何らかのエネルギーに導かれて木星圏へと飛ばされ、その際に双子座は超竜神から強制分離……双子座はそのまま木星へ引き寄せられ、超竜神は逆に弾かれて宇宙を彷徨い、地球圏に逆戻りさせられた。

 

『……過程はどうあれ、超竜神はその時、双子座と共に時空を越え、白亜紀後期の地球へと飛ばされていた……という事か。まるで夢物語だな……』

 

 双子座の精神状態を案じてか……“自己鍛錬”と称して地球に降りていた牡羊座も現場に来ており、展開された推測にそんな感想を述べる。何とも不可思議な経緯だが、そうでなければ此処に超竜神が埋もれているなどあり得ない。

 

 しかし、現実に超竜神は化石化しながらもほぼ原型を留めたまま、太古の地層に眠っていた。

 

《博士、内部スキャンの詳細データが揃いました》

 

 オービットベースと連携して解析していたデータが出揃い、スキャン結果を確認する麗雄……その中には、信じられないデータが映されていた。

 

「君達の推測は正しかった様じゃな……超竜神の内部にも“件のエネルギー”と同質の反応が僅かに残っておる……! AIボックスは休眠状態だが、このエネルギーがGストーンとAIボックスを経年劣化から保護しておった様じゃ。このエネルギー反応の解析が終われば、データのサルベージや、再起動の目処も立つぞぃ」

 

 奇跡としか言いようが無い……超竜神に搭載された2つのGSライドとAIボックスは、双子座がサンプルとして手に入れていた謎のエネルギーと同質のものによって保護され、6500万年の経年劣化を耐えきっていた。確かにパーツそのものは既に破損の危険性が高いものの、中のデータ自体はほぼ無事らしい。

 

『それじゃあ……!』

 

『2人は生きてるんだな……!』

 

 ボディは深刻なダメージではあるものの、AIのデータは休眠と謎のエネルギーによる保護で無事であり、解析が済み次第サルベージして復活させられる事に、風龍と雷龍は大いに喜んだ。

 

 だが、超竜神を保護している謎のエネルギーの解析は思うように進んでおらず、長い時間は掛かるだろう。だがそんな事は関係ない……

 

「良かった……無事に戻って来てくれて……」

 

 偶然ながら現場に居合わせる事になった護も、“無事”とは言い難い状態とはいえ、帰還を果たした超竜神の姿に嬉し涙を流すのだった。

 

──────────

 

 ……その頃、ネット上に“ある画像群”が公開された。

 

 それはGGGの誇る最強勇者ロボ軍団が、黄金のオーラを纏う異形集団に蹂躙され、見るも無惨な姿で倒れ伏している画像──

 

 その画像は1枚ではなく、各勇者たちそれぞれに何枚もあり……何れもが無惨な負け方をした勇者達を鮮明に描いていた。

 

 最初は近年発達している“画像生成AI”を用いた“違法生成画像”であると、ほとんどの人が興味を惹く事は無かったのだが……

 

 “被造物に心ありや?”“宇宙人は隣人たるや?”などと問いかける様な一文が添えられている事に気付いてからは、徐々に関心度が上がっていき……以前と同等とまでは行かないものの、再び“公的に宇宙人”と認識されている稀星シオンの存在や、GGGの超AI搭載勇者ロボの存在まで()()()()()様になってしまっていたのである──




いつもより少し短いですが、導入としてはこの辺で一区切り。

感想、評価お待ちしています。
次回もお楽しみに♪

人間の姿を持つアーマロイド達の呼び方は……

  • 元ネタと同じ呼び名でも良い
  • オリジナルの呼び名を付けた方が良い
  • これまで通り、座名呼びで良い
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