狂わなかった「Z」の力 ~勇者王ガオガイガーif 作:睦月透火
しかも以前の勇者たちとも共演前提ってマ?
より一層激しさを増すであろうゾンダーとの戦いに備え、GGGは宇宙へ上がった直後から世界各国に対し「超AI」と「GSライド」の構築技術を提供していた……
そして、極北の戦いから2週間後……
ついにそれらが結実し、中国にて現行の最新技術を惜しみなく投入された戦闘用ビークルロボ2体が完成したとの報が入る。
基礎開発元としてGGGは、そのロボット達の外部評価に招致された。
はたして新型ビークルロボは、地球防衛の戦力になり得るのか?
国連からの極秘任務もあり、麗雄は息子と助手らを引き連れて、一路中国へ飛ぶのだった。
シオンはこの、“中国製ビークルロボ”の一件に並々ならぬ興味を示していた……
それもその筈、自ら教育に乗り出し、結果を示したあの“竜シリーズ”の兄弟機。
……あの「風龍」と「雷龍」が、この世界で生まれたのだから。
原作では初期に“性格面に難あり”と評され、戦闘用に調整されたプログラムに傾倒した教育のせいで彼ら本来の性能を発揮できず、最大の強みであるシンメトリカルドッキングも当初は不可能であった……無論、途中から自己学習によりその欠点も克服し、竜シリーズ最強の攻撃力を遺憾なく発揮できる強さを手に入れているのだが。
(そんな風龍と雷龍が、この世界で産声を上げた……此方ではどんな事になっているのか……私、非常に気になります!)
実際はこの世界ベースの彼らが、どんな事になっているのかという興味本位……もし原作同様の欠点を持った状態だったなら、主任開発者である「楊博士」をこき下ろ……厳重に抗議するつもりであった。
「そう言えば稀星くん、向こうの“楊 龍里”博士とは既知だったそうじゃないか」
『ええ、まぁ……』
中国製ビークルロボの開発主任、
当時、話題沸騰中の美人女医として取材を受けていた頃のシオン……当然、海外からの取材やオファーも多く、当然、行き過ぎた行為に走る輩も少なからず存在していた。
ある時シオンは、パパラッチ等の追跡を逃れてオフを満喫すべく、変装ついでに特殊能力を駆使して日本を離れ、中国で観光をしていた……
そこまでは良かったのだが、行った先の中国でも追い回される羽目になったのである。
だが、そこへ運良くマトモな“ある男”が通り掛かり、シオンを匿ってくれた。
その男こそが、当時の“楊”である……
(あの時の事には感謝してるわよ……あの時の事にはね)
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その後、帰りに予約していた便が故障で遅れてしまうという事態となり、シオンは予定時刻まで中国で過ごさなくてはならず……出先でも追い掛け回されるという事に、苛立つのも無理はない。
楊はそんなシオンをパパラッチ等から遠ざけてくれた現地人で、普通なら感謝して定時を迎え、別れる……のが普通の流れだろう。
しかし、短時間とはいえ楊はシオンの整った容姿と、オフだから見られる彼女本来の性格を目の当たりにし、いつしか楊は本気でシオンに惚れてしまった。
勿論、彼は1度も悪くどい手など使わなかったのだがそれ以降、女医として生活していた間……わりと結構な頻度で真剣交際を申し込んできたのであった。
(中国では才ある若者を囲い込む手段として、そういう関係を迫る……というのを聞いた事がある。でも私はできるだけ日本に居たかったし……)
惚れた腫れたなど、中身が中学生であるシオンは“まだまだ先の話”だと思っていた上、何より優先すべきは当時まだ潜伏中であるが故の、各方面との折衝問題であった為、当時は何とか有耶無耶にし続けていた……
しかし、先の“EI-01”による東京大決戦の際に公表された情報により、シオンの存在と由来は公然のものと化し、現在は正式なGGGの隊員となっている今……彼からのアピールも再加熱していたのだった。
「僕からすれば、楊博士は軍事的な思考に染まりつつあるが、性格自体は悪くない……まぁ、君が良ければの場合だがね?」
『……麗雄博士……1つ、忘れてませんか?』
「はて? 僕の助手は美人で器量よし、将来有望の貴重な人材だと思っとるがのぅ」
『……誤魔化さないでください! 私、地球での戸籍上はまだ中学生なんですよ?!』
「Alright! シオンはまだ
「……スワンさぁぁぁん!」
「Oh、心配ないデース」
「……父さん、あまりシオンを誂わないでくれよ」
「はっはっは! 冗談じゃ……だが、僕の稀星くんに対する評価は冗談ではないのだよ」
『ゔ〜〜〜っ(分かってますよ……博士は冗談こそ言うけど嘘は吐かない事くらい)』
シオンは麗雄に誂われた事を敢えて本気で捉え、スワンからの助け舟に縋り付き、凱は父のお茶目にやんわり釘を刺す……
……
中国科学院 航空星際部……楊 龍里は若くしてその主任研究員となった天才である。
中国における軍事科学技術の発展と、独自の機械化混成部隊の創設に大きく寄与し、いずれは世界十大頭脳の仲間入りを果たすのではないか、と言われている……
「ようこそお出で下さいました、獅子王博士にGGGの皆さん……楊 龍里です。以後、お見知りおきを」
若くして主任となった楊……本来、対外的な対応は担当を立てて行うが、迎える相手が世界にも顔が効く人物という事で、自ら対応する。嫌な顔一つせず応対する彼の態度に、麗雄も笑顔で返した。
「これはこれは、ご丁寧にどうも……此方は息子の凱と、私の助手で……」
「スワン・ホワイトデス、Nyse to me you」
美人の助手がいるというのは知っていたが、実際に見ると噂以上……そして、2人目の紹介に楊の顔が固まった。
「どうも……ッ……、君は……?!」
「……ど、どうも……」
当時から容姿の差異はあれど、大部分の印象は変わらないので見間違える筈もない……楊の目に映った少女は、当時窮地を救った美人女医によく似ていた。
(……もう隠す必要は無いんじゃろ?)
(そ、そうですけど……)
(なら、故意に不和を起こす事も無かろうて)
(……はい)
既に正体の方がバレバレだし、シオンが異星文明の出身である事も、敵と同類である事も……そして、地球を守る為に尽力している事も周知の事実。
その為、今更な隠し事で要らぬ不和を起こす事もない……と、麗雄に諭され、シオンは意を決して打ち明けた。
「私……稀星シオンです。お久しぶりですね、楊さん」
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「……成る程、君があの時の……いやはや、そういう事でしたか」
『あの時は……下手に関係者を増やして、取り返しの付かない事態に発展するのを恐れていて……あの……すみませんでした!』
表面上はなんてこと無い……といった表情だが、彼の内心は複雑だろう。しかし、シオンの謝罪を聞いて最初の一瞬だけは難しい顔をしたものの、すぐに表情を戻して楊はこう言った。
「……まぁ、当時の貴女に惚れていた事は事実。そんな事情があった事には驚きましたが、そういう事ならば……非常に残念ではありますが……ね」
……とりあえず、不和の元にはならない様に解決出来たようです。
その後……楊の案内で航空星際部の施設を見学していたシオン達だったが、そこに突然の地震と警報が発生する。
事態を把握すべく楊は警備員に連絡を取り始め、事の子細を問うが……
「何事だ?!」
《分かりません! 突然揺れ出して……あっ?!》
「どうした?!」
《ば、万里の長城に……怪物が……?》
「なんだと?!」
(……ッ、原種ね……!)
その直後、シオンの超感覚が相手の反応をキャッチ。周囲を警戒していた氷竜達からも緊急通信が入り、外の状況が伝わってきた。
「何だって……?!」
「まさか、この地震は……?!」
万里の長城付近に現れた原種……観光客を内部に取り込んでゾンダーに変えつつ、自身は空高く伸びる塔の如く宇宙を目指し始めていたのである。
無論、事態を察知した氷竜と炎竜は連携し、民間人の救助を始めたのだが……
『……クッ、こいつ等……強い……!』
『我々の装備では、ダメージにもならないのか?』
取り込まれた人が続々とゾンダー化しており、尖兵として氷竜達の攻撃を防ぎ、救助が思うように進まない。
『……?! あれは……?』
その時、緑色のミキサー車と黄色いダンプカーが颯爽と現れた。ゾンダー等の攻撃を華麗なドライビングテクニックで躱し、敵集団深く切り込んでいく……
『『
『風龍!』
『雷龍!』
緑色のミキサー車と黄色いダンプカーはそれぞれ変形、氷竜達によく似たロボットとなる。
『……目標確認。作戦行動、開始』
『了解!』
緑色……風龍が合図し、黄色……雷龍と共に行動を開始。ゾンダーロボがひしめく敵集団へと突撃していくのであった。
……なんかさ、オリジナリティ出そうとしたらこんな事にw
風龍と雷龍の開発主任である楊博士に若返って貰いました。
原作当時の年齢は妻子持ちで相応の年齢だけど、本作では新進気鋭の若手筆頭!
ついでに言うと、原作みたいな堅物キャラでもありません。
次回もお楽しみに!!