狂わなかった「Z」の力 ~勇者王ガオガイガーif 作:睦月透火
ガオガイガーの世界を現実化してるみたいで何か……ね?
さて、今回は序盤の超重要なシナリオ……
原作でもゾンダー本来の目的が判明する回です。
ゴールデンウィークを利用し、私は今……故郷、九州を目指して新幹線に乗っている。
『稀星さん、ありがとうございます……引率役を引き受けて頂いて……』
『良いんですよ、知人の所に行くついでの観光ですし……目的地がすぐ近くでしたから』
申し訳なさそうな護くんのお父さんとの電話に、大丈夫だと返す私……原作と違ってGGGが認知された世界……護くんのご両親も、息子がGGGに特別待遇を受けている事は認識しており、私が所属している事も知っている。
もちろん、GGGの医務官である
ちなみに護くんのお父さんは、この世界では外部関連組織となっている『宇宙開発公団』の重役の1人……チーフプログラマー達を率いる開発部所長だ。
今回は多忙な彼に代わり、護くん達小学生ズを引率しながらの佐賀観光……護くん達は、明日行われる「佐賀インターナショナルバルーンフェスタ」を見に……私はその会場近くに住んでいる知人に会うのが目的だ。
護くん達が泊まるホテルと、私が予約していたホテルが同じで、護くんの友達の1人はフェスタ参加者……そして会場と私の目的地が近いという偶然が重なり、現在に至っている。
『あんまり騒ぐと怒られるから、電車内は静かにね?』
「「「「「はぁーい」」」」」
『みんな元気そうだね……それじゃあ稀星さん、2日間よろしくお願いします』
『はい、お任せください!』
とは言ったものの……内心私は気が気でなかった。
(佐賀のバルーンフェスタ……雲ゾンダーのシナリオ起きそう!)
そう、原作では東京の上空に現れ……数日間、東京とその周囲から太陽光を奪い続け、危うくゾンダー胞子の拡散直前で撃破に成功するという……
あのシナリオを彷彿とさせる様なシチュエーションだったから。
その人は母の知人で、私の兄代わりでもあり……闘病で渡米して以来、実に2年ぶりに会う事になる。
(やっと再会できるのに、ゾンダーに邪魔されるとか絶対に嫌だし!)
バスを降り、護くん達を引き連れながら……フェスタに参加する宿泊者も多い、会場近くにあるホテルへと歩いて向かう。
私はフェスタ前にある予約競争よりも前から確保していたし、護くん達は友達の成金小学生が親から確保して貰っていたらしい……奇しくも同じフロアで繋がれた近い部屋だった。
『……護くん、万が一ゾンダーが出たら……』
「分かってます、GGGに即コール……ですよね?」
頷きながら笑顔で護くんの頭を撫で、それぞれの部屋で荷物を解く……ここ最近は護くんの傍に居てもGパワーによる影響がほとんど無くなっていた。
それは同時に、私がゾンダーですらない者に変わりつつある……その証左でもある。
だけど、あの時……GGGの人達は、私が何者だろうと関係ない……
私が人間らしくあろうとする限り、彼らは私を仲間として扱うと約束してくれた。
『……我思う、故に我あり……よ、私は私……絶対に消えたりするもんですか……!』
荷物を解きつつ、私は何度も口に出し反芻する……絶対に、私は人間である事を諦めたりしない……
護くん達は長旅で疲れたのか……夕方までホテル内で過ごすと言うので、私は今日の内に彼に会おうと連絡を取り、フェスタ会場の最寄り駅で彼を待った。
「……ん? その髪型……また伸ばしたのか? 特徴的だからすぐに分かったぞ」
第一声が髪型の事……誉めたのか正直微妙な言い方で男が声を掛けてきた。
『……せっかく訪ねてきた女の子を誉めもしないなんて、そんな態度なのにモテるとか……相変わらずですね、一馬さん?』
彼だけには言葉を飾らずにぶつける……それが彼との約束だから……
私に声を掛けてきたのは、両胸部分と背中に刺繍で龍を描いたスカジャンに紺色のスラックス……厳つい顔と声だけど、男気と優しさ溢れる雰囲気を持つ男性。
彼が私の会いたかった人、「
ちなみに初対面の時……普通にヤ○ザかと思ったのは絶対に内緒である。
・
・
・
「だいたい2年ぶりか……元気そうだな」
ぶっきらぼうな言い方だけど、心から心配していたのは声色で分かる……渡米してから音信不通だったし、最新の医療施設だから携帯とかも持ち込み禁止だったからね。
「うん……戻って来たのは、半年ぐらい前だけどね」
「そうか……」
「それより、そっちは大丈夫なの? 感染症対策とか……お店、大変じゃない?」
「一番酷い時期は閉めてたよ……今は少し落ち着いてるし、店も感染対策を取ってる……公認申請も通ったしな」
彼は何かのお店のオーナーらしく、場所や内容は何一つ教えてくれないけど、世間の荒波に上手く乗れている様で、彼の表情は前とほぼ変わらず……ほんの少しだけ口角が上がる笑い方をしていた。
「そう言えば、お前……まだ一応学生なんだろ? 学校は大丈夫なのか?」
「少し前から、チョットした事が切っ掛けで……私、今GGGにお世話になってるの。
事情があって学校は無理だけど……獅子王麗雄博士の所で、助手見習いをやってるから」
「GGG……? あの獅子王博士の助手? お前がか?!」
ここ一番の驚きを見せる一馬さん……そりゃそうよね、ただの中学生だと思ってた知人が、世界的に有名な民生組織のお世話になり……しかも世界十大頭脳と名高い人物の助手見習いにもなっているとか……
「嘘みたいでしょ? でもちゃんと事実だから」
そう言って、ポケットから身分証を取り出し……ついでに襟元の
身分証には『GGG特別隊員・技術開発部主任補佐(見習い)官 稀星シオン』と刻まれており、私の対外的な存在と立ち位置を示している。
所属が技術開発部となっているのは、セキュリティ的に出入りを容易にする為と、万が一の情報漏洩対策……そして、非常時には現場でサポートをこなせる様に、という私の意志が反映された結果だ。
一頻り身分証とにらめっこをしていた一馬さん……まだ少し納得が行かない様子だけど、身分証を返してから話題を変えてきた。
「……東京はどうだ? 一人暮らし、大変じゃないか?」
「住んでる所は、アメリカでお世話になった代理通訳のスワンさん……ほら、片言話してた美人さんの所に居候させて貰ってるの……というか、あの人が私の料理食べたいからって少し強引に……」
「……そ、そうか……アイツなら一先ずは安心か……防犯に関しては……」
最後に小声で何か付け足した感がバリバリするけど……一馬さんとスワンさんには、例の空港テロ前後に連絡を取った時から面識があり、直接会ってもいるので心配されなかった。
……ただ、一馬さんはスワンさんに対し……変な心配が残っている様だけど……
・
・
・
その後も何気ない会話が続いたが、一馬さんの知人である『真島さん』が迎えに来た事で中断され……また会いに来ると約束をして
「……変わってなかったなぁ、昔はホントに凄かった……って春日さんや真島さんが言ってたけど……」
50代の後半に入り、一馬さんは強面というより……昔風の老齢有名人っぽい気がする。
老齢……と言うには、まだまだ若いかもしれないけど……
それからホテルで予約していたディナーを護くん達と済ませ、ベッドに入り早めに休む……
(明日はいよいよフェスタ……もしかしたら、ゾンダーが出るかもしれない……)
心構えはしておこう、と気合いを入れ……眠気が来るまでスマホを弄ろうと起動する……
『……おっ、ア○レンは年末も年明けもコラボあるじゃん、チェックしとかないと……えっ、○マ娘に新キャラ?! カネタン、イクノに……ターボ師匠ぉ?!』
プレイ中や配信間近なアプリゲームの続報に心踊らせ、逆に眠気も不安も吹き飛んでしまいましたw
翌日、天候は快晴! 雲はさほど無し! これなら憂いなく、フェスタを楽しめるッ!!
……と、一時間前はそう思ってました。
ですが、そうは問屋が卸さない様です……
「護くんより入電……ッ?! ゾンダー出現の報告ですっ! 場所は佐賀県のバルーンフェスタ会場上空!」
「何ッ?!」
「佐賀のバルーンフェスタ……って、シオンが護達の引率を引き受けて見に行く奴じゃないか!?」
「あっ……!?」
「イカン! まさか奴ら……護くんとシオンの存在に気付いて、先手を打って来たか?!」
「長官!」
「うむ! 三段飛行甲板空母、急速発進準備! 機動部隊は直ちに現場に急行せよ!」
やはり、原作通りに事は進行するようです……でも、時間軸や進行具合とか色々どんどんずれて行ってますね?
果たして、このズレが一体何を生み出す事になるのやら……
だいたいこの辺でアイキャッチ画像入るかな?
と言う所で区切りましょう……今後もこれくらいで良いかな?
さて、場所は違えども雲ゾンダーと目される反応は原作通りに出現……
ここまでは多分誰も覆せない状況。
ここからどう動くかが今後に大きく影響しますね……
さて、シオンの(対外的な)立ち位置については本文通り。
シオンには2つの身分証が渡されており、原作と違ってGGGが認知済みのこの世界では、外部から本部施設に入る時の(今回見せた)奴と、内部専用の『機動部隊補佐/医療特務官』と言う肩書きの奴があります。
最初はG-USBのホロモニターを展開して表示させるという……『仮面ライダーゼロワン』でも使われた近未来的シーンをやろうかとも思いましたが、さすがに含めるネタが違うだろうという事で。
感想お待ちしてま~す。