狂わなかった「Z」の力 ~勇者王ガオガイガーif 作:睦月透火
ありがたいです……いやホントにね。
……では、前回からの続き。
東京湾岸地域の戦いが予断を許さぬ中、オービットベースは謎の存在にハッキングを受ける。
敵の策かと警戒を強めたがその結果、未知のプログラムにより通信システムが再構築され、地上との通信が回復……驚愕の事態が知らされる事に。
これからどうなる? 102話スタート!!
未知の相手からのハッキングの末、通信システムがあれよという間に改竄された事で支部等との相互通信が復旧したオービットベース。
しかし、それによって齎された情報はまたしても人智を超えた案件であった──
「これは……どうなっておる……? AIシステムは休眠状態なのに、動力システムが異常なエネルギーを放出しておる……!」
「……GSライド内に特定パターンのエネルギー反応を検出、コレは双子座が持ち帰ったサンプルと同一のパターンです」
「ならば、このエネルギー反応は……!」
「間違いありません……“ザ・パワー”です」
シンメトリカルドッキングの合体機構に干渉し、本来あり得ないパターンの合体を成功させ、誕生した幻竜神と強龍神……
その異常なまでの強さのカラクリ……それは双子座と共に木星圏へと跳ばされた際、彼女らが持ち帰ったサンプルと同質のエネルギーに超竜神も接触していたという事実を以て解けた。
そして超竜神は何からの形で仲間の危機を悟り、それでも諦めず奮闘する双子座を通じてその想いに触発され、AIシステムの精神活動が活発化……そこへ“ザ・パワー”が後押しする形となり、超常的な力を発揮したのだろう。
だが、元々が無理矢理な事だっただけに制御系へ異常な負荷が掛かり、AIシステムは
「兎に角、動力系の異常負荷を何とかせんと……!」
雷牙はアレコレと手を変え品を変え、“ザ・パワー”の制御を試す……が、幻竜神・強龍神のGSライドは一向に出力レベルが落ちず、制御システム自体も負荷の影響でエラーを吐きまくっている。
このままだとGSライドは確実に暴走し、その高負荷に耐え切れず破損してしまう……
(システムがあらゆる制御を受け付けん……?! まるで我々の制御全てに抵抗しているようだ。こんな事が……!)
当然ながら、常識を覆すエネルギーである“ザ・パワー”を制御する方法は現代の科学力、引いては現代人には不可能であった。
そんな不可能を可能に出来るのは、恐らく……
その時雷牙は頭の中でふと、シオンの事を考えた。
出会いの発端は単なる興味本位から……弟が絶賛する助手(スワン)の話は前々から知っていたが、助手はいつの間にか2人に増えていた。
当初は弟の後輩の誰かだと思っていたが、詳しく聞けば
そしてマイク・サウンダースの一件で既知を得……紆余曲折の折に雷牙もその素性を知る。
彼女は
それが“ギャレオン”や“天海 護”と並ぶGGGの最重要存在……稀星シオン。
未知なる存在となった彼女の能力は人智を超えており、対話と協力を経て、未確定であったオーバーテクノロジーの数々を現実の物とし、地球文明に大きな変革を齎していった……
だが雷牙にはそれが、我々地球人類が“共栄する存在に足る存在か”を試している様にも思えた──
GGGの面々、特に間近に接するオービットベース勤務の者達は彼女を心から“愛すべき隣人”として扱い、また地上でも彼女と触れ合った者たちから徐々にその「友好的思想」は浸透しつつある。
……だが世界全体で見れば、彼女を未だに「敵性存在」や「金の成る木」等と蔑み、或いは欲に塗れた目で見る者も絶えない。
弟(麗雄)は言っていた。「彼女は我々地球人類に、無限の可能性と慈愛を与えてくれる。言わば“福音”かもしれない」と……
彼女と直接関わった者は皆、口を揃え偽りなく彼女を讃える。それは彼女が常に真摯に、誠実に、時に年齢相応の想いを以て我々に応え、事態を解決に導いてくれたから──
本来ならば庇護される側の彼女に縋ってしまう……その事に強い罪悪感はある。
しかし彼女は我々が窮地となれば、一欠片の嫌味もなく我々に手を差し伸べるだろう。
◆
◆
仲間の危機に焦り、それでも諦めず、この窮地を脱せんと思考を巡らす雷牙……通信システムの回復により、オービットベースから直接指示を出し、幻竜神/強龍神の状況回復に努めている。
幻竜神は戦闘後、寄ったついでに……とジェイアークによって送り届けられ、現在アメリカ支部にて収容・調査されている。
強龍神も同じく、戦闘終了直後に合流出来たダイキャンサー等によって、フランス支部に収容されていた。
雷牙がモニター越しに見る幻竜神を見て悔しさを滲ませたその時……幻竜神を映し出したモニターの端に、ユラリと虹色のオーラを纏う人物が現れる。
格納庫に居合わせた作業員等は、その人物を見た直後から次々と呆けたかのように作業の手を止め、まるで後を託すかの如く、固唾を飲んでその人物を見送り始めた……
その人物が不意に近付き、触れたのは幻竜神の動力部……GSライドが格納されたコアユニットだ。そして触れた直後、一瞬だけ支部全体やオービットベースにも及ぶ全ての画面が乱れ狂った様に見えたがそれもほんの僅かな時間で元に戻り、あれほど深刻な状況だった計測器類の数値も、画面の乱れと共に掻き消えたのである。
「……なんと……?! ……っ!?」
驚愕もそこそこに雷牙は遠隔でカメラを操作し、該当の人物をズームで確認……そしてさらなる驚嘆と共に大きな安堵も感じた。
異様なオーラを纏っていても……その姿形、佇まいに雰囲気や想いは微塵も変わらず、ほんの少しの申し訳無さを含んだ慈愛の眼差しでこちらを見つめ返す
その頃、東京湾岸地域の戦いの方は……
上空から降りてきたもう一体のゾンダーロボと、再び現れた白フードの男……
『ぐ……ッ、ゴルディーマーグ!?』
両腕を破損し、攻撃手段を失いつつあるガオガイガー……脚部関節の損傷で動けないゴルディーマーグ、そして迎撃能力の差で身動きが取れなくなったビッグバンボルフォッグ……
この場ではビッグバンボルフォッグが一番身軽ではあるが、偽クーゲルの迎撃能力は高く、既に何度も彼のフェイントや同時攻撃を容易く迎え撃ち、回避しきっている。
『………………』
両手のライフルを向け、ビッグバンボルフォッグに狙いを付ける偽クーゲル。
……だが、そんな膠着状態も長くは続かなかった。
『……どうやら私の事を忘れている様だな……!』
そんな声と共に、一陣の旋風が吹く。
「なに……?」
『遅いッ!』
目にも留まらぬ一閃、そして2つの爆発が起きた。
白い閃光が一筋、赤い光と共に戦場を駆け抜けた後、2体のゾンダーロボはあっという間に四肢をもがれて達磨にされ、偽クーゲルの持つライフルが2丁とも破壊される。その事実を認識する間もなく、偽クーゲルは足払いを掛けられ転倒。
何者かの強襲を察知し動いた白フードだったが、その動きも相手には遅すぎた。
『……お、お前は……?!』
「貴方は……そうでしたね、今はもう貴方も障害になり得る事を失念していましたよ、赤の星の戦士!」
偽クーゲルのライフルを破壊し、転倒させた相手……それは白フードの男が言葉にした通り、赤の星の戦士Jの操るジェイダーだった。
『フン。その割には私達の行動を監視しながらも、今まで黙認していた様だが……貴様、いや貴様らの目的は何だ?』
いつも通りの不遜な態度で白フードの男に真意を問うJ。しかも白フードの男に“貴様ら”と問うた事で、相手は複数……つまりある程度組織立って行動している仲間がいる事を暗にGGGへと伝えていた。
「……貴方も少々喋り過ぎですね。まぁ、良いでしょう……いずれは分かることです。ですが、我々の目的を邪魔するのであれば、計画に少々修正をしなくてはなりませんね!」
そう言って白フードは四肢の再生を終えた2体のゾンダーロボに手を翳し、何やらプログラムを書き込む……すると2体のゾンダーロボはお互いを喰い合う様に合体し、左右の肩に虎と豹の衣装を持つ巨大ロボへと変化したのである。
「さて……アナタ達にコレが打倒できるか、テストとしましょう。勿論、勝てば人質の返却、そしてこの場を退く事をお約束しましょう。但し、攻略は
白フードの提案……それはガオガイガー等のみで目の前の合体ゾンダーロボを打倒する事……
「凱兄ちゃん!! あのゾンダーロボ、長官さんと参謀さんがコアにされてるよ!!」
『何ッ?!』
《護くんの指摘は当たっているでしょう。合体ゾンダーロボの左右の肩、あの意匠は恐らく“ID-5時代の長官と参謀”のコードネーム“ゴールドタイガー”と“シルバーピューマ”を象ったモノ……ゾンダーロボはコアになった人物の記憶や精神性に左右された姿を取るとなれば……》
『……護隊員の指摘に間違いは無い、という訳ですね……!』
護の言葉に驚愕する凱……普通なら信じ難い事だが、護のその指摘を肯定するかのように猿頭寺がその根拠になり得る情報を明かした。
ゾオォォォンダァァァ……!!
しかし、今のガオガイガーは両腕を破損……必殺ツールとなるゴルディーマーグも脚部損傷で行動不能となっており、2人が近付きさえすればゴルディオンハンマーこそ可能だが、通常よりもかなりの危険が伴う状態だ。
『……どうするつもりだ? サイボーグ』
『決まっている! 何としても長官と参謀を取り戻す!!』
『……その腕でか?』
『この程度はハンデみたいなもんだ、GGGの意地を見せてやるぜ……!』
Jと凱の問答を聞き、挑発されたと思ったのか合体ゾンダーロボは猛スピードでガオガイガーに迫る。しかし、落ち着いて凱はガオガイガーを操作し、損傷を庇いつつも的確な反撃でゾンダーロボに反撃でダメージを与えた。
「泣き付くかと思いましたが……存外に頑固とは。良いでしょう……その言葉、後悔なきよう」
白フードは偽クーゲルと上空に移動し、静観の構えを取る……その後もガオガイガーとゾンダーロボの死闘は続いたが、なかなかコア摘出のチャンスは訪れず、凱の精神は少しずつ摩耗していく。
(落ち着け……チャンスはあるはずだ。何とか立ち位置を動かして、ゴルディーマーグの近くに行ければ……!)
凱はゾンダーロボと戦闘しつつ、動けないゴルディーマーグを自ら迎えに行き、チャンスを伺って一気に仕留めようと画策していた。
当然ながら白フードはその事に気付いていたが、何故かこの場では敢えて何もしなかった。
『……ッ!? 今だ! ブロウクンマグナムッ!!』
腕の損傷を気にせず、凱は躊躇なく右腕を射出……ゾンダーロボは正面切って受け止めたが、渾身のパワーで放たれた拳を止めきれず、再び盛大に転倒。大きなチャンスを得た凱はゴルディーマーグとリンクし、必殺の体制を取る。
「……なかなか良い手腕でしたが、その手は既に読み切っていましたよ?」
白フードの男がそう告げた直後、合体ゾンダーロボの両腕がまるでブロウクンマグナムのパクリ技の如く射出され、ガオガイガーの左脇腹と頭に直撃……
『ぐ……ッ! うわぁぁぁ!?』
意表を突かれたガオガイガー……両腕ロケットパンチの威力を相殺しきれず、辛うじて間に合ったガードの上から吹き飛ばされてしまい、盛大に吹き飛ばされる。
「凱兄ちゃん!?」
「……所詮はこの程度でしたか……仕方ありませんね、この取引は不成立です」
白フードの男は呆れた様にそう告げ、合体ゾンダーロボは両腕を戻した後、再び撃ち出す為に構えを取る。
『隊長!?』
《凱っ!?》
「凱兄ちゃんっ!?」
この時、牡牛座と山羊座は偽クーゲルとの乱戦模様……ビッグバンボルフォッグは白フードに睨まれて動けず、ジェイダーは表向き協力しない立場のように振る舞いつつ状況を注視し、万が一白フード等が意図的に場を乱した場合に備えている。
まさしく絶対絶命……だがその状況に、さらなる乱入者が現れた。
合体ゾンダーロボから射出された両腕……それが真上からのビーム攻撃で容易く貫かれ爆発。さらに上空から何者かが垂直降下し、クーゲルにも劣らぬ速度で合体ゾンダーロボを斬り伏せ、そのまま転倒したガオガイガーの前へと移動した。
『な……に……?!』
「……あれは……?!」
『……あの機体は……?』
「……またイレギュラーとは忌々しい。いや、あれは……!」
合体ゾンダーロボの腕を迎撃し、斬り伏せてガオガイガーの窮地を救ったのは……
青と白のコントラストが眩しい全身鎧と黒き一対の翼……
右手に虚空から取り出した細身の剣を握り締め、翼を目一杯広げてガオガイガーを庇う姿勢を見せる……
“戦乙女”の姿を模した1体のロボットであった──
……戦闘シーンはやはり難しい。
というかこの展開、どう思う?
さて、ガオガイガーのピンチを救った謎の機体……
その正体とは……?
次回もお楽しみに♪
ラストに現れた機体、イメージが一番近いと思うのは?
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フリーダムガンダム
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アンジュルグ