狂わなかった「Z」の力 ~勇者王ガオガイガーif   作:睦月透火

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筆が止まらない! 楽しみな方には嬉しい誤算だけどネ。

毎度の誤字報告や訂正……とても助かっています!
27、28話にも「設定と矛盾が~」とご指摘がありましたので修正しましたです。

ホント拙い私ですみません!(。>д<)

そして前回からの続き……
原作と状況は違えども、ヤバい事に変わりはない29話!



第29話 悪魔たちの饗宴(3)

 あれからそんな時間は掛からず……ベイタワー基地は復旧した。

 

 最大の功労者はやっぱり護くんとボルフォッグでしたね……原作通りに2人は密かに基地へ潜入し、私が奴の注意を引いている間に護くんと「多次元諜報潜水艦」へ移動……

 ゾンダーがそれに気付いて追うも、猿頭寺さん謹製の「侵入者破壊プログラム」で逆に大ダメージを被り……這々の体で脱出した所を私が物理的に確保した。

 

 でも……ハッキングをしていたゾンダー、あの後すぐピッツァに奪還されちゃったんだよね……

 

 

回想シーン

 

(さて……確保したは良いものの、私は浄解なんて出来ないし……護くんとボルフォッグを待つしか無いよねぇ)

 

 格納庫スペースで蠢くゾンダーをひっ掴み、思案にふけるシオン……たまたまゾンダーの逃走ルートと、シオンが護少年と合流しようとしたルートが重なり、絶妙なタイミングで両者が遭遇……そして今に至る。

 

 だが、ほんの僅かな時間でその現状は壊された。

 

『……貴方も来てたんだ……流石、噂通りのスピードね……』

 

「ソイツを返して貰……む……貴様、例の裏切り者か……!」

 

 機界四天王ピッツァ……原作よりも強化されている筈のGGGのセキュリティでさえ、彼を捉える事など出来なかったのか……お互いに気付いたピッツァと私は、その場で油断無く構える。

 

『裏切り者、ねぇ……私からすれば貴方達の方こそ、トチ狂って変な行動ばかりしているとしか思えないのだけど?』

 

「ほざくなッ!!」

 

 超高速で懐に飛び込んでくる機界四天王ピッツァに、私は展開していたゼルフィカールの武装を向けようとするも、その圧倒的速度差に反撃の暇さえも許されず、右手で確保していたゾンダーを奪還されてしまった。

 

(……やはり速い。この速度差じゃスティレットでも、追い付けるかどうか……轟雷でも、恐らく砲撃は掠りもしないわね)

 

「……まだ子供、そして女か……フン、我々の前に立ち塞がるなら……次に(まみ)えた時は覚悟して貰うぞ」

 

 そう言ってピッツァは超高速で姿を眩ます……顔こそポーカーフェイスは貫けたものの、内心実は超ドッキドキの瞬間でした。

 

回想終了

 

 

 原作を知る私からすれば……()()()()()()()()()()()()()赤の星の戦士……ソルダートJ。

 

(理由は分からないだろうけど、私が自分(ピッツァ)に攻撃できない事に彼自身も気付いたかな……私の我が儘だけど、これは仕方ないよね……)

 

 ふと溜め息が出そうになるも……各ガオーマシンと氷竜・炎竜を乗せた三段飛行甲板空母が発進していくのを映像で見届けながら、私は意識を切り替える。

 

『とりあえず、早くドライヴの搭載作業始めないと。……間に合うかなぁ?』

 

──────────

 

 ……その後、大阪では。

 

『……クソッ、やはり打撃が吸収される……コンニャクみたいなゾンダーだな……!』

 

《凱、お待たせ!》

 

《ミラーカタパルト展開! ガオーマシン各機、並びに氷竜・炎竜、順次発進!》

 

『隊長! お待たせ致しました!』

『街の方は僕達に任せて下さい!』

 

『あぁ、待ってたぜ!』

 

《ファイナルフュージョン、承認(しょお~にん)ッ!!》

 

《了解! ファイナルフュージョン……プログラム、ドラァァイブッ!!》ガシャン!!

 

 基地施設が正常に戻り、ガオーマシンも現場に到着……膠着状態だったガイガーとタイヤゾンダーの戦いは好転……凱さんはガオガイガーに合体し、タイヤゾンダー戦第2ラウンドとなった。

 

『……勝負だ、ゾンダーロボッ!』

 

 ガオガイガーは果敢にタイヤゾンダーロボに挑むが、パンチやキックは弾力のせいでロクなダメージにもならず、ブロウクンマグナムも易々と弾かれる……

 

 残る手段は……ヘルアンドヘヴンのみ。

 

『これを使うしか……ない!』

 

 しかし、ダイキャンサーはドライヴ搭載の為に整備中なので、仕方なく通常のヘルアンドヘヴンで対応する事に……

 

『ゲム・ギル・ガン・ゴー・グフォ……うぐっ?!』

 

 久々に受けるヘルアンドヘヴンの反動……それまではダイキャンサーの腕で反動軽減されてはいたが、戦闘自体で蓄積する疲労やダメージで凱の身体にはかなりの負担が溜まっていた。

 

 ゾォォォンダァァァ!!

 

 それを見逃さなかったゾンダー……全身のタイヤを高速回転させ、EMトルネードの拘束を和らげたのか……ジリジリとガオガイガーへ接近してくる。

 

《なんと?! EMトルネードの拘束をタイヤの高速回転で相殺しておる!》

 

 タイヤの回転数は徐々に上がり、遂に空気を纏う程となる……それまで拘束されていたタイヤゾンダーロボが拘束を振り切り、両腕を組んだ直後で硬直しているガオガイガーを体当たりで突き飛ばし、直後になんとガッツポーズ……

 

『ぐぁぁぁぁっ!!』

 

 両腕が解かれ、EMトルネードが完全に消失……不意のダメージを負ったガオガイガーは転倒、ダメージが響いているのか、なかなか体勢を戻せない……

 

『『た、隊長ッ?!』』

 

 まさかの事態に、氷竜・炎竜は動揺を隠せない。万事休すか……そう思われた直後。

 

 ガギィンッ!!

 

 再度突撃中のタイヤゾンダーの片足が、地面から生えた巨大なモノに挟まれ……ゾンダーロボは盛大に転倒……ゾンダーの足を掬ったモノは即座に地面へと消え、僅か数秒後にタイヤゾンダーは再び生えてきた何かに追撃を喰らい、高々と突き上げられたのだった。

 

 ゾッ?! ゾォンダァッ?!

 

《何とか、間に合いましたね……ガオガイガー、無事ですか?》

 

『……シオン、か……助かったぜ……』

 

 ガオガイガーが体勢を整えるまでの間、何度も突き上げを喰らい……タイヤゾンダーロボの動きのキレは明らかに落ちている。そして、その突き上げを行った奴の正体が地面から這い上がって来るように姿を現した。

 

 ギィィィィッ!!

 

《ダイキャンサー?! 完成したのか……!》

 

 またもや某狩りゲーの如く、穴を掘って登場したダイキャンサー……いつぞやと同じ様に両腕の鋏を振り上げ、我が姿をアピール。足元にタイヤゾンダーが倒れている姿を合わせて見ると、プロレスかボクシングの決定打が決まった直後に見えなくもない……

 

『……今なら、ッ! ダイキャンサー、力を貸してくれ!』

 

 ガオガイガーへと向き直り、以前の如く踊り出すダイキャンサー。

 

『《アーズド・ツール》ッ!!』

 

 凱さんはコマンドワードを叫び、ダイキャンサーもしっかり反応……両腕の鋏が変形しながら切り離され、ガオガイガーの腕と入れ替わる。更に装着後も変形を続け、必殺技モードへ……

 

『ヘルッ! アンド・ヘヴンッ!!』

 

 体勢が整ったタイミングでタイヤゾンダーもようやく起き上がるが、強化されたEMトルネードの出力は先程の様な相殺を全く許さず……強力なエネルギーフィールドで縛り付ける。

 そのまま見事にコアを摘出し、ゾンダーロボも倒した……けど、ガオガイガーはこれまでの戦闘によるダメージが祟り、ゾンダーロボの爆発でバランスを崩し、確保していたコアも中空に投げ出されてしまう。

 

『ゾンダーコア、確保しました!』

『間一髪……だったな』

 

 一応コアは、氷竜と炎竜が確保……でもガオガイガー自体はディバイディングフィールド内で膝を付いた所を敵の罠に嵌まり、タイヤゾンダーの残骸を利用して造り出された「超次元ポッド」に閉じ込められてしまった。

 

『な……何だ、これは……?!』

 

 タイヤゾンダーの残骸と、奴が溜めまくっていた回転エネルギー……ヘルアンドヘヴンで消し飛ばされたボディから解放されたその回転エネルギーと、残骸に残された最後の意思が発動した、次元の落とし穴……

 

 それこそがゾンダリアンの罠となり……まさに積年の恨みが如く、ガオガイガーを閉じ込めてしまったのだ。

 

『ッ?! 隊長、今助けに行きます!』

 

『待て炎竜! これはただの竜巻では……』

 

 突撃する炎竜だが、捻じ曲げられた空間に秒で返され、氷竜の方に突っ込んでしまう。

 原作通りの展開だ……でも、それなら……

 

《長官、博士! データは見ました。この超次元ポッドは既存の方法じゃ破れません……でもアメリカから来た、あの子達なら!》

 

「そうか! プライヤーズならば」

 

 麗雄博士もすぐに気付き、事態は急展開を迎える。

 

 プライヤーズは空間の歪みをコントロールし、修復できる唯一のツール……この超次元ポッドの空間の歪みを捉え、狭い穴を抉じ開ける事も可能なツールなのだ。

 出動命令が下るも、高速の輸送手段が無いので自力で大阪に飛んできたプライヤーズ……時間的には結構ギリギリだったが、何とか間に合ってくれた……

 

…………(間に合いましたね)………(ガオガイガー)!』

 

『お前達は……そうか、雷牙叔父さんが送ってくれたプライヤーズだな!?』

 

……(そうです)…………(ガオガイガー)………………(我々をお使い下さい)!』

 

『ああ……早速、力を貸して貰うぜ! 《ディメンション・プライヤー》ッ!!』

 

 コマンドワードを受けて3体のロボが変形し合体……巨大なペンチ型のツールモードへと姿を変えたプライヤーズが、ガオガイガーの両腕に接続される。

 

『ツール・コネクトッ!』

 

《……! ディバイディングフィールド、自然復元時間デス! 数値安定……湾曲空間が復元されマス(アレスティング・アウト)!》

 

 ほぼ同時にディバイディングフィールドの限界時間が過ぎ、湾曲空間の自然復元が始まる……

 

 その直後、まさに間一髪……ガオガイガーから供給されるエネルギーを利用し、ディメンションプライヤーは空間に干渉……

 歪曲された空間を強制的に抉じ開けて脱出口を造り出し、ガオガイガーは超次元ポッドを脱出。

 

『うおぉぉぉぉぉッ!!』

 

 そのまま歪曲空間そのものをディメンションプライヤーで掴み、上空へと放り投げる……超次元ポッドは重さもなく、されるがままに宇宙まで到達し、ディメンションプライヤーの効力で歪曲率を正常に戻されて消滅。

 

『我々もサポートします、三身一体ッ!』

『シンメトリカル・ドッキングッ!』

 

 ガオガイガーの脱出に合わせて氷竜・炎竜とボルフォッグも合体……ビッグボルフォッグは戦闘フィールド内のディバイディングドライバーを回収し、超竜神がエネルギー切れ直前のガオガイガーを救助……

 

 その約十数秒後……ディバイディングドライバーで造られた湾曲空間の自然復元も完了し、大阪の街は消滅を免れたのであった。

 勿論、タイヤゾンダーのコアとなっていた元・大食いさんは既に浄解済みなので、とりあえずは一件落着……

 

 しかし結局、ゾンダー化した「犬吠埼(いぬぼうさき) (みのる)」氏は行方不明のまま、コアの行方も掴めず……前回までの戦闘も含め、サイボーグ凱に蓄積したダメージは癒え切らないままである。

 

──────────

 

『凱さんの身体ダメージ、どうにかならないんですか?』

 

 もう見ていられなかった……原作とは多少違うものの、凱さんの蓄積ダメージはもう限界の筈だ。

 私は彼の父親である麗雄博士に、どうにか回避……または回復が出来ないかを相談する。

 

「ヘルアンドヘヴンによる反動こそ、ダイキャンサーお陰でずいぶんと減っておる……だが、戦闘自体で受けているダメージは、着々と凱の体を蝕んでいるのだ……既にもう、パーツ交換だけではどうにもならん状態までな……」

 

『だったら……!?』

 

 戦わなくても良い……そう言いたかった。

 

 ……でも、凱さんの思いと、麗雄博士の思い、そしてこの世界の重要な流れを考えると言い出せない……それこそ、ダイキャンサーが完全稼働した今なら、ガオガイガーは核の摘出に専念しても良い訳だし、無駄なダメージを負わずに未来の戦いも優位に運べる。

 

 その際に変わる事は、なるべく私が対処すれば良い……最初はそう思っていた。でも……

 

《長官……凱の思うようにさせてやってくれんか?》

 

 ふと、原作で語った麗雄博士の()()()()がよぎる……

 

 麗雄博士の……凱さんを思うこの言葉を知っている以上、私がとやかく言う立場じゃない……例えそれがただの物語であっても、目の前の現実であっても。

 

「だから、お前さんの力が借りたいんじゃ……凱の為に、このツールを完成させたい」

 

 麗雄博士はそう言って、私に紙の設計図と資料の束を手渡した。

 

「……このツールの持つ力は、使い方を間違えれば世界全てを消しかねん……じゃが、お前さんなら信頼できる。

 ……この資料を見れるのは、ボク以外では君だけだ……稀星くん、いや……()()()()()()()()()()()()()、稀星シオン君!」

 

『……?! こ、この資料は……!』

 

 私は驚愕するしかなかった。それは当然だ……博士から手渡されたこの資料は、博士とごく一部の者しか閲覧を許されなかった超極秘資料の1つ。

 「Gツール」……あの「ゴルディオンハンマー」の設計図なのだから。

 

「お前さんから貰ったダイキャンサーの情報は大いに参考になった……しかしこのツールの力はあまりにも強すぎて、凱の身体に更なる負担を課しかねん……

 じゃがお前さんの力を借りる事が出来れば、真の意味での完成も間違いない……このツールは必ず、凱の力になるはずじゃ!」

 

 あぁ、そうか……やっぱり麗雄博士は凱さんのお父さんだ。

 

(「凱の思うようにさせてやってくれ」……か、父親として精一杯、彼の道をサポートしてあげたいんだね)

 

『……麗雄博士……貴方の覚悟、父親としての思い……この鋼の身体を貫いて、心に響きました』

 

 麗雄博士の手を優しく握り、息子の為にと尽力する彼の力になりたいと強く思う。

 感動で泣いたのは、あの時護くんに諭された以来かな……博士の顔が、涙で少し歪んで見えた……

 

「稀星くん……」

 

『私の全能力を貴方にお貸しします、一緒にこのツールを完成させましょう!』

 

 こうして私は、念願だったゴルディオンハンマーの設計図と理論情報を入手……麗雄博士と共に、Gツールの真(ゴルディオンハンマー)の完成を手伝う事となったのである。

 

──────────

 

 それから数日後……やはり事態は急変した。

 

「あの◯◯予備校が……消えただと?!」

 

「……はい、これがその跡地に残されたクレーターの画像です」

 

 猿頭寺さんがモニターに映像を出す……そこに映ったのは、直径500mほどのクレーターだった。

 

(おかしい……順番的に、次は列車砲ゾンダーだったはず……でもこのクレーター)

 

 原作での列車砲ゾンダーの爆撃跡は、落ちる水滴を横から見た様な形状になっていたが……映像に映されたクレーターは、(まご)う事なき正円……そして円の直径と同じ球体の内側に存在した筈の全てが消え去っていたのだ。そして……

 

『周囲の建物が、なんで内側に……爆発が原因なら、外側に薙ぎ倒される筈なのに……』

 

「地元警察からは、現場付近で()()()()()()()()()()()()()()()()言う聞き込み情報も入っています」

 

 ますます以て不可思議な現象……いえ、もしかして。

 

『……猿頭寺さん、クレーター内部の表面を拡大できますか?』

 

 私の提案に頷き、猿頭寺さんが映像を拡大する……拡大されて画質は少し荒くはなったが、私はクレーターの内部に奇妙な痕跡を発見した。

 

『地下部分の痕跡……まるで削り取られたかの様な感じ、これって……』

 

 何か、次の相手も原作以上に超ヤバい雰囲気……




連戦は、長くなる……この話はいつもの倍だね……
ハッキングゾンダー取り逃がしちゃったし、かなりヤバヤバ。

しかし、ゴルディオンハンマーのフラグも立ちましたね……
しかも麗雄博士が直々にシオンちゃんへ協力を要請。

……つまりゴルディ超強化待ったなし?!

感想、お待ちしてます。

次のアーマロイドは何になると思う?(答えは次のゾンダー戦で)

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