狂わなかった「Z」の力 ~勇者王ガオガイガーif 作:睦月透火
だが忘れてはいけない……
その絶望を断ち切るのが「勇者」なのだということを。
《……何と言う事だ……!!》
勇者たちのあらゆる攻撃を歯牙にも掛けず、アーマロイド達すら赤子の様にあしらう異常な強さを見せたZマスター……
「お前たち地球人類が如何に足掻こうとも、機械昇華の運命は変わらぬ。無駄な抵抗を止め、自らの運命を受け入れよ」
その言葉はまさに最後通告の様であった……だが、GGGは決して諦めない。
『冗談キツイぜ、全く効いてないってか?』
『とんでもねぇ奴だ……が、それで俺達が止まる事も無いがな』
『そうだ。我々GGGは、人類の危機に立ち向かう事が使命……奴に勝てなければ人類が終わる。それは何としても阻止しなければならない!』
『そうです! 人々を、地球を守る事こそ私達の使命!』
『Yeah! GGGは諦めないんだッZE!!』
「頼もしいな、お前らのAIはやっぱり最高だぜ!!」
ゴルディ、撃龍神、超竜神、ビッグバンボルフォッグ、マイク……口々に仲間を、そして己を鼓舞する様に激を飛ばす。
凱はそんな彼等の想いを、再び「最高だぜ!」と評した。
そう、彼らは決して諦めない……
そしてその想いは確実に伝播していた。
『決して諦めない……だからこそ彼らは頼もしい』
『ええ、だからこそ我々も胸を張れる』
『あの子達見てたら、お姉さんもマジ本気出さなきゃって思えるわ』
『お前もこういう時はマトモなんだな』
『ぶー、ダーリン辛辣〜』
『地球の未来は、彼ら人類の手で守られる……私達はそのお手伝いをする。あんなのに邪魔なんてさせない!!』
『奴は人類を見縊っている、そして俺達の事など眼中にない……コレがな。それならば奴に見せつけてやるさ……人類の、そして俺達の底力をな!』
『人類の未来……それを切り拓く為、ココが正念場よ?』
『ハイッ、お姉さま!』
『皆、征くぞ……死地を乗り越え、明日を築く為に!!』
アーマロイド達もそれぞれ、己の使命と覚悟を胸に駆け出す。
「愚かなり……」
その光景にZマスターは落胆したかの様に吐き捨てた。かつての同胞……それも己の親の様な存在から生み出された、縁戚と呼べなくもない
しかし袂を分かたれた以上、眷属に容赦の文字は無い……
それを悲しんだのか、それとも
《総員、奮起せよ! これよりGGGは最終作戦を開始する!!》
大河は通信でこの場にいる隊員全員に檄を飛ばした。この戦いに勝たなければ、地球は機界昇華されてしまう。それだけは絶対に阻止する……それこそが今のGGGの目的。
ギャレオンを発見してから、GGGはゾンダーの駆逐を最大の目的として動いていた。緑の星から齎された数々の超技術と警告……それを正しく理解し、明日を掴む為に生き足掻く。
「行くぞぉぉぉッ!!」
スターガオガイガーを先頭に、超竜神、撃龍神、ビッグバンボルフォッグ、マイク、ゴルディマーグらGGGの面々が正面。
左翼から攻めるのは牡牛座・山羊座と、牡羊座・水瓶座のダブルコンビ。
右翼からは射手座、蟹座、双子座、蠍座の大型チーム。
残る天秤座と獅子座、乙女座は後方からGGG機動部隊を支援しつつZマスターの頭部へと回り込む様に移動していく。
その時、GGG艦隊の方から一機の小型艇が飛来してきた。
《奴はあの頭部の髪から“ザ・パワー”を吸収しておる可能性が高い。あのエネルギーの流れを正確に把握すれば、奴の弱体化も可能かもしれん! 解析が済むまで、この小型艇を援護してくれぃ!》
通信の主はなんと獅子王麗雄博士……小型艇には多数の高感度センサー類が積まれており、それを用いてZマスターが吸収し続けている“ザ・パワー”を解析し、反撃の糸口を掴もうとしていたのである。
《博士?! 無茶は止めて下さい!!》
事態に気付き、大河は麗雄を制止すべく叫ぶが既に小型艇は戦域の只中を飛行中であるし、追加の小型艇や艦隊を向ける事も出来ない……
《すまん! 誰か小型艇を援護してくれ!!》
『ッ?! さすがに無謀が過ぎますよ博士?!』
即応してくれたのは回り込もうとしていた乙女座のリュシオ……アストライザーの翼に仕込まれたシールドビットを展開し、麗雄の乗る小型艇にシールドを張らせる。
《Zマスターより大規模エネルギー反応! 推定目標は……スサノオです!!》
『くッ……?!』
Zマスターから放たれる高出力のビームを、射手座のクーゲルザウターは自身のマント「ナノラミネートリフレクター」で反射しようと射線に躍り出る。しかし予想を大幅に上回るエネルギー量に押され後退……
結果的にGGG艦隊への被害は免れたものの、ナノラミネートリフレクターが破損したためしばらく使えなくなり、クーゲル自身も一部の装甲が融解寸前。推進器にもダメージが入っていた。
『あの攻撃……エネルギー量がハンパないです。次来たら受け切れるか……』
『自己修復が済むまでは無理せず後退を。残る我々で次を撃たせないよう撹乱しますよ!』
蠍座、グラヴィスコルードはクーゲルに無理せず後退を指示し、残る眷属の面子にも采配を下す。眷属としてのリーダーは乙女座だが、戦闘指揮そのものは頭の切れる蠍座が担っている。
『牡牛座と山羊座は乙女座の支援を、双子座・蟹座は此方に。時間差で仕掛けます!』
グラヴィスと共に双子座「ジェミナスター」と蟹座「ダイキャンサー」が移動を開始。
『重力崩壊臨界点、突破……コレでお終いにします!』
『一刀、両断ッ!!』
『コレだけ大きければ、的も外しません!!』
ダイキャンサーが神速の踏み込みから続け様に縦横十文字斬り、続けてグラヴィスから放たれた超重極の黒塊が襲い、ジェミナスターの両手指から無数のミサイルの嵐。
「……愚かなり」
下手しなくとも当たれば必滅免れぬ怒涛の連撃、しかしZマスターは無防備にも全てを受けながらも涼しい顔のまま……
『そんなっ?!』
『最大の一手でも駄目ですか……』
『もはや化け物の類よな……』
やはり、自身らの攻撃ではもう打つ手が無い事を明確にされ、アーマロイド達の士気が下がる……しかし。
『ブロウクンッ、ファントムッ!!』
「ぬぅ……ッ?!」
スターガオガイガーの右腕がZマスターに直撃し、あれほど強固だったゾンダーバリアを貫通……Zマスターの左頬を捉え体勢すら揺るがせた。
「たとえ彼らの支援が無くとも、俺達はお前には屈しない!!」
戻って来た右腕を再接続しながら、凱は機体のコクピットで叫ぶ。
「俺達はGGG! 人類を、地球を守るのが俺達の使命だ!」
「だが貴様達が如何に足掻こうとも、運命は変わらぬ……変えられぬ」
『そんな運命、誰も望んじゃいない!! 俺達は、自らの手で未来を決める! 誰しもその権利がある!! お前に決められる筋合いなど無いッ!!』
Zマスターの左腕の付き込みを、プロテクトウォールで防御するスターガオガイガー。腕部内蔵のリング生成機構から生じる二重螺旋のリングが、Gストーンのエネルギーを無限増幅し、発生させたバリアを更に強固なモノに変えていく……
「やはりその力、緑の力は消去すべき……!」
『やれるものならやってみろ!! 俺達はお前なんかに負けはしないッ!! ブロウクンファントムッ!!』
防御の陰でもう一つのファントムリングを生成、隠し玉としてカウンター気味に放たれた剛腕がZマスターの腕を躱し、今一度Zマスターの頬に直撃する。
「?! ……まだ無駄に抗うか。如何に緑の星の力を振るおうと、眼前の絶望は払えぬと言うに……」
『そんなことはない! 俺達が今こうして戦っていられる事そのものが、お前の言葉が間違っている証拠だ!!』
「………………」
『本当に無謀なら、何故お前は俺達に攻撃している?! 俺達を無視して地球に攻め込んでしまえばいい筈だ……だがお前は俺達を優先した。それはお前が1番、
確かに、Zマスターは単体で銀河系一つ機界昇華するなど容易く、ましてや星一つなど片手間にこなせる筈である。
だが今こうしてGGGと戦っているZマスターは、今のところ地球へ何も仕掛けていない……
それは原作とも違う流れであり、何より凱の今の言葉を裏付ける事実であった。
「………………」
艦隊への攻撃は緩んでいないが、凱の指摘を聞いてから明らかにその精度が落ちた。
『……攻勢が……緩んだ……?』
《今だ! 今のうちに小型艇を……!》
誰かの呟きに気付いた大河は小型艇の救助指示を飛ばす。奇しくも小型艇は緩んだ攻勢の隙間を縫う様に飛び続けていたが、皆が気付いたタイミングで左翼に被弾、バランスを崩し航路が不安定になる。
「ッ?! 父さん!!」
「えぇいっ! 舵が効かん……!?」
凱は小型艇のピンチに声を上げる。麗雄は必死に操縦桿を操作し、戦域から離脱しようと航路を辿るが、被弾箇所が悪く機体が安定しない。
しかし、運良く小型艇は戦域から徐々に離れていく軌道に乗っていた……
《超竜神! 小型艇を回収して一度帰投し……》
スターガオガイガーはGGG戦力の中核である為、そのサポートに付いていた超竜神へ大河から小型艇回収の指示が飛ぶ。
……が、しかし……
「……おやおや、その流れは駄目ですよ?」
虚空に浮かび、それまで戦況を遠くから見続けていた白フード……徐ろに眼前へ空間の穴を作り、自身の尾を突き込む。
その尾先が向かったのは……
《小型艇の直近に空間の歪みを観測!!》
報告と同時に小型艇の周囲にESウィンドウが発生、無骨な機械が顔を覗かせ始める。
『新手か……!?』
『イカン、小型艇が……?!』
『クソッ、間に合わん……!!』
超竜神はSPパックのスラスター全開で急ぐ、だがESウィンドウは予想以上に早く開ききり、出現した長い機械の尾に接触して小型艇が損傷してしまう。
「えぇい、左の推進器が……?!」
危機を避けるために吹かしていたスラスターと接触した衝撃で安定軌道から離れ、小型艇は木星への落下軌道へと入ってしまう。
無論、超竜神はすぐさま後を追うが、宇宙で相対距離を縮めるにはかなりのエネルギーと時間を要するため、思うように距離が縮まらない。その上ココは高重力である木星の軌道上……地球と違い一度、重力に捕まってしまえば脱出は非常に困難だ。
『父さんッ!?』
超竜神から一拍遅れてスターガオガイガーもフルブーストで麗雄の乗る小型艇を追い始めた。スターガオガイガーは宇宙用ブースターパックの
「凱……!?」
「あと少し……ぐあッ!?」
スターガオガイガーの手が小型艇を包み込もうとした瞬間……
散発的になっていたZマスターの乱射が再び苛烈に戻り、スターガオガイガーの背部に命中。
スターガオガイガーはバランスを失い小型艇への接近軌道から逸れてしまった。
『しまった……父さんッ!?』
凱の叫びと同時にZマスターの攻撃頻度が更に上がり、小型艇は二度、三度と被弾……撃破はされてないがバランスを回復できず、木星への落下軌道上で更に減速してしまう。
《小型艇、木星への落下軌道! あと数十秒で……っ》
Zマスターからのダメージを無視して凱は機体を加速させ、諦めず父の小型艇を追う。
麗雄も息子の行動を信じ、自らも助かるべく必死に小型艇の操縦桿を操作する……
……だが、その行動は実を結ばす、小型艇は木星の高重力に揉まれて致命的なダメージを負い、燃料タンクが崩壊……収められた燃料が爆発し、コレが決定打となって木星の重力から脱出不能となってしまう。
『ッ!? ……父さぁぁぁん!!!』
無情にも木霊する凱の叫び……その隙が祟りスターガオガイガーもエンジン部に被弾。父の後を追うように木星へと落下し始めるのだった──
……はい、例の展開です。
こんなに時間が掛かったのは幾つか理由がありまして……
一つはリアル事情。
仕事の件もありますが、いちばん大きな理由は木星圏というか宇宙という環境を実感する(セールだったし)為に始めたゲームがクッソ面白くて止められなかった訳で……
(;^ω^)
気が付いたらひと月ほど放置状態に……
……誠に申し訳ありませんでしたぁッ!(土下座)
君達に、最新情報を公開しよう!
木星へと落下した凱……
仲間たちへも動揺が広がるが
Zマスターの猛攻は止まらない!
状況は最悪、絶体絶命となったその時、
《何か》が木星から浮上して来たのだった。
次回、勇者王ガオガイガーif NEXT...
第110話『座より外れしもの』
次回もこの小説で、ファイナルフュージョン承認!!
コレが(次回の)勝利の鍵だ!!
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タイトル言及の存在
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凱の心の強さ