狂わなかった「Z」の力 ~勇者王ガオガイガーif   作:睦月透火

47 / 138
物語のシリアスシーン展開は基本、上げて落とす!



第46話 激突!機界四天王(中編)

 緑色の炎を切り裂いて現れたロボット……ボルフォッグの基調色である紫を引き継ぎながらも、各所に色とりどりの変化が現れ、一回り大きくなったビッグボルフォッグ。

 

「ウィィィ?! なんだその姿は……データにないぞ?!」

 

『当然です、私もこの姿は初めてなのですから……』

 

《当然、私たちがフォローします!》

《遠慮すんな、ガンガンいこうぜってばよ!》

 

『了解、行きます!!』

 

「ウィィィ!!」

 

 先制砲撃とばかりにペンチノンは大型砲を放つ……が、その僅かな間にボルフォッグはペンチノンの背後へと移動し、狙いを付けていない砲塔を切り裂く。カウンター気味にペンチノンの腕部がボルフォッグを襲うが、その姿は虚空へと消え……今度は前方の真下から地面をすり抜けて出現し、ムラサメソードで攻撃する。

 

「ウィィィ?!」

 

『ハァァァッ!!』

 

 先程まで5体がかりで行っていた連携を、更に上回る速度での連続攻撃……それをたった1体でやっている今のボルフォッグ。

 目に見えてその移動速度は際立っており、攻撃自体も相変わらず正確無比……更に一撃の威力もかなり上昇しており、斬撃一つで砲塔そのものが1つ消し飛んだり、以前よりも回復に時間の掛かるダメージをこれでもかという程に叩き出していた。

 

「ウリュウゥゥゥ?! 何なのだその速度とパワーは?!」

 

(凄まじい速度と威力だ……Gストーンから得られるエネルギーだけでは到底考えられない。ピスケガレオンに搭載された“例の動力源”が、コレを実現しているのか?)

 

 猿頭寺は見違えて強力な力を発揮するボルフォッグの姿に、ピスケガレオンの性能の影響ではないかと考察を巡らせる。

 

『ここで終わりにしましょう、ゾンダリアン!!』

 

 ムラサメソードを構え、再び突撃を開始するボルフォッグ……

 

「……それは此方の台詞だ、紫のロボット!!」

 

 ペンチノンの返答と共に、2人を中心とした周囲一体に凄まじいエネルギーが駆け巡った。

 

──────────

 

 ボルフォッグ達が変化を起こす、その少し前……超竜神は単独でプリマーダとポロネズを相手取り、傷だらけになりながらも止めようと必死で追い縋っていた。

 

『……クッ……今すぐ奴等を止めなければ、ゾンダーメタルプラントが……完成してしまう……!』

 

 しかし、満身創痍の状態……かつ、ここまでの無理が祟りエネルギーも残り少ない。次に阻止失敗すれば、行動不能に陥る危険性すらあった……

 

『だが、私は屈しない……最後まで抗い続ける!!』

 

 その時、超竜神のセンサーが生体反応を捉える。それはプラント内の植物擬きに捕らえられた動きではない、現在進行系で逃げている移動パターンだった。

 

『い、いかん!!』

 

 人命救助を第一に考える超竜神は、咄嗟にその民間人の反応へと急ぐ……そのタイミングで、プリマーダとポロネズもその反応に気付いてしまった。

 

「おや、こんな所に人間(害虫)? 轢き殺してあげるわ!!」

 

『うおぉぉぉ間に合えぇぇぇッ!?』

 

──────────

 

「フフフハハハ……ッ!!」

 

『ク……ッ、奴に……奴に追い付けさえすれば……!』

 

《“一瞬でも良い……あの動きさえ止められれば……!”》

 

 此方を嘲笑うように縦横無尽に飛び回っているピッツァ……対するガオガイガーとクーゲルザウターは、どちらも残りエネルギーが少なくなってきていた。

 

『なぁ、クーゲル……アレに追い付けるか?』

 

《“え? えぇ……追い付けはしますが、こっちの弾はすぐに避けられちゃって……”》

 

『いや、近付けさえすればそれで良い……やれるか?』

 

《“……はい、やってみせます! 私の「脚」で……ッ!!”》

 

 クーゲルザウターの瞳に、何故か燃える炎を幻視した凱……その時、先のピスケガレオンと同じくクーゲルにも謎のメールと共に制御システムが更新され、カメラアイの色が緑からオレンジへと変化する。

 

『システム・チェェェンジッ!!』

 

 眼の変化が現れた直後、クーゲルザウターは掛け声と共に急速上昇……両手の武器を格納し、肩と腰のアーマーを除いた各部の鎧を全てパージした後、胴体は首を残して縦に3分割。

 左右は腰を軸に後方へと移動し、肩アーマーごと背中と腰の後ろを挟み込むように接合され、腕部も変形……同時に脚部も腕部と同様の形状へと代わり、外れていた鎧が再び接続されていく……

 

 最後にクーゲルの顔部分へ、鎧パーツの一部が変形した別の頭部が接続され……その姿はまさに黒き鎧を纏う戦馬へと変形したのであった。

 

『クーゲルザウター、戦迅騎馬形態(プフェールト・モード)ッ!!』

 

 変形完了後、ある程度ガオガイガーの周囲を周ってから、その隣へと漆黒の軍馬が降り立つ……その4脚は空を掴み、踏み締めており、クーゲルはまるで駆ける様に宙を滑っていた。

 

『クーゲル、お前……』

 

『さぁ、私に乗って下さい! すぐに追い付いてやりますから!!』

 

 馬の胴体からパーツが伸びて足掛けとなり、顔の側面からビームの紐まで展開……軍馬に跨がるガオガイガーという姿は非常にシュールではあるが、手段があるのだったらやるだけだ。

 

『……よし、行くぞぉッ!!』

 

 勇者王をその背に乗せ、若き軍馬は騎馬として大空を駆け出す……物理法則など関係無いか(ホント、どこ行ったの?)の如く、その速度は空を踏む毎に加速、更に、更にと加速を続ける……空を舞う鳥を追う騎馬は勇ましく嘶き、遂にその速さは音すらも置き去りにしたのだった。

 

──────────

 

 赤と青のエネルギーが交差する……突如現れた民間人を、プリマーダとポロネズの突撃から救助すべくその身を以て庇う超竜神。

 

『間に合えぇぇぇぇぇぇッ!!』

 

「………ッ?!」

 

 身体の芯にまで響く衝撃、エネルギーに身を焼かれる感覚、そして間を置いて吹き込む強烈な風……眼前に迫ろうとする死の危機を感じ、身を竦めてしまう少女……超竜神はその小さな身体を庇い、サッカーのゴールキーパーの如くプリマーダとポロネズの攻撃をその身体で受け止める……筈だった。

 

『……ッ……!? この腕は……?!』

 

「「な……なにぃッ?!」」

 

 超竜神の手前……虚空から生えた一対の鋏を持つ、その青い腕。虚空の穴は徐々に拡大していき、繋がった胴体が半分ほど現れる。

 

『“やれやれ……こんな罪もない、無抵抗の民間人まで襲うとは。やはり、アナタ達の存在は……この宇宙から消し去るべき……ですかね?”』

 

 ワームホールから半身だけ身を乗り出し、ポロネズとプリマーダの突撃を軽々と受け止めるグラヴィスコルード。その頭部カバーが開き、中から1人の人影が出てくる。

 

『《そんな物騒な事言わないで……でも、ギリギリだったわね》』

 

 人間態……GGGの制服姿に謎のオーラを纏ってはいるが、その人影は間違いなく……稀星シオンだった。

 

「どうして?! 私達の全力をこんな簡単に……!?」

「な、何なのだそのロボットは……! 我々の攻撃がまるで……」

 

 グラヴィスコルードは腕の重力制御機構で空間を歪ませて慣性制御を行い、その鋏でポロネズとプリマーダを軽々と挟み、ガッチリと抑え込む。空間ごと対象を捕えて離さないその鋏は、その気になれば確実に対象を圧壊させるのだが、敢えてそれはしなかった……いや、シオンの感情に引き摺られ出来なかったのだ。

 

『《その顔……その声……!? ま、まさか……貴方達は……》』

 

──────────

 

 事の一連の流れを、東京タワーから見ていた小学生ズ……しかし、護だけは地下から漂う気配に言い知れぬ悪い予感を感じてしまい、皆から離れて1人地下へと迷い込む。

 

(……何だろう……物凄く悪い予感がする……GGGの皆は大丈夫そうだけど……この悪寒の正体は、何故か……確かめなくちゃいけない気がする)

 

 照明も全て落ちた真っ暗な東京タワーの地下部。その底へ続く階段を、ゆっくり時間を掛けて降りていく護……その先に、特大の絶望という運命が待っている事など知る由もなく。

 

《……フフフ……心弱き者達よ。貴様達自身が招いた厄災、存分に堪能するが良い……!》




テンション爆上げタ~イム……はそろそろおしまいかもです。

その落差に怯えろ!竦めッ!!

次回、特大の絶望が世界とシオンちゃんを貫きます……

  • 待って、その前に味変(閑話)を!!
  • ……このまま進め!!(ムスカ風)
  • 勝利の鍵は……何処? ……ココ?
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。