狂わなかった「Z」の力 ~勇者王ガオガイガーif 作:睦月透火
……前回のアンケートさぁ
みんなレジーナちゃんを見たいから選んでるんじゃ……
(↑邪推w)
夜の帷の降りた市街地……大規模な戦闘が予想された為、予め避難指示が出され無人となった市街地で、相対する大型の敵に苦戦を強いられる2体の人型ロボット……
他にも3体のロボットが参戦し2人を援護をしているが、その5人が協力しても敵の猛攻を食い止めるのが精一杯……
そんな強大な敵と戦う彼ら5人こそ、“ブレイブポリス”──
増え続けるロボットを利用したハイテク犯罪に対応すべく、警視庁が設立した、ロボット刑事チームである。
ブレイブポリスの構成メンバーは全員が“超AI”を持ち、人間とほぼ同等の感情や思考を持つロボット刑事……そんな彼らを率いるのは、史上初の少年警察官「友永勇太」と、イギリス・スコットランドヤードから派遣された天才少女「レジーナ・アルジーン」。
勇太は、ブレイブポリス第一号ロボット刑事“デッカード”と友情を築き、彼の著しい成長と活躍に大きく貢献した事からブレイブポリスのボス*1に抜擢され、レジーナもスコットランドヤードで技術主任を務め、騎士刑事デュークを自ら設計・開発……技術協力の為に日本へ派遣されて来ていた。
そんな彼らが相対しているのは、自分達と同じ“超AI”を持つ2体のロボット「チーフテン」──
その邪悪な部分を強化し、
相手の猛攻に耐えきれず、さすがに膝を付かされるジェイデッカーとデュークファイヤー……
ブレイブポリスのツートップでも敵わないとなると、現状での対応策は無いに等しく、また他の仲間のダメージも無視できないものである事から、上層部は撤退も視野に入れ始める……
しかし少しの逡巡の後、デュークファイヤーから耳を疑う言葉が発せられた。
『……ジェイデッカー。もしも私の心が消えたなら、レディを守ってくれ!』
その言葉を聞いた直後、レジーナの頭に最悪のシナリオが浮かぶ……しかもその言葉に続き、ジェイデッカーからも同様の決意を口にした。
『もしもその逆だったならば……その時は勇太を頼む!』
その決断とは、少し前の事件後に聞かされていた事……
ジェイデッカーとデュークファイヤーには、予てから計画されていた強化計画があり、それが成功すれば史上最強のブレイブポリス『ファイヤージェイデッカー』へと合体する事が出来る。
しかし、前の戦いの後遺症*3なのか合体システムに破損箇所が見つかり、もし現状のまま合体をすれば、デッカードかデューク……ほぼ確実にどちらかのAIメモリーが破損し、今までの経験や記憶……
即ち、今まで育まれていた彼らの“心”が消えてしまう……
……だが2人は現状の打開、そしてブレイブポリスの仲間や
『この“命”に代えてもッ!!』
ジェイデッカーとデュークファイヤーはお互いの信頼を確かめ合う様に握手し、“もしも”に備えて約束を交わし合う。
「……デューク……」
当初は「デュークの心は絶対に消えない」という自信から、合体による悪影響を軽く見てしまい、他のブレイブポリスメンバー……特にビルドチームから毛嫌いされていたレジーナだったが、紆余曲折あって今の彼女はロボット刑事らに対する接し方*4も大きく変わっている。
そして今、自身の傑作でもあるデュークの決意を聞き、彼の成長とその決意……
勿論、勇太もデッカードの言葉に大きな不安を抱えている……しかし2人のその決意に
「……レジーナ、2人を信じよう!」
レジーナも不安は残るが、デュークの事を信じ承認するのだった──
「ブレイブアップ! “ファイヤージェイデッカー”ッ!!」
勇太の持つブレイブポリス専用の“警察手帳”が高く掲げられ、合体指示によりジェイデッカーとデュークファイヤーは揃って上空へと舞い上がる。
『?! ジェイデッカーとデュークファイヤーが合体を……!?』
ダメージで思うように動けないスーパービルドタイガーは、上空へと舞い上がっていくジェイデッカーとデュークファイヤーを見上げ、合体を強行した事にいち早く気付き声を上げる。
その声にガンマックスとシャドウ丸……ブレイブポリス全員が戸惑いながらも成り行きを見守る。
《馬鹿な……!? 失敗したら、どっちかのAIシステムが吹っ飛んじまうってのに……!》
本部で状況を見守っていた1人、警視庁の藤堂開発主任が画面越しの成り行きに声を荒げた。彼は出動直前まで、シミュレーションで可能な限り合体システムの見直しをしていたが、ついぞ調整は叶わず仕舞いだった……
だと言うのに、現場の判断で不完全なシステムのまま合体を強行した事に驚きを隠せなかった。
しかし、その横で冴島警視総監は終始無言のまま……現場の刑事達を信じ、その一部始終を見守っていた。
お互い無言の意思疎通をするかの様に一度並び飛んだ後、デュークファイヤーは複数の合体用パーツに分かれ、ジェイデッカーの周囲に展開……
各パーツがジェイデッカーの両足裏、左右の腕、側頭部、そして胸部へと接続され、両腕部のパーツは接続後に左はドリル、右はパワーアームを展開……
合体による出力上昇に対応して機体各所の排熱部から火炎の様にも見える排熱を行い、合体シークエンスは終了……
『……………………』
無言を貫きながら着地したファイヤージェイデッカーの足元に勇太とレジーナは駆け寄り、デッカードとデューク、2人の安否を恐る恐る確認する……
「……で、デッカード……?」
『……私は……無事だ……』
戸惑いを多く含む声色ではあったが、デッカードは勇太の声に応え、しっかりと返答する……だがそれはレジーナにとって最悪の結末にも等しかった。
「ぁ……っ!?」
「……そ、それじゃあ……っ!?」
勇太はデッカードの返答に一瞬だけは笑顔を見せたものの、その答えによる悲しい結果に気付き、レジーナの方を見る。
絶望を叩き付けられ、膝から崩れ落ち座り込んでしまうレジーナ……
システムの再調整も間に合わず、更に戦闘中という明らかに最悪な条件の中でリスクの大き過ぎる合体を強行したのだ。
それでデッカードが無事だったのなら、確率的にデュークの超AIメモリー……“心”が消えている事になる。
「……ぁ……ッ……」
大粒の涙を浮かべ、声にならない声で俯いたまま慟哭するレジーナに、勇太もどう声を掛けて良いのか戸惑うしかない……
……だがそこに聞こえてきたのは……
『……レディ……』
レジーナの事を愛称で呼ぶ、優しい声……
現場に居るブレイブポリスのメンバーで、彼女の事をそう呼ぶ者は、たった1人しか居ない──
『……私も……ココにいる……!』
それは確かに、合体を完了したファイヤージェイデッカーから聞こえていた。
「デューク?! デュークも無事だったんだね!? やったよレジーナ、大成功だ!!」
デュークの返答に勇太は「大成功だ!」と声を上げ、レジーナに近寄る。
「……デューク……」
一度は耐え難い喪失感に涙したレジーナも、デュークの生存に今度は嬉し涙が頬を伝っていた。
そしてすぐ近くでその全てを見ていた仲間達も、ファイヤージェイデッカーへの合体……そしてデッカードとデューク、2人の無事に心からの賛辞を贈る。
『やったな……デッカード、デューク……!』
『アイツら、5万枚のカードの束からたった1枚の“エース”を引き当てやがったぜ……!!』
『ああ、まさに奇跡だ……!!』
もはや皆無にも等しいハズの超低確率……その奇跡を、この土壇場で勝ち取った……まさに最高の強運であった。
(このシーンは何度見てもマジ泣きしそう……)
全てを知っている今でも、思わず涙してしまうこの一連のシーン。私自身、初見では完全にガチ泣きした覚えがある。
5万ぶんの1……もはや宝くじ並の確率で潜むたった1枚のカードを、
デッカードとデューク……2人の諦めない心と、仲間を……大切な人を守りたいという、ある意味2人の根元的欲求*5が齎したであろうこの結果は、私を含む当時の
(奇跡は待つものじゃない、起こすものだ……って誰かも言ってたわね)
そんな事を考えていた私……そこへ
(ちょ……またぁ!? 何で最後まで見せてくれないのぉぉぉ?!)
こちらも“お約束”の如く、コレからが良い所だと言うのにシオンの意識は強制的に閉ざされ次のシーンへと動かされる事に、シオンは恨み言の如き叫びを残すのだった──
デッカードの一件から警視総監“冴島十三”により大抜擢され、史上初の少年警察官となった。
なお、作中ではあまり表には出していないものの、年下ではあるが精神的には大人顔負けな瞬間が多い事から、勇太を“異性”として見ている事があるらしい……
……はい、完全にガチ泣きシーンでした。
何度見ても感動しますねこの辺りは……
各勇者シリーズには必ずあるガチ泣き必至シーン。
今回はアンケート結果に基づき「勇者警察ジェイデッカー」第29話“合体!ファイヤージェイデッカー”を用いましたが、イメージ的に採用候補は他にも多数あったので正直悩みました。
個人的にはアンケート候補にした第1話が特に……ね?
シリーズとしても敵だったキャラや極端に短い登場キャラにスポットが当たり、仲間になったり最後の活躍だったり……
そういうものも含めて“勇者シリーズ”という作品群は、大人になっても至高だと言えます。
★【質問】あなたの勇者シリーズガチ泣き必至シーンは何ですか?(任意)
さて、次回はギャグ多めのゴルドラン……
しかしシリアスシーンが無い訳では無い。
……とりあえず選定に入りますね。
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