狂わなかった「Z」の力 ~勇者王ガオガイガーif   作:睦月透火

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お待たせしました……最近、構成が難産なんです。

絶体絶命のその時、シオンを救ったのは
あの“エクスカイザー”だった……!!



閑話:星の記憶、ヒトの記憶(6)

 この瞬間、シオンの頭の中は疑問で埋め尽くされていた。

 

 何故、自分は記憶の中で殺されようとしていたのか……

 

 この“星の記憶”とは何なのか……

 

 そして何故、“彼”がココに居るのか……

 

(ど、どうなってるの……? 何でエクスカイザー(あなた)が……)

 

 そもそもシオンは一時的に地球の事をリュシオに任せ、木星にある“ザ・パワー”の根本的対策を練る為に自身の記憶を精査していた筈だった……それなのに……

 

『キミは“宇宙の悪意”……あらゆる世界で“討たれるべき悪”とされる脅威達から目を付けられている。それを警告された我々は「多次元世界の管理者」に協力を仰ぎ、現在、“星の記憶(ノヴァメモリー)”と繋がっている君の精神体に語りかけている』

 

 エクスカイザーは疑問で一杯のシオンの表情を読んだのか、自分がココに居る経緯を説明してくれた。

 

 その中で、気になる事が一つ……シオンの精神は“星の記憶”と繋がっており、それが理由で敵から狙われているらしい……

 

『ど、どういう事なんですか……? 星の記憶って……宇宙の悪意? 何が何だか……』

 

『“星の記憶”とは、存在している全ての世界を記録しているもの……地球の物語では、“アカシックレコード”とも呼ばれているね』

 

 “アカシックレコード”……「あらゆる次元における全ての事象が記録された何か」とされ、そこに記録された情報そのものは“存在”自体に深く影響するとも言われている。

 

『アカシックレコード……?! それが何で私と……』

 

『詳細は私にも分からないが……キミの無意識下にはアカシックレコードへのアクセスを許される「鍵」が埋め込まれている……と、管理者は言っていた』

 

 アカシックレコードの鍵……つまり今のシオンは、アカシックレコードにアクセスする権限を持っているという事だ。もし、アカシックレコードが噂通りの代物ならば、その存在を知る者達にとって、今のシオンは絶好の獲物である。

 

『彼らからは、アカシックレコードに悪意を持ってアクセスすれば、世界は崩壊の道を辿る……そう聞かされている。つまり敵はキミと鍵の存在を知り、自らの目的を果たす為にキミを利用しているんだ……今、この時も……』

 

 エクスカイザーは心苦しさを滲ませながらも、自身の知る限りの情報をシオンに明かした……その結果、彼女が再び心を痛めるかもしれないと知りながら。

 

 しかし……

 

『……何となく、悪い予感はしてた……こういうのって、当たって欲しくない程当たるんだね……』

 

 シオンも薄々感づいてはいた……思い返せば、敵はシオンらとGGGが共闘している時も、アーマロイド達が単独で動いていても、極力最低限の接触しかして来ず、恐らく戦闘も本気を出していない。

 よくよく考えれば、最強7原種との決戦時やリラ奪還作戦の時も……介入する隙は十分にあったのに、特に何もして来なかったのだ。

 

 GGGの壊滅……地球文明の機界昇華を企むゾンダーと組しながら表立っての介入は無く、場合によっては遊んでいるかの様に原種等の作戦行動に介入し、場を掻き乱す……そんな奴らの意図など、はっきり言って全く読めなかった。

 

『……敵の目的が、私の中にある“アカシックレコードの鍵”だとすると、敵は私を誘導してアカシックレコードにアクセスさせ、自分達に有利な場を整えようとしていた……?』

 

 そう仮定すれば、これまでの不可解な行動も、積極性に乏しい活動の理由にもなる……そもそも敵はゾンダーの行動には積極的に介入しておらず、GGGの活動自体はほぼ黙認していたし。

 

 世界を破滅させるなら、徹底的にGGGを邪魔して破壊をゾンダーに任せれば簡単なハズ……なのにそれをやらない理由。

 

『この世界は、本来ならほぼ独力で“ゾンダー”を撃退できる……そこに“私”が入った所為で歴史が狂った。最初はその修正として生えたのかと思ってたけど……』

 

『そうではなかった……キミも識っている通り、ガイスター然り、ゾンダー然り、地球を狙う“悪”はその世界に一つは存在している……この世界には、地球を狙う勢力がまだ幾かもあるし、まだ活動を見せていない者達も居るようだがね』

 

(……エクスカイザーの言う他勢力……多分それはソール11遊星主も含まれる。奴らの活動時期はまだ先だし、それは分かる。でも、複数……? この世界でゾンダーと遊星主以外に、地球を狙う勢力って……)

 

『この世界は極めて(いびつ)だが、奇跡の様なバランスで保たれている。それは管理者達の尽力あってこそ……しかし、それだけでは説明が付かない事があるのも事実だ』

 

『私の想定外の勢力が存在する……って事?』

 

『……その可能性は高いだろうね……』

 

 シオンの頭では、既に遊星主までの情報はある程度解析出来ている。だが、遊星主との決戦はもう少し先の事であるし、ゾンダーの完全撃退を済ませるには、まだ足りないピースも残っていた。

 

(今の時点で一番厄介なのはゾヌーダだ……早いことアレを何とかしないと……)

 

 実をいうとシオンは既に、最先端技術をフル活用した自身の外科手術で、ゾヌーダの発生元である卯都木命の脳組織に擬態した『機界新種』の種子を何とかしようとした……のだが、全て失敗に終わっている。

 

 新種の発見こそ出来ても、ヤツを取り出す事は実質的に不可能だったのである……

 

(……雌伏の状態とはいえ、まさかあんな手を使ってくるだなんて)

 

 簡単に言えば、機界新種の種子は彼女の脳に取り付いたまま文字通りの“地雷”と化しており、下手に触れば彼女の生命活動に深刻な影響を来す……有り体に言えば、彼女の脳組織を道連れにしてしまう恐れがあったからだ。

 

(アレに下手に手を出せば、命さんは良くても植物人間……最悪死ぬ事が目に見えている)

 

 自身の能力向上も相まって常に学び続け、人間という枠で言えばほぼ完全無欠に近いシオンであっても、機界新種のこの生存戦略には手も足も出なかった……実質、彼女の生殺与奪権を盾にされているのだから──

 

『悔しいわ……手は届くのに打てる手が無いなんて……』

 

『その気持ちは私にも分かる。……私にも、取り零してしまったものは少なくない……』

 

 雰囲気的に遠い目をするエクスカイザー……シオンも感覚的にそれを察し、黙り続けた。だが突然、シオンは頭痛に苛まれる。

 

『う……ぅ゙ぐ……っ?!』

 

『これは……君の世界に何か、危機が迫っているのではないか?』

 

 シオンはエクスカイザーの言葉に現実の状況を察する……直近の出来事といえば、木星圏からボロボロのジェイキャリアーが帰還した事がリュシオから伝わっていた。

 

 ならば次に起こるのは、ゾンダーの親玉……原種の主、Zマスターの参戦だ。

 

『……行かなきゃ……!』

 

『しかし……今の君は敵に狙われて……』

 

『でも、行かなきゃGGGは壊滅する! 想定よりも悪化した今の状況じゃ、たとえ眷属(あの子)達が居ても……!』

 

 シオンの頭の中では、ほぼ今の状況が正確に推察出来ていた。このままでは眷属達が居ても勝てない……今の眷属達の戦闘能力でも、Zマスターには及ばない可能性が高いからだ。

 

(もう既に原作よりも酷い状況になってる……これまでは何とか対処出来たけど、今打てる手は底をついてるし)

 

『………………』

 

 エクスカイザーもシオンの深刻な表情を察してか、強く止める事は出来なかった……

 

『……ならばせめて、我々に出来る何かがあれば、必ず力になろう。忘れないでくれ』

 

 エクスカイザーはせめて、()()()()()()()()()()()()()()()()と約束をしてくれた。

 

『ありがとうございます……その時があれば、必ず……!』

 

 その言葉と共に、シオンは意識を現実世界に浮上させる……

 

 この世界の騒乱は、当初の想像よりも凄まじい広がりを見せている。まさかの多次元世界に及ぶものだとは、シオンやエクスカイザー達……そして管理者すらも想定外の事であった。

 

 果たして、この騒乱はちゃんと収まるのだろうか……?

 

──────────

 

 現実世界……此方では、ついに完全復活を果たしたZマスターの猛攻に、GGGとシオンの眷属達は苦戦を強いられていた。

 

『ブロウクンマグナムッ!!』

 

「無駄な事を」

 

 現時点ですでに原作版ガオファイガーを上回る性能となったスターガオガイガーのブロウクンマグナムを、棒立ち状態で受け止め無傷……

 

『唸れ疾風、轟け雷光! 双頭龍(シャントウロン)ッ!!』

 

「……効かぬ」

 

 同じく高性能化を果たしている撃龍神の双頭龍も、指先一つで消し飛ばし……

 

『超絶・分身殺法ッ!!』

 

「後方721と379、上方42、114……後は正面か」

 

『何っ!? グアァァァッ?!』

 

 ビッグバンボルフォッグの超高速かつ多方向からの乱舞も、耳からのミサイルで迎撃……

 

「敵は高出力のゾンダーバリアを軸に、木星から吸い上げたエネルギーで多重バリアを張っておる!」

 

「ブロウクンマグナムや双頭龍すらも効かないのはその所為か……!?」

 

《ならば、我々がその殻を破りましょう!!》

 

 シオンの眷属……アーマロイド達もそれぞれ最大火力を叩き付ける。

 

『時空間歪曲率、臨界点突破……事象の地平に消え去りなさい!』

 

『何かする暇など与えん! 全弾持っていけ!!』

 

『お姉さん今回はマジ本気モードよ……!!』

 

『私の全力全開です……! ファイナル・シュートッ!!』

 

『届け!! 雲曜の速さまで……ッ!!』

 

『リミット解除……コード:麒麟ッ!!』

 

『リミット解除、フルチャージ・シュートぉッ!!』

 

『さよならですの……アナタの身体と……魂に……!』

 

『スゥパァァァ! イナズマァァァ! キィィィィィィックッ!!』

 

 多方向から来る怒涛の攻撃をまるで歯牙にもかけず、Zマスターは身じろぎ一つでアーマロイド全員を吹き飛ばし、更に大ダメージを与える。

 

『……まさか、ここまでとは……!?』

 

「なんてことだ……これ程の差があるなんて……?!」

 

 致命傷を紙一重で避けては居たが、満足に動く事も出来ないキングジェイダー……Jと幾巳は想定以上の相手に、戦慄を抱かずには居られなかった。




次回予告


ついに完全復活を果たしたZマスター!
我々GGGやアーマロイド達の攻撃すらも歯牙にもかけず
地球を機械昇華するべく行動に出る。

差し迫る地球のピンチのその時……
リュシオの頭に響く少女の声……
そして麗雄も、逆転の目を掴むべく奔走する!

果たして、GGGに逆転のチャンスは訪れるのか?!



次回、勇者王ガオガイガーif NEXT...
第109話『運命の時』

次回もこの小説で、ファイナルフュージョン承認!!

コレが(次回の)勝利の鍵だ!!

  • 完全に目覚めともう一人のZマスター
  • 原作通りの“例の展開”(人の心案件)
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