狂わなかった「Z」の力 ~勇者王ガオガイガーif   作:睦月透火

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……買っちまったぜ、モンハンワイルズ……

最近生配信プレイとかよく見るし、やってるの楽しそうだなぁ〜って思ってさ……

……出費は痛かったけど。
チマチマやってくかぁ……(遠い目)



閑話:星の記憶、ヒトの記憶(2)

 久しく忘れていた光景に何か、胸に熱いものが込み上げてきたシオン……

 

 しかし、その懐かしさに浸るのも束の間……場面は強制的に切り替わり、今度は荒野の真っ只中。怪しい天候と狂い始めた生き物たちを眼下にしながら、シオンの意識は空中に固定されていた。

 

 そうこうしている内に大地が裂け始め、吹き上がるマグマが地上の生き物たちを脅かし始める。

 

(……この光景、見覚えがある……もしかして……)

 

 何らかの原因により、裂け始めた大地……それは「伝説の勇者ダ・ガーン」の一幕。

 

 地球のプラネットエナジーを狙う“オーボス”の手先が、アフリカ大陸にあるエナジーの収束点を襲撃したのだ。

 

 当然、この世界の勇者であるダ・ガーンらは迎撃に出たが、彼らの奮闘を嘲笑うかのようにエナジー収束点は攻撃に晒され、結果、封じられていたプラネットエナジーが荒れ狂い、アフリカ大陸に巨大な亀裂が入ってしまう。

 

 大地の裂け目から噴出するマグマが陸地の生き物達を脅かし始め、草木、人々の家、何もかもを焼き払い始める……惑星としても致命傷になりかねないこの状況を何とかしようと、ダ・ガーンは亀裂に自ら飛び込み、身体を張って内側から亀裂を閉じ合わせ修復しようとした。

 

 その間一切の連絡も取れなくなるが、隊長である星史は彼の事を信じ、残った仲間たちと敵の撃退を続行。

 しかし、襲撃してきた敵との戦力差は如何ともし難く、勇者達はジリ貧に追い込まれていく……

 

 そんな中、星史は勇者達の奮闘に背中を押され、一縷の望みだったアフリカの伝承から、新たな仲間「ガ・オーン」を復活させ勇者達の窮地を救った。

 

 だが敵は尚も収束点を狙い、勇者達も再度迎撃に出る。

 

 再び襲撃を受けそうになるプラネットエナジー収束点……

 

 そこへ辛うじて亀裂の修復を済ませたダ・ガーンが合流……晴れて全員揃った勇者達は反撃に移るも、敵との戦力差は埋めがたい状況。

 

 しかし、地球のプラネットエナジーはダ・ガーンを通じて“自己防衛”の様な行動を起こす。(←個人的な解釈)

 

 プラネットエナジーはダ・ガーンに新たな力……キリマンジャロの勇者「ガ・オーン」との合体能力を与え、最強形態「グレート・ダ・ガーンGX」が此処に誕生したのだった──

 

──────────

 

 ダ・ガーンの戦闘形態“ダ・ガーンX”に大地と海、そして空から集まった膨大なプラネットエナジーが収束……そのエネルギーの奔流に導かれる様に、ダ・ガーンXとガ・オーンが背中合わせとなり、ガ・オーンは3つのパーツへと分かれて変形。

 

 分かれたパーツ群の中央部分にダ・ガーンXが入ると、パーツはそれぞれダ・ガーンXの両足と上半身に接続され、ガ・オーンのライオン頭が、解放されたダ・ガーンXの胸部に重なる様に移動、同時に新たな頭部が現れ、プラネットエナジーが全身に満ち溢れていく……

 

『……合体ッ! グレート・ダ・ガーンGX!!』

 

 青い頭部や白い脚部が目立つダ・ガーンXから一転し、頭部は赤く、額の角デザインも一回り太いものに変化。両肩に装備された大型連装ミサイルポッドや、スマートだった両足にも黄色と黒の大型パーツが接合された事で、全体的に大型化したと同時に細かなデザイン変化で荒々しさも足され、見る者に大幅パワーアップした印象を与える。

 

 そして、勇者の象徴ともいえる胸の生物(ライオン)*1顔の意匠……ガオガイガーと比較すると凹凸は少なめながら、ガ・オーン(ライオン形態)の時の印象もあって派手さは負けていない。むしろ鬣よりも展開されたダ・ガーンXの胸部パーツが後ろに重なっている事で、ダ・ガーンXの時より色合いの統一感が出ている。

 

 ……うん、マジでカッコいいわ。

 

 武装は豊富だが必殺武装には制限があったダ・ガーンXに、ガ・オーンの大火力が足される事で総合的な火力は激増。ガ・オーンの高い防御力も合わさる事で単体での総合的な戦闘力は2倍以上になるだろう。

 

 そんな考察をしていると、戦闘が始まる前だというのに意識が薄れていく。

 

(そんなぁ!? ココまで見せといて肝心のバトルはお預けなの?!)

 

 こんなの蛇の生殺しじゃんか!! そう思いながらも意識が遠のいていく……

 

──────────

 

 悪態を残し、次に意識が浮上したのは……

 

 夜の市街地、……暗い夜を照らし出す街の明かりが急に掻き消えていく。

 

(……あー、次はそう来るのね……)

 

 市街地を突如として襲った大規模な停電は、湾岸地域にある発電所が襲撃された事が原因だ。

 勿論、このシチュエーションには覚えがある……

 

 勇者特急マイトガイン……その第1話だ。

 

 自身の研究の為と称して、ウォルフガング博士は自身の大型ロボで発電所を襲撃。その結果、発電所は大ダメージを受けて緊急停止……周辺エリアに大規模な停電を引き起こしたのだ。

 

 作中ではその停電が原因で、作中のヒロイン「吉永サリー」の父親が手術中に死の危機に瀕してしまう。

 一般的な反応ならば不安に駆られながらも無事に手術が終わるのを待つしかない……のだが、何を思ったのか彼女は発電所の異変に気付くと、自ら犯行現場に赴き犯人に対して直談判をしたのである。

 

 当然、犯行に及んだウォルフガングは聞く耳持たず、邪魔だと言わんばかりに彼女を邪険にあしらう。そして巨大ロボに邪険にあしらわれるという事は、普通に命の危機……

 

 だがそこに勇者特急隊が介入し、彼女は作中の主人公である旋風寺舞人に救助される。

 

「ココでしばらくお人形さんの様にしててよ?」

 

 本来なら相当キザな言い回したが、彼の声と性格がそのキザさを上手く消していた。あぁ、そういえばこのシーン……“実はお互いに一目惚れをしてしまった”んだっけ。

 

 その後、彼女に名前を聞かれても「名乗る程の者じゃないさ」と言い残して去っていく。子供の頃は無条件にカッコいいと思っていたが、“裏”を知った今では「秘匿」の為よね……と妙に納得していたりする。

 

 そうこうしてる間に相棒のガインがピンチとなり、舞人はサポートメカ「ロコモライザー」を呼び出し、自身も多段変形マシン「マイトウイング」でガインのサポートに回る。

 

 そしてロコモライザーが到着した時、ウォルフガング博士の驚愕ぶりはさも当然と言えよう……海上を巨大なSLが走って来たのだから。

 

「な……?! 何だあのSLの化け物は!?」

 

 海上をホバーで移動してきたSLタイプの大型サポートメカ、ロコモライザーの移動速度は何と最高で36万km/h……普通に誤植だろうと認識されそうだが実は“公式設定”であり、企画の段階で()()()()()()()()()()()()()()()()()()という何ともフザケた設定が何故かそのまま採用されてしまっているらしい。

 

 他の列車の4倍以上のサイズ*2でこんな速度を出せるロコモライザー……“化け物”とは比喩でも何でもない、本当にそうなのだから。

 

 しかし、困惑するウォルフガングを余所に舞人はガインに“合体”の指示を出し、勇者シリーズ初の“ボーカル付き合体シーン”が始まるのである。

 

「レェェェッツ、マァァァイトガインッ!!」

 

 左手首のダイヤグラマーのボタンを押し、ポーズと共に舞人は合体キーワードを叫ぶ。そうして始まる合体シーン……

 

 合体に際し、ガイン、マイトウイング、ロコモライザーそれぞれが上空へと上昇。逆三角のフォーメーションを組んでから各機体が変形スタート……ロコモライザーの後部が変形して両脚部を形成し、腰となる部分の軸で前後反転。その間にマイトウイングが右腕、ガインは左腕へと変形、ロコモライザー前方の両側面に現れた車両連結器型の接続ユニットを介して接続される。

 

「マイトガイン、起動!!」

 

 マイトウイングのコクピットから、シートごと自動でロコモライザー側に移動してきた舞人。掛け声と共に到着したコクピットの左右に飛び出してきたレバーを同時に前へと回すと、左右の腕から掌部が飛び出し、機体は空中で垂直状態に移行……

 

 SLの汽笛を響かせながらロコモライザーの前方ユニットがそのまま胸部となり、煙突部分付近から頭部が起き上がってくる……この時、舞人が乗り込んでいるコクピットがマイトガインの口にあたる部分に存在し、そこが白い装甲で覆われていくシーンが描かれている事で、巨大ロボが合体するという臨場感とリアルでメカニカルな演出を際立たせ、男の子心を漏れ無く擽るニクい演出となっている。

 

 全ての合体シークエンスが終了しキメポーズの後、悠然と着地するマイトガイン……

 

「こ、これが噂のマイトガインか……!?」

 

「そう……その通り!」

 

『銀の翼に希望(のぞみ)を乗せて、(とも)せ平和の青信号!

 勇者特急マイトガイン……定刻通りに只今到着ッ!!』

 

 この名乗りを聞いて、興奮するなというのは酷過ぎる……

 

 後半でグレート合体出来る様になっても、この名乗りは(見た目に矛盾してないので)通して使われ、ファンであれば魂に浸透しており、一字一句たりとも決して間違える事は無い。

 

 作中のシーンからして早々と決着が付くとはいえ、初回戦闘からカッコ良さ全開な戦闘が繰り広げられる……筈だったが、このタイミングで再び意識が遠のいていく。

 

(何でなのよぉぉぉ!? 最後まで見せてくれても良いじゃんかぁぁぁ……!!)

 

 猛烈な理不尽さに支配されながらも薄れゆく意識の中、舞人の「縦・一文字斬りッ!!」の指示と、マイトガインの気合の入ったシャウトを耳にしながら、シオンの意識は更に奥底の方へと流されていくのであった──

*1
主人公勇者ロボの最強形態には基本的に生物の頭部意匠……主にライオン等がデザインされている。

ライオン以外では「太陽の勇者ファイバード」のファイバード(鳥のレリーフ)や、「勇者警察ジェイデッカー」のジェイデッカー(警察のレリーフ)。

あとはゲーム「ブレイブサーガ」初出のオリジナル勇者『龍神合体バーンガーン』。こちらは“龍神”と付くが故、胸にはドラゴンの頭部意匠が施されており、続編である「ブレイブサーガ2」のゲームオリジナル勇者「セイバーヴァリオン」等は、生物的な意匠がほとんど無いという“例外”である。

*2
ロコモライザーは横幅だけで、ガインや他の勇者特急隊メンバー(列車形態)の2倍以上もあり、毎回の発車シーンではまるまる二車線使って動き出すシーンが描かれている。




マイトガインの名乗り……「のぞみ」を“希望”と書いたのは個人的な解釈です。

さて、次はどんなシーンになるかなぁ……?

次の記憶は……

  • ジェイデッカー:第1話
  • ジェイデッカー:第29話
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