狂わなかった「Z」の力 ~勇者王ガオガイガーif   作:睦月透火

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今回は原作13話~15話がセットになった回なのでメチャクチャ長いです。

その代わり、活躍する人もマシンも多め……
そして皆さんお待ちかねぇ! 待望の新型アーマロイドが登場します。



第19話 三重連太陽系の遺産 Act.1

 北海道のプラント事件から約1ヶ月……私はGGGの研究グループと協力して、ガオガイガーの援護を担える新型アーマロイドの製作作業を進めていた。

 

「……それにしても、凄まじい威容だなぁ……ホントに蟹型だぜ?」

 

「何でか聞いたか?」

 

「聞いて何になるよ? 中身はちゃんとメカなんだし、動きゃ良いんじゃねーか?」

 

 手伝ってくれているスタッフに対して、この威容の理由は明かしていない……まぁ、明かしたからといって理解できないだろうし。

 

 建造中の新型アーマロイド、大型機第一号は蟹座……銘は『機蟹武刃』とした。呼び名の方はまだ決めてないが、いずれ最高に似合う呼び名を付けるつもりだ。

 

(進捗は約70%、内部機構はほぼ完成……後は動力と、装甲……か)

 

 未使用のゾンダーメタルを利用した動力源はまだ未完成なので、代用品として以前資料で見たN2リアクターを使っている。

 出力は十分だが、如何せん格闘戦を行う機体なので、本当なら破損で爆発してしまう危険を孕む動力は乗せたくない……が、私の能力による機構再現は改造や進化が前提なので渋々だ。

 

「ようやく完成度70%……もう少しですね、稀星さん」

 

『皆さんの協力のお陰です、ありがとうございます』

 

 こうやってお礼を言うのはちょっと照れ臭いなぁ……でも、私はやっぱりこういう裏方の方が性に合ってる気がする。勿論、表立って活躍し称賛を浴びるのも悪くはないけど、気恥ずかしさやら不安やらで選択を謝ってしまいそうになる……私は根っからのサポート派なのだろう。

 

『この機体が完成すれば、ガオガイガーの負担も減るハズですし、作戦行動にも余裕が出来ると思います』

 

 私の言葉に「では、可能な限り完成を急ぎましょう!」と発破を掛けてきた職員達と共に……私も作業を進める。

 

 ……願わくば、この物語をハッピーエンドにする為に。

 

──────────

 

 その数日後、家族で沖縄旅行に出ていた護君から『ゾンダー出現』の報を受け……GGGは直ちに沖縄へと急行。護君の危機にギャレオンが反応し先行した為、GGG機動部隊を乗せた三段飛行甲板空母は現場に急行した。

 

 

「うわぁぁぁぁ?!」

 

 ガオォォォォンッ!!

 

 到着と同時に目にした光景はほぼ原作と同じ……現地のローラーコースターを取り込んで龍の如きロボと化したゾンダーと……単身で大立ち回りをこなしつつ、どうにかしてゾンダーロボの右手に拘束されている護くんを取り返そうと奮闘するギャレオンだった。

 

『……ッ……あのままでは、ギャレオンでも近付けない……!』

 

 私は敵のゾンダーロボを見据える、そのボディには原作に無かった特徴……鱗の様な形状をした小型の虫みたいな奴がバリアーを展開してギャレオンの往く手を阻み、本体に近付けまいと乱舞していたのだ。

 

(やっぱり……進化してる。よく見ると細かな形状も変わってるし……)

 

 原作でのコイツはカメレオンみたいな頭と赤いボディが特徴的で、戦闘の後半にはカエルの様に膨れ上がった胴体をした奴へと変化している……だが、今目の前にいる奴は……

 

 ギャォォォォォオ!!

 

 完全に東洋のドラコン……龍をモチーフにし、万人の美的感覚に訴える程整った形状をしている……場が場なら、龍虎対決の様にも見えるだろう……ギャレオンは獅子だけど。

 

 ……兎に角だ、この戦場は完全にメカニカルなモンスターが繰り広げる大怪獣決戦の様相を呈していた。

 

『ギャレオン、待たせたな!』

 

 空母から飛び出した凱さんがギャレオンに合流……ガイガーへと変形するが、龍ゾンダーは巨体に似合わぬ俊敏さとお供の鱗ビットで巧みにガイガーの接近を許さない。

 

「不味いのぅ……ガイガーのスピードでも捉えきれんとは……!」

 

「氷竜、炎竜! 民間人の避難状況は?!」

 

『民間人の避難率は78%……もう少しで避難も完了します!』

 

『コッチももう少し……隊長、待ってて下さい!』

 

 場所が遊園地だった為か、広域に渡る避難作業のせいで氷竜と炎竜はガイガーのサポートに向かえない……ガイガーも護くんを取り返そうと奮戦するも、鱗ビットのバリアーと動きで邪魔をされ思う様に近付く事が出来ない。

 

(ピスケガレオンじゃ接近できても、空中じゃ無防備過ぎて離脱の隙を狙われる……!)

 

 機動力に長けるピスケガレオンでも、元が海洋生物だから空中では無防備……それに、潜航するにも何かの物体の表面を必要とするし、敵のボディやその辺の瓦礫は能力の制限に引っ掛かるので潜航には使えない……

 

 ちなみに【位相空間潜航(フィールドダイブ)】能力行使上の制限とは『自意識や知性を持たない事』と『通過可能なサイズは表面積と同様』の2つ……つまり、敵や氷竜達のボディなどは能力行使の対象外であり、すり抜けるには自らより大きな面……それも“平面”でないとダメなのである。

 

 なお、平面とは言うが、構成素材の違いや壁の窓枠……といった“少しの段差”位なら例外的に可能……と微妙に緩かったりする。

 

『……どうすれば……!』

 

 キィィィン……! ジャキンジャキン!!

 

 思考の袋小路に入った瞬間……聴こえてきたのは金属が震えて鳴り響く音……そして巨大な鋏が交差する独特な音だ。

 

(この音……まさかあの子が?)

 

 確かに少し前に“火は入れた”……間に合わせだけど動力は馴染んでるし、動くには問題ない。だがさすがに組み上げ直後だし、全体の最終チェックや戦闘を前提にした稼働テストはまだ済んでない……最悪、敵前で分解事故とかなったら更なるピンチである。でも……

 

 ジャキンジャキン!! ジャキンジャキン!!

 

 この音は「他に手があるのか? でなきゃ共倒れで全部消えるぞ?!」とでも言ってるのだろう……確かにこのままでは護くんを失い、終わらない戦いの末に凱さん達も疲弊して倒れ、最終的に地球は機界昇華される。

 

(ダメだ! そんな事になったら、私も……!)

 

 浄解の担い手がもう一人居る事すら忘れ、私は弱気になった己の頬を叩き直し……甲板空母の甲板へと飛び出す。

 

《オイ稀星、下がれ! 敵の目的が護なら、お前も後からターゲットにされるのは目に見えてるんだ!!》

 

 呼吸を整え、自らの姿を変える……大型サイズの召喚には、今なお続く機能制限の都合でアーマー全てを変換する必要がある為、展開したアーマー全てをパージし召喚陣を組ませる。

 

『……来たれ、黄道を庇護せし者……古の楔を解き放ち、我が下へ……悪鬼羅刹を断罪せよ、斬戟なる武刃!』

 

 編まれた陣を潜り抜け、巨大な何かが徐々に姿を現す……

 

 その体躯は敵の巨体にも劣らず、鈍く輝くエメラルドグリーンの装甲と、更に体躯の半分に匹敵する一対の巨大な鋏……ふざけたそのシルエットからは想像も付かない程の圧倒的なパワーと、比類無き重装甲を持つ……巨大な蟹型の何かだった。




登場シーンで区切るのは、盛り上げのお約束w

あと、活動報告でアーマロイドの名前を募集します!
詳細もそちらで。
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