狂わなかった「Z」の力 ~勇者王ガオガイガーif   作:睦月透火

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前回の更新時に公開された情報を含めて、資料集を更新しています。
新情報が公開される毎にそちらも合わせて更新していますので、たまには見直してみて下さい。

……一部、裏話的な情報もあったりなかったりw



第47話 激突!機界四天王(後編)

『おぉぉぉォォォッ!!』

 

「何っ!? この私に追い付いてくる……?!」

(な……馬……だとッ?! なんという非常識……いや、奴はあの裏切り者の下僕。クソッ……厄介すぎるぞ!?)

 

 ピッツァは再び後方から迫る凱の声に後ろをチラ見し、ガオガイガーの姿を見て思わず二度見した。

 戦騎馬となったクーゲルザウターに跨り、ガオガイガーは音速で空を舞うピッツァに追い縋る。その速度は既に双方とも音を置き去りにしており、もはや誰の眼にも止まらない。

 

『……ぐぅ……なんてスピード出しやがる……!』

 

『耐えてくれゴルディ、後少しで追い付けるんだ……!!』

 

 なんとガオガイガーの右腕は未だにマーグハンドであり、ゴルディオンハンマーも握られたまま……つまり今のクーゲルはガオガイガー+ゴルディーマーグという重量を背に乗せたまま、音速の壁を突破していると言う事になる。

 

「……チィッ!? 振り切れん!?」

 

『……あと、少し……あと……少し……ッ!!』

 

「クッ……舐めるなッ!!」

 

 翼を開き、暴風を巻き起こすピッツァ……だが、クーゲルの脚は止まらない。小さなダメージは無視し、大きな竜巻の僅かな隙間に身体を捩じ込み、避け切れないものはゴルディオンハンマーが掻き消す……言葉すら交わさずとも、クーゲルは凱の考えを無意識に読み取り、その狙いを頭に入れ……自身で最適なコースを取っていた。

 

『だぁぁぁ~~~ッ!!』

 

『機界四天王ピッツァ! お前を今、ココで倒すッ!!』

 

「チィッ! ……なっ?!」

 

 一心不乱に駆けるクーゲルの背に跨り、真っ直ぐに突貫してくるガオガイガー。

 

 苦し紛れにピッツァの放った更なる竜巻をゴルディオンハンマーで打ち消し、バルカン砲を受け止める……反撃とばかりにクーゲルの前脚基部にあるホルダーが前を向き、ヴンダーワーフェが牽制射を放つ。ピッツァは弾道を予測し、翼を畳んで後方へすり抜けようと速度を落とした直後……

 クーゲルザウターの前肢がピッツァの胴体を捉えて踏み付け、ピッツァは動きを誘われた事への驚愕と共にバランスを崩した瞬間……ガオガイガーはその右腕を振り上げきっていた。

 

『ピッツァよ、光になぁれぇぇぇッ!!』

 

「う、うぉぉぉぁぁぁ……!!」

 

 為す術なく団子状態のまま速度すら落とさず、空を滑り……大地に落ちる3人。その後、土煙と大量の光の粒子が爆発的に溢れ広がる。

 

『……………………』

 

『……隊長……さん……』

 

 それまで乗せていた相手が背に居ない事に気付き、クーゲルはガオガイガーの方を振り向き声を掛けたがそれ以上の言葉は出なかった……

 着地の直前にクーゲルから飛び降りていたガオガイガーは、溢れる光の粒子を背にしながらハンマーの柄を大地に立て……無言のままピッツァとの戦いの一部始終を思い返しながら立ち尽くしていた。

 

──────────

 

 地下の激闘も激しさを増し続け、無限再生にも陰りが見え始めたペンチノン……しかし超速機動を繰り返すボルフォッグにも小さな反撃ダメージが重なり、さすがに無視できない状態となっている。

 

「ウリィィィ……! よもやココまでしぶといとは……」

 

『ぐ……ッ、もう少し……あと一手……!』

 

 センサーの一部が破損しており、側面の攻撃に対処が遅れているボルフォッグ……無論、それも考慮はしているが、如何せん慣れない機動速度に消耗が重なり、エネルギーが枯渇しかけている。

 

《……ったく、いい加減くたばれってばよ!》

《……あと、一手が……届かない……!》

 

 全力サポートしていたピスケガレオンも、初合体という事もあり、ココまでの超機動の連続にはさすがに堪えていた……

 

「だが、これで私の勝ちだ! ウリィィィィィィ!!」

 

 満身創痍だが、勝ち誇る様にペンチノンはボルフォッグに迫る……しかし。

 

『……残念ですが、それは此方の台詞です!』

 

 その返答に、ペンチノンが疑念を浮かべた直後……側面の壁を破って巨大な潜水艦が姿を表す。

 

(……絶好のタイミングだぞ、ボルフォッグ……!)

 

 それはGGG諜報部の誇る「多次元諜報潜水艦」……ボルフォッグはペンチノンとの戦闘の最中に遠隔操作で出撃させており、本部の猿頭寺がタイミングを見計らい突撃させたのである。

 しかし、ペンチノンのボディに接触した部分から瞬く間に侵食が始まり……どんどんと多次元諜報潜水艦のボディはペンチノンの中へと引き込まれていく……

 

「無駄だ! ……Gストーンを持たぬ機械など、我が身体に融合されるだけよ!」

 

『……いいえ、むしろそれが狙いです!』

(喰らうが良い……多次元諜報潜水艦、最後の切り札を!)

 

《動力炉冷却システム停止……臨界点を突破》

 

 ボルフォッグの声と共に、多次元諜報潜水艦の動力炉は瞬く間に暴走……繋がっているペンチノンへも、その莫大なエネルギーの影響と熱量が直に伝わってくる。

 

「な、何だコレは?! 身体が熱い……!?」

 

 コントロール下を離れ暴走したエネルギーはたとえゾンダーであろうとも押し留める術はなく、少しでもダメージを避けるべくペンチノンは本体である目玉の様なパーツを射出して原因から遠ざかろうとした……が、その本体をボルフォッグ達が逃す筈もなく。

 

《逃がすと思うかってばよ!?》

《絶体に離さないんだから!!》

 

『……アナタは、ココで終わりです!!』

 

「ウリィィィィィィ?!」

 

 目玉パーツに未だ繋がっていた数本のケーブルに己の得物(シルバームーン)を突き立て、その場へ縫い止めるボルフォッグ……原作ではガンマシンを破壊され、合体前かつ満身創痍であったが、今回はその超速度を遺憾なく発揮できる新たな姿のままだった。

 

『しかし……さすがにこの距離では……後は、頼みます……!』

 

 動力炉の臨界爆発に巻き込まれ、ペンチノンはエネルギーの奔流に飲み込まれていく……ボルフォッグも、ペンチノンを縫い止めるその手を一切緩める事なく、共に光の中へと飲み込まれていった……

 

──────────

 

 シオンから伝わる動揺に、圧殺の手を止めたグラヴィス……シオンは、薄ぼんやりと残っていた記憶の欠片を思い出し、動揺を隠せなかった。

 

『……あ、アナタ達は……やっぱり……!』

 

《“主……如何したのです?”》

 

 不思議に思うグラヴィスだが、シオンの動揺がハッキリと伝わってくる為、最初は目障りだと思っていたこの2人(ポロネズとプリマーダ)を掴んだまま、頭の上に居る己の主を心配する。

 

「あ……あぁ……っ」

 

『……良かった……何とか、助けられたか……』

 

『……っ……超竜神!? 大丈夫?』

 

 しかし、背後の声にシオンの動揺は薄れ、振り向いて見えた超竜神の損傷具合に思わず声を掛けた……勿論、ポロネズとプリマーダはグラヴィスに『抵抗しない様に、でも潰さないでね』と指示を与えて。

 

『……えぇ、まだ捕まってない民間人が居たので』

 

 超竜神の言葉に、背後で守られていた少女を見る……黒髪ロングツインテールという変わった髪型の日本人。目の前の光景にかなり動揺しているが、取り敢えずは無事なようだ。

 

『超竜神、貴方は少し休みなさい……その娘とこの2人は、「私」に任せて』

 

 超竜神に労いの言葉を掛けたシオンは、再びポロネズとプリマーダに向き直る……異様な雰囲気に敵愾心を隠さない2人だが、シオンの胸元で光り始めた『Z』の紋章と、浄解にも似た波動を感じた2人は揃って驚愕……その後、何故か遠い過去を懐かしむ様な顔で涙を流し始めたのである。

 

「っ?! ま、まさか……貴女様は……?! お、おぉぉぉ……」

「っ?! ま、まさか……貴女は……?! ……うぅ……っ……」

 

『“……entwirren”』

 

 ポロネズとプリマーダ、2人の前に両手を突き出したシオン……紡ぎ始めた言葉は、護少年とは明らかに違う……不思議な“浄解”だった。

 

 ────seele abgrund

 

 ────fluch

 

 ────zerstreuen

 

 ……敢えて言うが、それは人類にとって発音そのものすら難しいモノ。

 

 その呪文と共に、周囲へと光の粒子が溢れ出す……

 

 素粒子Z0とは違う、その温かな光を宿した粒子はポロネズとプリマーダの周囲を囲い、次第に2人を覆い隠していく……

 

「「……こ、これは……?!」」

 

 2人の周囲を覆う光の粒子は、徐々に体へと付着し、まるで雪のように溶けて浸透していく……その度に、言い様のない暖かな熱と、未知のエネルギー。そして、それまで失っていた狂おしいまでの感情の渦が体中を駆け巡る……

 

 ある程度粒子が馴染み、2人の全身が光に包まれた後……散らばるガラスの破片の如く殻を破って現れた2人の男女。

 

「……あぁ……ゼーヴ……アナタ……!」

 

 女はもうプリマーダではない。ピンク色の髪にオレンジの瞳、慈愛に満ちた表情で隣に立つ男の名を呼び、見つめ返す……

 

「プリ……いや、メティス……君にまた会えるとは……!」

 

 呼ばれた男は薄い目を見開き、自分の名を呼んだ女の姿に一瞬驚くも、すぐに目を細めて満面の笑みを返しながら……もはや欠片となって消えていく“それまで”ではなく、忘れ去っていた“かつて”の記憶にあった愛しき妻の名を呼び、ゆっくりと2人は近付く。

 

 どこかの神話の時代にあった様な白布で織られた服を着込む2人は、互いの姿が“いつかに似た姿”という事に感極まり、長らく失っていたものをやっと取り戻したかの如く……優しく抱きしめ合うのだった。

 

 

(不思議な感じ……この人、何か……他の人とは明らかに違う感じがする)

 

 超竜神によって救われた少女『長友(ながとも)結維(ゆい)』は、不思議な雰囲気を纏う目の前の女性……シオンに何かの既視感を覚えていた。

 本人にも言い表せないが、その感覚は彼女にしか感じられず、またシオンにしか同じ感覚を覚えない……しかし結維はこの時、先ほどの記憶の混乱や見たこともない周囲の状態に“自分は再び転生したのでは?”と感じずには居られなかった。

 

 そもそも彼女には、転生という出来事は既に経験済みであったから……そして。

 

(この人……たぶん転生者、だよね。……でもなんか、見た目と精神がチグハグに見える……コレって、魔法とか何かで色々と誤魔化してる? あ、でも巨大ロボットがあるから魔法じゃないか……この世界、ほとんど現代の日本みたいだし)

 

 この異常事態に慣れつつある結維の頭は、冷静になるにつれて、この世界や自分、そしてシオンの事を考え始めていた……




クーゲル()ピッツァ()を超える……そりゃ驚愕もするってw
ちょこっと変わった形になったけど、GGG側はほぼ原作通りの状況で決戦を乗り切りました……ただ、大きく変わった点が2つ。

ボルフォッグ。ガンマシンその他の合体形態のまま消息不明に……
ポロネズとプリマーダ。シオンちゃん(?)が浄解(?)した事により元の姿(?)へ……

事態解決と同時に不可解な謎も残ったのは事実……原作視聴済みの方は気になりますよね?
こんだけ騒がしかったのに、まだ不干渉を貫いてるパスダー……
そして、この事態に突然招かれ置いてけぼり喰らってる娘の処遇やとプラントの処理も。

お約束だけど、その辺はまた次回かな……?

……そして原作既知の皆さまへお願いです。
アレコレ考察するのは構いませんが、ウチは最近覇界王読み始めたばかりだし本作の今後に対する私の心労がマッハなので、原作比較による考察ツッコミなどは勘弁してほしいであります……
(;゜∀゜)オオゥ……

──────────


次回予告


君達に最新情報を公開しよう!

遂にゾンダリアン全てを打倒したGGG……

残るゾンダーメタルプラントを処理するべく
ついにマイクの真の力が発揮される……!

しかし、一連の元凶たる『パスダー』によって
更なる混沌が撒かれる事など、我々は知る由も無かった……


次回、勇者王ガオガイガーif NEXT...
第48話『全ての元凶たるもの』

次回もこの小説で、ファイナルフュージョン承認!!

コレが(次回の)勝利の鍵だ!!

  • GGG最強勇者ロボ軍団
  • シオンに従うアーマロイド達
  • 謎の少女「長友結維」
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