狂わなかった「Z」の力 ~勇者王ガオガイガーif 作:睦月透火
沖縄旅行中、ゾンダーに襲撃された護少年。
凱らGGGが駆け付けるも敵ゾンダーの抵抗は激しく、拘束された護少年の奪還は不可能かと思われた……だが、その時。
古の楔を解き放ち、我が下へ
悪鬼羅刹を断罪せよ、斬戟なる武刃
空間に投影された不可思議な陣より現れたのは、ガオガイガーに匹敵する巨大な何か……
果たして、その正体とは?!
召喚陣を展開、呼び出す際における対象の選択とエネルギーラインの確保、そして起動シークエンス演算などの手間を最適化する為に予め組み込んでおいた術式を起動……それらを円滑に動作させるキーワードを編み込んだ
そうする事で起動から遠隔転送、即戦闘へと持ち込める様に最適化を施しておいた……尤も、どう足掻いても中二病っぽい言葉を並べ立てないとマトモに術式が動かないのは如何ともし難かったが……
ズズズズ……
三段飛行甲板空母の正面、上空数百mに展開された召喚陣……その下から徐々に姿を表していく巨体……
8脚の歩行用多関節脚と武装用である一対の大型腕部……見るからに分厚い装甲で覆われた全身がその姿を晒していく……
ヒュン…… ズドォォォォンッ!!
召喚陣から完全に姿を表しきり、離れ、重力に従って地面に落下する。
多脚型戦車の構造を模し、更に生物的挙動と能力を完全な形で組み込んだそのボディは、この程度の衝撃など物ともしない強度と柔軟性を発揮、立ち上った土煙を片腕で振り抜き払う。
ジャキンジャキン!!
一対の巨大な蟹鋏を鳴らし振り上げた姿は、某狩りゲーの大型甲殻種モンスターを思い出す動きだ。
巨大な鋏と、巨大な背中……その背中には、只の蟹には無い身の丈と同じサイズの巨大な背部ユニット……全体的な印象はヤドカリと蟹を足して割った感じだ、ますます某狩りゲーのモンスターだなぁ。その中身はビックリ技術の塊だし、大まかなデザインは遺伝子特性と演算による進化に任せたので、ココまで似るとは思わなかったけど。
…………!!
ゾォォォンダァァァァッ!!
一目見て敵だと認識したのか、龍ゾンダーロボと機蟹武刃は互いを威嚇し合う。
長大な身体を中空に漂わせ、咆哮を繰り返すゾンダー……それに対するは、いつでも殴り合い万端、といった感じで両の鋏を振り上げる機蟹武刃だ。
『……せめて、アイツの動きが止まれば……』
凱さんの呟きが通信越しに聞こえてくる……その数秒後、しびれを切らしたのか龍ゾンダーロボが先制攻撃を掛けた。
お供の鱗ビットが数機、編隊飛行で突撃してくる……僅かに遅れて、機蟹武刃も敵の本体へ向けて突撃を開始し、鱗ビットは使い捨て前提なのか、自爆も厭わぬ特攻で装甲に激突、爆発した。
「な……ッ、自爆だと?!」
「観測結果が出ました……あの鱗ビットの自爆による破壊力はダイナマイト数百発に匹敵しています。ガオガイガーのボディでも、あの攻撃を受け続けるのは危険が伴います……あの蟹メカの装甲は、持つのでしょうか?」
機蟹武刃の装甲へ向け、次々と特攻を掛ける敵ゾンダーの鱗ビット。本部のクルー達はその威力と戦術に機蟹武刃の耐久力を心配するが……
グォォンッ……
まぁ、あの程度の威力じゃ機蟹武刃の装甲を抜くなど何万年掛かっても不可能じゃないかな。
…………? …………!
最初の爆発こそ「ん? オメー何かした?」程度の反応をしたが、自分の身体に何も影響が無い事を認識すると、鱗ビットを無視して行動再開……爆発に怯まない相手に動揺した龍ゾンダーロボは、たじろぐ様に後退りする。
ゾ……?! ゾンダァァ?!
動きに精細を欠いた時点で、この結果は目に見えていた。
機蟹武刃の両鋏が龍ゾンダーロボの胴体を捉え、その巨体で以て捩じ伏せたのだ。
『……ッ?! 今だッ!!』
左の鋏が龍ゾンダーロボの腕の付け根をガッチリ挟み込み、大地へと縫い付けている……ガイガーはその隙を見逃さず、護くんを捕えていたゾンダーロボの腕をクローで分断し、素早く離脱……機蟹武刃の重量を直で受ける龍ゾンダーロボは自慢の長大なボディが仇となり、飛行して移動する事が出来なくなるも、下半身を使って何とか脱出しようと足掻く。
…………!
だが、機蟹武刃の重量は700トンオーバーの超重量マシン。頑強さも折り紙つきなので、そんな抵抗もどこ吹く風……ガイガーが護くんを救出するまでじっと待ち続け、安全に離脱するまで攻撃を受け止めていた。
『護、大丈夫か?!』
「凱兄ちゃん! あの蟹のロボットは……?」
『アイツはシオンが造ってくれたんだ、何というか……凄まじい性能だな……!』
「シオンさんが? うわっはー♪」
機蟹武刃は、護くんを救出したガイガーが離脱したのを確認すると、龍ゾンダーロボを持ち上げて投げ捨てる……ようやく解放された龍ゾンダーロボは、機蟹武刃を無視してガイガーへ向けて口から火炎放射を吐いてきた。
「うわぁぁぁぁ?!」
『ッ?! しまった、護っ?!』
しかし、機蟹武刃は凱さんの戦闘をサポートする為に開発した機体。自慢の横移動でカバーに入り、龍ゾンダーの火炎放射に対抗して水ブレスを放射した。
ジュッ……スパァン!
発射された水ブレスは一瞬で炎を突き抜け、火炎の先……龍ゾンダーロボの身体を捉え、取り巻きの鱗ビットを巻き込んで瞬断したのである。
「す、凄い……あのゾンダーロボを簡単に……!」
「あのメカの重量は推定700トン以上、パワーはガオガイガーを上回っているかもしれません……それに、あの水ブレスはおそらく微粒子入りのウォーターカッターでしょう」
「あの爆発に耐える装甲と、敵を抑え込むパワー……それに水ブレスのあの威力、さすが驚異的じゃのぅ」
「実に頼もしい仲間が増えたな!」
本部のクルーや長官達は、機蟹武刃の性能に揃って湧いている……だが、ゾンダーロボを倒した訳ではない。
龍ゾンダーロボは上空へと逃げ、機蟹武刃の攻撃を露骨に警戒している様だ……
勿論、機蟹武刃もガイガーも……これで終わりとは思ってない。
『凱さん、今の内にファイナルフュージョンを! 敵はあの子が抑え込んでくれますから』
『おう! ガオーマシンッ!!』
凱さんのキーワードに反応し、ステルスガオー、ライナーガオー、ドリルガオーがそれぞれ出現……続けてガイガーは跳躍し、合体キーワードを叫ぶ。
『ファイナルッ、フュ――ジョンッ!!』
機蟹武刃と龍ゾンダーロボが互いを攻めあぐねている横でガオガイガーは合体を完了、後はコア摘出とロボ撃破となったが……ココで予想外の事態。
『ブロウクンマグナムッ!!』
巨体の癖に飛行してて意外と速く、ガオガイガーの攻撃の要ブロウクンマグナムが当たらない……
『動きを止めて!』
…………! …………?? …………!
しかも機蟹武刃を天敵と見なしたのか、露骨に警戒して上空へと逃げ初めたのだ。
機蟹武刃は敵が降りて来ない事に腹を立てて威嚇ポーズ……「降りて来いやぁ!?」とでも言う風に怒ってる気がする。
「イカン! 奴を逃がすとゾンダー胞子の拡散を許す事になるぞ!?」
『逃がすかぁッ!!』
ガオガイガーはスラスター全開で追い縋り、龍ゾンダーロボに接近するが……
ゾォォォン……ダァァァァ!!
ガギィンッ!!
『ッ?! クソッ、鱗ビットが邪魔だ……!』
やはり、ガオガイガーでは鱗ビットに邪魔されて思う様に動けない……追い付けても動きを止めるには至らず、鱗ビットの自爆はガオガイガーにとって驚異なので可能な限り避けたい所……
「速度ではガオガイガーの方が速いが、奴の取り巻きを無視して攻撃するには……もうヘル・アンド・ヘヴンしかないぞ?」
「でも、あの爆発に直接晒されたら……いくらガオガイガーでも……!」
ガオガイガーの必殺技【ヘル・アンド・ヘヴン】唯一の弱点……それは、発動直後の推進システムに僅かな隙が出来るというもの……
その隙に敵が防御の為に鱗ビットを大量に撒いたら、ガオガイガーの防御力を超える爆発の真っ只中に自ら突撃するという事になるのである。
『……だが、奴を逃がさず撃破するには……やるしかない!』
凱さんは自身の危険すら省みず、ゾンダーを逃さない為に必死だ……やっぱり、この子を造っておいて良かった。
『大丈夫……希望はあります。ガオガイガー、
…………!! ♪~~
ユラユラと踊る様に機蟹武刃がガオガイガーの前でダンスをし始める……それは彼の簡易AIがガオガイガーのサポートを承諾し、喋れない代わりに自ら考案したトッテオキの待機状態だ。
『凱さん、コマンドワードを……【アーズド・ツール】です!』
まだ続きます、憎らし演出w
機蟹武刃のネーミング締め切りはこの次まで待ちます。
……というか、この戦闘終わるまでかな?
奮ってご参加下さい! 感想もよろしくお願い致します。
あと、予告編を消して資料置き場にしました。