狂わなかった「Z」の力 ~勇者王ガオガイガーif 作:睦月透火
時系列で纏めると次の通り……
1.とある“転生者の人格”と“何か”が、開発中の“マスタープログラム”に放り込まれ、“ソレ”を利用して完成した“ゾンダーメタル”に、致命的なバグが発生。
2.バグにより制御が狂い、“マスタープログラム”は固有人格を発現させ暴走。
ゾンダーメタルが制御を離れ、紫の星の機界昇華を開始。
3.暴走を危惧していた赤の星が建造を進めていた『アーク艦隊』と、緑の星が開発した『ジェネシック・ガオガイガー』により一時は拮抗したものの、唯一の対抗手段であったJとGパワーに完全耐性を得られてしまい、三重連太陽系は機界昇華……その後、全宇宙もまとめて機界昇華される事に……
4.見習い管理者、全宇宙滅亡の危機に世界をリセット……直接的元凶となる“マスタープログラム”に対する干渉を開始。
幾度も開発中の環境を変えてはリスタートするが、効果的な成果を得られず……
5.見習い管理者、“マスタープログラム”に対する最後の手段として已む無く『人格転送』を強行……開発中の“マスタープログラム”に、何者かによって植え付けられていた『転生者の人格』を違う時間軸へと強制転送。
同時に“デッドコピー”として『プロトタイプ』の存在を事象的に用意し、コピー人格を与えてカムフラージュ……転送された転生人格は、2006年の地球で『稀星シオン』として生を受ける。
6.三重連太陽系、史実通りの展開により滅亡……
その後は史実通りの展開へと戻り、致命的欠陥事象を回避する事には成功する。
7.2018年。稀星シオン、滅亡寸前の“紫の星”から“何者かの手により脱出させられていた”『プロトタイプ』と接触……人格融合を果たしZ・オリジン“稀星シオン”となる。
8.“プロトタイプ”が脱出時に弄していた“策”により、ゾンダーの活動と機界昇華のペースが史実より大幅に遅れ、パスダーの地球到達が2018年へとズレる。
9.2020年、地球でゾンダーによる機界昇華作戦が開始される。
稀星シオン。ゾンダーとGGGの初戦闘時に、失っていた転生前の記憶を回復……
その後紆余曲折あってGGGに加入し、ゾンダーへの反抗作戦に全面協力する。←(イマココ)
(こりゃ……絶望も絶望、完全にお手上げルートよねぇ……でも、ちょっと待って。私の人格以外にマスタープログラムに混入した“何か”って何?)
は? 何でその単語だけバグってるの? 何故か伝わらない肝心な単語……まだ解いてはいけない謎のように、ヒントをひた隠しにされる感じだ。見習い管理者も違和感に気付き、数回繰り返して伝え直すが、全くと言って良い程伝わる様子は無かった……
(……確定じゃないけど、その……今、この場で正体を明かされちゃ困る“誰かさん”の干渉かな? おおよその検討は付くけど……ん?)
直後に感じ出す奇妙な違和感……見習い管理者さんは過干渉を警戒したのか、そのまますぅっと気配を消して遠ざかる。
そして地の底から徐々に這い上がって来るような、おぞましい気配が水のように染み出してくる……
……その言葉で相手が何者かを完全に理解した。
『……機界指令、パスダー……!』
フフフハハハ……! 我等が同質の力を持つ裏切り者よ。ようやく貴様の息の根を止める事が出来ようとは……
『……それはコッチの台詞。 ようやくアンタを表に引き摺り出して、この手で叩きのめす事が出来る……それでようやく一区切りよ』
フフフ……この私を倒せると?
『……アンタ達ゾンダーの目論みは全て知ってるし、アンタを倒せても終わりじゃない事くらいとっくの昔に認識してるわ!』
強がるな。我々ゾンダーは不死身の生機融合体……似て非なる貴様の力は……
『……アンタの眼、やっぱり節穴なのね』
私は虚空に浮かぶ、パスダーの
胸元に『Z』を象る幾何学模様が現れ、それを皮切りに全身が鎧で覆われていく……
『……覚えておきなさい。“命の力”は、有限であるからこそ受け継がれる……だから、限界も終わりもない……!』
溢れ出す力は、以前よりも明確になった私のイメージを汲み取って虹色の光を放ち……全身を覆う鎧の形を変えていく……それはあまりにも巨大過ぎる力だが、不思議と怖くはない。
全身を覆う鎧は白く輝き、右手には絡まる二対の蛇を象った錫剣が現れ、白く長い体躯を持つ4匹の眷属が傍に控える様に現出する……
なん……だと……!? その姿……その力……まさか、貴さm……?!
紫電を纏う青白い光を溢れさせた錫剣を振り抜き、パスダーの
『首を洗って待ってなさい! 必ず……アンタを完全に消し飛ばしてやるから!!』
錫剣から溢れ出す閃光は凄まじく……しかし暖かなエネルギーとなり、幻影の残滓も残さず吹き飛ばす……幻影なので手応えは無いのだが、幻影を消し飛ばしてパスダーを驚かせた事は理解できた。
多分、黒幕にとって私の存在はただの
(見習い管理者さんがこの世界の存続を願うなら、私も力を示すわ……私なりのやり方で、私が思う理想の為に!)
《“……
パスダーの干渉が消え去り、ようやく【双子座】とのリンクが回復する……プログラムすら未完成だというのにこの子は私の身体を保護する為に身体制御に対して掛かっていた負荷を肩代わりしたまま、さっきまでパスダーの干渉防壁を壊そうと果敢にアタックを繰り返していた。
その為プログラムで構成された【双子座】の仮ボディは見るからにボロボロ……四肢の関節なんてほとんどがあと少しでポロリと取れそうだし、頑丈だった筈のボディフレームもあちこちひん曲がって稼働にも大きな支障が出ている。
『……ムチャし過ぎよ? まだ仮組みのVR用ボディデータなのに、こんなにボロボロにして……』
《“……申し訳ありません。あの侵入者を即時排除出来ないばかりか……ここまで深い干渉を許し、あまつさえ逃げられるとは……ッ”》
涙目で声を震わせ、一生の不覚! とでも言いたげな感情を全身で表しながら【双子座】は懺悔してくる……そんな健気に尽くしてくれる子を、私は叱る事なんて出来ない。
『……まだアナタは完全じゃないの。此処でムチャして完成が遅れる事の方が私は怖いし、そのせいで壊れるなんて事になったら、手伝ってくれた皆にも申し訳ないわ……それに、アナタの本領はもっと違う所にあるの……ちゃんと完成したら、みっちり働いて貰うから……もう休みなさい』
泣いている子供をあやす様に抱きしめ、頭を撫でながら諭す……【双子座】は目を閉じたままその全てを受け入れ、ボロボロのVRボディをシャットダウンして休眠状態に戻った。
さて……多分、ゾンダリアン達も分断されてる筈……グラヴィスか、クーゲル辺りと合流して決戦に備えなきゃね!
静かに深い思考をしているシオンを、少女……結維はじっと見つめていた。
(稀星さん……で良いんだよね? そこの半分こロボットさんがそう呼んでるし)
少女にとって、シオンの存在はこの混乱を何とか乗り切る唯一の手掛かりだ。訳も分からぬまま突然この世界に転移させられ、大規模な戦闘に巻き込まれ、その余波で命の危機に脅かされ、寸での処でGGGに命を救われたのだ。
(……というか……)
「……何で東京が……こんな状態に……?」
結維は別の世界から来た為、この状況を全く理解できずにいる……それもその筈、彼女の元の世界は“ロボットなど存在しない世界”だったのだから。
『……貴女、何故こんな所に1人で?』
シオンの問いに、どうしようとオロオロする結維。しかしシオンには何となく想像が付いていた……
(既に東京がこうなって数時間は経ってる……この状況で民間人が助かっているとは思えない。可能性として最も高いのは、何者かによって放り込まれた……この世界の存在にそんな事をして特をする奴なんて……という事は、外部から? ……でも、さっきの“
「……あ、あの……私、いきなり此処に来てて……直前まで居た筈の友達も居なくなってるし……」
しどろもどろな感じだが、嘘ではない……シオンは間違いなく彼女が外から来た事に確信を得て、結維の言葉を受け入れた。
『……そうだったのね。やっぱり貴女も、違う世界から連れて来られた訳か……』
「え、分かるんですか?!」
『ええ、私も似たような者だし……何より、少し前にそういう事が出来そうな人と知り合ったから』
「……そ、その人とまた会えますか?」
『……たぶん無理、ね。私も、その人へのコンタクト方法はさすがに持ってないの。ゴメンね……っと、それ処じゃない状況だったわ。そろそろこの辺りもヤバくなるから、一緒に収容して貰いましょ』
驚愕から安堵、そして困惑……急激に変わる状況に頭が追い付かない結維だったが、“一緒に収容”というなら、悪い事にはならないだろうと結維はとりあえず頷く。
その直後、2人の足元に頭上からの影が広がり……
現在に戻りました。
次はいよいよ、機界指令パスダーとの決戦だ……!!
君達に最新情報を公開しよう!
ゾンダリアンを倒し、巨大プラントをも制覇したGGG。
……しかし、一抹の不安は拭えない。
機界指令パスダー……かの存在がついに動き出す。
静寂を破り現れる、巨大な悪魔の如き姿……
人智を超えた敵の攻撃に、GGGはどう立ち向かう?!
次回、勇者王ガオガイガーif NEXT...
第51話『機界指令 vs 勇者ロボ軍団』
次回もこの小説で、ファイナルフュージョン承認!!
コレが(次回の)勝利の鍵だ!!
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最強勇者ロボ軍団+ゲスト戦力
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降臨する新型アーマロイド