狂わなかった「Z」の力 ~勇者王ガオガイガーif   作:睦月透火

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前回の続き……

来日したマイクは、トラブルを起こしながらも仲間達と交流を深め……
順調にスケジュールも終了し、アメリカへの帰路に着く事になった。



第41話 滅びを呼ぶ声(マイク・サウンダース) (後編)

 数日後、雷牙博士とマイクは来日スケジュールを終わらせアメリカへの帰路に着き……原作通りマイクと友達になっていた護くん達と一緒に見送った後、護くん達は学校の終業式へ……麗雄博士はガングルー、凱さんと命さんはガンドーベルでGGG本部へ帰還。

 

 なお、私は原作警戒の為別行動を取り、一足先に市街地へと赴いていた。

 

(マイクはどうせすぐ戻ってくるし、私は出てくるであろうゾンダーロボの対策を講じないと……)

 

 ビルが立ち並ぶ市街地の中心部、住宅街との境目付近で警戒していた時だ……急に身体機能の制御が失われ、平衡感覚が混乱し全身が言う事を利かずビルの屋上から落下する。

 

(な……に……こ、れ……身体が……動か……な……)

 

『……ッ!? 稀星隊員ッ!?』

 

 コンクリートの地面に叩き付けられるまで残り数メートル、というタイミングでボルフォッグに救出された。

 

『……あ……っ、く……b……ボル……フォ……』

 

『これは……一体何が……!?』

 

 意識が朦朧とし、身体機能もどんどん麻痺していくシオン。

 

(……ダメ……だ、外部感覚……プログラム、や言語……システム、まで……)

 

『一刻を争う事態ですね、すぐにGGGベイタワー基地へ搬送しなければ……!』

 

 だが、それを遮るように2体のゾンダーロボが突如として市街地の2箇所に同時出現……当然、街は大パニックを引き起こし、GGGは氷竜と炎竜を市街地の避難誘導へ、ガイガーはステルスガオーを装着してゾンダーの偵察へと飛び立つのであった。

 

──────────

 

『……コイツ等、一体何を……?』

 

 出現したは良いものの、一向に攻撃する気配を見せないゾンダーロボ……ピンクと紫、単色のタワーの如き威容の2体のゾンダーロボは、市街地上空をゆっくりと移動……勇者達は何が起きても対処できる様に警戒しながらゾンダーロボから一定距離を保っていた。

 

 ……………………。

 

 ……………………。

 

 やがて勇者達を挟み撃ちの状態にするように位置取りを終えた2体のゾンダーロボは、単一波長の超音波をそれぞれ発し始めた。

 

『何だ、この音は……?』

 

『単一波長の超音波の様ですね……』(氷)

 

(やかま)しい連中だぜ』(炎)

 

 感知された単一波長の超音波……だが本部でその様子と波長を確認した麗雄は驚愕と共に凱達へ指示を出した。

 

《イカン!? 全員すぐにそこから離れるんじゃ!!》

 

 だが、時既に遅し……超音波は徐々に指向性を帯びて機動部隊の位置へ収束……2種の超音波が合成されて強力な音波攻撃へと変貌し、機動部隊を襲ったのである。

 

『ぐッ、うぁぁぁ……ッ!!』

 

『た、隊長……ぐうぁぁぁ!!』

 

『ぐぅぅぅッ!? Gリキッドが……!』

 

《な、何がどうなってるんだ……?!》

 

 本部で状況を注視していた大河は、麗雄へ問う。その答えは……

 

「強力な超音波による分子振動だ! 2種の超音波を合成して、液体を瞬時に沸騰させるレベルにまで増幅させておるんじゃ……!」

 

「超音波加湿器の原理……その超強力版というヤツですな、周囲の物体にさほど影響がないのは、指向性もあるという事でしょう」

 

「彼らの体内にあるGリキッドが噴出しているのは、そういう事か……!!」

 

「Gリキッドの噴出を止めないと、エネルギーの浪費が激し過ぎて……このままでは動く事も出来ません!!」

 

 麗雄の回答に続き、実例を伴った猿頭寺の解説……勇者達の体内を流れるGリキッドは、Gストーンから得られるエネルギーを全身に巡らせる……言わば血液のようなもの。その喪失は文字通り、彼らの「死」を意味する。

 

──────────

 

 渋滞に巻き込まれ、終業式に遅れそうになっていた護達……そこに、アメリカへ帰っていった筈のマイクが再び現れ、スワンの車ごと空中輸送をしていた時、偶然にもその様子の一部始終を目撃……護達は戦闘エリアのギリギリ外にあるビルの屋上から戦闘の様子を見ていた。

 

「が、凱兄ちゃん……!!」

 

 そこへ、ボルフォッグが合流してきた……その掌には、完全に意識を失っているシオンが横たわっている。

 

「えっ?! シオンさん……?!」

 

「ボルフォッグ、どうしてシオンは気絶してるんデスカ?!」

 

『……皆目、検討も付きません。脱走したマイクを保護する為に後を追っていた所……突然、ビルから落下する彼女を発見し、すぐに救出したのですが……直後に気を失ったので』

 

 気絶したままのシオン、スワンはすぐに本部へと連絡を取る為、自分のG-USBを展開する……ボルフォッグはシオンを掌から静かに床へと下ろすと、すぐにビルから飛び降り、凱達の救援へと走っていくのだった。

 

──────────

 

 その後も原作通りに事態は推移し、合流したゴルディーマーグと共にゾンダーロボを何とかしようと攻撃を加える……ビッグボルフォッグに合体し【メルティングサイレン】でゾンダーバリアを分解した後、ゴルディと共に連撃を加えていく……が、ゾンダーの再生能力の方が強い上にパワーアップされ、更に機動部隊を窮地に立たせた超音波攻撃まで浴びせられ、一転して大ピンチに陥ってしまう。

 

 だが、今度は護のフレンドは自分のフレンド……彼らを痛め付けるのは許せない! と意気込み、マイクは果敢にもゾンダーロボに挑む。が……

 

『今こそ、マイクの隠された力が目覚める時ネー!』

 

 意気込みこそ十分ではあったが、望んだ結果には程遠く……超音波でシステムの一部を狂わされ、ビルに激突。

 

「わぁぁぁ……!?」

「Oh my god~!?」

 

 辺り所が悪くビルごと崩壊し始め、屋上にいた護やスワン達までもが命の危機に……!

 

『……ッ!?』

 

 100m近くあった場所から空中に投げ出され、絶体絶命。しかし、その時だった。

 

System change(システムチェェェンジッ)♪♪』

 

 なんと、護達の目の前でマイクが変形を開始……上下が反転しながら足は腕へと変わり、背中の巨大ユニットが左右に分割されて新たな脚部へ、元々頭だったパーツは後頭部を前面にして腰部となり……

 

『マイク・サウンダース! 13世(じゅうさんせい)ッ!!』

 

 変形を完了したマイクは、投げ出された全員を両手で確保……ビルの崩壊現場から少しだけ移動した駐車場に車と共に避難させたのだ。

 

「マイクが、変形した……?! やっぱり、あの時僕達を助けてくれたのはマイクだったんだね!?」

 

『……フッ、ココからはオレに任せときな!』

 

 あの夜と同じく飛び上がり、奇妙な台座……もといマイクのサポートユニット「バリバリーン」が飛来、変形前とは前後上下が入れ替わりフライトユニットを兼ねる「スタジオ(セブン)」へとターンオーバー。マイクが上に乗ると敵の近くまで接近……

 

『まずは軽く挨拶代わりだZE()Sound Standby(サウンド スタンバイ)!!』

 

 スタジオ7の左からディスクが飛び出し、マイクはそのディスクを胸部のデッキにセット……続けて右側から飛び出したのはなんと鍵盤パーツの付いた黄金のギター。

 

『Hey! ディスク「M」、セットオン! ……ギラギラーンVV(ダブルブイ)ッ!!』

 

 そのままマイクは淀み無い動作でギターを掻き鳴らし、ノリノリサウンドの演奏を開始……最初こそ何も起きなかったが、ゾンダーロボは音が届くと同時に苦し気に蠢き出し……身体の各所で小爆発が発生。

 

 ゾゾゾ……ゾゾゾ……ゾゾゾ……!!

 

 本来ある筈のゾンダーバリアーすら何の役にも立たない音波攻撃……マイクはディスク「M」の効力である強力なマイクロウェーブにより、ゾンダーバリアーを素通りして本体に直接ダメージを与えたのである。

 

『……ヘヘッ、次はコイツだ! ディスク「P」、アウト&セットオンッ!』

 

 胸部デッキのディスクを、2枚目の「P」へと交換……そして、膝の円筒形のパーツが飛び出し、マイクはそれを握る。

 

『ドカドカーン(ブイ)ッ!』

 

 2曲目は歌も含まれた楽曲……マイクは様々な声を真似する事が可能であり、その気になれば性別・年齢問わない再現も可能。そうでなくても、地声が良いので普通に歌うだけでもかなり上手い。

 

 そしてこの歌(2曲目)にはGストーンを活性化させ、消耗したエネルギーを急速に回復させるエネルギーウェーブを発し、凱達のGストーンのエネルギーを回復させていく……

 

『……ッ……こ、コレは……?』

 

『……何だか、身体中にエネルギーが満ち溢れて来たぜ……!』

 

 ガイガーや氷竜・炎竜、ゴルディにボルフォッグも、エネルギーの枯渇で瀕死だった筈が動けるまでに急速回復……Gリキッドの残量は心許ないのだが、通常以上のエネルギーが満ち溢れている為かさほど苦もなく動けている様だ。

 

『マイク……これがお前の力なのか……?!』

 

 ゾンダーロボは損傷の修復と同時にお互いに接近して融合……サイズを2倍以上に膨らませてパワーアップする。

 

『Oh,……合体かい? Baby?』

 

 ゾゾゾ……ゾゾゾ……

 

Alright(オーライ)! コイツの音波攻撃はオレが防ぐ。今の内に体勢を整えな、GGG!』

 

 いつものお調子ムーヴは影を潜め、冷静に……かつ熱いハートを胸に、マイクはサポートを申し出た。

 

《よぅしッ! ファイナル・フュージョン、承認ッ!!》

 

《了解! ファイナル・フュージョン……プログラム、ドラァァァイブッ!!》ガシャン

 

挿入歌:勇者王誕生!(歌:マイク・サウンダース13世)

 

ガガガッ ガガガ ガオガイガー!

ガガガッ ガガガガ ガオガイガー!

 

 凱のファイナル・フュージョン開始に合わせて、マイクはセル3曲目を歌い出す……その曲は原作OPテーマでもあるあの歌……その2番だった。

 

走れ! 頑強ロボ軍団!

赤い眼差し 銀の胸

 

 まずはビッグボルフォッグが初手を飾り、【メルティングサイレン】でゾンダーバリアーを分解……効果時間はさほど長くはないが、これで一定時間の間敵はバリアーを張れなくなる。

 

獅子の絆は「Gストーン」

宇宙の未来、救うため

今こそ発進だ!

 

 その隙に氷竜・炎竜はゴルディーマーグと猛攻を加え、音波攻撃すら許さぬ濃密な弾幕を形成……合体完了までの時間を稼ぐ。

 

ヒトの魂喰い破る

ゾンダーメタルを打ち砕け

 

『ガオッ! ガイッ! ガァァァッ!!』

 

ガガガッ ガガガ ガオガイガー!

ガガガッ ガガガガ ガオガイガー!

 

 合体を完了したガオガイガーはそのままゾンダーの懐に入り込みながら攻撃、敵の注意を引きつつ氷竜達の弾幕へとゾンダーロボを押し込んでいく。その間にゴルディーマーグも位置に付き、タイミングを見計らう。

 

『次は俺様の出番だぜぇぇぇ!』

 

ファイナル・フュージョン承認だ!

今だ! 超人合体だ!

 

 ゴルディーマーグもシステムチェンジし、マーグハンドへと変形……ガオガイガーは右腕をマーグハンドへと交換しハンマーコネクトする……

 

鋼・鉄・粉・砕

 

『ゴルディオンッ、ハンマァァァッ!!』

 

無限、純真、究極、愛

 

『ハンマァァァヘルッ! ……ハンマァァァヘヴンッ!!』

 

 合体ゾンダーロボのコアは2個……マーグハンドから2つの光釘を引き出し、ハンマーヘルでコアの位置を正確に貫く。

 

誕生! 夕日に雄々しくそびえる

 

『……よっと、Alright(オーライ)! ブッ潰せ、ガオガイガー!!』

 

 ハンマーヘヴンによって引き抜かれた2つのコアは、マイクが空中でキャッチ……すぐに安全圏へと離脱しながら、去り際にガオガイガーへとエールを送る。

 

僕らの勇者王!

 

『光になぁれぇぇぇッ!!』

 

ガ ガ ガ ガ ガオガイガーッ!!

 

 コアを失ったゾンダーのボディはゴルディオンハンマーの重力割断ウェーブによって強制分解され、光の粒子と化して煌めき、周囲へと拡散していく……コアを氷竜・炎竜へと受け渡し、マイクは最後に親指を立てて最高だと褒め称えたのだった。

 

『最高だッZE()♪』




話的にはココで区切られます……
シオンの安否が気になりますが、展開の都合なのでココは堪えて下さい。

そういえば、原作でも合体シーンにOPテーマ被せたのって後にも先にもこの回だけじゃないかな?

感想お待ちしてます……

そろそろTVシリーズ後半に向けて、シリアスムードが全開になりますが……息抜きでやるとしたら?

  • TVシリーズ前半のボツ案集
  • ドラマ撮影仕立てのNG集
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