狂わなかった「Z」の力 ~勇者王ガオガイガーif 作:睦月透火
未知のエネルギーを全身から迸らせ蘇った超竜神……
そのエネルギーに共鳴し始めた双子座達はどう動く?
原作乖離が進むifの勇者王伝説……
果たしてその行く末には、何が待ち受けているのだろうか……?
『……ぉぉぉオオオぉぉぉッ……!!』
全身から凄まじいエネルギーを迸らせながら立ち上がり、仮設施設の天井を突き破って外へ出る超竜神。
その全身に迸るエネルギー……ザ・パワーの影響でオレンジ色に染まっていた装甲が徐々に元の色へと戻っていく。
「超竜神……?!」
飛び出した超竜神を追って外へと出て来た護……その時超竜神は、自身に備えられたセンサー類へ何処からか強制的に送られてきたデータを読み取り、その状況……弟分の危機を把握する。
『……エジプト、ギザのピラミッドにて風龍。メキシコ、テオティワカンにて雷龍戦闘中……んッ?!』
だがそのすぐ傍ではガオガイガーと、大河長官が変貌させられたゾンダーロボの激闘が続いていた。後方の異変に一瞬気を取られたガオガイガーがゾンダーロボに吹き飛ばされるも、超竜神は吹き飛んできたガオガイガーを苦も無く受け止めた。
『ウワァァァ……んっ? 超竜神?! 復活したんだな!!』
あまり状況が良く掴めていないとはいえ、頼れる仲間の復活を知ったガオガイガーは、彼に受け止められた事に驚愕すると共に、頼もしい仲間の復活に破顔する。
『隊長。私は離れて戦う
『あぁ、コッチの事は気にするな! 行って来い!!』
復活したばかりだと言うのに、超竜神は後輩であり弟でもある風龍・雷龍の安否を気遣っていた。無論、その想いを無駄にしたくないと思う凱は、超竜神の申し出を快諾……その時、施設内から双子座達も走って出てくる。
『私達も、微力ながら力添えを……!』
『今なら私達も力になれるわ!』
そう言って双子座達は自身の本体……あの人型ではなく、ジェイアーク級と同等のサイズを持つ黒い戦艦を亜空間から呼び出す。
「なんと?! あの巨大人型ロボットではない……もしや!?」
呼び出された黒い戦艦を見上げ、麗雄は驚愕と同時にその可能性を思い至り、双子座は補足を告げる。
『はい、先程の影響で本体の一部機能が復旧していました。分離機能もその時に……』
双子座達は先程のエネルギー共鳴が起きた時に本体のシステムが奇跡的に回復し、停止していた機能の一部が復旧したのだった。
『超竜神! 私達が現地に運びます!!』
『行きましょう、最速で2人の元へ!!』
『よし、シンメトリカル・アウトッ!!』
双子座の輸送の申し出に、超竜神は同時救援を画策し合体を解除……氷竜・炎竜へと分離し、お互いをチラリと見て頷き合う。
『では、私はメキシコ……雷龍の方へ』
『じゃあ俺はエジプト……風龍の方だな!』
お互い確認するように呟き、そこから示し合わせたかの如く氷竜はカズミ、炎竜はノリコの機体に乗せて貰い、風龍・雷龍の待つエジプト・メキシコへと飛び立って行く。
(風龍・雷龍、氷竜と炎竜が来るまで持ち堪えてくれよ……!)
凱は双子座達を見送り、その後ゾンダーロボへと向き直る。
ゾォォォンダァァァ……!!
油断ならない相手だが、凱は臆する事なく構え直し、気合を入れ直す……
『さぁ、第2ラウンドだ……!』
その頃、メキシコとエジプトでは……
『……ック……倒すまでには至らない、か……それでも!』
『お前等の好きにだけは、させるものか……ッ!』
風龍・雷龍の奮戦も虚しく、戦力差の溝は埋まらぬまま原種は徐々にメタルプラントを成長させていき、恐らく何方も最終段階……しかし、風龍・雷龍は諦めない。
「フン、生意気な態度も此処までだ……そろそろひと思いに破壊してくれる!」
「我々に刃向かう愚かさを、存分に思い知るが良い……!」
風龍と雷龍に、原種はそれまで半ば遊びの様に付き合っていたのか……まるで飽きたかの様に吐き捨て、本気の一撃を撃たんとエネルギーをチャージし始める。
風龍・雷龍は行動不能な損傷こそ受けていないものの、小さなダメージが蓄積……更に周囲をゾンダーロボに囲まれており、まさに“絶体絶命”のピンチを迎えていた……だが、その時……
『パワー・フリージングガンッ!!』
『パワー・メルティングガンッ!!』
通常では考えられない速度と正確性を伴った、赤と青のビーム攻撃が雨霰と降り注ぎ、原種とゾンダーロボ等の攻撃を全て中断させた。
『『あれは……?!』』
急激な変化に思わず上空を見上げる風龍と雷龍……そこには黒い戦艦に乗って急接近して来る氷竜と炎竜の姿があった。
氷竜と炎竜はそれぞれ、風龍と雷龍の救援に向かう為双子座の分離形態に同乗しエジプト・メキシコへと赴いており……双子座等の驚異的な巡航速度(大気圏内の超音速飛行で被害が出ないギリギリの高度と速度)もあって、ものの数分で到着したのである。
『雷龍! 無事ですか?!』
『風龍! くたばっちゃいないよな?!』
『氷竜先輩……!』
『炎竜先輩……!』
上空で黒い戦艦から飛び降り、風龍・雷龍の傍らにそれぞれ着地する氷竜・炎竜。
「チッ……裏切り者の眷属まで呼び寄せるとは、手間を掛けさせてくれる……!」
攻撃を邪魔された腕原種は、炎竜の登場と同時に現れた双子座の存在に苛立ちを隠せない……そしてそれは、メキシコの腸原種も同様であった。
「おのれ……何処までも我々の邪魔をするか、裏切り者の眷属共!」
しかし、双子座のカズミはその苛立ちを目にした事で逆に相手の
『その苛立ち様、そしてなりふり構わないこの攻勢……』
その確信は能力を通じて、妹のノリコへも伝わる。
『……そういう事ですか、ならこの場を凌ぎきれば……』
『『地球側の勝利に繋がる……!!』』
その事実は確実に双子座の“何か”に火を付け、徐々に大火となるが如くエネルギーを増幅させる……そしてそれは双子座の心臓、その奥底に残る“残留”を通じて、氷竜・炎竜にも徐々に伝わっていた……
『……よし、反撃開始だ!!』
『今までの借り、まとめて返してやるぜ!!』
復活した氷竜と炎竜の存在に、風龍・雷龍もそれぞれ再び奮起し、周囲のゾンダーロボをあしらいつつ原種に対して反撃を繰り出す。
勿論、その行動に合わせる氷竜と炎竜……
そのパワーは以前の物とは比べ物にならない程アップしており、原種へ着実にダメージを与えていく。
「小癪な……!!」
業を煮やした様に腸原種は重力を操って周囲から大岩を引き寄せ、氷竜へと撃ち出す……が、氷竜はクレーントンファーと己の四肢で直に打ち砕き、障害物を物ともせず腸原種の長い管まで打ち据える。
それはエジプトにて風龍と組んで戦う炎竜も同様……腕原種が岩盤ごと大地を抉り投げ付けるも炎竜は飛び蹴りで破砕し、お返しとばかりにラダートンファーで腕原種の腕まで打ち据えたのだ。
『す、スゲェパワーだ……!?』
『前よりも、身体が頑丈になっている……!?』
風龍・雷龍の驚きに、氷竜と炎竜は自身が生き延びた経緯……木星圏での顛末を語り、その身体を未だに駆け巡る未知のエネルギーの存在を示す。
『そう。私達はあの時、木星で未知のエネルギー……“ザ・パワー”に出逢いました』
『その力は僕らの身体に、今も渦巻いている……』
『億年もの月日で疲弊していた私達の身体を一瞬で癒し……』
『朽ち果てていた超竜神のボディをも、瞬く間に復元させた超エネルギー……!』
「双子座が提供してくれたサンプルから予測した結果、凝縮された“ザ・パワー”は喩え液状の一雫程の量でも、先進国レベルの大都市を数年もの間不備なく稼働させられるだけのエネルギーに匹敵する程だった……」
黒い戦艦の姿をした双子座もそれぞれ地上へと降りてくる。原作と違いビークルロボらのみという戦況ではない為、原種達は忌々しい敵対者がどんどん増えていくこの状況に苛立ちを隠せなくなっていた。
「えぇい! どれ程貴様らが足掻こうとも、この星の機界昇華は免れん!!」
「大人しく運命を受け入れれば、こうはならなかったものを……!」
腕原種・腸原種の物言いに、違和感を覚えた氷竜達……その予感は悪い方向に当たっていた。
突如、オービットベースの警報が鳴り響く。その警報は地球圏の何処かにワームホール……ESウィンドウが開いた事による警報であった。
「な、コレは……まさか、ESウィンドウか!?」
オービットベースへと戻っていた雷牙は、警報の詳細を分析して原因を特定……それは、ESウィンドウを使って
「あぁっ?! ら、雷牙博士ッ!?」
開放されたESウィンドウを発見した牛山が叫ぶ。その後メインモニターに映し出された映像を見て、オービットベースの一同は固唾を飲んだ。
……漆黒の宇宙にポッカリと不気味に開いたESウィンドウ、その向こう側には、無数の点……
「信じられん数だ……まさか奴ら、このまま地球圏に乗り込んでくる気か?!」
雷牙の推測に、驚きを隠せないクルー達……その予測は大当たりであり、このESウィンドウが完全に開ききれば、雲霞の群れの如く宇宙怪獣が地球圏に殺到するであろう。
『グォオォォォンッ!!』
万が一……と残っていたストラトスライガーがオービットベースから飛び出し、迎撃に向かうが……
「ダメです! 敵の数が多すぎて、ライガーの火力では到底足りません!?」
「……ッ?!」
牛山の状況報告に、雷牙は苦虫を噛み潰す様に顔を歪めた。
それもその筈……ESウィンドウを経由して外宇宙から侵攻してきた宇宙怪獣の数はこの僅かな時間で既に億を超えており、現在進行形でなおも増え続けている。しかも、ライガー(パンツァー)のマイクロミサイルだと、小型は撃破できても中型以上には火力が足らず、最大火力であるグレイヴカノンならば余裕で消し飛ばせても、大型な癖に機動力が高い為簡単には当たらない。
ライガーはフェイントや搦め手を駆使して何とか砲撃を当てたり、接近戦を挑んで隙を作り撃ち込むなど工夫を凝らしているものの、敵の数が多すぎる上にその増加速度の方が数段上……もはやジリ貧よりも、圧倒的に過酷過ぎるという方が正しい戦況だ。
『グォオォォォンッ!!』
しかし、彼に“諦める”という選択肢は無い……彼はそんな選択肢など初めから考えていない。
ただ、己の全てを掛けて生き残る……
宇宙怪獣との戦いは、紛う事なき“生存競争”である。
『……っ?! ライガーが……!』
『さすがに貴方だけでは荷が重すぎるわ、すぐに向かいます。ノリコ!』
『はいッ!』
仲間の危機に、双子座は揃って即座に反応。その場で変形し、宇宙へと向かうため大気圏離脱を始めた。
『私達は行きます! ですが……!』
『離れていても、私達は貴方がたと共に……!』
双子座……ノリコとカズミがそれぞれ氷竜と炎竜にそう語りかける……それ時、氷竜と炎竜に奇妙な感覚を齎した。
『……! これは……?!』
『……! 氷竜、この感覚は……?!』
『……ああ、炎竜……間違いない。私達は、心で繋がっている』
『あの時……木星圏の時から……そうだったのか』
『彼女達の想いに、私達も応えねば……!』
『……ああ、そうだな。そうでなきゃGGGにも居られねぇ!』
空間を超えて、2人の意識が繋がる……お互いの想いが、約12,000kmにも及ぶ距離を“
その事に気付いた今、氷竜と炎竜はかつてない感覚を素直に受け入れ、そして使いこなそうと意識を集中させる。
『……それは俺達だって……!』
『2人だけじゃない……我々もGGGの隊員ならば!』
『俺らも、こんな程度で諦める事なんて出来ねェ!!』
風龍と雷龍も、それぞれ氷竜と炎竜の呟きに反応……それに気付いた氷竜と炎竜は、その場にいた風龍/雷龍の肩に手を掛けて問うた。
『だったら、俺達で奇跡を起こそうぜ!』
『ですが……』
『私達には、この地球を守る使命がある。そして志を同じくする仲間も居る……迷う事など無い筈です!』
『…………』
炎竜の問いに、言葉を言い淀む風龍……氷竜の言葉に、返答出来ない雷龍。しかし、2人の心は「何としても期待に応えたい」……“この2人の兄らと同じ様に”と強く、強く願っていた。
『……あぁ、そうだな……!』
短い沈黙を経て、そう零す雷龍。その顔には先程までの迷いなど一切ない。
『しかし、このままでは埒が飽きませんね……!』
そして同じく迷いを振り切った風龍が、炎竜にそう返す……すると炎竜はその問いに頷き、こう切り出した。
『俺達の手で起こす奇跡……この危機を脱する程デカいヤツ……なら、やるっきゃないな……“シンメトリカル・ドッキング”を!!』
少し滅茶苦茶かもしれませんが、とある奇跡のお膳立ては続きます……
次回予告
君達に、最新情報を公開しよう!
双子座の協力を得て
風龍・雷龍の救援に駆け付けた氷竜と炎竜。
しかし、眼前の原種を打倒しなければ
この地球に未来は無い。
それならばやるしか無い!
4人はお互いに通じ合い、今ここに
奇跡のシンメトリカル・ドッキングが完成する!!
次回、勇者王ガオガイガーif NEXT...
第98話『幻氷の騎士、強腕の戦士』
次回もこの小説で、ファイナルフュージョン承認!!
幻竜神・剛龍神に本作オリジナル必殺技は……
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あり、というかむしろ盛大に!
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なし。とりあえず原作通りに