狂わなかった「Z」の力 ~勇者王ガオガイガーif   作:睦月透火

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GGGの必死の捜索にも関わらず、逃亡し潜伏する地球外生命体ゾンダー。
しかし、天海護と共にGGGへと招聘された少女
稀星シオンにより、逃亡したゾンダーは発見された。

だが、唯一ゾンダーの浄解を行える護が現場に居ない以上……
再びゾンダー逃亡の可能性は極めて大きい!

果たして我らが勇者王は、護の到着までゾンダーを抑えられるのだろうか?


第5話 異星人シオンの能力(ちから)

(……さて、これからどうなるかな……)

 

 真新しい制服に身を包み、三つ編みにした長い髪を風に揺らす少女……稀星シオン。

 彼女の特殊な能力によって、打ち上げ寸前だった国産ロケット『暁』の強奪は阻止され……ゾンダーを弾き出す事にも成功した。

 

「よし、此所からは俺の出番だな……『イークイップッ!!』」

 

 サイボーグのボディを戦闘モードへと移行させ、ゾンダーと対峙する凱……シオンは凱の戦闘の邪魔にならないよう、その場から下がる。

 

『ゾォォォンダァァァァァ!!』

 

 触手を生やし、動きを制限しようと先制攻撃を繰り出すゾンダー……だが、その触手も瞬く間に、凱の手に握られた『ウィルナイフ』でまとめて斬り裂かれた。

 

「はぁぁぁぁっ!!」

『ゾォォォンダァァァァァ?!』

 

 触手を斬り裂かれ、怯んだ隙に飛び蹴りを喰らって吹き飛ぶゾンダー……しかし、運悪く吹き飛んだ先にはメガフロート内を往来する為の小型車両が……

 

『ゾォォォンダァァァァァ……!』

 

 着地せずにそのまま身体を小型車両へと融合させたゾンダーは、車両を操ってその場から逃走……もちろん凱はすぐさま追い掛ける。

 

「逃がすかよッ!!」

 

 平時でも時速60km/hに達するサイボーグの走力により、みるみる内に距離は詰まる……しかし、急ハンドルで追撃を躱したゾンダーは、メガフロートの一角にあった自衛隊の訓練用戦闘機と融合し、ゾンダー戦闘機となってメガフロートを飛び立とうとした。

 

「……そうは問屋が卸しませんってねッ!」

 

 事態の推移を見守っていたシオンが、その場に打ち捨てられた車両の破片を掴んで投擲……能力によって投げられた破片はその組成を急速に変質させていき、やがて単分子でできた細長い刃の様な板へと変わってゾンダー戦闘機のエンジン部に直撃した。

 

 ガスッ!! ボゥン!! ブスブス……

 

 エンジン部分を破損させ、ゾンダー戦闘機は離陸直後にバランスを崩して墜落……しかし、戦闘機のボディを変質させて人形のロボットとなったゾンダー戦闘機は、さらに周囲の残骸やパーツをかき集めて巨大化し、まるで複数の車両が合体した様なロボットへと変形したのである。

 

(うーん……これ以上やるとヤバい、かな……?)

 

 シオンはこれ以上の能力的な露出は不味いと判断して下がり、凱と交代……凱はすでにギャレオンを呼んでおり、咆哮と共に白いライオンが飛来していた。

 

《フュージョ──ンッ!! ……ガイッガァァァ!!》

 

 ガイガーとなった凱はシオンを掌に乗せて一時離脱、ロケットの台座付近へと降ろして現場へ戻り戦闘を再開……シオンは本部へ通信し、護を連れて来るように頼む。

 

「みんな前にも見たでしょ? 彼がココに来れなきゃまた……!!」

 

『安心せい、既に火麻(ひゅうま)くんに向かって貰っとる……それよりも良いのかね?』

 

「……何がです?」

 

 麗雄はシオンに再度の確認を取った……それはGGGへの加入の件である。

 シオンは加入の話を受ける前に、自身の目的……自己の安全確保が再優先であると打ち明けていた……もちろん、Zマスターの件に関しては一応伏せたままで。

 

『お前さんは自身の身の安全が第一なんじゃろ? しかし、君のその選択は目的に矛盾しとるとしか思えん……』

 

「……今は、言えません……時が来れば、必ずお話します……それよりも、アレを相手にガイガーだけでは……!」

 

 シオンの指摘通り……敵ゾンダーロボのサイズはガイガーの倍近くあり、巨体のくせにスピードは互角……しかし速度はあっても小回りは効かず、ガイガーはサイズ差を逆手に取り、反応速度の差でゾンダーを翻弄していた。

 しかし、敵ゾンダーロボを破壊しなければ勝利は見えてこない……

 

『長官!!』

 

「うむ、ファイナルフュージョン承認ッ!!」

 

『了解! ファイナル・フュージョン……

 

 プログラム、ドラァイブッ!!』 ガシャン

 

 承認された直後、すかさず卯都木 (みこと)はプログラムを発動(ドライブ)させた。

 

『ファイナルッ・フュージョ────ンッ!!』

 

 

── 今回の戦闘は割愛させて頂きます ──

(原作と同様に特筆すべきモノが何もないので……)

 

 

 それからはご想像の通り……合体によって体格はほぼ差が無くなり、戦闘経験の差で敢えなく撃破されたゾンダーロボ。

 火麻参謀のヘリによって護くんの現着も間に合い、合体ゾンダーロボの核となっていた鉄道好きの青年もしっかり浄解されました。

 

「護くんお疲れ~」

 

「あ、お姉さん……お姉さんもGGGに?」

 

 私の服装……真新しいGGGの制服に反応して護くんが問い掛けてきた。

 

「……ん、私もね……君たちと行く事にしたんだよ。

 そうでなくとも私は……君達の事が気になるから……」

 

 この時、私は決意した……今後もゾンダーは迫り来る、変えられないのなら()()()()()()()()()()()()()()()()()と。

 少なくともあのEI-01……パスダー戦までなら私の力が役に立つ。

 

 今、私の能力の把握している限りでは、あの決戦に手は出せないけど……それまでの間なら、何かしらのサポートはこなせる筈だし……確固たる信頼関係を築けたなら「ゾンダー」の詳細も教えてあげられる。

 

 本部務めは(Gストーンのせいで)少しダルいけど、それは必要経費や代償と考えれば妥当と言えるし……私自身も、どれだけの事が可能なのか完全に把握は出来てない。

 ……それを知る為にも、()()()()()()()()()()は必要だ。

 

「……お姉さん……?」

 

 私の表情に戸惑ったのか、護くんの声に少しだけ不安の色が混ざる。

 

「……あ、ゴメンね……何でも無いよ、これからヨロシクね、特別隊員の天海 護くん!」

 

「うわっは~♪ こちらこそよろしくお願いします……え~っと」

 

「あ、そっか……自己紹介もまだだったっけ? 私は稀星シオンよ」

 

 幸い護くんの側に立っていても、彼が浄解モードでなければさほど不都合はない……彼とも仲良くなれば、少なくとも浄解はされないだろう。

 

『オイオイ、俺を忘れて貰っちゃ困るぜ……ヨロシクな、シオン』

 

 漆黒のスーパーメカノイド、ガオガイガー……原作通りの地球製(イミテーション)のアンチ・ゾンダーマシンなら、Gストーンの影響もさほど苦では無い……これならば大丈夫だろう。

 

「ええ、よろしくお願いします……凱さん、護くん」

 

──────────

 

── ??? ──

 

『……またしてもあの黒いロボットにいい様に殺られてしまったな』

 

「……申し訳ありません……ですが、一つ……気になる事が」

 

「ウリリ? ピッツァ、やはり話すのか?」

 

「ああ、あの存在は異質だ……奴は我々の更なる脅威になり得る可能性も捨てきれん」

 

『ほほぅ……何者だ、其奴は?』

 

「はい、我々ゾンダーに対する正確な探知能力と、我々に似た組成編成能力……それに、我々すら凌駕する程の高い擬態能力を持ち……奴等(GGG)の懐に潜り込んでいるイレギュラーな存在」

 

 ピッツァは当初、この話をペンチノンにのみ打ち明け、どう扱えば良いか迷っていた……しかしペンチノンの助言と、我々ゾンダーの有利に事が運ぶならどうにか利用できないかと考え、持ち帰った情報を全てこの場で吐き出したのである。

 

『……我らに近しい存在、然して異なる存在……ピッツァよ、そのイレギュラー……どう見る?』

 

「近しい存在としても、味方であるとは限りません……更なる脅威にもなり得るかと」

 

 ピッツァとパスダーが問答を行っている間、プリマーダは無言を貫くポロネズを見ながら、ピッツァのもたらした情報を頭に入れ、次なる計画を密かに練っていた……

 

「ポロネズ……見てなさい、黒いロボット……!」

 

 そしてそれこそが、次の戦いの呼び水となるのである。

 

──────────

 

 メガフロートでの作戦も無事に終了し、ガオガイガーと共にGGG本部へと帰還した私を待っていたのは……

 

「さて……稀星シオンくん、君はGGGスタッフの内でも……少し変わった経歴と能力がある様だね」

 

 そう、最初に捕まっていた時の一連の所業、そして戸籍情報の改竄(かいざん)等々……彼らGGGに対しては、実はもろバレだった。

 それに加えて、あの身体能力テストや先の戦いでの能力行使など……色々と積み重なった点はもう消しきれない。

 

「まぁ、色々と気になる件はあるが……君の能力の事は現状、我々GGGの一部にしか教えとらん……我々メインスタッフと、機動部隊の凱だけじゃな」

 

 麗雄の言葉に意外だと驚くシオン……そして大河長官からは正式に辞令が下された。

 

「表向きは中途採用として……君にはGGGメインスタッフ、及び特別隊員のメンタルケアを担当して貰う。

 

 ……正直な話、有能なスタッフは貴重でね。

 特に、我々メインクルーは過酷な勤務に当たる事も多く、その上メンタルケアは個人の裁量に任せきりという状態なんだ……そしてこれなら、君のその()()()()()を活かせると考えた訳だ」

 

 こうして私こと稀星シオンは、GGG本部付きの医療スタッフとして中途採用……主にメインスタッフや護くん達のメンタルケアを担当する事になってしまったのである。

 


 

 シオンの能力(現在、披露しているもののみ)

 

 ◇擬態能力

 見た目をほぼ人間と同一に見せる。だが、実は本性もそれほど人間と変わらない。

 

 ◇組成編成能力

 触れた物の組成を物理的に変換し、分子配列や構造を変更して別の物を造り出す。

 一瞬でも触れてさえいれば変質が反映されるので、投擲から接触までの間に変質させる事も可能。

 物理的な攻防であればかなり広く応用も効く。

 

 ◇情報操作能力

 一定距離内の電子機器をハッキングし、任意の情報操作や引き出しを行う。

 触れずとも可能なため、秘匿性は非常に高い……反面、それなりの時間(ワークタイム)は必要。

 なお、接触して操作する場合はレスポンスが向上し、デメリットもほぼ皆無となる。

 

 ◇探知能力

 特定の物体、指定対象の擬態を看破する能力。

 ゾンダーの機械的な融合や、潜伏程度ならばいとも簡単に判別できる。




次回予告


君たちに最新情報を公開しよう!

国産ロケットの奪取を阻止し、見事ゾンダーを打ち倒したGGG。
そしてシオンは経歴を買われて、クルーらのメンタルケアを担当する事になった。

それからしばらくして、首都圏の交通渋滞から突如ゾンダーロボが現れる。
広範囲を巻き込んで暴走するゾンダーロボにより、救助活動には危険が伴う……

こんな時こそ、間違いなく彼等の出番だ……!
救助活動用ビークルロボ、氷竜・炎竜……発進せよ!


次回、勇者王ガオガイガーif NEXT...
第6話『赤と青』

次回もこの小説で、ファイナルフュージョン承認!!

コレが(6話の)勝利の鍵だ!!

  • ビークルロボのAIボックス
  • 新入りGGG隊員のAI教育
  • 2020年最新版の渋滞解消システム
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