狂わなかった「Z」の力 ~勇者王ガオガイガーif 作:睦月透火
ついでに蟹さん大活躍回ですw
また、蟹座アーマロイド命名選手権の結果は、本編とあとがきを見てね。
沖縄での龍ゾンダーロボ戦から一夜明け……私は機蟹武刃の戦闘データを確認しつつ、消耗率をチェックしていた。
(想定よりもツール部の消耗が大きい……やっぱりH&Hの運用データが足りなかったから?)
機蟹武刃のパーツを再構成してツール化する『アーズド・ツール』、その初号機として開発した“ギガンティック・アームズ”だったけど……必殺技『シザーズ・ヘル・アンド・ヘヴン』は発動こそ成功し、反動ダメージも1/3に収まった。
本当なら「完全解消」させたかったが、現状のガオガイガーが運用する『ヘル・アンド・ヘヴン』のデータを含め、未だに不完全……
当初は原作知識から、呪文の(解読不足&詠唱してないから)不完全さ故……と考えていたが、どうやらそれだけではない事が麗雄博士との対話で判明したのである。
『まさかの設計構造……
そう、本来のガオガイガー……つまり『あの機体』が放つ“本来のヘル・アンド・ヘヴン”を再現するには、素材から全く同じ腕部機構……要は完全コピーが前提であり、使用者である凱さんも
(さすがに今の段階じゃ、いくら私でも“ゴルディオンネイル”とか造れないし……)
凱さんの身体はシナリオの都合もあり、私では解決出来そうにない問題だから
それに、開発の鍵となるガオガイガーの最強ツール……金色の破壊鎚ことゴルディオンハンマーは、GGGの秘匿技術として現在進行形で開発中であり、その危険性も相まって博士が全て管理している。
推測として、ツールのシステムはほぼ完成しているだろうけど、実際に形になるのはもう少し先になる筈……ただ、博士は機蟹武刃の装甲や防御システム「ギガンティック・アームズ」の運用データに興味津々だったので、後でデータを渡すつもりだ。
(もし、代わりにハンマーのデータを貰えたら……誰かに転用するのも有り、かな?)
ゴルディオンハンマーは理論上、当たれば“必殺”と呼べる攻撃だ……もし関連機構のデータを貰えたら、誰かのパワーアップに役立つ可能性が非常に高い……ぶっちゃけマジで欲しい。
同日、護くん達は学校の遠足で箱根山に登っていたが……その道中、深い霧に囲まれてしまう。
ロープウェイから降りた護少年たちを待ち構えていたのは、米軍戦車「M1 エイブラムス」が放つ砲撃であった。
「うわぁぁぁぁぁ?!」
「きゃあぁぁぁぁ!?」
「あばばばばばば?!」
「あわわわわわわ!?」
「イヤァアァァァ?!」
護達5人は深い霧の山中を戦車に追い回される……普通に命の危険性は高い。
……だが当然、この事態を彼は良しとしない。
『システムチェーンジッ!』
諜報部所属のビークルマシン、ボルフォッグ……天海 護の護衛の任に就いている彼は、護達から戦車を引き離しつつ、同じく空から攻撃してくる米軍の攻撃ヘリ「アパッチ」を次々と片付けていく。
しかし、ボルフォッグの健闘も虚しく……護達は一人、また一人と引き離されていき、ついには護と華の2人だけとなってしまった。
(確か、ボルフォッグだっけ……でも1人じゃ危ない、誰かに連絡を……そうだ! これなら?!)
護は、ウェアラブル端末としてバージョンアップされたGGG隊員専用端末『G-USB』を思い出し、すぐさま通信を試みる……グループ通話も可能なG-USBの通信機能には“量子力学”を応用した通信技術が用いられており、電波を遮断するこの霧の中でも正常稼働……
ちょうど手が空いていたシオンと命に繋がり、事の次第が伝えられ……哨戒任務中だった凱と共に、アップグレードの完了した機蟹武刃が現場へと急行する事になった。
機蟹武刃と凱が合流するまでの間、ボルフォッグは単独で米軍ヘリと戦車の集団を相手に大活躍……指揮下のガンドーベル、ガングルーと共に縦横無尽に連携……痺れを切らした相手は囮に使っていた大型輸送機を特攻させ、更にその残骸全てと融合……ついにその原因はゾンダーと確認する事ができた。
『……やはり、この騒ぎはゾンダーの仕業でしたか……!』
ゾンダーは輸送機の中から出ずに潜み続けており、搭載していた戦車とヘリを大量にコピーして戦力を増やし十分な数を確保した後、輸送機はGGGの目を欺くべく囮に……そして増やした戦車とヘリを使って護達を襲っていたのである。
『…………!!』
ゾンダーロボと化していた輸送機は戦車とヘリも全て取り込み、人型形態へと進化……ボルフォッグもガンドーベル・ガングルーと合体し「ビッグボルフォッグ」となって応戦するが、本格的な戦闘向きではないビッグボルフォッグにとって、敵ロボの火力と防御力は脅威だった。
『……護隊員の安全確保の為には、奴の注意を引き続けるしかない……しかし、私だけでは……!』
単独戦闘は可能であっても、相性や適正的に戦闘向けではない事に敵も気付いたのか……火力ではなく、接近戦を挑んできたゾンダーロボ。
『ッ?! いけません! 護隊員ッ?!』
「……?! うわぁぁぁ?!」
ビッグボルフォッグは戦闘に迷い込んできた護に気を取られ、隙を晒してしまう……同時に、ゾンダーロボも護に気付き、その矛先を変更……だがゾンダーロボが進行方向を変えた直後、頭上に転送陣が開かれ、一瞬とはいえそれに気を向けたゾンダーロボは、不意に現れた黒い巨大な弾丸のようなもので吹き飛ばされた。
『何とか間に合ったな……無事か? ビッグボルフォッグ!』
『ガオガイガー?! ええ、助かりました……ですが護隊員は?』
『それなら大丈夫だ』
ブロウクンマグナムとして撃ち出した右腕を戻しながら降りてくるガオガイガーは、ビッグボルフォッグの問いに大丈夫と答え、護の方を指差す……
「うわっは~♪」
そこには地面を水面の如く飛び跳ねるサメと、人懐っこいイルカそのままに護くんへとじゃれ付くピスケガレオン。そして彼等の後方で『まかせろ』とばかりに鋏を上げる機蟹武刃が居た。
『彼等は……』
「アイツ等はシオンの御伴だ、任せて問題ない……さぁ超竜神、頼むぜ!」
霧のせいで離れている相手こそ見えないが、凱さんから声援を受け取った超竜神は気合いを入れ直してツールを構える。
『了解! 無照準発射モード、消去対象「霧」……イレイザーヘッド、発射ぁッ!!』
特定周波数の超振動を発する事で、霧を構成する水分子と電波撹乱の原因を同時に取り除く……イレイザーヘッドに掛かればお手の物だ。
瞬く間に霧は晴れていき、箱根山一帯を隠していた濃霧は全て一掃された。
『ゾォォンダァァァア!!』
だが、喜びも束の間……ゾンダーロボは兵士の如き姿から変形し始め、さらに分身……3体に増えた上、剣士、砲兵……そして軍服を来た指揮官の様な姿へとそれぞれ変貌。
『何と……!?』
指揮官型は指示を出し、剣士型が機蟹武刃を……砲兵型がガオガイガーを狙い、それぞれに猛攻を仕掛けてきた。
更に指揮官型もビッグボルフォッグを足止めしようと戦車やヘリを大量に再生して砲撃を再開……この僅かな時間で形勢が再度逆転してしまったのである。
「ああっ?! ガオガイガー!?」
「クソッ、奴の砲撃が激しくて身動きが取れない……!?」
最初こそダメージを負ったガオガイガーだが、すぐにプロテクトシェードを展開して防御……しかし、反撃の隙を掴めぬ程の砲撃の嵐で釘付けにされてしまっている。
『ガオガイガー!? ……ムッ? 超竜神! ぐぁッ?!』
『ビッグボルフォッグ!? コイツら……まだこんな数を!』
指揮官型に操られた戦車とヘリの大群が、雲蚊の様にビッグボルフォッグと超竜神の周囲を取り囲んで攻撃し、お互いの助け船すら阻んでいる……
「……このままじゃ、みんなが……!」
ピスケガレオンに誘導され、遅れて到着した私と護くんは合流できたが、ガオガイガー等のピンチに護くんはハラハラしている。
(敵の攻勢が予想より激しい、またイレギュラーの影響……? しょうがないわね……!)
私はサメ型に跨がり、護くんもイルカ型に乗せて戦場を移動……ピスケガレオンのセンサーで安全なルートを割り出しつつ、機蟹武刃へ“新しい指示”を出した。
『機蟹武刃、コード:630解除……こうなったら変形して対処!!』
指令を受けた機蟹武刃……ふざけた体躯からコミカルな雰囲気が完全に消え去り、剣士型ゾンダーロボの剣撃を鋏でいなし、相手の剣を地面に縫い付ける様に挟み込み、自身は飛び上がって多脚で飛び蹴りを披露して剣士型を吹き飛ばす。
着地からゆらりと立ち上がる機蟹武刃……その姿が、徐々に変わり出す。
全身の装甲がパキリと分割、流れる水が渦を巻く様に複雑な動きで組み替えられ、その内部も同時に組み替えられていく……最も強固な部分である背部の装甲も全身に分配されていき、全体の形状は瞬く間にヒトの様な姿へと変わっていき……
『……オォォォッ!!』
……機械の合成音声にも似た咆哮を響かせ、ゆらりと人影が立ち上がり始める。
まだ細かなパーツは機体表面を行き来しているが、踞った体勢から立ち上がる間にパーツの位置は次々と固定され、分断されていた装甲も再び繋ぎ合わされていく……完全に変形を終えた姿は、主に緑と黒、そして黄色や白の差し色が目を引く装甲で構成された……まさに鎧武者の如き人型ロボットだ。
顔はヒトを模した仮面で覆われ、武者鎧テイストの強い全身の甲冑は重厚でも動きを阻害しにくい……まるで最初から実戦向けに造られた鎧兜のよう……
変形前の腕部分だった鋏は人型用ではないので、予備のハードポイント……バックパックの左右に接続されている。
そして立ち上がった鎧武者……蟹座アーマロイド『機蟹武刃』、その変形した姿が全貌を現すと、私は感慨深い
『……往きなさい、機蟹武刃。いえ……機蟹武刃、ダイキャンサー!』
悪ノリに近い感じだけど、なんかしっくり来るわぁ……いやね、変形から何か
……兜の角とか蟹鋏みたいだし、顔もイケメンフェイス(重要)。
ダイキャンサーは腰に付いている鞘から太刀を抜き放ち、更に刀の鍔付近を展開させて流体金属で元の刀身を覆い、明らかに巨大質量の重斬刀を形成……質量保存法に真っ向からケンカを売ってるが、
剣士型ゾンダーロボに詰め寄り、真っ向から攻撃。数合の打ち合いの後……剣での防御体勢の上から、質量と剣速にモノを言わせた袈裟斬りで止めを刺した。
(何あの得物の切れ味……いや、質量差かな……?)
軽々と大質量を扱うダイキャンサーは、次に砲兵型へと接近を開始……気付いた敵はガオガイガーへの砲撃をダイキャンサーへとシフトしようとするが……
(……え、嘘……早っ?!)
砲弾の嵐をなんと剣と鎧の硬さと角度を利用して弾きながら速度を緩めず、脇をすり抜けると同時に斬り付け、十字に斬り裂く……
「……?! コイツは……!」
ガオガイガーを救助し、次の獲物を睨むダイキャンサー……指揮官型は操っている戦車とヘリをけしかけるが、ダイキャンサーの装甲に戦車とヘリの攻撃は全く歯が立たず、どんどん数を減らし続けていく。
ゾォォンダァァァア!!
怯まず連携をと取らせる指揮官型、だがダイキャンサーは腰にあった鞘を得物の柄に接続して持ち手を伸ばし、大きく振りかぶって構えた。
ヴォオォォォォォ……!!
動きに合わせて刀身を伸ばしながら凄まじいエネルギーを放つ巨刃を握り、ダイキャンサーは紫電を撒き散らしながら叫び声の如き轟音と共に横へと一閃。
振り抜いた直後から起きる爆音の嵐が、雲蚊の如く迫るヘリを全て消し飛ばし、地上の戦車達すらも迸る雷撃と余波でまとめて爆砕していく……
爆音が全て消え、大量の爆煙が覆い尽くす地に風が吹く……ダイキャンサーは紫電を纏う巨大な得物の柄を地に突き立て垂直に持ち、風に流れていく爆煙の中で悠然と立っていた。
(……えぇ~……?)
……うわぁ……やり過ぎたかも、なぁにこれぇ……??
全滅に
一瞬戸惑うも、ガオガイガーはしっかりとパーツを受け取り【シザーズ・H&H】を発動……困惑を残しつつも、無事にコアを抜き取るのであった。
はい、これにて護くん危機一髪は終了……だっけ?(すっとぼけ)
機蟹武刃の名称は和鷹聖さんから寄せられた「ダイキャンサー」に確定しました。
皆さまのご寄稿、誠にありがとうございました。
……ですが、当選は何も一人とは言ってません。
名称アイディア的に、結構みんな捨てがたかったんですよねぇ~
詳細まで全部書こうかと思いましたが、なんか妙な問題になりそうなので
やっぱり選手権の活動報告に書いときます。
一応下記の簡易解説も見てね♪
TIPS:『機蟹武刃』ダイキャンサー
蟹座アーマロイド『機蟹武刃』の擬人化形態、その通称として使われる名。
一部ではこの形態を「
変形後はほぼ完全な人型となり、顔で感情を表せる様になる他「
その他、主な攻撃方法が鋏から刀に代わる事となり、その剣捌きで以てゾンダーを圧倒する。
なお、群を抜く強さの代償なのか遠距離攻撃手段を失うのはご愛敬w
蟹型時の一部武装が共有されないのは仕様であり、誤爆を防ぐ他【シザーズH&H】発動中の邪魔を排除する為である。
ちなみに、蟹座として性能が落ちないのは擬人化形態を「バトルス◯リッツ」に登場する十二宮Xレアの蟹座「巨蟹武神 キャン◯ード」を元にイメージしている故。
実際はだいぶダイ◯ンガーじみてしまっているが、鎧の形状にその名残が色濃く残っており、背部・肩部・腰部にもそれぞれ隠し腕(非展開時は鎧の一部に擬態)が2本ずつ……合計6本内蔵されている。
【基本性能】
全高:42.2m 総重量:763.9t
移動速度:約160km/h(※100m圏内なら瞬間移動が可能)
跳躍高度:約250m(垂直跳躍時)
武装・機能
■可変機構(
■隠し腕「キャンサーエッジ」
(背部・肩部・腰部に各2本ずつ、小太刀を搭載)
■重斬刀「大太刀・
(以下、使用技はダイ◯ンガーとほぼ同様にて省略)
■
戦え、機蟹武刃ダイキャンサー!
馬鹿みたいに強いけど、使用条件とか実は結構厳しいです。
……え? 次回予告? まだ終わりじゃないです。