狂わなかった「Z」の力 ~勇者王ガオガイガーif 作:睦月透火
その後、彼女の身体の秘密が一部明らかにはなるものの、世界十大頭脳の1人である「獅子王麗雄」の提案により、GGGのオペレーターであった知人の「スワン・ホワイト」の元へ身を寄せる事となった。
そして、前回の戦いから逃亡したゾンダーを発見すべく大規模な捜索が行われたものの、
結局は手掛かりすら見つけられる事もなく、ただ時間だけが過ぎていくのであった……
不気味な空間が何処までも広がるこの場所……だが原作知識を持つ人なら、既にこの一言で判るだろう。
ココは東京某所の地下深く……ゾンダーの幹部クラス「ゾンダリアン」や、指揮官が潜伏している場所だ。
『ポロネズよ、やはりあの程度では「黒いロボット」は止められなかった様だな……』
「……申し訳ありませんパスダー様」
煙草用のパイプを口に咥え、サングラスに立派な髭を蓄え「ポロネズ」と呼ばれた男が跪く。
隣に立つ妖艶な雰囲気を持った女「プリマーダ」も、心なしか寂しそうな顔であった。
……だが特徴的な髪型と、戦闘機の描かれた帽子を被る男「ピッツァ」が口火を切る。
「……だが、まだ終わった訳ではない……ゾンダーは逃亡し、現在潜伏して機会を待っている」
むっ? と顔を上げ、ピッツァを見るポロネズ。
同時にパスダーも彼の考えに興味が湧き、話の続きを催促した。
『ほほぅ……ピッツァよ、申してみよ』
「はい……この計画であれば、あの「黒いロボット」でも素早く対応など出来ますまい」
自信満々に語り始めるピッツァ……そして内容を知ったパスダーは、早速実行に移せと指令を出すのであった。
「シオン、このお皿ハ?」
「こっちのサラダと、あとそこのドレッシングを……」
「OK♪」
はい、私こと稀星シオン……現在GGGの監視の下、スワンさんの家に再び居候しております。
監視と言っても、GGGの一部スタッフ……私が人外存在と知っている人達の誰かが一緒に居るってだけなんですけどネw
スワンさんの家には自室を与えられてるし、スワンさんと一緒にGGGへ来た後も、特にやることも無いので麗雄博士や研究員の人達の話し相手になったり、時々色々な相談に乗ったり……
前の精神科医での経験や知識もあって、結構な人達から相談相手として重宝されており、麗雄博士からも「彼女がその気なら、ココの医療スタッフとして雇いたい位じゃな」と、太鼓判を押されていた。
だが、私自身はあまり居心地は良くなかった。
え? 何でかって? そりゃ私の元は何だか忘れてない? ……そう、狂ってないとはいえ私は「ゾンダー」の最上位種である「Zマスター」の変異融合体ですよ?
地球人だったかつての私がベースとなって融合したから死ぬ事は無い……けど、対極にして天敵である存在が放つエネルギー「Gストーン」の波動は、私の思考や運動能力を著しくはないもののある程度低下させている。
原作のゾンダーと完全に同族、という事ではないので「対消滅」なんて事態になってないのが救いだけど……
まるで、死にはしないけど解毒出来ない毒に冒されている……もっと直感的に言うのなら「何をしても疲れが取れない」状態。
やる気が出ないとか、そういう状態ではないけど……何をするにも本気になれない、倒れる事はないけど、何だかボーッとしちゃう……さすがに手元は狂わないけどね。
他の原作勢の動きとしては……逃亡したゾンダーの捜索は今も続けられており、原作と同じ様に護くんへ通信手段として専用端末が渡された……その名も腕時計型マルチツール「G-USB」。
USBとあるが、それは「
ちなみに形状は原作のGGGポケペルからはやや大きくなったものの、最高で6画面も展開可能なホログラフィックのモニターと
何でそんなに詳しいのかって……?
……居場所特定用として、私も持たされてるからね。
・
・
・
ゆっくりと思案できる時間が取れてから気付いたのだけど、この世界の時間軸と原作の「勇者王ガオガイガー」の時間軸は大きくかけ離れている……
原作の時間軸は2003年が舞台、放送年の1997年から言えば「近未来」を想起させる設定……だが私がこの目で目撃し、現状ほぼ原作通りに物事が推移しているとはいえ……今は2020年だ。
科学水準は既に根本から原作を上回っており、一般的な自家用車にも
……メタい言い方をしないのなら、原作から17年も先の未来という訳だ。
それでいてゾンダーの出現は原作通り、なのに……その上ガオガイガーの存在や、GGGという組織は既に国連公認と化している事には心底驚いた。
GGGの認知度は一般的にも高く、数ある国連公認組織の中でもトップクラスの技術力と人脈を擁し、国境や人種などの
そして、最近増えているという……怪異や異変の調査、ぶっちゃけるとゾンダーの仕業かもしれない案件を解決するのも彼らの管轄……
だが、ゾンダーの正体や目的……そのほとんどが
ゾンダー捜索開始から数日後の夜、あの子……護くんから『ロケットが狙われている!』と連絡が入った。
(確か、原作では最新型シャトルの打ち上げ……って辺りだったっけ)
原作とは少し違うが、太平洋上……東京湾から少し離れた洋上に仮建造されたメガフロート施設の実験の一環として「国産ロケットの洋上打ち上げ」という大規模事業が行われていた。
「……博士、確かこれって……」
「おぉ、キミもこの件に興味があるのかね?」
「ちょっと違うんですが……多分、護くんの訴えはこの国産ロケットの事じゃないかと……」
シオンの言葉に、麗雄の表情は一瞬で科学者の顔に切り替わる……確かにこの実験以外、シャトルやロケットの打ち上げは予定されていない。
「奴らが何を考えておるのかは分からん……だが、奴らは必ず何らかの意図を持って行動しておる……このロケットを狙う理由も必ずあるはずだ」
そして念には念を……という感じで大河長官も了承し、大規模捜索隊が調査のためにメガフロートへと出発した。
だが、私の心にはずっと何かが引っかかっている……
「何なの? この違和感……何かを見落としている? それとも……」
・
・
・
ロケット打ち上げの前日……メガフロートに到着した捜索隊の必死の捜索にも関わらず、ゾンダーは未発見に終わる。
そして、無情にも時は過ぎ……
「長官……このままでは、打ち上げ中止の要請も……」
「無理じゃろうな……国家事業でもあるロケットの打ち上げ……中には新型の気象衛星も積まれとる」
麗雄は今回のロケットが如何に日本にとって重要な案件かを理解しているが故、現状は厳しいとの見解を示す。
このロケットは純国産であり、今回は最新鋭の気象衛星も搭載されている……国家事業として展開されている以上、もしこのロケットに何かあれば、内外から国としての信頼や評価は間違いなく失墜するだろう。
「ゾンダーが潜んでいる可能性があるとはいえ、我々が国家の一大事業を蔑ろにする訳にはいかん……だが今回は、
大河長官は自分たちの立場を含め、今は打つ手がない事を言葉にするが……その表情は勇者への信頼故に自信に満ちている。
しかし命は心配そうな表情のまま、本部のメインモニターに映る打ち上げの迫ったロケットの映像を見ているしか無かった……
・
・
・
そして打ち上げ時刻となり、轟音と爆煙を撒き散らしながら国産ロケット『暁』が宇宙へと飛び立つ。
(フッ……如何にこの星の人類の技術が優れていようとも、我々ゾンダーを探すことも出来ない奴らに、我らの邪魔は……むっ、何故だ? 何故侵食が始まらない!?)
メガフロートから少し離れた空中で、打ち上がるロケットを見ながらほくそ笑んでいたピッツァだったが、ロケットが一向に侵食されていない事に気付く……
一方その頃、メガフロート中央部……打ち上げたロケットが固定されていた場所に、3つの人影があった……
「……まさか、キミがそんな力まで持っていたなんてな」
1人は我らが勇者、サイボーグ凱……
「ゾォォンダァァァァァァ……!」
もう1つは必死の捜索にも関わらず、今の今まで発見できなかったゾンダーの素体……
そして最後の3つめは……
『できれば、この力は隠しておきたかったですよ……人間という枠を遥かに逸脱してますし。
……あ、ゾンダーを発見できたのは偶然ですからね?』
凱に対して念を圧すように偶然だと口にしたのは……真新しいGGGの制服を身に付け、三編みにした特徴的な色合いの長い髪を風に揺らしながら立つシオンであった。
ついに逃亡したゾンダーを発見!
ロケット乗っ取りも阻止に成功し、あとは素体を浄解して貰うだけ……
でも待って、なんか忘れてない?
あっ、護くんが間に合ってない!?(2回目)
君たちに最新情報を公開しよう!
ロケットを狙うゾンダーの阻止に成功した我らが勇者王。
だが、ゾンダーは訓練用の戦闘機を乗っ取り空へと逃亡する……
ガオガイガーの飛行速度を優に超えて飛び去ろうとするゾンダー
果たしてGGGはどう対処する?
次回、勇者王ガオガイガーif NEXT...
第5話『異星人シオンの
次回もこの小説で、ファイナルフュージョン承認!!
コレが(5話の)勝利の鍵だ!!
-
能力を使ってガオガイガーを援護
-
能力を使って護くんを呼び寄せる
-
能力を使って敵の行動を抑制する