狂わなかった「Z」の力 ~勇者王ガオガイガーif 作:睦月透火
しかしゾンダーとの戦いは、まだ終わりではない。
次なる試練は、もうすぐそこまで来ている……
そして、それに呼応して招かれざる者と
世界の裏で胎動するモノも……
第59話 次なる暗躍、そして……
地表から高度約160kmより上にある空間……そこは地球周回軌道とも呼ばれ、主に人工衛星や気象観測衛星などがある領域だ。
その場に静止すれば、間違いなく地球の重力に引かれ落下する為、その高度を維持するために最低でも約3km/s*1という速度で移動し続けなければならない……
とはいっても、この領域はほぼ宇宙空間なので速度の減衰は起きず、初速さえ確保できれば速度を維持する必要は無い。
しかし、場にある物の数が増すと、互いに接触して破損する可能性が出てくる為、お互いに距離を取って移動する必要がある……
そんな領域の只中……数多く飛び回る人工衛星などから一度たりとも捕捉されず、軌道をゆっくりと離脱する金属の塊があった。
それは全体的にくすんだ紫色をしており、中央には意味深に空いた穴……
やがてその物体が高軌道にある最後の人工衛星をやり過ごすと、中央の穴に変化が現れる。
《……フフフッ……フフフハハハッ!!》
穴に浮かび上がったのは、先の東京における戦いで消滅した筈のEI-01……パスダーの顔幻影。
そしていつの間にか……付近に高さ数キロ近い巨大な柱の様な3つの構造物と、ボール状の物体を足場にして立つ、色白で人型の存在が居た……
その人型の存在は道化師の様な服装とメイクをしており、徐に口を開けると、パスダーの顔幻影を浮かび上がらせた金属塊を飲み込み吸収、ただ一言を放つ……
『……情報収集、完了』
高軌道からある程度離れているとはいえ、こんな巨大な構造物を人工衛星が認識できないのはおかしい。しかし、衛星もソイツらも、お互いをまるで認識していない……
《……やはり一筋縄では行かぬ、か。だが最早“暁の予言”は変わらぬ。ただ、この世の全てを“無”に帰すのみ……》
道化師の傍ら……宇宙の闇に溶け込む闇がそう呟く。その“闇”には姿も形も無く、ただ宇宙の暗闇に赤い切れ目が一対の目のように浮かぶのみ。
《貴様が如何に足掻こうとも、終わりは変わらぬ……“闇より生まれし光”よ。世界を飲み込む終焉の前には、全て無駄な足掻きと知るが良い》
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その不気味な光景……それは、これから始まる更なる苦難への始まり。しかし、その様子を空間を隔てて観察する、多種多様な色をした“光球のようなもの”が見ていた。
《……始まったな》
《………………》
水色の光がそんな一言を放つ……他の光は無言だが、全員が肯定の雰囲気を出していた。
《……奴らがどんな手を使おうと、俺達が全員揃えば勝ちの目を出せる》
紅の光は「自分達が揃えば“勝てる”」と言い放つが、隣の白い光は不思議そうに訪ねた。
《あらダーリン、今回は“分の悪い賭け”とは言わないのね?》
《……この世界は元々が
「紅」の言葉に嬉しそうな「白」ではあるが、水色の隣にいる方の「白」からは忠告が飛んだ。
《【
《ああ、分かっているさ【
《……そうね》
その忠告に「紅」……【牡牛座】は真剣な雰囲気で返す。その声のトーンに、も雰囲気を一転させ、真面目トーンで答えた。
《……【牡牛座】、何だか楽しそうですの》
だが【水瓶座】は逆に雰囲気を緩ませ、【牡牛座】を“楽しそうだ”と評する。
《……だな。先に出た奴らがちょっとばかり羨ましいぜ》
それまで無言を貫いていた「金」の光が接近してきて【牡羊座】に同意を示し、“先達”を羨んだ。
《俺達の
《……主さまに……無理はさせられない……ですの》
「水色」が“その時を待て”と締めるが、【水瓶座】は心配そうな雰囲気を出す……
《心配するな【水瓶座】、アイツは少々無鉄砲だが馬鹿じゃない。それに先に出た奴等も居る》
それを察し「水色」……【
《もち、私とダーリンはセットでの参戦を希望するわ♪》
《……俺は単独でも構わないんだがな》
《あぁん、もぅ……つれないわねぇ》
《【
唐突に【牡牛座】の隣の「白」……【山羊座】が“セット参戦希望!”と言い放ち、【牡牛座】は単独でも良いと切り捨てる……その惚気に「金」……【
《フフフ……》
その漫才のような光景に【水瓶座】も完全に緩み、含み笑いが出た。
彼らは主の命あらば、何を置いても駆け付けるだろう……しかし今はただ、その時を静かに待つのみ。
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── 全アーマロイドの
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この数時間後……GGGアメリカの輸送艇で帰国の途に付いていた獅子王雷牙とスタリオン・ホワイト、マイク・サウンダース13世らは、謎の飛行物体との遭遇を最後に行方不明に……
また、東京のGGG本部へも同様に謎の飛行物体が飛来……
シオンの持つ情報と、ギャレオンのブラックボックス解析によって得ていたデータを用いて、謎の飛行物体を「原種」と断定していたGGGであったが、迎撃準備が整う前に襲撃を受けた事で、修復こそ間に合ったものの、各部の調整が不完全なままガオガイガーは出撃。
更にGGGベイタワー基地ごと東京湾埋立地……Gアイランドシティが丸ごと灰燼と帰した為、獅子王凱は孤立無援状態に……
『……オレの……俺の勇気は、死なない……ッ!』
ガオガイガーの持つポテンシャルや戦闘能力はこの時点で、原作におけるスターガオガイガー以上のレベルにパワーアップを果たしていた。
だが、シオンが恐れていた改変の影響か……原種は形状や能力こそ原作と同一ではあるものの、その攻撃力は原作を逸脱する程になっており、ガオガイガーは原作以上の危機的状況に陥ってしまう……
そして、その事態を救ったのも……
『ジェイ・クォースッ!!』
突如として現れた白亜の戦艦……それが全高100m級の巨大ロボットへと変形し、人知を超えた凄まじい戦闘能力で原種3体を瞬く間に撃沈……
「……何なんだ……コイツは……!」
重症ではあるが意識を保っていた凱は、3体の原種を撃破した白い巨大ロボを呆然と見上げる。
「凄く強い、凄く大きい。凄いロボットだ……!」
凱を心配し、シティ近くまで来ていた護少年もまた、遠目からもよく見える白亜の巨人の姿を驚愕の表情で見上げていた。
《ゾンダーとは似て非なる反応が2つ、高速で此方へ接近してくる》
『……なに?』
「……トモロ、最大望遠で映せるか?」
件の戦艦ロボ内部にて……
そこに映し出されたのは、本土側方面の低空と地上を、疾走しながら接近してくる2つの姿……低空を駆けながら飛ぶクーゲルザウターと、追従して地上を疾走するストラトスライガーだ。
「……やはり、あの時のマシン……!」
『……という事は、お前の話にあった“例の女”の眷属か……!』
戦艦ロボは戦闘体勢を取るが、少年は進言する。
「でも今、彼女と事を構えて……万が一、僕らの本懐を果たせなくなるのはさすがにマズい。J、ここは戦域離脱を」
『……分かった。フュージョンアウト! ……ジェイアーク、急速離脱!』
《了解》
少年の提案に、Jと呼ばれた男は少しだけ思案し、コンピューターであるトモロへと指示を下す……
そして白亜の巨人は元の戦艦の姿へと戻り、その巨体に似合わぬ超高速で空域を離脱していくのだった。
ほぼ原作通りの推移……
しかし、戦艦ロボ側にはシオン側の情報がほとんど無く……彼女の真意を測りかねている他、本懐を果たせなくなる危険性を危惧してこの場を退いた模様。
それぞれの思惑がある中、満身創痍のガオガイガーを残して去る巨大な戦艦ロボ……彼らはいったい何者なのだろうか?
君達に、最新情報を公開しよう!
ついに現れた、機界31原種。
そしてそれを撃破した“謎の白き戦艦ロボ”……
物語は更に加速を続け、舞台はより混迷を極めていく。
そんな中シオンは、この先に待ち構える激戦を乗り越えるべく
その身に人知れず爆弾を抱えたまま、戦力強化に勤しむのであった。
次回、勇者王ガオガイガーIf NEXT...
第60話『逆襲、機界31原種』
次回もこの小説で、ファイナルフュージョン承認!
さて、始まりましたね「原種編」。
ここで一番に盛り上がるだろうジェイアークの出現シーンですが、やはり下手に文章化して雰囲気を損ねたくないのと歌詞まで載せて雰囲気を感じたいのとせめぎ合ってしばらく悩みましたが、さすがに無駄な遅延も雰囲気を損ねると思い苦渋の決断。
泣く泣くカット……
パリアッチョのシーンを俯瞰して見ていた残りの星座達はいつ頃実体化するでしょうか……
このまま突っ走ると「FINAL」やら「覇界王」でどうなることやら……自分でハードル上げといて今さら後悔してますw
まだ続きが見たい方は感想よろしくお願い致します!
コレが(次回の)勝利の鍵だ!!
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GGG最強勇者ロボ軍団
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上記+「Z」の眷属達