狂わなかった「Z」の力 ~勇者王ガオガイガーif 作:睦月透火
世に放たれたGGGの秘密。
そして……稀星シオンは、忌むべき
混乱する世界は、どんな答えを出すのか?
“美人女医は人類滅亡の元凶?!”
“忌むべき過去? 稀代の天才は悪の親玉だった?!”
“稀星シオンは地球外存在! 果たして人類の敵なのか?!”
各種ネットニュースやSNS、あらゆる情報媒体で飛び交う……シオンが地球外生命であるという情報。女医時代に受けた幾つかの取材や、公的機関として存在するGGGの職員として、世間に見られる事は少なくなかったこれまでの「稀星シオン」という人物像は……
気さくで優しい、美人女医にして科学者……そういう存在として確立されていた。
しかし、パスダーの暴露はその情報を上書きするのに十分すぎるインパクトを世界中に与えたのだった……
地球滅亡……知的生命のゾンダー化を目論む機械生命体ゾンダリアン、その前線指揮官であるパスダーから、シオンは同類だという情報がもたらされたのである。
「……長官。日本政府から、“事態の説明を求める”という連絡が届いています」
「諜報部へも、マスコミや新聞社からの情報開示請求が後を絶ちません……一般の通信回線はもはやパンク寸前です」
「この様子では各支部へも、マスコミ等からの要求が殺到しているじゃろうな」
「救助された一般市民の間にも、動揺が広がっています……」
「無理もあるまい……自分達の目の前で、救助活動に従事する彼女を見た者は少なくないからのぅ」
「……しかし……敵がこんな作戦に出てくるとは……!」
公的機関の情報漏洩……そして秘匿情報の中身。あまりにも手痛い失態ではあるが、今は其れ処ではない。
「弾丸Xはどうなっている!?」
「現在位置は、江東区上空……間も無く戦闘区域に突入します!」
弾丸Xを使用した決戦まで、もう間がない……しかし、シオンの件で発生した混乱を放置する事も出来ない……大河は歯噛みする。
《……長官、私が直接話します……回線を回して下さい》
「……稀星くん……」
《……グラヴィス、指揮をお願い。ライガーを軸に防衛線を張って弾丸Xの稼働時間を稼いで。ピスケガレオンはそのままボルフォッグに帯同継続……全員で生き残って、明日を掴むのよ!》
『グオォォォンッ!!』
ライガーの惚れ惚れする力強い咆哮に合わせ、アーマロイド全員が賛同の声を上げる……この先はグラヴィスが戦闘指揮を頑張ってくれるから、もう細かな指示は要らない。私は回線を全て一般通信へと回し、要請の入っている全ての回線へと映像を回す……
(私の言葉なんかで、状況は改善しないと思う……でも、なにもしないよりはマシよね)
回線状況を2回に分けてチェックする……ネットワークの状況はこの大混乱の最中だというのに良好で、この騒動が如何に局地的影響で済んでいるかという事実を改めて知る事になった。
原作ではそこまで追及した描写があまりなく、東京という都市近辺のみに影響が留まっているという確たる情報は無い。しかし、原作とはあまりにも違う時代とはいえ、同様の事態がこれだけ局地的に留まっているのは、偏にこの世界のGGGから提供されている画期的新技術などのお陰であろう。
少なくとも、この混乱さえ収まれば……後顧の憂いは無くなる。ならば、混乱の元凶である私が何とかするしかない。
『……私は、稀星シオンです……』
それから、私は淡々と語り続けた……混乱を収めるべく。自らの出自と、意思を語り……包み隠さず、私が今この場でこうしている理由を……そして、私の目的を。
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……結果的に言えば、混乱そのものは収まらなかった。
世間の大半の意見は「私の言葉だけでは確証がない」「信用できない」「この混乱自体も策略ではないのか?」という疑心暗鬼が大半を占めている。
もちろん、私の存在を肯定的に受け止めてくれる意見もあるにはあるが、大多数は否定的または疑いが先に立って肯定的に受け止められない者が圧倒的である……
《……やはり、この状況では……》
大河長官の声が通信から響く……一度、疑心暗鬼に陥った人が正常な判断を取り戻すのには、それなりに大きな切っ掛けが必要だ。やはり現状では、混乱の元凶である私が何を言おうと、混乱の終息までには至らない……
本部がモニターしている有名SNSの幾つかは『人外の言動は信用できない』『甘い言葉で信用を得て、後から牙を剥く。狡猾で悪辣な手段』という否定派と『彼女のお陰で数々の新技術が世に出てる』『これだけ人類に貢献してんのに、人類滅亡? 明らかに矛盾してない?』『私は見たことあるよこの人。めっちゃ優しかったし』と好意的意見がせめぎ合っている。
好意的な意見はほとんどが長い付き合いや、少なからず面識のある人達だろう……だが、大半を占める否定派は、私を“切り取られた情報”でしか知らない人間なのだ。
《弾丸X、戦闘区域に到達。各アーマロイド、防衛体勢に移行しています》
『HEY! 皆ぁ~、お待たせしたもんね~♪』
道中の護衛は原作と違い、マイクが勤めていた。そしてマイクの声を皮切りに、ガオガイガー、超竜神、ゴルディマーグ、そしてビッグバンボルフォッグが弾丸Xの内部へ入っていく……
《……マスター、私達は……!》
『……2人の好きにして良いわ。離れるも付いて行くも……』
ピスケガレオン達は何かを訴える様な声で自分達への指示を問うてくる……私は少し考え、好きにして良いとだけ伝えた。ボルフォッグと彼等の付き合いはそれなりに長いし、先の戦いやこれまでの調整の時間など、思う所はある筈だ。
《分かりました……!》
この指示はホントに私らしくない……後々考えたらそう思うんだろうけど、今はあまり頭が上手く回らないのだ。私は地球外生命ではあるけど、心はずっと人間のつもりだった……
……GGGに入った当初は確かにGパワーの影響に結構悩まされたけど、症状が収まってからは毎日が楽しかった。
……精神科医の経験を求められてGGGに勧誘され、また1人の科学者として世界十大頭脳である獅子王麗雄博士やGGGの研究員さん達と付き合い、超AI搭載の勇者ロボ達とのコミュニケーション……彼等を率いる凱さんや、同じくサポートする立場に居る命さんやスワンさん……参謀さんに長官さん……私生活面でアレコレ指導を入れた猿頭寺さんや、大家族を養う牛山さん。
GGGの人達だけじゃない……ご近所さんや、通勤途中の道で知り合い仲良くなった人達、これまでの活動で知り合い、少なからず連絡を取り合う関係を持った人達……そして、この切っ掛けをくれた護くん達仲良し小学生グループ。
皆との日々は、この先に来るであろう多くの苦難を忘れるほど楽しかった……だけど。
覆せないその真実が、私の心を苛む……
どう足掻いても、変える事が出来ない事実。
結局のところ、人間は本能的に『他者との違いを恐れる』存在なのだ……それは集団でなければ生きられない代償みたいなもの。
特に日本人はその傾向が強く、未だに『統一性を強要する概念』がそこかしこに残っている……
だがそれは人間だけではない、あらゆる生物が持つ防衛本能の一部なのだ。
恐れる事……恐怖は生き残る為に必要な精神性なのだから、無くてはならないものだ。
恐怖を知らないという事は、知的生命たり得ない……これは一つの心理と言える。
恐怖を知らなければ、間違いに気付かない。恐怖を感じなければ、助かる為の努力をしない。恐怖を覚えなければ、どうすれば良いのか学習しない。
知的生命とは、考え、努力し、今日という日々を糧に生きる存在だ……その道を他者にも伝え、間違いを正し、より良い道を模索するのが人類なのだ。
だから私はその選択を拒否しない……
《……何で……そんな……自分勝手なんですか?》
ふと通信先から、涙ぐんだ声が聞こえる……
《何で……みんな……あの人を信じてあげられないんですか?!》
この声、つい最近聞いたよね……確かあの娘は……
《出会って間もない私が、
そう、私とは違う世界から連れて来られたもう一人の転生者……長友結維ちゃんだ。
どシリアスムード真っ只中……戦闘も継続中。
取り敢えず、この間のバトルシーンは皆さんそれぞれ脳内補完よろ!!
次さ……演説とバトルなんだけど、比重とかどうしよう?
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バトル中に演説差し込む
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演説 3:7 バトル
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演説 5:5 バトル
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演説 7:3 バトル
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しっかり演説し終えてからバトル
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どうせなら各話で分けてドン!
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……あの……更新頻度は?