狂わなかった「Z」の力 ~勇者王ガオガイガーif 作:睦月透火
月跨ぎはホントに忙しいです。
それもコレも超・星譚祭のせいですw(言い訳)
前回からの続き……
地球全土の通信障害、それにより発生する多数の事故……
その最中人知れず、GGG長官大河幸太郎が失踪してしまう。
事態を重く見た雷牙だったが、GGGのスーパーバイザーとして、地上の混乱を終息させるべく手筈を整えていく……
しかし、事態は更に深刻なものへと変わっていくのだった。
地球全土における大規模な通信障害……コレにより、世界各地で位置共有に用いられるGPS信号などは尽く阻害され、船舶・航空機は位置共有が不可能となり遭難。
登山者や日常生活にも多大な支障をきたし、各地で大混乱が発生する……
地上に降りていた凱、麗雄、火麻をはじめとするGGG派遣スタッフらは、破壊された旧ベイタワー基地跡地にて、6500万年前の地層から発掘された超竜神の解析調査を中断し、情報収集へと移行。
だがその時、護が原種を察知。この事態は原種によるものだと判断され、風龍と雷龍は、自主的に原種討伐の為に現地へと赴くのであった──
「クソッ、ギャレオンだけでもこの場にあったら……!」
タダの通信障害ならば、凱の左腕……“ガオーブレス”に搭載されている機能“プロジェクションビーム”によってギャレオンを呼び寄せる事が出来るのだが、今はそれすらも叶わない……
なお、今回は戦闘目的ではなく現地調査……ただでさえ戦闘によって潜在的な身体ダメージが蓄積しやすい凱の負担を軽減させ、重篤な問題でなければガオガイガーの使用は考慮しない方針であった……それが今回は却って裏目に出てしまった形だ。
ちなみにこれまでは麗雄の協力の元、シオンの能力によって凱の万全なアフターケア体制が敷かれていたのだが、シオンが黄金の繭に取り込まれてからこの体制は完全に機能しなくなっている……
「恐らくは、宇宙へ向かうあらゆる影響も遮断されておる可能性が高い……だがこれほどの事態、オービットベース側が把握しておらん筈は無いじゃろうて」
「凱、今は耐えろ。お前までこの場から動くのは、敵の罠にみすみす嵌りに行くようなもんだ……ガオーマシンはおろかギャレオンも無い今、迂闊に動くのは得策じゃない。風龍と雷龍……それに、シオンの作ったアイツ等を信じて待て」
オービットベースでも事態の把握はしているだろうし、準備を整えて応援を寄こしてくれると麗雄は語り。火麻も、敵の策略にワザワザ嵌まる必要はないし、仲間を信じろと凱を諭す。
しかし凱は、忍び寄る言いしれぬ不安に駆られていた……
(風龍と雷龍だけで、原種は倒せないかもしれない……それに、この煽られる様な不安感は何だ……?)
一方、エジプトとメキシコに到着した風龍と雷龍……その彼らを待ち受けていたのは……
「……緑のロボット……風龍とやらか。単独で来るとは、我々も舐められたものだな」
『お前達の蛮行、これ以上許す訳にはいかない……!』
「……ならば、どうするというのかな? 黄色いロボット……!」
『アンタ等をブッ飛ばして、止めるだけさ! ヴァ──ンレイッ!!』
敵の挑発に乗らず冷静に徹する風龍と、口よりも手が早い雷龍は、返答もそこそこに各自の最大攻撃を原種に対してお見舞いする。だがそれを事もなげに、我が身と化したピラミッドの先端から伸ばした己の武器で無効化する原種達……
エジプト──ギザのピラミッドを取り込んだ腕原種は、その先端から伸ばした巨大な腕を豪快に振り回し、周囲の砂を巻き込んだ風の防壁で風龍の風導弾を打ち負かし……
メキシコ──ティオカワンのピラミッドを取り込んだ腸原種は、その先端から伸ばした腸の如き筒で雷撃を吸い込んでしまう……
本来ならば戦力差は絶望的……しかし風龍と雷龍の表情に、絶望は皆無だ。
『そう簡単に俺達を、倒せると思うなよ!』
『私達には信じられる仲間が居る……お前達の思い通りにはさせない!』
原作よりも格段に強くなった風龍と雷龍……初期段階から“勇者として相応しくあれ”という期待に応えるべく、祖国と地球を守る為に様々な訓練を受け──
正式にGGGの隊員となってからも、仲間たちや協力者であるアーマロイド等と切磋琢磨し続けている事により、既に彼らも、原種の想定を上回る存在へと昇華し始めていた……
「フフフ……その希望を根本から手折り、絶望に染めてやろう!!」
「……その希望ごと吸い込み、地球を機界昇華してくれる!!」
『やれるもんなら、やってみろッ!!』
『私達は何があっても、絶望になど屈しない!!』
直撃すればタダでは済まない原種らの猛攻を的確に捌きつつ、原種へと喰らいつく風龍と雷龍。
一進一退の攻防は続く……
その頃……オービットベースでは──
「だ、第3格納庫で……ストラトスライガーが暴れています!!」
「な、何じゃとぉ!?」
大河長官の所在が分からなくなった直後、本部施設に増設された第3格納庫内で眠っていたストラトスライガーが突然暴れ出したとの報告が雷牙の元に入ってきた。
この時大河は地球との相互通信途絶の報を受け、所要で外していたメインオーダールームに戻るべく本部施設内を移動していた……
だが、ストラトスライガーは突然大河の近くに
その行動を整備クルー等が、“突然暴れ始めた”と思ったのであった。
遅れて数秒後、他のアーマロイド等も大河の失踪(ライガーの異変)に気付いてオービットベース内を捜索し始めたが、その甲斐無く大河は既に敵の手に落ちており、オービットベースから連れ去られている事が判明したのだった。
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『俺達の不手際だ……みすみす長官を連れ去られるなど……!』
見張り番としてライガーの察知能力は素晴らしいものだが、運悪く居残り組アーマロイド等の誰もが間に合わない位置での犯行により、長官の拉致を阻止できなかった。
居残り組を纏める牡牛座は悔しさを滲ませたが、雷牙は敵の方が上手……と、牡牛座を責めなかった。
「我々個人の位置を把握しての行動だろう……対策を取ろうにも、敵がどうやって長官の位置を把握したのかが判らん以上対策の立てようもない……しかし、地上と一切の連絡が付かん今、地上の凱や麗雄達も何かしら面倒な事態に直面しておる筈じゃ」
地球の通信障害……このまま手を
「まずは地上の状況把握だ。アーマロイド隊は各支部方面に降下、同時にマイク部隊を使って有線ケーブルを敷設……地上の情報収集にあたるぞぃ!」
雷牙博士により、電波による通信が不可能な状況を打開すべく、従来の5倍の通信速度と、マグマの熱にも耐える素材で作られた最新の光ファイバーケーブルを宇宙から降ろし、地上の各支部に繋ぐ事で状況把握を行う作戦を立てる。
同時にケーブル敷設と護衛を兼ね、残るアーマロイド隊を地球に降下させ、万事に備える方向となった。
『……ケーブル敷設の準備、各チーム共に完了した』
「《了解。各自、作業を開始して下さい》」
留守番組のアーマロイド隊……牡牛座、山羊座、蟹座、水瓶座、天秤座の5人と、マイク部隊による有線通信ケーブル敷設作業が開始される。
旧ベイタワー基地跡地にある仮説基地方面へは、牡牛座と山羊座の護衛を付け、ガオーマシンを乗せたアマテラスとギャレオンが向かう事になり……
アメリカ支部方面へは、マイク13世と天秤座……
ヨーロッパ支部へは、水瓶座と蟹座がそれぞれ降下する手筈になっている……なお、この人選は悪運の強い牡牛座がカンで選んだ。
『どうにも嫌な予感がする……凱たちに、何か良からぬ事が迫っているかもしれない』
牡牛座の予感……悪い方には何故か異様に当たるカンを信じ、アーマロイド達は自主的に各方面への降下を進言。ケーブル敷設のマイク部隊との連携で各地の状況を調査すべく、作戦が組まれている。
『マイク。事は僕らの想像を超えている可能性が高い……僕はこの通り無防備になりやすいから、前衛は任せたよ?』
『マイクも頑張るもんネー! 原種だろうとギッタンギッタンにしてやるもんネー!!』
『……フフッ。ありがとうマイク、少し元気が出たよ』
アメリカ支部へと降下していくマイクと天秤座……楽天的なマイクの言葉に、重苦しさを背負っていた天秤座の表情が少し緩む。
ここまで一切の反応を見せないシオンの繭の状況に、“最悪”を想像し始めているアーマロイド達……中でも天秤座は人一倍シオンの事を心配している。仲間からも宥められていたが、その胸中は不安でいっぱいだろう……
それを知らぬとしても、マイクの底抜けに明るい振る舞いを見ていると、彼もシオンの眷属……天秤座としての重圧も一時とはいえ忘れられる……
マイクと天秤座の精神的相性は、初期の無関心同士からそれ程までに好転していたのであった。
《降下チーム、各自準備完了。降下体勢に入ります》
バリバリーンに備え付けられたミラーコーティング機能を利用して、アメリカへと降下するマイク13世……天秤座もバリバリーンに乗せて貰い、共に降下する。
《続いてマイク部隊、ケーブル投下ポイントに進入。順次投下して下さい》
今回用意された新型通信ケーブルは、熱を感知するとその耐熱強度を数千倍にまで高める特殊なカーボン塗料を採用した皮膜と、あらゆる環境でガラスと同等の透明度を保つ液状クリスタル質を芯に持ち、大容量データも極短時間で転送*2、強度や安定性、耐久性も従来品の5倍以上を誇り、極限環境においての性能低下も2%以内……と、驚異的な性能を持っている。
その分、製造コストはやや高い*3が、海底敷設ケーブルや大都市圏におけるネットワークは徐々にコレへと置き換わっている程の品だ。
『《こちら牡牛座、予定通りGアイランドシティ上空に降下する》』
GGGの艦であるアマテラスの護衛……という形で日本上空への進入許可を取り、牡牛座と山羊座は日本へと降下。
『《水瓶座ですの……こちらもパリ上空に降りますの》』
素で防御性能の高い蟹座に守られる形で、水瓶座もフランスへと降下していく……
3方面に別れ、アーマロイド達は軌道上から降ろされるケーブルと共に地上へと降下しながら、待っているであろう問題に対処すべく、臨戦態勢を整えるのであった。
ストラトスライガーは自身の持つあらゆるセンサー類のデータを元に、自身の経験や獣としての本能を駆使して情報を精査し対象を知覚、識別している。その為、たとえ視界ゼロだろうと物に接触せず動き回れるし、危険なモノは知覚範囲内ならば壁越しだろうと感知できる。
耐熱温度は±6000℃、被膜部分は通常でもカーボンナノチューブの約3倍の引張強度を持つ。
無論このケーブルもシオンから提供された技術を応用して開発されており、開発に成功したとある北欧企業は、シオンとの契約に従い東南アジアや南米等の途上国を中心に製造工場を開拓し、現地に雇用を生み出している。
通信途絶により、大混乱状態の地球……
そして宇宙でも地上の状況が掴めず、大河長官も居ない中で、最悪の事態に備え始めた。
果たして、風龍と雷龍は原種に勝てるのか……?
そして、未だに目覚めないシオンは……?
次回もお楽しみに!!
どっちを先に見たい?
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超竜神の復活シーン
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シオンの復帰シーン