狂わなかった「Z」の力 ~勇者王ガオガイガーif 作:睦月透火
宜しければ前話から再度読む事をオススメします。
前回からの続き……
鴨川シーワールドの人気シャチ、ヴァルナーがペンチノンによってゾンダー化してしまった!
人間ならばコアの浄解で元に戻せるが、現場に居合わせたシオンは人間以外の実例を知らない……
果たして、ヴァルナーはどうなってしまうのか?!
ゾンダーメタルの侵食には、大きく分けて2つの段階がある……
まずはコアとなった存在の遺伝子構造をコピーし、メタル自体の保有する重原子が遺伝子構造を模倣する……その後対象の生物を物理的に取り込み、組成から同化して機械融合可能な肉体へと強制変化させる事で、ゾンダー化は完了するのである。
速度的に間に合うのであれば、肉体の取り込みを阻止できればコア化は不完全となり、完全になり切れないゾンダーはやがてエネルギーを使いきって停止……メタルから派生した組成は塵と化して消えるのだが、人知れずゾンダリアンがメタルの植え付けを行うので基本的に阻止できずゾンダー化してしまう。
尤も、ゾンダーメタルの植え付けからものの1分あれば侵食は完了する為、普通に阻止など出来る筈も無いのだが……
(不味いマズい不味い?! ゾンダーメタルの侵食を阻止できなかった……! 人間以外の復帰例なんて知らないし、そもそもゾンダーメタルの侵食を受けて、人間以外が耐えられるかも分からない……そもそも浄解を受け付けるのか、一緒に消滅しかねない可能性もある……!)
ゾンダーヴァルナーの破壊活動から退避しつつ、現状打破の方策を練るシオン……しかし、
「ッ!? 先生、前っ!!」
『……ッ! ガイガー……!?』
瓦礫を避けて走るシオン達の上を、低空飛行でガイガーがすれ違う……この騒動で護くんの危機を感知し、ギャレオンが先行していたようだ。
『……! 護に、シオンか?! 民間人の避難は?!』
『私達が最後です! 他の方は既に退避完了……なお、コアは人間ではありません! 注意してください!!』
『「……な、何だって(じゃと)?!」』
凱と同じく驚愕したのは麗雄博士……人間以外がゾンダー化した事例など今回が初であり、何もデータが無い状況で対応しなくてはならないのだ。
シオンと同じく、万が一の事態や予想外の推移に注意しなくてはならない……
《凱、気を付けるんじゃ! 人間以外の思考パターンとなると、行動の予測が付かんぞ?!》
「凱兄ちゃん! あのゾンダーは……!」
「凱……? もしかして獅子王先輩ですか?!」
『風祭も一緒だったか、良かった……!』
「先輩、あの怪物は……!」
スミレの表情と護の焦り様……そして思い詰めた様なシオンの雰囲気に、ただならぬ状況だと察知する凱……焦りは禁物と凱は考え、コアとなった生物の情報をシオンに問い質す。
『……コアとなった生物は……オスのシャチ、ストレス障害で……私が、解決策を練っている途中でした……』
『……ッ、そういう事か……!』
戦闘は極力避けたいが、現状それが許される筈もなく……否応無しに相手取らなければならない。
護は仲の良い友達を、スミレは生き甲斐にもなりつつある相棒を、そしてシオンは自分の不甲斐なさを吐露する様に「ヴァルナーを助けて」と凱へ叫ぶ……
『……あぁ、俺に任せておけ!!』
そう言い残し、ガイガーは戦場へと飛び込んでいった。
護くん達とスミレさんを逃がした後、現場に到着していた三段飛行甲板空母へ合流した私は、冷静になれと諭してくれた麗雄博士と共に現状打破の方策を練る……
途中ガオガイガーへの合体を、ゾンダーヴァルナーがライナーガオーに噛み付く事で阻止した為、ガイガーはダメージを受けて後退……ビッグボルフォッグが場を交代する。
私も援護の為にピスケガレオンを2体とも呼び出し、遠距離からビッグボルフォッグの援護をさせるが……
(ピスケガレオンの反応が鈍い……いえ、これはヴァルナーへの攻撃を躊躇ってる……?)
ピスケガレオンは海洋生物……特に、ヴァルナーと同種であるシャチの思考パターンを組み込んだ制御システムで動いている為、ゾンダー化したヴァルナーが同種であると本能で気付き、私の命令に疑問を持っているのだ。
イルカ型は顕著だが、心なしかサメ型も手加減をしている……
(私も助けたいよ……だから今は躊躇わないで! ガオガイガーがコアを摘出して、護くんに浄解して貰えば助かる筈だから……!!)
ゾンダー化した事が、ヴァルナーにどんな影響を与えるのかなんて予測が付かない……しかし現状、コアを摘出して浄解する以外にヴァルナーを助ける方法は無いのだ。
『ファイナルッ! フュージョ――ンッ!!』
ビッグボルフォッグがゾンダーヴァルナーの隙を突いてライナーガオーを取り戻し、ガオガイガーへの合体(take2)を敢行……ようやく救出の手立ては整った。
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「……獅子王先輩、ヴァルナーを……!」
ディバイディングドライバーで形成された戦闘フィールドの外……建物の上から、スミレは高校の先輩だった凱にヴァルナーの事を託す。
『……大丈夫だ……俺を、GGGを信じろ……ッ!』
ブロウクンマグナムを放ち、ゾンダーヴァルナーの攻撃の出鼻を挫くガオガイガー……続けて接近戦を挑もうとするがゾンダーヴァルナーの再生が早く、再度の突撃でダメージを受ける。
『ちぃッ、でゃあぁぁぁぁっ!!』
だがガオガイガーも果敢に反撃……吹き飛ばされる反動を逆利用してオーバーヘッドキックの要領でゾンダーヴァルナーの尾部に蹴りを浴びせ、バランスを崩したゾンダーヴァルナーは地面に墜落。
『……ゾォォォンダァァァァ……!』
僅かな差異だが、ゾンダーヴァルナーの声が掠れている……もしかしたら、予想以上にゾンダー化のダメージが蓄積しているのかもしれない……
『凱さん、早くコアを浄解しないと……もしかしたらヴァルナーが……!』
『何ッ?!』
シオンの目には明らかに鈍っているゾンダーヴァルナーの挙動が見えていた……まだ戦闘開始から数分しか経っていないのに、この疲弊具合……人間以外のゾンダー化は適切では無いのだろう。
(元々ゾンダーメタルの効能は人体に最適化されている……マイナス思念をエネルギー化し、人体から抽出するのが目的、でも暴走から今までの間にどんな変異が起きているのか分からないし、その影響で対象を保護する生命維持システムも暴走していたら……!)
最悪の想定が頭を
『ヘルッ・アンド・ヘヴンッ!!』
無情にも時は止まらず、ガオガイガーにギガンティックシザーアームが接続され……ヘルアンドヘヴンを発動するガオガイガー。
『今、助けてやるからな……!』
左右の腕に接続されたアームユニットを通して、ガオガイガーの右腕から発するブロウクンエネルギーと、左腕から送られるプロテクトエネルギーが接続基部「ユナイトジェネレーター」へと送られ、エネルギー融合で起きる空間反発力をブレード部へ送り込んで反転させ、周囲に発生したEMトルネードへと更なるエネルギーを放出。通常よりも遥かに拘束力の高い、青白い雷光を迸らせたEMトルネードがゾンダーヴァルナーに直撃し、更に対象をガオガイガーへと引き寄せていく……
『ハァァァァァッ!!』
「ガオォォォンッ!!」
獅子の咆哮と共に、巨大なニッパーを構えたガオガイガーは全速前進。
コアのあるゾンダーヴァルナーの口腔内……コアユニットへと刃を突き立て、エネルギーの流れを把握するアームパーツのセンサー情報とガオガイガー本体の各種センサーの連動によって正確なコアの位置を特定、刃の内側に設けられた「セーフティポケット」に確保。
同時に爆発の衝撃に備えてコアと全身を、EMトルネードの余剰エネルギーを取り込みエメラルドグリーンに輝く「クリスタルプロテクター」が覆うと共に、刃部の外側へ向けてヘルアンドヘヴン本来のエネルギーを爆発解放させ、ゾンダーコア以外の全てを完全に塵と化したのであった。
ラストに今一度、シザーズH&Hの詳細をぶっ込んでみる。
問題の浄解シーンとその後の顛末は次回へ持ち越し……
あ、前書きにも書きましたが前話を加筆修正しました。
感想お待ちしてます。
今後、最も期待しているエピソードは?
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改変されたゾンダリアンの顛末
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前半の山場、EI-01との最終決戦
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改変版・超勇者黙示録(FINAL)