狂わなかった「Z」の力 ~勇者王ガオガイガーif 作:睦月透火
悪いが、コッチをおかわりだ!!
そして、ギャレオンであろう胸の獅子の口がゆっくりと開き、人影が出てくる……背には白い鳥の翼と黒い蝙蝠の翼、凱さんと同じ炎のようなオレンジ色の髪に、太陽の如き白銀に輝く装具。
その人物はゾンダーコアを護くんと同じ様に浄解……コアにされた人物を元に戻すと、簡易ゲートのようなものを開いて私の所へ飛ばしてきたのだ。
多少シルエット的な違いはあれど、あの目が持つ雰囲気はそうそう間違える筈がない……第一、私の直感が言っている。『あのガオガイガーは個人的な趣味でアレンジっぽい事がされたもの……
『……カルナさん、ですよね……?』
衝動的に口にした名前に、過剰反応オーバーなほどビクッとした人影……今、確信に変わった……アレは絶対カルナだ。
「……いえ、私は星の彼方より遣わされた宇宙警察機構の……」
『宇宙警察機構? 空想科学や特撮ヒーローじゃあるまいし……この世界じゃまだ外宇宙進出してないから子供騙しの嘘ってすぐに分かるわよ? それ以前にそのタイプの主人公って成人男性が相場じゃなかったっけ? 初期作品で女性キャラはサポート要員って明確に表現されてたし、そもそも警察組織みたいな枠組みはその目的や任務内容の制限から一定以上の体格を持つ成人でないと勤まらないって風潮があるからその体格で宇宙警察機構を名乗るのにはちょっと無理があるんじゃない?』
前世とはいえ、地球で放送済みである特撮作品や勇者シリーズにも宇宙警察機構は存在するが、どれも全員が成人男性……女性キャラも居なくはないが、立場上戦線に出る事は無いサポート要員である。それに警察官というのは一部ながら“対暴力”や“対集団”を想定している任務があるため、必然的に“成人もしくは一定の体格を有する人物に限る”とかあるんじゃなかったっけ?
「………………ぐすっ……ふぇぇ……」
あまりにもガチな私の返しにカルナは思わず泣き出し、その場が凍り付いた……もちろん、私の黒歴史となったのは言うまでもない。
ぶっつけ本番……テストも何もなし、出たとこ勝負の大一番。しかし、この子ならやれると確信している。だから信じて送り出す……あれから“更なる進化”を果たしたコア・ドライヴを持つ、【獅子座】勇気を象る獣のアーマロイドを……!
『空間転送ポート固定、カタパルト解放……往きなさい、アーマロイド【
私の声に応じて、最大解放された水色の転送ポートから飛び出し、瓦礫の大地を疾駆する獣……
♪◯イド新◯紀/ZEROより【BGM】ストライクレーザークロー
疾走感溢れる音楽と共に瓦礫の大地を駆け抜ける白き獅子……装甲は月明かりを浴びて仄かに光り、躍動感抜群の挙動と相まって幻想的な雰囲気も感じられ……
「カァァァットォォォ!! またお前か?! くぉらぁぁぁッ!!」
また音楽担当さんのイタズラだった。絶妙なトコロ突いて来るよね……それとも、私も知らない“何か”を知るとでもいうの……?
ついに、機界司令パスダーの打倒を成し遂げた我らがGGG……
だが、まだゾンダーとの生存競争に勝った訳ではない。
先んじて危惧されている「原種」の存在……そして、来るであろう決戦の時に備えて、我々は止まる事は許されないのである。
しかし……ここに来て、思いも寄らない事態が刻一刻と近付いている事を、まだ誰も知る事はないのであった。
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パスダー打倒から丸一日が経過した。
アーマロイド達も、今回ばかりはなかなかに無茶をした……想定していた戦闘だった為か、直接的な損傷こそ少ないものの、まる1日掛かったこの決戦中に少しずつ蓄積していたダメージが響いているのか、駆動系や制御系にタイムラグや不完全処理による悪影響が生じている。
勿論、同じ戦場に立っていた勇者達も相当なダメージを受けているので、私が持つアーマロイドの技術を転用可能な限り大盤振る舞い……後々の為に、と造っておいた半自動物資成形装置「Zi-ビルダー」を活用して交換用パーツの生成を手伝い、駆動システム周りも担当さん達を交えて何度もブラッシュアップを重ねてレスポンスや整備性の向上に努める事となった。
……代わりに、アーマロイド達のオーバーホールを手伝ってくれるという交換条件でね。
そしてオーバーホール中は活動が極端に制限……というかほぼ不可能になる為、アーマロイド達には「コアボディ」という新しい身体を各個に与えた。
なお、当初は簡易的なボディフレームに簡易装甲システムやネットワークリンクを内蔵した一時凌ぎのボディとなる予定だったのだが、命さんやスワンさん、護くんや凱さんにまで揃ってダメ出しされ、その意見に眷属達が感化されてしまい懇願……麗雄博士と揃って苦笑し、最終的に「希望のサイズ」で「自律行動可能」な、ガチで「コア」と呼べる超技術満載のユニットとなった。
このボディは当初予定していた一時退避用の簡易ボディではなく、各自の特徴や能力の一部を限定的に発現可能な機能と独自の代謝システムを内蔵しており、致命傷ではない損傷率50%以下ならば自己修復が可能な他、生物が原型の子は捕食……もとい食事が出来るのである。ぶっちゃけ、非戦闘時の暇潰しを可能にした訳だ。
『『ありがとうございます!!』』
……しかし、元が元なのにクーゲルザウターとグラヴィスコルードは何故か
まぁ、制作難易度は高い方が達成感ある*1し、私の個人的な理由やエゴで戦わせてる訳だから、この程度の要望くらい出来る限り叶えてやらなくちゃね……
おっと、忘れちゃいけないのが元・プリマーダだった『メティス』さんと、元・ポロネズだった『ゼーヴレゲヒト』ことゼーヴさんの処遇なんだけど……この2人の口から、過去一ヤバくて物凄い三十連太陽系の過去が語られた。
「……私たちは『プロジェクトZ』の研究者。我々の研究成果を元に、太陽系マイナス思念浄化プログラム『Zマスター』は創り出されたのです」
「その……元になったのは、私達の愛の結晶。……愛娘
……彼ら夫婦の愛娘「リュシオ」は身体が弱く、いつ死んでもおかしくない子だった。無論、彼らは愛娘を失いたくない一心で研究を重ね、1つの成果を出す。
それが、現在の私の身体を構成する自覚型金属細胞「Zi-メタル」の雛形であり、ゾンダーメタルの元となった重金属粒子合成素材だ。
それは遺伝子構造を模倣して対象を完全にコピー、構成素材の違いはあるものの完全な分身を創り出せる奇跡の素材だった。
夫婦は愛娘の遺伝子データをベースにして彼女の分身体を創り出し、ナノマシンによる保全をしていた彼女の脳を移植して健康な身体を与える事に成功……するはずだった。
しかし、些細な違いが引き起こした影響……命を弄ぶ行為と見做された天罰なのか、新しい身体は何故か自己治癒能力が働かない為、些細な機能不全すらも解消できず、彼女は自分の身体を満足に動かせないまま、半年後に眠ったまま息を引き取った……
夫婦は失意の内に自殺を図ろうとしたが、夫婦の研究を鑑み、当時の紫の星の指導者の勧誘を経て夫婦は再び愛娘を取り戻すべくゾンダーメタルの研究者となり、紆余曲折を経て
それから、夫婦は「私」にある事を教えてくれた。
「……リュシオは、今の君にソックリだったよ。生きていれば、ちょうど今の君と同じくらいだと思う……」
ゼーヴさんの言葉に、私は絶句してしまう……
それは、今の私の姿が2人にとって……幾ら望んでも掴む事の出来なかった、触れられない未来のように見られていたから……
それから更に数日後……私は原因不明の全身の痛みに魘されて十分な睡眠が取れなくなっていった。
いや、この痛みはあのパスダーを倒した後辺りからずっと続いていた……
それまではチリチリとしたものだったし、感覚的にも不定期で痛む場所もバラバラだし、注射針で刺された程度のものだった。
勿論、麗雄博士には早期の内に相談もしたが……あらゆる検査を受けても原因は特定出来ず、何度も自己調整や修復を走らせても何も変わらない……
感覚プログラムの修正? 真っ先にやったけど“無駄だった”。
(これは……もしかしたら、“例の敵”の方かな?)
パスダー戦の前……あの時、見習い管理者さんに示唆されていた『私を使って歴史を壊そうとした誰かさん』の存在。
当時の三重連太陽系の超技術ならば、あらゆる相手を超越していると踏んで利用したのだろう……そうでなくとも、原作通りの時点で文明を滅ぼせる『Zマスタープログラム』なのだから。
そう遠くない内に『原種』は地球へ来るだろう……原作ではそれほど間を開けずに来ていた訳だし、私の不調は誰にも知られてはいけない。
勿論、眷属達にもね……
驚愕の過去と、蠢動する闇……
原種編は波乱に満ちた展開が待っている様子。
次の次から本編に戻ります。
……それはさておき、リアルが忙しい。
そりゃPSO2はイベント中だし、仕事もコロナの煽りで圧迫され気味……
オノーレェ!