狂わなかった「Z」の力 ~勇者王ガオガイガーif 作:睦月透火
実は前回、注釈の一つが編集途中のまま放置されていた事に後で気付く……無様すぎるぞ……!!
……
正直今回だけはテキトーだと思います。
……それでは、冒険を始めましょうか。
都合、4度目の意識転送……気が付いた私は、周囲の違和感にふと思う。
(……何、ココ……今までのパターンだと“あの作品”なんだろうけど……なんか見覚えが……)
周囲を見回しても、広がっているのは何の変哲もない宇宙空間……
太陽の光が無ければ、何処までも暗黒の虚空が広がるばかりの虚無の世界……ふと、背後に気配がして振り向くと、ちょうど星の影から太陽が顔を出す瞬間であった。
(……! さすがに直で見ると眩しい……)
宇宙空間は地上とは違って光を遮るほどの微粒子も、光を屈折させる大気や様々な物理現象も偏在しないので、恒星からの光が直に私の瞳に入ってくる。
一瞬の驚きもあって目を閉じる……やがてその光量に目も慣れて、ようやく明るくなった周囲を改めて見ると、そこはよく知る世界であった。
『……綺麗だ……』
今まで光を遮っていたのは地球であり、この光は太陽のものだった……まぁ、生身*1で宇宙遊泳するのも、宇宙空間で“夜明け”を直に見るのも初めてなので感動したが、何やら地上のある地点へ、妙に意識が引っ張られる。
何となく既視感を覚えながら意識を地表に向ける……すると、吸い寄せられる様に私の意識は地表の“その場所”へと降下するのだった──
意識だけで地上まで降下してきたシオン……周囲を見回すと、何やら不穏な気配と何処かで見たような景色。
そして、久方ぶりに聞く“ある少年の声”が響いてきた──
「黄金の力守りし勇者よ! 今こそ蘇り、我が前に現れ
振り向いた先には、赤い宝石を掲げた少年……そして掲げられた宝石から眩い光が溢れ、凄まじいエネルギーと共に宝石は“何か”に姿を変え、眩い光の中空中で実体を生み出す。
ソレは黄金のボディを持つスポーツカー……だがその一部が可動し始め、後輪付近が両腕を形成。エンジンルームとフロントガラス部分までが前方バンパーを軸に前へ展開して両脚部となり、車体後部が左右に展開……開いた部分から頭部が飛び出し、各部の変形が完了。
『黄金剣士ドラン、見参ッ!!』
そうして赤い宝石から現れたのは、戦国時代の甲冑にも似たデザインの黄金の装甲を纏うロボット……左の腰に刀を下げ、先ほど掲げられていた物に似ている大きな赤い宝石が胸部分に据えられている。
所々に切り取られた様な状態で埋め込まれている“別のモチーフ”のデザインから、恐らく変形可能であると思わせる全体像……
それは「黄金勇者ゴルドラン」の主役ロボ、黄金剣士ドランの初登場シーンであった。
突然現れた黄金の装甲を持つロボットに、狼狽え始める敵ロボット集団……その長である赤髪の青年「ワルター・ワルザック」も、「あ、あれが“レジェンドラの勇者”なのか……?!」と驚きっぱなしだ。
そんな状況を知り、ドランを呼び出した少年たち……タクヤ、カズキ、ダイの3人も一度は呆気に取られていたが、タクヤが機転を利かせて「アイツ等やっつけちゃって!」とドランに命令をしたのだ。
『心得た!!』
ドランは相手を視認しそう応えるや否や、戦闘態勢に移行……素早く集団の虚を突く様に走り出し、すれ違いざまに2体を撫で斬り……ようやく事態を認識し反撃に出るワルター側だが、ドランは涼しい顔で対抗してくる3機目を“稲妻斬り”で確実に仕留めた。
乱れ撃たれる弾丸の雨を掻い潜り、刀を振り、確実に数を減らしていくドラン……銃火器にも一切臆す事無く戦ったその姿は、まさに勇者と言えるだろう。
配下は全て倒され、残るのはワルターだけとなったが、ワルターはドランへの対抗を諦めてはおらず、むしろ自信満々に乗機である「キャノンガー」の全装備を
「ああっ?! ドラン!!」
一転して大ピンチ的な状況に、タクヤ達はドランを心配し始めた……が、ドランは冷静に攻撃を防御しながら状況を見極め、勝負に出た。
『ゴルゴォォォン!!』
暗雲立ち込める空にドランの声が響く……
ドランの声が虚空に吸い込まれた直後、雷撃が地に落ち、巨大な地割れが発生……その中から
「今度は金ピカの怪獣……!?」
タクヤ達は出現した黄金色の恐竜メカに驚き、対するワルターもその威容にたじろぐ……
『ゴルゴン、“黄金合体”だ!!』
現れた恐竜メカ……ドランがゴルゴンと呼ぶソレは、ドランの指示に反応し、全身を変形させ始める。
まず首部分の前面装甲が展開して内部機構を露出させ、連動して胸から腹まで続く蛇腹状の前面装甲が上から畳まれていき、最終的に腰部で一纏めとなって腰部の装甲パーツへと変化。
その後、脚部の関節が恐竜のものから人型に適した直立状態に変更され、足首も回転して前後が入れ替わり、小さな前肢も後ろに回してスペースを確保……そこへ太く長い尾が背部から分離して2つに割れ、前肢があった左右のスペースへと移動すると尾の先が畳まれて掌を展開させ、両方の肩と腕を形成する。
『とうっ!!』
全力疾走による接近からジャンプしたドランも赤い宝石を中央に戴く合体形態へと変形し、展開されたゴルゴンの胸部辺りのスペースに収まると、ゴルゴンの顎が展開されて首パーツの展開で空いた部分と併せてロボットの顔へと変形……
『黄金合体、ゴルドラァァァンッ!!』
そうして現れたのは、全身を黄金に輝かせる巨大人型ロボット……レジェンドラの勇者、ゴルドランであった。
《こ、これが……ゴルドラン……だが、キャノンガーを舐めるなよッ!!》
一時的に戦意を欠いたワルターだったが、すぐさま持ち直し機体を操作。キャノンガーの全火器を展開させ、一斉発射を再開させる。
ダメ押しとばかりに背部の大型ミサイル弾頭も撃ち放ち、ゴルドランへ直撃……大爆発により爆風がタクヤ達の身体も揺さぶった。
「「「ああっ?!」」」
爆煙で何も見えなくなったが、その轟音と爆風で何もかもが吹き飛んだと感じてしまうタクヤ達。
ワルターも全火力を直撃させ、これは確実に勝ったと確信する……
《フッ、本当の主を崇めぬ報いだ! ……なにッ?!》
……だが、爆煙が晴れていくその向こうから現れたのは、ほぼ無傷で佇むゴルドランの姿であった。
『……お主の攻撃はそれまでか?』
“今、何かしたのか?”の様な涼しい様子でそう問うゴルドラン……ワルターは動揺して答えを返せなかった為、ゴルドランは“沈黙は是”だと解釈し、反撃に出る。
『ならば今度は此方から征くぞ!!』
ひと睨みから左腰の刀を一度親指で弾き、そのまま右手で抜き放つ。
『スーパー竜牙剣! 一刀両断斬りぃッ!!』
鈍い銀色に光る刃の刀を中段で構え、一足の踏み込みからスラスター全開で猛突進……最高速に達したゴルドランの全身は刀身から溢れる雷撃のエネルギーを纏い、キャノンガーを至近距離に捉えると同時にすれ違いざまで袈裟斬り……
この一撃で装甲はおろか内部機構すらも全て両断され、キャノンガーは切断面から上がずり落ち、大爆発……辛うじて脱出用の小型メカが爆発から逃れていく。
「おのれゴルドランめ! 覚えていろよッ!!」
這々の体で脱出したワルターを敢えて見逃しつつ、ゴルドランは残心から刀を鞘に戻し、戦闘は終了したのだった──
(いやぁ〜、やっぱ初登場回は何度見ても良いよねぇ〜)
この一連の様子を中空から見て、そんな事を思っていたシオンだったが、その映像(?)が乱れ始めた事で唐突な次への変化を感じ身構える。
……だが次に起こったのは、予想外のものだった。
《再生データの破損を確認、記憶情報の相互補完に異常発生……エラー、エラー、エラー、エラー……》
『な、何……? どういう事……?』
何処からか響いてくる謎の合成音声……これまで問題なく観れていたかつての勇者達の記録映像が乱れ始め、映し出されていたゴルドランの世界までもが消えてしまう。
《情報素子に異物混入、記録情報の強制上書きを確認……破損情報を再結合、失敗……バックアップによる破損データ復帰……想定外の妨害により失敗……》
(何かが、勇者達の記録を……地球の記憶を書き換えようとしている……?)
聞こえてきた単語から推察すると、正常に再生されていた記録の情報に異物が混入し、想定外のエラーが発生……破損を修復しようとデータの再構築が始まったが、何故か失敗。ロールバックによる修復も妨害され、何者かが意図的に手を加えているのは確実だ……しかし、シオン自身もこの状況を完全には把握していないため、手を出しあぐねていた。
(この状況、一体何が起こってるの? 何をどうすれば……)
しかし、乱れた映像空間をそのままにシオンの意識は再び飛ばされる……
謎の妨害すらそのままで、次は何が起こるのだろうか……?
唐突な妨害……何かが起きている。
と言うかもう始まってる。
次は何が起きるのか……?!
次回をお楽しみに♪