狂わなかった「Z」の力 ~勇者王ガオガイガーif 作:睦月透火
唐突に明かされた、アーマロイド達の秘密。
それは“己の時間”……
即ち「寿命」を削って力を得ている、と。
激戦すらも支配する沈黙……
しかし、大敵「Zマスター」は止まらない。
「滅びの定めにまだ抗うか……」
超重力波、ピアスミサイル、毛髪ワイヤー、その他様々な攻撃をバラ撒き、【蛇遣い座】アビストレイデス(以降、アビスと記載)を追い立てるZマスター。
アビスも身を翻しつつ、鱗型子機「アビストリビュート」を無数に展開。迎撃すると共に一部の攻撃を掻い潜らせてZマスター本体を狙う。
ギィィィ……!!
首をもたげながら恐ろしいレベルのエネルギーを口腔内に収束させ、指向性の超振動波を放射する。
“それ”はZマスターの左腕を肘から吹き飛ばし、木星と火星の間にある小惑星帯を一直線に斬り裂き、巻き込まれた小惑星は全て秒も経たず砕け散っていく。
「何と馬鹿げた威力だ……!?」
「あの攻撃の正体は、物体の物理限界を超えるレベルの極超短波……恐らく強力なマイクロ波と電磁波でしょう。強い指向性がある様で此方に被害はありませんが……恐らく当たればAIシステムは完全に再起不能レベル、生身も風船のように一瞬で破裂する程の凄まじいものです」
Zマスターの
どちらも直撃すれば絶対必滅という超高威力が嵐の如く乱れ撃たれるが、Zマスターは“ザ・パワー”由来の再生力で無傷……アビスは装甲内のフィジカルリアクターが全てを無効化する為、お互い全く決定打とならない。
「忌々しい……物理法則すら捻じ曲げるか」
『シュアァァァ……!!』
ここで初めて、アビスがZマスターに対して威嚇を始める……本来蛇は臆病であり、敵対するよりも相手を攻撃して怯ませた隙に逃げるのだが、“ザ・パワー”由来かそれともアーマロイド故の防衛本能か……Zマスターに対して“次からは殺す”とでも言わんばかりに尾を振り回す。
「貴様たちがいくら足掻こうと、機界昇華の運命は変えられぬ」
『そんなことはない!!』
黄金と白銀の二重螺旋を纏う鉄拳が虚空を斬り裂き、都合4度目……Zマスターの頬を打ち付ける。
「……ぐ……っ……」
『俺達はまだ生きている! 本当に機界昇華が避けられない運命なら、既に俺達はこの場に居ないハズだ!! だが俺達は今、ココでお前と相対している! それが何よりの証拠だッ!!』
腕を戻すと同時にスターガオガイガーはアビスの頭から飛び上がり、ドリルニーでZマスターの再生した左腕へ飛び膝蹴り。そのまま右腕の迎撃も躱すと、超重力波をプロテクトウォールで耐え抜き、サマーソルトキックをZマスターの顎へと直撃させた。
『俺達は! 絶対に! 諦めないッ!!』
続けざまにブロウクンマグナム(殴り)の後、回転を利用しての2連蹴り、続けてアッパー……連続攻撃でZマスターが大きく怯んだ隙を見逃さず、凱はその場で「ヘルアンドヘブン」を構えた。
「ぐ……っ、おのれ……!」
『ゲム・ギル・ガン・ゴー・グフォ……ふんッ!!』
体勢を整え直し、右腕を突き出すZマスター、だがスターガオガイガーの方が早く両手を組み構え、咆哮を上げると共に突撃を開始した。
『ハァァァッ!!!』
Gストーンから放たれる強烈なエネルギー放射で一時的に全ての行動を止められたZマスター……スターガオガイガーはその胸の中心へと突撃。張り巡らせた強力なゾンダーバリアも砕け散り、Zマスターは直撃を受けた。
「ぬぅうぅぅぅ……?!」
『オォオォォォッ!!』
しかし、今一つ……今一歩、Zマスターの体内までは踏み込めず、対消滅の余波とエネルギー放射に耐え切れなかったスターガオガイガーの両腕の方が先に自壊してしまう。
『な……っ?!』
「忌々しき緑の力よ……今こそ、滅びるが良い!」
反撃とばかりに放たれた強力なゾンダーエネルギーの放出……絶体絶命かと思われたその時だった。
アビスの瞳が紅から金へと変わり、口腔内にエネルギーを再び収束……大出力の荷電粒子ビームがスターガオガイガーへと迫るゾンダーエネルギーを遮り、今度はZマスターの右腕を吹き飛ばした。
『……っ?!』
「おのれ……またしても……!」
再び感情的に振る舞い始めたZマスターは、黄金の瞳へと変わったアビスを忌々しく睨みつける。
だが次にアビスから放たれたのは、皆もよく聞き覚えのある声だった。
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《……そんな訪問販売なんて誰も頼んでないし、ましてや押し売りなんて迷惑なだけよ! お引き取り願うわ!!》
舌をチロチロとさせながら鎌首をもたげ、緩やかに虚空へと身を漂わせる大蛇……それまで真紅だった瞳は光り輝く黄金へと変化し、全身の隙間から漏れ出す光も「真紅」から「青紫」へ変色していく……
そして何より、全員の頭の中に響く……皆もよく知る少女の声が、状況の好転を確信させた。
「この……声、シオンちゃん……?!」
「間違いない、稀星くんか……!」
「全く……美味しい所を持っていきやがったな!」
命、大河、火麻と次々に気付いた者達が声を上げ……
『稀星先生!?』
『稀星隊員の声が……あの大蛇から……!』
『なんて奴だよ、スゲェな……』
『Alright! コレで全員集合だッZE!!』
『……遅かったじゃないか、シオン!』
凱や勇者ロボ軍団もシオンの声に沸き立ち……
『……我等が主のお出ましです。皆、覚悟は良いですね?』
『元より承知の上よ』
『お母さま……いえ、地球全生命の願いを……今こそ……!!』
『あぁ、今がオールインだな……!』
『派手に行っちゃいましょ〜か!』
『お待ちしておりました、我等が主!』
アーマロイド達も歓喜に震え……
『シオン……!!』
《ありがとうリュシオ、ここまで耐え抜いてくれて》
『ううん、私一人じゃ無理だった……』
《……GGGや、皆のお陰なのね》
『……うん』
あの時以来、久方ぶりに面と向かって話すシオンとリュシオ……その内面や性分は真逆となったが、2人の関係性は全く変わっていない。
《……なら、ここからが正念場よ。Zマスターを……此処で完全に倒す!!》
『……はいっ!!』
乙女座を中心にアーマロイド達は布陣を再編成。その後方に大蛇も揃い、GGG艦隊を守る様に陣取る。
『私達が全力でZマスターを抑えます。凱さん達はその隙に木星表面からZマスターの内部へ!』
リュシオは振り向き、艦隊の防御陣形を敷きつつスターガオガイガーへ作戦内容を打ち明けた。
『どういう事だシオン?』
突然の事で凱は困惑するが、リュシオの意図を今度はシオンが説明する。
《このまま外から攻撃を続けても、お互いにエネルギーを消耗するだけ……でもZマスターが木星から“ザ・パワー”を吸収し続けている以上、私達の方が確実に不利です!》
シオンは説明とともに、麗雄が戦闘中にかき集めてくれていたデータを雷牙へ送信。さすが天才兄弟は一目見てその事実を読み取り、確信した。
「うむ、送られて来たデータを見て確定したぞぃ。Zマスターは木星から高密度のエネルギーを絶えず吸収し続けている!」
メインオーダールームの巨大モニターへ、雷牙は理解すると同時にデータを要約。概略図として示し、全員もそれで理解を示した。
「なるほど、だから内部へ侵入して本体……原種のコアを直接叩こうと言う訳か!」
「Zマスターのエネルギー摂取地点は……この座標です!!」
「これよりGGG艦隊は指定座標へ移動! Zマスター内部へ侵入し、原種本体のコアを直接叩く!!」
猿頭寺の解析でZマスターのエネルギー流入経路が割り出され、指定座標へ向けてGGG艦隊は移動を開始。アーマロイド達が防衛線を張り、シオンの操るアビスが再びZマスターと組み合う。
《私達は存在の逆利用の可能性の為、一緒に内部へは突入出来ません……成功を祈っています!!》
斯くしてGGG艦隊を伴い、スターガオガイガーを先頭に勇者ロボ軍団はZマスター内部へと突入……その後方から、ようやく一応の損傷修復を済ませたジェイアークも、己が宿願を果たすべくGGGの後を追うように突入していった……
『……良かったのでしょうか。彼等だけを中へ突入させるのは……』
《……コレは元々、この世界の人達の問題だから。外の存在である私が行っても、却って危険になる可能性だってある》
『………………』
リュシオはGGG艦隊とジェイアークだけ……原作通りの作戦内容に憂いを感じていたが、シオンは自分達が負けの条件になる可能性も捨てきれない……と考えていた。
《それよりも、アイツに彼等の邪魔をさせないのが急務よ。それが中に突入した彼等の最大の援護になるわ!》
『……ええ、あと少し……よね?』
《そうよ……あと少し、あと少しで……?!》
その時、シオンは一瞬とはいえ、強烈な違和感に襲われた……だが本当に一瞬だけだったので気のせいだろうと考えた。
(……気の所為、よね……不安はあるけど……)
激化するZマスターとの攻防は、未だに続く──
まだまだ続く決戦……
この展開から原作通りに事が進み、GGG艦隊とジェイアークだけでZマスター内部へ突入。
恐らく分身体原種が当然のごとく迎撃してくるでしょうが、GGG艦隊はまだ誰も諦めていません。
果たしてこの戦いの行末は……?
次回もお楽しみに!!
君達に、最新情報を公開しよう!
ついにZマスター内部へ突入した
我らが勇者ロボ軍団。
しかし、待ち受けていたのは
31原種のコピー体たち……
だが、我らが勇者ロボ軍団を止められる者は居ない!
黄金の輝きを身に宿し、超竜神と撃龍神が
ビッグバンボルフォッグが、マイクが
そして、我らが勇者王が吼える!!
我々は世界の命運を賭けたこの戦いで
最強の奇跡を目撃する!!
次回、勇者王ガオガイガーif NEXT...
第114話『恐るべき“ザ・パワー”』
次回もこの小説で、ファイナルフュージョン承認!!
そういえば、何か忘れているような……
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命さんに寄生してる例の奴
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この事態を招いた張本人
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ハラハラしながら見てる管理者たち