狂わなかった「Z」の力 ~勇者王ガオガイガーif   作:睦月透火

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ココは……あー、読まなくても良いかもしれません。
シオンちゃんのお気持ち表明とかなので。



第124話 語られない物語(5)

 その光は届いた──

 

 遠く、遠く……無限にも等しい時空の果ての、その先。

 

 幾つもの隔てを超えたその先へ──

 

「……っ……?!」

 

『今のは……!』

 

『あぁ、やはり……!』

 

・ ・ ・

 

 その光を見た者達はそれぞれの反応を口にしながら、迫る危機、そして求められている事を感知する。

 

『行こう!』

 

「あぁ、彼女が待ってる……!」

 

・ ・ ・

 

『我々に助けを求めているのか……ならば征かぬ訳には行かんな!』

 

「じゃあ、また皆で旅が出来るね!」

 

「トンデモナイ危険も待ってるケドな」

 

「そんなの今更だぜ! オイラ達なら乗り越えられる! だろ?」

 

「……だな」

 

「えへへっ」

 

・ ・ ・

 

『これでようやく“私”は、あの人に恩を返せる……』

 

「そうだな……彼女は“大したことないよ”って言いそうだけど」

 

「でも、僕らも少なからず、彼女には助けられたよね」

 

『その恩を返すという意味でも、この呼び掛けは我々にとって“渡りに船”……だろう?』

 

「……あぁ、出動しよう!」

 

・ ・ ・

 

 光と共に届いた想い──それを読み取り、受け取った者達は動き始めた。

 

 それは、あり得たかもしれない“可能性”……しかし、確かに育まれたであろう“奇跡”の未来。

 

 彼らは迷いなく選択した──

 

 “彼女”の窮地を救わんと、世界を危機から救わんとして。

 

──────────

 

 宇宙を全て覆い隠し、侵食し、無に帰そうとしている漆黒のエネルギー……

 

 その原点である銀河系中心付近へ、いち早くたどり着いたのはやはりジェイアークであった。

 

「な……なんなんだこれは……?!」

 

《前方ニ、ざ・ぱわート同質的ナえねるぎーヲ感知》

 

『攻撃……いえ、近づき過ぎれば侵食されます!』

 

「チッ、全速離脱!」

 

《了解……!》

 

 暗黒エネルギーに突っ込みそうになったジェイアークだったが、既のところで急速回頭からの離脱が間に合う。

 暗黒エネルギーはゆっくりとジェイアークを目標に広がり始めたが速度で敵うはずもなくあっという間ジェイアークは距離を取る。

 

「……ザ・パワーと同質的と言ったな」

 

《アノえねるぎーニ対スルじぇねれいてぃんぐ・あーまーノ耐久時間ハ約750秒、ソレ以上ハじゅえるじぇねれーたーガ持タナイ……》

 

 ジェイアークの持つ超絶防御の源、ジェネレイティングアーマーの最大出力であっても、12分半しか持たせられない程のエネルギーの奔流……しかもそのエネルギーへ直に触れれば侵食される。

 

「接触時間を超過したらジェネレーターがオーバーロードしてジェイアークは行動不能になる……くっ、遠距離からの攻撃で食い止められるか……?」

 

《……一時的デハアルガ、侵食現象ハ攻撃デ停滞サセル事ハ可能。ダガソレデハ解決ニマデハ至ラナイ》

 

 幾巳は攻撃による対抗を打診するが、それで解決にまでは至らないと解答するトモロ……Jもその解答に苦虫を噛み潰したような顔をするしかない。

 

「……だが、このまま黙っている訳にも行かん! フュゥゥゥジョンッ!!」

 

 しかしJは“戦士”として戦う為、座して待つ事などしない。

 

『ジェイバード、プラグ・アウトッ!』

 

 全てを失いながらも不死鳥のように蘇り、今や地球を第二の故郷とする仲間の為に彼は、仲間と共に生きる為戦う。

 

『メガッ、フュゥゥゥジョンッ!!』

 

 白亜の巨大戦艦はその求めに応じ、その船体を組み替え巨大な人型へと変じる。

 

『キングッ! ジェイッダァァァッ!!』

 

 全高100m級の巨大人型(ジャイアント)メカノイド……キングジェイダーは、再び暗黒の宇宙の片隅で戦いに身を投じる──

 

 ──しかしもう彼は孤独ではない。

 

『ピスケス、私たちも彼の援護を……!』

 

『ちっと気は乗らねぇが……ボヤボヤしてると地球までやられちまいそうだからな……! やってやるってばよ!!』

 

『ヤレヤレ、素直じゃないんだから……』

 

 リュシオと共に生き残った【魚座】のピスケガレオンと【乙女座】のアストライザーがキングジェイダーの両隣に現れ、4体は攻撃態勢を整えたのだった。

 

──────────

 

 ──そしてついに、全てに決着を付ける時が訪れる。

 

「……マズいわね。暗黒エネルギーは銀河中心ではなく、主に太陽系方面へと流れている……たぶん影響を受けているのよ」

 

『それは、何に……?』

 

「恐らく、大元たる“ザ・パワー”の漏れ出ている木星が原因よ……もし、あの星が暗黒エネルギーに侵食されたら、今の数千倍の速度……いえ、それ以上の速度で銀河系は侵される事になる。そうなったら……」

 

 ──そうなれば、逆転の芽も潰えてしまう。アトラスの言い淀んだその先を、シオンは直感した。

 もしそうなれば、完全に未来はない……全てを“無”に帰せられ、銀河も、歴史も、生命も、全てがなくなってしまう事を。

 

『……分かったわ……もうやるしかないのね』

 

「……えぇ、でも……」

 

 決意したシオンの表情を見るアトラス。再度の忠告をしようとしたが、その言葉は続けられなかった。

 

 シオンの顔は、“負け”る事を完全に考えてない……むしろ今までの鬱憤をようやく晴らせるかのような邪悪な()()()()()であった。

 

 アトラスの言葉が途切れたのは、何も悲しみや哀れみからではない……先の表情から読み取った意思を知って“絶句”したのだ。

 

『……アトラス、情報提供ありがとう。お陰で算段も付いたわ』

 

「……え? えぇ……」

 

 シオンの背後にメラメラと燃える様なオーラを幻視したアトラスは、圧倒されるのを必死に堪えながらその場を取り繕う。もちろんシオンはそんな事露ほど感知せず、むしろアトラスから受け取った数々の情報と真実から、暗黒エネルギーへの対抗策をシミュレーションし内心で邪悪な笑みを浮かべていた。

 

(ようやくコレであの“クソ野郎”を黙らせられる……!)

 

 シオンはこれでもかなり我慢していたのだ。不動の精神で、慈悲の心で。

 

──────────

 

(この世界が狂ったのは確かに“私”が原因……でも、それだからってトチ狂った“原作厨”に消される“謂れ”はないわ! そもそも()()()()()()()()()()()()()()()()()()。明らかな理由はゾンダー襲来があまりにも遅い事……それはリュシオの存在……つまりこの世界での“勇者王物語”は初めから改変されたもの。本来ならリュシオ……マスタープログラムのプロトタイプなんて設定あるハズないし、その時点で改変は明らかよね。その上“私”の転生とか明らかにイレギュラーだもの……)

 

 根本の最初から違うものを“贋作だ!”と言ってイチャモン付けられ、何とか頑張って壊れないよう最細心の注意を払いつつ取り繕いながらも上手くいくように向かわせていた世界を“個人的な感情”で破壊されそうになり、剰え改変せざるを得なかった原因を“己の存在のせいだ”と悪辣に宣われる……

 

 確かに“自分の存在”は、この世界を改変せざるを得なかった理由に挙がるだろう。だがそれはあくまで()()()()()()でしかなく、アトラスから改めて説明された“世界の真実”を辿れば、そもそもこの世界は最初から“贋作”なのだ。

 

 元の“勇者王”世界からコピーされ、“試験”の為に用意された世界である。

 

 それを如何にも“自分の存在が全ての原因”だとされ、挙句何も知らなかったとはいえ、なんとかして存続させようとしていた世界ごと自分の存在を亡き者にしようとしてくる……

 

 そんな奴を相手にこれまでずっと耐えていたのだ。

 

 そこに本来の元きょ……もといアトラスから、“さすがにもう試験どころでは無い事態ですし、悪者は好きにして良いですので何とかして世界を救って下さい”発言を貰ったのだ。

 

 これで穏便に済ませる必要があるだろうか?

 

 ──いや、無い(反語)。

 

 過度な押し付けは反発されて当然、他人の話を聞かない輩はお仕置き必須、そもそも言い分から筋違いだし論点もオカシイ、私は真実を知らなかったとはいえこの世界の為に苦心してきたのにそれを“害悪”だと言われ、この世界自体を“穢れた”とか“キサマのせいでおかしくなった”と謂れも評価も最悪を通り越して的外れ、そしてその挙句、世界丸ごと“消してやる”とは……これはなんでも度が過ぎている。

 

 幾らコピーとはいえ、私を含めこの世界の人々は()()()()()のだ。

 

 真実なんてどうでもいい、経緯なんて知ったこっちゃない。

 

 “私”にとっては“今”……そして“未来”が重要なのだ。

 

 “過去”からの反省はするべきだし、それが一番正しい“未来”を教えてくれる。

 

 でも“過去”がどうだからといって、“未来”まで奪うのは()()()()()()()

 

 アトラスもそれは“絶対禁忌”だとしているし、そんな事より“改変”し“存続”させるを考えるらしい。つまり、アトラスの教義にも反する。

 

 ──つまり、お墨付きも貰った此方側は“正当防衛”が成り立つ。

 

 誰に対しての論なのかはさておき、ついにシオンは完全な“世界改変”を始める。もう際限なし、アトラス(管理者側)からの許可も得た。アトラスの方針……滅亡回避さえ達成されるならば全てが許される。

 

(要は好きにしていい、って事よね)※この間約1秒

 

『どうしたの?』

 

『何でもないわよ、それより……貴方の本気をみんなに見せてあげましょ? これまでずっと“我慢”していたぶん、憂さ晴らししていいから』

 

『良いの? 壊れちゃわない? この世界……』

 

『まぁ……そっちの加減はしないと、ね』

 

『ボクも、この世界は好きだよ。居心地いいし、地球のみんなは優しい……壊さないように、頑張る!』

 

 アトラスの元から離れ、銀河中心からGGGの元へと急ぐアビストレイデスは、頭の上にシオンを乗せながら先の会話をしていた。

 

 子供のようにはしゃぐようなアビストレイデスの声に、穏やかな口調で返すシオン。

 

 世界滅亡まで、あと──




◯◯踏んじゃった♪
◯◯踏んじゃった♪

◯◯踏んじゃったら◯される!(ぇ?
※錯乱中

シオンちゃんのお気持ち表明!

  • 怒って当然! アイツはGUILTYだ!
  • あーあ(敵さん)ヤムチャしやがって……
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