狂わなかった「Z」の力 ~勇者王ガオガイガーif   作:睦月透火

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1話限りの合体技『斬蟹刀・竜騎翔閃』のインパクトが全てを持っていった前回ですが、如何だったでしょうか?(;´∀`)
今回もまた予告どおりに新キャラが登場します。
タイトル的から既にモロバレしてますが、マイク・サウンダース13世の登場ですw

マイクの口調再現、けっこうむっずいわ……



第40話 滅びを呼ぶ声(マイク・サウンダース) (前編)

 先日の嵐で一時的にコンテナが行方不明にはなったものの、無事にGGGアメリカの開発した新戦力。コードネーム「CR」……コスモロボと銘打たれた特殊機体。

 原作でもお馴染み「マイク・サウンダース13世」がGGGベイタワー基地に来訪した。

 

『ハローエブリバディ~! マイネーム、イズ、「マイク」! ヨロシクネー♪』

 

 原作通りのお気楽口調とコミカルなビジュアルが特徴の勇者ロボ……獅子王麗雄の兄であり、世界十大頭脳の1人「獅子王雷牙」が基礎設計を行い、NASA(アメリカ航空宇宙局)とGGGの共同開発……所属こそNASAではあるが、AI開発と育成にはGGGが主導しているのである。

 なお、今回の訪日目的はCR(マイク)のAI育成やGGG本部のメンバー……主に機動部隊との交流、となっているが……原作を知っているシオンからすれば、裏の事情がある事は目に見えていた。

 

(原作通りのマイク訪日……雷牙博士も一緒なら、十中八九「ゾンダーメタル」の回収とゾンダーロボの戦闘データ解析でしょうね……さて、このシナリオをどう捌くか……)

 

 実際問題、シオンが手を出さなくてもこの案件は丸く収まる為……特に気にする必要性は無いのだが、シオン自身はそう思っていない。

 

(私の裏事情とアーマロイド(グラヴィス達)との本来の関係が知れれば、混乱は必至……下手をすれば世界各国やGGGとの関係にも軋轢を生みかねない……慎重に事を運ばないと)

 

 そう……シオンの正体や裏事情はGGGの一部スタッフ(メインクルーや整備・研究開発部所属の者)しか知らず……混乱を避ける為にも彼女が地球外生命であり、敵の親玉の類縁的存在(Zマスターのプロトタイプ)である事は内部ですら極秘扱いとなっている。

 ……しかし、弟である麗雄と同様に頭の回転が早い雷牙は、本部の抱える膨大なゾンダーに関する研究情報を見れば、真相に辿り着く可能性が非常に高い……その為、シオンは極めて慎重になっているのである。

 

「凱、稀星くん……伏せておいた方が良いぞ?」

 

『え……っ?』

 

 麗雄の指摘に凱は懐疑的だが、シオンは納得済みの様に頭を下げ姿勢を低くする……

 

「……ィィィヤッホォゥゥゥィイ!!」

 

 扉が開くと同時に向こう側から勢い良く飛び出してくる何か……ソレは凱のすぐ傍を通り過ぎ、シオンの頭の上を通過、その後も何度か壁ギリギリでターンを繰り返し麗雄の眼前に来て急上昇(インメルマンターン)……が、その後のコントロールが効かなくなり、天井の突起物に頭を強かに打ち付け、盛大に落下してきた。

 

「痛たたた……は、Hallo……♪」

 

「全く……年甲斐もなく遊んどるから、そうやって痛い目を見るんだ兄ちゃんは! 自分の年齢(トシ)考えんかぃ!!」

 

 麗雄は装備していたジェットブーツで急加速し、立ち上がった雷牙の背後からのラリアットで追撃を慣行。ジェットブーツによる最大加速のラリアット攻撃……コレが「麗雄ラリアット」、その威力は想像を絶する(らしい)。

 

「ブハァァァッ!! や、やりよったなァァァッ?!」

 

 一度は地に伏せる雷牙だったが、負けじとジェットグローブを展開。最大加速を掛けた一撃を麗雄の顎に向かってねじ込む……コレが「雷牙アッパー」、その破壊力は神々をも震わせる(らしい)。

 

「グフゥゥゥッ!! もう怒ったァァァッ!!」

 

「なにをぉぉぉう?!」

「なんだぁぁぁっ?!」

 

「はぁ……やれやれ、相変わらずですね雷牙叔父さんは」

 

「待てジジイィィィ!!」「だぁれがジジイだァァァ!!」

 

『……凱さん、この人が……?』

 

「うん、獅子王雷牙……父さんの兄で、GGGアメリカのスーパーバイザー。研究開発のトップを勤めてるんだ」

 

 間近で見る2人の大人気ない兄弟ゲンカ……知ってはいたけど、実際に目の前でやられるとこんなにも呆れるものなのか……

 

 

 此方が呆れ返る程に兄弟ゲンカを繰り広げた後、凱さんのストップでようやくケンカは落ち着いた……

 

「久しぶりだな、凱……僕チャンの送ったプライヤーズは役立っとるかね?」

 

「ええ、何度か窮地を助けて貰いましたよ」

 

「そうだろそうだろ! ……そして君が噂の美人見習い君かね?」

 

『え、えぇ……稀星シオンです、よろしく』

 

「……今夜、予定は空いとるかね?」

 

 社交辞令として握手を差し出すシオンだったが、雷牙はそれを避け、持っていたジェットスケボーでホバリングをしながらシオンに急接近……顔を間近で見ながらシオンを口説きに掛かったのである。

 

『……ぇ……? あ、あの……』

 

「くぅぉぉぉらぁぁぁ! 兄ちゃんッッッ!! 稀星くんはウチの大事な研究者だ! 絶ッ対に兄ちゃんの好きにはさせんぞぉぉぉ!!」

 

 性懲りもなく欲望全開の行動に走る雷牙に、再びキレる麗雄……兄弟ゲンカの第2ラウンドはすぐさま開始され、何とも慌ただしい初顔合わせとなったのであった。

 

──────────

 

 その後、護くんや機動部隊の面々とマイクの顔合わせも終わり、GGGの協力により開発されたアーマロイド2体の御披露目が始まった……もちろん、ダイキャンサーとクーゲルザウターの事である。

 

《“よろしく頼む”》

 

《“よ、よろしくお願いします……”》

 

 固有の性格上か……ダイキャンサーは物怖じせず雷牙やマイクに挨拶するが、まだ幼いクーゲルザウターは若干緊張気味の様子……

 

『オゥ♪ ダイキャンサー! 鎧武者みたいでベリーストロング! スッゴく強そうだもんネー! それにクーゲルザウターはベリーキュート♪ ピギーちゃんとハまた違う感じでカワイイもんネー♪』

 

《“そ、そんな……カワイイだなんて……♪”》

 

『良かったわね、クーゲル』

 

 非戦闘時、そして自己紹介という事もあり、クーゲルザウターは防具の鎧をパージした状態で居た為か……マイクは間違う事なくクーゲルを女の子として認識。その上初対面のマイクから即“可愛い”と誉められたので、クーゲルザウターは嬉しさのあまり顔がにやけて止まらないご様子。

 

「ほほぉ……生物の意匠を取り入れつつも無駄の無いデザイン、ジェネレーター出力も巨体に見合うだけの高出力……そして装甲も新素材か……」

 

 ダイキャンサーとクーゲルザウターは音声……とまではいかないものの、相手のロボや端末へ文章を送信する事で擬似的ながら(筆談する感じで)会話を行える。

 音声を用いる事が出来ないのは戦闘サポートを重視している故の仕様だとしているが……本当は単なるコアとボディの馴染み具合が規定値に達していないが故のエラーが原因である。

 ダイキャンサーのコア成熟度は現在47%、クーゲルザウターはまだ16%と低い……コアの成熟と機体との馴染み具合が進めば、新たな能力の開花も含め、その性能は飛躍的に向上。

 

 ちなみに現在、公開している情報は初期データの羅列なので、実数値は成熟度により大幅に変動する事になる……

(※新規に覚醒する能力は本編内で発現したら追記します)

 

 少なくともZコア・ドライヴはゾンダーメタルを改造して生み出された物であり、効能や特性こそ違うものの近似種である特徴は色濃い為、何がなんでも伏せておく必要があるのだ。

 

(……ふぅむ、この装甲材の組成は見たこともない新基軸の構造だ……このデータだけで正確な詳細までは分からんが、この素材特性は強度だけでなく、ある程度の柔軟性も兼ね備えておる。

 そしてこのジェネレーター出力。一般的なジェネレーターでは理論上絶対に有り得ない数値……このレベルは既に、アメリカで研究中のHPHGCPに想定されておる予測値並ではないか!? これ程の高出力、一体どうやって……?)

 

 顔には出していないが、雷牙は内心でダイキャンサーとクーゲルザウターの基礎スペックに驚愕していた。これ程の性能を発揮できるマシンは、本来Gストーンを持つ勇者ロボをおいて他に無い……以前に協力要請のあった、パーツ製造の段階で予想された数値からも大きくかけ離れているのだ。

 (ひとえ)にこの性能の秘密は、その動力源に秘密がある……雷牙がそう思い当たるのに、それほど時間は掛からなかった。

 

──────────

 

 その日の夜……寝静まった筈のGGGベイタワー基地。分離すれば「多次元諜報潜水艦」に相当するエリアの中枢部で1人、マイクは基地のシステムへとアクセスしていた。

 

『GGG戦闘記録呼び出し……パスコード、解析完了。音声照合システム、感知……コマンドワード、入力』

 

《ボルフォッグ……コードNo.G-09。GGG戦闘記録、呼び出し》

 

 強固なセキュリティをロボット特有の裏技で解除し、部外秘の戦闘記録を呼び出すマイク……この戦闘記録はGGG研究開発部がゾンダーの解析と攻略の糸口として保存している物であり、部外者のアクセスを固く禁じているものでもある……マイクはまだアメリカ支部の所属のため部外者であり、本来は禁則事項なのだが、裏技とはいえセキュリティを正攻法で解除されているので機密保持システムも反応しないのである。

 

 やがてシオンが戦闘に関わり始めた頃のデータが呼び出され、シオンに酷似した人物が「獅子王 凱」と会話しているシーン、緑の髪の少年こと「天海 護」と親しげに話すシーン……そして、最近の記録であるブラックホール脱出の際に撮られた超巨大マシンから出てくるシオン(この時はなんと仕事中で見かける女医姿)が記録されていたのだった。

 

『全戦闘記録、コピー終了……電源OFF』

 

 全戦闘記録のコピーを終え、システムを終了させてその場を去っていくマイク……部屋の扉が閉まって数秒後、壁の一部が歪み……ホログラフィックカモフラージュを解除したボルフォッグが姿を表した。

 

『……マイクが来日した目的は、自身のAlの育成以外にもあったという訳ですか……』

 

《“……どういう事だってばよ?”》

《“あの子、ちょこっと訳あり……?”》

 

 ボルフォッグへ直接文章を転送しながら、2匹の海洋生物……サメとイルカ、ご存知ピスケガレオンが床から姿を表す。

 

『戦闘記録を解析すれば、これまで戦ったゾンダーロボの詳細なデータと、我々の能力を知る事が出来ます……しかし、ゾンダーと我々のデータであれば、正規の手続きをすればこのような事をせずとも入手できる筈……態々このような手段を取る必要があるとすれば……』

 

《“……もしかして……!”》

 

『確証は持てませんが……恐らく、そういう事でしょう。ですが、今マイクを問い詰めたとしても、彼は何も知らない可能性が高い……あの瞬間のマイクは、普通の状態では無かった。

 仮定ではありますが、戦闘記録を呼び出していたのはマイクではなく……()()()()()()()()()()()()()()()()()可能性があります』

 

《“んじゃその細工をした奴を探して、問い詰めりゃ良いって訳だな?”》

 

『細工を施した人物は、既に見当は付いています……ですが……』

 

《“……が、どうしたの?”》

《“……が、なんだってばよ?”》

 

 ピスケガレオンはお互い顔を見合わせ、ボルフォッグの次の言葉を待つのだった。

 

──────────

 

 その次の日の夜、ちょっとした事件が発生する……本来なら「超」が付く程の重要機密の塊であるマイクが、なんとお台場で開催されたイルミネーションパレードに乱入……あろう事かパレードの列に入って悦に浸っていた。

 

『ハロ~♪ エブリバディ~! キラキラなマイクをヨロシクだもんネ~♪』

 

 待ち合わせてパレードを見に来ていた私達も、アメリカ生まれのマイク(お調子者)の行動には呆れるしかなかった……

 

「……NASA(アメリカ)の重要機密が、こんな事してて良いのか……?」

 

「Oh My God……またDr.(ドクター)雷牙に怒られマース」

 

「私、熱出てきちゃった……」

 

『……さすがにコレは……ハァ……』

 

(内情を知る身という視点で現実に見せられたら……ホント、頭痛くなるわねコレ)

 

 

 マイクを見た後、反対側に護くん達が居るのを発見……イルミネーション行列が途切れた頃合いで、アイスを買いに行っている凱にG-USBでその旨を伝えてから移動して合流。アイスを手に戻ってくる凱と、折り返しの行列を待っていた時だった。

 

(ッ!? この波長……ゾンダリアン?! まさか……?!)

 

 一瞬だが確実に捉えたゾンダリアン、ピッツァの反応……それが頭上を通り過ぎた直後、背後のフ◯テレビのビル屋上にある球体展望台が強風と共にその場から外れ、真下に居た私達目掛けて落ちてきたのである。

 

「!? イカン!!」

 

 アイスを手にしようとしていた凱は気付いて踵を返し走り出すも、この距離では到底間に合わない!

 

「「「きゃあぁぁぁ!?」」」

「うわぁぁぁ?!」

 

(油断した!? マイクが来たなら次に起きるのは……)

 

 付近に居た大勢が恐怖で立ち竦む。真下に立つ私達を含め、多数の死傷者が出ると思われた直後……

 

 ギュイィィィンッ♪

 

 大音量のサウンドと共に展望台の球体は凄まじい程の音圧によって弾き飛ばされ、100m以上も飛んで誰もいない海面へと落着したのである。

 

(……っとぉ……まったく、心臓に悪すぎよ……このイベント)

 

 ギュゥゥゥン♪ ギュアァァァンッ♪ ギュリリリィィィンッ♪

 

「計算されたサウンドウェーブによる音圧攻撃……! 何なんだ、アイツは……?!」

 

 その場に居た全員が圧倒される中、音圧攻撃を放った張本人……水色のボディに赤い肩と腰、ギターを掻き鳴らし、黒い脚部に備えたスピーカーからサウンドを発するスリムなロボットは大ジャンプ……何処からともなく現れた台座に飛び乗った後、ギターの音のみを残して夜空へと消えていった。

 

(何故だ?! 何故あのプロテクトが解除されたのだ!? 有り得ん!!)

 

 人混みに紛れ、様子を伺っていた雷牙は驚愕の色を隠せず……

 

『……確認しました。あのロボットは間違いなく……!』

 

 遠目からその全てを見ており、一部始終を記録していたボルフォッグはその正体を悟り……

 

「……ッ!!」

 

 未だ混乱している人混みの中……1人の少年が騒ぎの犯人の気配を察知、ビルの上に居たピッツァを睨んだ直後、ピッツァもその気配に気付いてその場から飛び退いた。

 

「何……?!」

 

(……あの少年、この騒ぎの中で私の気配を察知し、超能力(サイコキネシス)で攻撃して来たというのか?!)

 

 GGGの関係者が近くに居る事もあり、これ以上この場に居る事は得策ではないと判断したピッツァは素早くそのまま現場を離脱するのだった。

 




長くなるのでココで一旦カットぉ!!

後半へ続く……
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