狂わなかった「Z」の力 ~勇者王ガオガイガーif   作:睦月透火

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※長らくお待たせいたしました。
6月中旬に突然職務上必須の研修への参加を言い渡され
ろくに時間も取れず8月中の更新予定だったハズが近況報告も無しにまるまる放置状態となってしまっていた事をこの場を借りてお詫び致します。

──────────

ついに、宇宙存亡を掛けた戦いが幕を開ける……
勝利の女神は我々に微笑むのだろうか?

GGG、赤の星の戦士、そしてシオンとリュシオ
全員が再び一丸となって理不尽な運命に抗う……



第125話 語られない物語(6)

『唸れ疾風、轟け雷光! 双頭龍(シャントウロン)ッ!!』

 

『Yeah! ディスクX、SET ON!! ソリタリーウェーブ、Fire!!』

 

『ウルテクビーム、全門斉射ァ!!』

 

『オラオラオラオラァ!!』

 

『ソリタリーウェーブ、Fire!!』

 

 撃龍神の双頭龍をはじめとするGGG勇者ロボ軍団の遠距離攻撃を次々と暗黒の闇に撃ち込む。だが目に見えるような効果は何もなく、ただ虚しく黒い“何か”は少しずつ広がり続けるばかり……

 

《……駄目です。エネルギー波、粒子反応、全ての反応が途中で掻き消えてしまいます。コレでは解析どころか、観測も不可能です……》

 

 あらゆる波長のエネルギーを受けても何も返さず、ただ無へと帰すだけの漆黒の“何か”……

 撃ち込まれた攻撃のエネルギーも途中で反応が無くなり、実弾も運動エネルギーを吸収され、弾体である物質もやがて反応は掻き消える。

 

 まさしく“暖簾に腕押し”状態……

 

 ……だが、“何の意味もない”訳では無かった。

 

『スサノオ上方より高エネルギー反応! 凄まじいスピードで接近中、間もなく有視界領域です!!』

 

 宇宙自体に上下の概念は無いため、基準は船や機体等の方向などを基準に表現される。この時、艦隊の左舷側にいたスサノオの上側から常識外の速度で接近してくる“何か”があった。

 

『……やはり貴様たちも動いていたか』

 

「ジェイアーク?! という事は……」

 

『……はい、私達も居ます』

 

 高速接近してきた謎の反応はジェイアーク、そしてその甲板に括り付けられたセレスティアⅠ……そしてその中から、ピスケガレオンとアストライザーも出てきたのだった。

 

「リュシオさん! ジェイさん!」

 

『イヤッホー! また会えたな皆ぁ!』

 

『皆さんとまた逢えて嬉しいです!』

 

『オゥ! マイクもリュシオ達に会えて嬉しいもんネー!』

 

『……再会の喜びは後にしましょう。今は一刻も早く、この事態の解決を』

 

「うむ、そうだな」

 

 再会を喜びたい気持ちを抑え、リュシオは大河に事態の把握を提案……そしてトモロはボルフォッグにこう告げた。

 

『ぼるふぉっぐ、此方デ観測シタでーたヲ渡ス。情報共有ト行コウ』

 

『!? 感謝します、トモロ0117』

 

 トモロからの突然の申し入れに驚く一同。だがボルフォッグだけはその言葉に言い知れぬ喜びを感じ、感謝の意を言葉にするのだった。

 

──────────

 

「……ふむ、成る程。やはり宇宙は“何か”によって侵食されておる。そしてその“何か”は我々の太陽系にある木星を目指している……そう言うことかね、リュシオ君?」

 

『はい。あの“靄”はあらゆるエネルギーを吸収、物体もジワジワと溶かし、全てを掻き消してしまいます』

 

 オービットベースのメインモニターに表示された概略図が、リュシオの声に応じて変化。黒い雲のように表示された“謎の靄”に向かうエネルギーや実弾攻撃の矢印は、靄の内側に入るとその大きさが徐々に小さくなっていき、時間差はあれど最後には両方とも消えてなくなる。

 

「トモロから受け取ったデータには、ジェイアークの防御機構であっても完全に防ぐ事は叶わないとあった……恐らくガオガイガーのプロテクトシェードでも、同じ運命を辿るだけじゃろうな……」

 

 雷牙の補足もあり、今回相対している脅威はこれまでの比ではないレベルであり、最初から打つ手が無い……かと思われていた。

 

『……ですが、希望はあります』

 

 だが、消沈しかけていた雰囲気を打ち消さんと声を上げたリュシオ。その声に凱や護が顔を上げる。

 

「何か方法はあるのか?」

 

『……恐らく唯一の手段ではありますが、マイクのソリタリーウェーブに対しては、靄のエネルギー反応と相殺・減衰値が極端に変化していました。いずれも相殺される減衰値は著しく低下し、靄そのものの拡散も僅かな間ですが抑えられるようです』

 

 先程の戦闘でGGG側が観測したデータと、リュシオ自身が直接取得したデータを合わせた結果、一定出力以上のソリタリーウェーブならば靄の拡散とエネルギー減衰に対抗できるらしい。

 

「僕ちゃんの個人的予想ではあるが、あの“靄”は恐らく微(・)細(・)な(・)粒(・)状(・)に(・)な(・)っ(・)た(・)崩(・)壊(・)エ(・)ネ(・)ル(・)ギ(・)ー(・)の(・)一(・)種(・)である可能性が高い。ソリタリーウェーブで相殺・分解するには一定出力以上でなければ相手の効力に負けてしまう点も、拡散した粒子状態の高エネルギーであれば説明がつく」

 

「What? 粒子エネルギーなら自然消滅を起こすのデハ?」

 

「それがあの“靄”の不気味な所だワイ。本来“エネルギー”ならバラ撒かれた時点で自然消滅し始めるハズじゃ……だがあの“靄”は全く減衰せず、あらゆる物質を侵食し崩壊させておる。通常の物理現象では考えられん反応じゃて……」

 

 この不可思議な“靄”の引き起こす謎の“侵食”……ソリタリーウェーブであれば相殺可能ではあるものの、一定以上の出力が必須であり、その出力はマイクの最大出力値に近い。

 

 マイク単体ではその出力を長時間維持するのは不可能であり、早急にマイク部隊の復旧が求められた。

 

「マイク部隊の復旧率は約45%……戦闘行動可能レベルにまで復旧出来たのは4体だけです」

 

 牛山の報告に唸るしかない大河。シオンの置き土産ともいえるドリアードを活用した全力復旧でも、マイク部隊等の復旧には相当な時間を要するのだ。それだけ原種大戦のダメージが深刻であった事は言うまでもない……

 

「現状でのマイク部隊を、ローテーションによるソリタリーウェーブ広域放射で侵食は抑えられるのかね?」

 

「……試算では、約450時間後には損耗が回復不可能レベルに達するため、それ以上は維持不可能です」

 

 猿頭寺の試算による450時間……約19日後にはどう足掻いても抑えられなくなり、やがて宇宙そのものが消える──それは避けられない事であった。

 

「……だが我々に手を拱いている暇は無い。現状でも対応可能な方策があるならば、実行するしかあるまいて」

 

『ESウィンドウを利用した長距離転移と、ソリタリーウェーブの広域展開で何とか発生源まで辿り着けるなら、まだ希望はありますが……問題はそれ以前の事です』

 

 リュシオの懸念は、侵食靄の発生源……その宙域を観測出来ない事であった。

 

『理論上はソリタリーウェーブで侵食は防御可能だとしても、維持できる時間や領域は限定的です。そんな中で問題解決するには……時間的猶予は有って無いようなものと思います』

 

 試算結果の約19日後……もしくは侵食靄の木星到達が敗北までの残り時間。それまでに原因を特定し、問題を解決する──

 

 だが残された時間の大半は発生源の捜索に費やされる可能性が非常に高く、解決法も未知数……そもそも発生源を発見できるかも分からないのだ、勝利の可能性は限りなく低い。

 

「……だが我々が諦めてはならない。我々は地球に生きる全ての生命を守る為に存在しているのだから」

 

 たとえ万に一つの可能性だとしても、自分達が歩みを止めてはいけない……GGG長官として、大河幸太郎はその想いを憲章に認めているし、隊員達もその想いに殉じて行動しているのだ。

 

「俺達は地球に生きる人々の、星に生きる全ての生命の為にも、ココで歩みを止める訳には行かない。俺達はGGGだからな!」

 

 凱も大河の言葉に頷き、守るべきものの為に戦うという最初の覚悟を思い出し、声を上げた。

 勇者としてだけでなく、1人の人間として、地球に生きる生命の一つとして……勇気を胸に、その歩みは止めない。

 

『そうですね……ではまず、発生源の大まかな特定を急ぎましょう。ジェイアークと各ディビジョン艦の航路ログをもとに、全天図と照らし合わせれば、ある程度は位置を特定できるかもしれません』

 

「分かった、トモロ。直近の航路データを提供してやれ」

 

『リョウカイ』

 

「此方も各ディビジョン艦の航路ログを出してくれ、算出は雷牙博士とリュシオくんに任せよう」

 

 ──斯くして、宇宙を塗り潰さんとする不気味な“靄”をどうにかするべく、GGGは大規模な対策に乗り出すのであった。

 

 

 

 

 

To be connected...

 




思ったよりも早く、GGGとリュシオ達は再会を果たしましたね。
しかしコレから始まる反攻作戦は、あまりにも理不尽かつヤバい相手、ついでに時間制限あり。
しかも相手の出方や居場所さえ全く分からないという超・鬼畜難易度……!

普通なら即台パンからのコントローラーぶん投げ案件です。



……それでも、と言い続ける。
そこに勝機があるのならば。

現在のお気持ちは……

  • 来たのか……?!(驚き)
  • 遅せぇんだよ!(歓喜)
  • 待ちかねたぞ、最新話ッ!!
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