狂わなかった「Z」の力 ~勇者王ガオガイガーif 作:睦月透火
皆さん飢えてるんですか? そういう話題……
この物語にはカクカクシカジカな裏話が……とか?
突然、シオンの精神に干渉してきた世界の管理者(見習い)……謝罪から始まった会話の中で、管理者はシオンのZマスター化は自分の一存の結果だと明かす。
だがそもそも、この世界に転生者を送り込んだ理由が分からない……
(どういう事? 私がZマスターだった過去はアナタの一存……って言うか、そもそもこの世界に何で転生者を送り込んだ訳? 確定した世界の流れを、わざわざ変革させる事が分からないわ……)
(……? は……い……? 試験……?)
何を……言っているのだろうか……理解が追い付かない。
(……待って……待ってよ…… 待ちなさいッ!!)
私は理解をしてしまった……この胸くそ悪い理由の上に存在する1つの事実を……
認識をしてしまったのだ……全く冗談キツいよね……
この世界は所謂“フラスコの中の実験場”……研究者の箱庭が如く、未知を既知に変える為だけに使い捨てられる様に、世界の管理者の試練と称して、贋作よろしく模造品の様に“使い捨てられる世界”の1つだったのだ。
よくよく考えれば確かに最初からおかしい所は幾つもあった……近未来を想起させる科学の発展した現代という感じで
それなのに……私が認識する今のこの世界は、経緯こそ良く似てはいるが“2020年”である。
……明らかに、この“15年”のズレは世界のコピーだけでは説明が付かない。
もう1つは、Zマスターである……
Zマスタープログラムに「プロトタイプ」が存在するなど、原作には無い……仮にあったとしても、早々に存在は抹消……ないしは秘匿され、そうそう世に出る情報などではない。
おかしい点はまだある……ゾンダリアン達の自意識の変調だ。
年代設定の変更から、ゾンダーロボの性能や能力は然るべき強化されて当然だったが……ゾンダリアン達の精神に関わる点まで、変革している筈がない。
プリマーダとポロネズは“カインの遺産”こと「ギャレオン」に原作ほど執心しておらず、代わりにイレギュラーである私への心移りが見られたし……ピッツァとペンチノンにも、若干ながら護くんに対する当たりが違っていた。
何より、絶対的上位存在として考えられる「パスダー」の指令をある程度“自分勝手に解釈して”行動に移しており……結果的に原作に近い状況となっていたとはいえ、部下の暴走気味な状態をパスダー本人も黙認していたのだから。
何処までコピーの際に手を加えられたのかは分からない……しかし、この世界が“
(……ごめんなさい、取り乱したわ。あまりにもムカッ腹立ったもんで……)
(状況を整理したいわ……何故こういう状態なのか、時系列順に説明してくれる?)
情報を掴み易い様に、動画データとしてお送りしますね
それからしばらく、この見習い管理者からはずっと“申し訳ない”という感じが漂っていた……
そしてその理由は、送られてきた動画を全て視聴し終えて……始めて理解したのだった。
俗に言う「多次元世界論」……それはこの世界における真理だった。
私達の認識している世界と……極めて近く、限りなく遠い世界……“ソレ”は無数に存在しており、物語として成立し、概念を設けられ、時間の流れに乗った時点で世界は新たに生まれ続けており……今もなお、拡大・増殖の一途を辿っているのだという。
そのせいで、多忙を極める“次元の番人”は、増え続ける世界を管理する為……現存し、認識される全ての世界へ、1つにつき1人……担当の“管理者”を任命し、監視・監督権限を与える事にした。
先輩管理者には「担当世界の維持運行」と「後輩の育成」が課せられており、彼女(見習い管理者)はもう1人の見習いと共同で管理試験を受ける事になり、『勇者王ガオガイガー』の世界を指して「物語を導いて見せろ」と先輩から指示を受けたという……
勿論、管理とは物語としての始まり以前……つまり、世界の発生から監視を続け、時間の流れで発生する様々な事象を監視・管理し、時には然り気無い手助けを様々な形で行う。
……最初は順調そのものだったらしい。先駆者の情報を参照し参考にし、三重連太陽系の発展と栄華を極めるに至った所までは……
……きっかけは不明だったが、いつの間にかもう1人の見習いが居なくなっていた。
それからしばらく経ち、三重連太陽系最大の誤算である「Zマスタープログラム」の完成直前にようやく違和感を感じた。
……正史には無かった、プロトタイプの存在だ。
先駆者の記録や正史には無かったプロトタイプの存在……最初はそれまでの関わりから生み出された分岐点として考えていたが、その後の流れは何故か奇妙な程にズレが無い。
本来なら分岐点ができればそこから正史と分離し、別次元の物語として扱われ、そのまま分枝世界として進み始める筈だ。しかし、幾つもの分岐点が出来てなお原作通りに進む奇妙な流れ……気になった彼女は分岐点の原因を辿ると、やはりプロトタイプの存在がキーだった。
(……このプロトタイプ、もしかしなくても私……だよね?)
そう言って、管理者さまは先を促してくる……私は少し時間を進めてみた。
《……ええぃ?! 何という事だ……虎の子のアーク艦隊が……!》
進めて、再生速度を戻した直後……映っていたのは、次々と爆発していく幾つものジェイアーク……無惨に打ち捨てられた、何人ものソルダート……アルマタイプと寄り添ったまま息絶えた者もいる。
その中で中空に佇む、1人の影……バックで揺らめく炎でよく分からないが、小柄な女性のシルエットに、私は既視感を覚えてしまった……
(……何……アレ……? というかコレが……赤の星が壊滅した理由……?)
(今回? じゃあ、このシミュレート自体は何度も実行されているという事?)
私達の課題としての時間軸、という事です
……なるほど、他のコピー世界が同じ時間を辿る場合は少ない事が多い。ならこの時、私が感じた既視感は……?
一際大きな爆発が起き、照らし出された顔……その顔が誰かを認識した直後、私の脳内に大量の情報が流し込まれる。
ハハハッ! よもやこうも上手く事が運ぶとはなぁ!
駄目です! 侵食、止まりません!!
どんな手を使っても構わん! 奴らの侵攻を食い止めろ!!
ウリィィィ! 頭脳を失った艦隊など、木偶の坊も同然だ。
まさか……ゾンダー共が、これ程までに巧妙な戦術的行動を……
ダメです! 艦隊陣形が、もう維持できません!
フフフ……頭を潰されれば、脆いものです……
まさか、このアーク艦隊を真正面から喰い破るなんて……!
ガラクタで私達を相手するなんて……愚かすぎるわね?
心弱き者達に……我が力を与えましょう……
奴め……まさか、もうGストーンへの耐性まで……?!
済まない……許してくれ、ラティオ……
……やはり、あの力は……我々は自ら……滅びの引き金を……
そう……全ては、滅びる運命なのです……この世界、全て……
目を疑う蹂躙劇の後……
虚空に浮かぶ、残らず大破させられたアーク艦隊……
大勢のソルダートやアルマタイプ。恐らく完成に漕ぎ着けたであろう最強の破壊神ジェネシック・ガオガイガーすらも、一目で再起不能と分かる状態で機能を完全に停止させて浮いていた……
果敢に立ち向かっていった多くの戦士達の屍を周囲に漂わせ……黄金色の異質なオーラを纏った“私”は、4人のゾンダリアンらしき人影を従え、静かにそう溢しながら笑う。
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……違うと言って欲しかった。嘘だと言って欲しかった……
爆炎に照らされ、映されたその顔は……多少の違いはあれど、“私”の顔だったのだから。
途中から言い淀む管理者……その顔からは“何も出来なかった”という悔しさが滲み出ていた。
(……それから……どうなったの……?)
最強の破壊神、ジェネシックをも退ける圧倒的な力に対して、抗える訳もなく……
無論全てを消される前に、やり直しを行った様だが……
貴女に関わる人を代え、条件や環境を変えてやり直しを図りましたが……
その時に取れる全ての手を尽くしても……
……最悪の絶望は、止められなかったのである。
かつて訪れたであろう最悪の絶望……
しかし、彼女は今ココに生きている。
“ソレ”は何を示すのか、何が原因で“そう”なったのか……
……その答えは、次の語りの続きにて。
感想、お待ちしてます。
ベターマン要素は……
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あまり無くても良いのよ?
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ある程度は欲しいな~
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……おまかせするわ