狂わなかった「Z」の力 ~勇者王ガオガイガーif   作:睦月透火

19 / 138
今回も原作寄りの改変シナリオ……改変具合が大きいので、原作と変わらない部分はカットしてお送りします。

北海道、苫小牧市に建造されたゲマトロン型粒子加速実験施設「イゾルデ」に向かった獅子王麗雄とスワン・ホワイト。
だが、その施設はすでにゾンダーの手に落ちていた。

博士達の定時連絡の途絶や状況の類似点に嫌な予感を感じたシオンと、ゾンダーの動きを微弱ながら察知した護少年が同時に危機を発した為、GGGは直ちに北海道へと急行したのである。


第18話 イゾルデの門

 嫌な予感が当たってしまった……北海道にある粒子加速実験施設「イゾルデ」と、そこで起きた大規模なゾンダーメタルプラントの事件。

 

(敵が巧妙な罠を仕掛けてきた……というより、原作以上に慎重に事を運んでるって感じね)

 

 原作通り獅子王博士とスワンさんは、この施設に出向いていた……理由はもちろん、イゾルデの総責任者が博士の後輩であり知人だから。

 

(確か……イゾルデをプラント化する計画はパスダー本人が直々に指揮を取って始まった作戦よね……)

 

 おそらく原作通りにパスダーが直々に指揮を取り、機界四天王を直接防衛に充てていると考えて良いだろう……恐らく今回も、原作通りに事が運ぶとは考えにくい……となると、此方も対抗策を準備しておく必要がある。

 

『するとやっぱり、攻略の鍵はボルフォッグかな……となると、直接戦闘の対策よりかは、救助作戦をフォローする方が重要……?』

 

 原作の戦闘でも、ボルフォッグの活躍で敵ゾンダーロボの攻略が容易になっている……ならば、敢えて戦闘自体には手を回さず、早めに機動部隊の援護へと移れるよう手を貸す方が得策だ。

 

(……なら、あの時の電磁波遮断システム……それとZセンサーの量子通信、後は……)

 

 過去のデータと、経験……そして原作知識を元に予測を立て、起こり得るであろう状況に対処すべく準備を整える。

 ピスケガレオンを使えば地下施設への突入も容易だし、ドリルガオーとは違い気付かれる心配も無い……電磁波対策をしてボルフォッグの支援に回れば、合流も早まる筈だと確信した。

 

──────────

 

《機動部隊、各ポジションに到着……同時に進入を開始しました。》

 

 三段飛行甲板空母に設けられた指揮スペースからの通信で、命さんの声が響いてくる。

 イゾルデにある4つのゲートからそれぞれ北から凱さん、東から炎竜、西から氷竜、南からはボルフォッグ(護くんには秘密)と更に私(救助サポートとして)が突入する。

 

「?! 南門には誰が……え? この感じ……もしかしてシオンさん?」

 

 護くんにはまだボルフォッグの事は秘密だし、私が同行している事は報せていない……当然の反応だが、私が現場に居る事を気付かれてしまった。

 

《博士達の救助のサポートよ……ピスケガレオンなら、感付かれずに潜入できるわ》

 

 ピスケガレオンの【位相空間潜航(フィールドダイブ)】を使えば、施設の構造物を気にする必要もないし、生体ソナーで要救助者の位置も分かるのだから。

 

『この悪条件でも通信がココまでクリアとは……この新型通信システムは凄いな!』

 

 凱さんや氷竜・炎竜達の通信システムも原作での問題点を踏まえ、悪条件に左右されないZセンサーと同様の「量子通信」システムへとアップデートしている為、イゾルデの高出力パルスが巻き起こす大気のイオン化現象の只中でもクリアな通信を確保できる様になっている。

 

「全員分かってるだろうが……十分に気を付けて行けよ? 何かあったらコッチもフォローに回る!」

 

『『『『了解(です)!』』』』

 

 火麻参謀の確認に応える凱さん達……私も声を揃えて返し、ピスケガレオンのハンドルを握り直した私は、ゲートを開いて一足先に入って行ったボルフォッグの後を追った。

 

 

 ボルフォッグと同じ南ゲートから潜入するという事は、待ち構えている機界四天王は「ペンチノン」という事になる。彼の戦闘能力は他のゾンダリアンと同等……高い再生能力も兼ね備え、持ち前の狡猾さを武器にボルフォッグと何度も渡り合う事になる。

 

 原作の今頃では軽く流されているが、油断は出来ない相手だ……

 

『前方、約250に反応、静止中……この反応は、ゾンダリアン……?』

 

『稀星隊員、私が前に立ちます……貴女は後方で支援をお願いします。【フォッグ・ガス】!』

 

『了解よ、ボルフォッグ……【エコーロケーション】、発動』

 

 特殊な超音波を発振し、地形や対象の詳細を把握する【エコーロケーション】を利用して、前方を探査……ゾンダリアンの人間形態は素粒子Z0を発しないので、Zセンサーでは捉えられない為、動体全てをエコーロケーションで把握する必要があるのだ。

 

『ウリィィィ……何だこの音は?』

 

 強電磁場の中では、センサーやレーダーシステムは使えない……それは私達と同じくペンチノンも同条件。だから電波やエネルギーに頼る捉敵ではなく、音や光で確認するしかない。

 しかし、ボルフォッグが出す【フォッグ・ガス】で視界を奪われ、更にピスケガレオンの【エコーロケーション】の超音波が反響している為か、ペンチノンは戸惑いながらも警戒している。

 

『…………』

 

 ヴオォォォン……! ヴオォォォン……!

 

 一見すれば普通にパトカーと見間違うビークルモードのボルフォッグ……マフラーから吐き出される特殊粒子入りのガスが、周囲の光を乱反射して薄暗い建物内を微妙な光量に変化させていく……

 ピスケガレオンのエコーロケーションで観測したデータを、量子通信でボルフォッグに渡しつつ、私はピスケガレオンの片割れ(イルカ型)をこの場の援護に残し、もう片割れ(サメ型)で博士達を捜索しにその場を離れた。

 

──────────

 

『……どう? 博士達の居場所は分かる?』

 

 サメ型(ピスケガレオン)にも【エコーロケーション】を使わせ、地形情報を確認しながら暗い地下施設内を進む……ピスケガレオンにはGGGを味方として登録してあるので、仲間意識の強いイルカ型ならサポートに最適……さほど時間を掛けずボルフォッグと連携してペンチノンを撃退し、合流してくるだろう。

 

『それまでに、博士達は見つけておきたいね……!』

 

 その時、サメ型が生体反応をキャッチ……隔壁をすり抜けて内側の様子を映像として送ってくれた。

 

『そこね、でも隔壁が降りてる……ならっ!』

 

 長い髪の一部を束ね、分子構造を変更……即席のプラグとケーブルに変化させ、隔壁横の端末へ差し込む。

 非接触でシステムのセキュリティを突破するのにはまだ時間を要する為、強引かつ手早く開けれる様に有線接続で電子機器を支配し、隔壁の電子ロックを解除する。

 

 ガゴォン……グォングォングォン………………ゴォォォン

 

 セキュリティは接続から秒も掛けずに黙らせたので、サイレンや緊急停止、他部署への連携も解除済み……これなら敵に悟られる心配もないだろう。重い隔壁の解放音だけが響き、完全に開かれたその先に見えたのは、細いケーブルのような物で壁面や設備の側面に縛り付けられた職員や博士達の姿だった。

 

──────────

 

「Oh、シオン! 貴女が来てくれるなんて感激デース!!」

「やれやれだ……稀星くん、君が来るとは思わんかったぞ?」

 

『お二人とも無事で何よりです……ボルフォッグもすぐに此処へ来ますから、急いで退避……』

 

『お待たせ致しました』

 

 私の言葉を喰い気味にボルフォッグも合流。手分けして職員達を壁面から剥がし、脱出するべく非常用通路へと向かわせる。するとそこへ……

 

《こちら氷竜、ゾンダリアンと思われる存在を発見……現在、追跡中です》

 

《こちら炎竜、同じくゾンダリアンらしき奴を追跡中……》

 

《こちら凱、2人とも油断するなよ? ッ?! お前は……!?》

 

 どうやら機動部隊もゾンダリアンと接触したようだ……そうすると戦闘までの時間はもうあまり残されてない。

 

『ボルフォッグ、貴方は機動部隊のサポートに先行して! 博士達と職員の脱出は私がフォローするから!』

 

『了解しました』

 

『それと、コレを持っていって!』

 

 ピスケガレオンのコンテナスロットを解放し、取り出した小型のコンテナケースをボルフォッグへ渡す……コレが今回の為に用意したお助けアイテムだ。

 

『それがあれば、機動部隊の役に立つ筈よ』

 

『これは……! 分かりました、それではッ!』

 

 ビークルモードに変形し、機動部隊の下へ急行するボルフォッグを見届けた後……私も私の目的を達成するべく、別ルートからゾンダーメタルプラントを目指してピスケガレオンを駆る。

 

(未使用のゾンダーメタルを活用し、私の能力でアーマロイド用のジェネレーターを生成すれば……大型機の動力問題を解決できるハズ……!)

 

──────────

 

 その後、ボルフォッグは原作よりも早く機動部隊と合流し、ゾンダーロボと化したイゾルデの電磁波攻撃を、コンテナケースで渡しておいた強電磁波相殺システム【アンチ・プラズマリーダー】で無効化……敵が動揺しているその隙に凱さんはガオガイガーへと合体。

 

 暴れ回る敵のビーム攻撃を【プロテクトシェード】で弾くガオガイガー、流れ弾が天井の岩盤を貫通した所で、地上の三段飛行甲板空母はすかさずディバイディングドライバーを射出……

 今回の戦闘で氷竜と炎竜は敢えて合体せず、射出されたディバイディングドライバーを一旦受け止め、ガオガイガーへ渡す役に回ったのであった。

 

『『隊長、受け取って下さいッ!!』』

 

『応ッ!《ディバイディングドライバー》ッ!!』

 

 天井崩落による生き埋めをディバイディングドライバーで回避し、氷竜・炎竜はピスケガレオンとのコンビネーションで攻撃を回避し、そのままボルフォッグと共に機動力で撹乱……隙を見てガオガイガーは《ヘル・アンド・ヘヴン》を発動して突撃し……結果的には誰も大してダメージを負う事無く戦闘は終了したのである。

 

──────────

 

『……な、何という事だ……我がゾンダーメタルプラントが……ッ?!』

 

 自ら計画し、完璧間近だった筈のプラント生成作戦が潰えた……凶報を受け、パスダーは怒り心頭のご様子。

 

『あのサイボーグ……凱、と言ったか……次こそは……!』

 

『あの紫のロボット……そして、一瞬だったがあの反応は我々に近しい……いや、似て非なる存在……アレこそ、我々に対する最大のイレギュラーに間違いありません……ウリィィィ!!』

 

 ピッツァは凱との戦闘で僅かとは言え辛酸を舐めさせられ、対抗心を燃やすが……ペンチノンはボルフォッグに加え、一瞬だけ捉えたシオンの存在に気付き、パスダーへと子細を報告していた。

 

『我等に近しい存在……やはり捨て置けぬ様だな……!』

 

『パスダー様。その者は以前、私の計画を台無しにした奴に似ています!』

 

『私も……その者には覚えがありますぞ……!』

 

 プリマーダとポロネズにも、シオンの存在には覚えがある……自分達と同質の力を持ちながら、袂を分かち、敵に与する……ゾンダリアンにとってシオンの存在は、憎き裏切り者と映ったのだ。

 

『機界四天王よ。その裏切り者には死すらも温い罰……そして我がゾンダーメタルプラントを台無しにした、その報いを受けさせるのだ!』

 

 パスダー様にはまだ直接会ってないので、正体はバレてませんが……完全に敵と認定されました。




次回予告


君達に最新情報を公開しよう!

ギャレオン、護、そしてシオンを狙うゾンダリアン。
地球外知的生命の遺産と遺児に魔の手が迫る……!

ボルフォッグを加え、戦力を増強するGGGだが
ゾンダリアン達は独自に動き、それぞれを付け狙う……

果たしてGGGは、護達を守りきれるのか?!


次回、勇者王ガオガイガーif NEXT...
第19話『三重連太陽系の遺産』

次回もこの小説で、ファイナルフュージョン承認!!

コレが(次回の)勝利の鍵だ!

  • 新規に作成した大型アーマロイド
  • GGG隊員同士の信頼と連携
  • ギャレオンの本気
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。