狂わなかった「Z」の力 ~勇者王ガオガイガーif 作:睦月透火
ウチも負けてられないや!
その翌日……1度地中に逃げた原種は、大地に聳える塔の様にして再び現れ、その長大な体躯を宇宙へと伸ばし始めた。
その目的はただ1つ……オービットベースへの直接攻撃だ。
『敵の解析が終わりました、今データを送ります!』
私は敵の再出現に備え、アーマロイド達を偵察に出し、事前に掴んだ情報と併せて原種ロボの構造データや解析可能な情報を纏めてオービットベースへ転送する。
《稀星隊員からのデータを受信、メインスクリーンに出します》
通信で繋がった私からオービットベース、そして航空星際部施設の麗雄博士とスワンさんの下へデータが届き、画像が表示される……そのあまりにも異様な状態に、スワンさんは思わず絶望的な声を上げてしまった。
《Oh my god……モホロビチッチ不連続面を、完全に貫通してマース!》
“モホロビチッチ不連続面”とは、大地や海底を構成する地殻層と、高温高圧の流動マントル層の境目を指す呼び名……恐らく逃げた際にココからエネルギーを取り込み、利用する算段を付けて再襲撃しに来た……という事だろう。
《奴は直接、このオービットベースを攻撃するつもりか?!》
《原種ロボの頭部。大気圏上層到達まで、あと15分っ!!》
《このまま黙ってやられる訳には行かん! 総員、第一種戦闘配備!! 動けるマイク部隊は直ちに発進し、原種ロボを迎撃せよッ!!》
『クーゲルとダイキャンサーをガオガイガーの直掩に付かせて向かわせます! 到着するまで、何とか持ち堪えてよマイク!!』
《頑張るもんネー!》
斯くして、原種ロボの迎撃作戦第2幕が開始された……
『システムチェ──ンジッ!! マイク・サウンダース13世ッ!! 最高〜だッZE!』
原種のデータはまだ完全解析には至っておらず、ディスクXのソリタリーウェーブ・ライザーはまだ使えないが、ガオガイガーとの連携による援護ならば問題ない。
ガオガイガーは地上からクーゲルザウターとダイキャンサーを引き連れて大気圏を突破する為上昇……その間にも原種ロボの防衛に増殖し続けるゾンダーロボの相手は、氷竜と炎竜にライガー達アーマロイドと、航空星際部から風龍と雷龍も合流……
《今度こそ、我が国の敵を全て破壊しなさイ!!》
……そして、あのクソ上司こと劉所長も出張って来ていた。
(ダメダメ、今は原種の撃破に専念しないと……!)
シオンは頭を振って悪い思考を追い払い、ストラトスライガーに触れながら語り掛けた。
『……ライガー、今回は多数を相手取れる、圧倒的な火力が必要よ。CAS……完成済みとはいえロクなテストもしてないけど……やれるわね?』
ガオォォォンッ!!
シオンの問い掛けに、小気味良い咆哮で返事を返すストラトスライガー。
最近のゴタゴタでロクなテストも出来ていなかったライガー用の追加装備……“CAS”とは、ライガー自身の本能とコンバットシステムの最適解に基づいて設計された各種の専用パーツ群と、亜空間転送システムの応用により、状況に合わせて自在にその追加装備を付け替え可能なシステムを指す。
今回の作戦では主に対多数……ガオガイガーも不在となるので、単騎でもコアの確保を行える程の火力が必須となる。
つまり、今回の最適解は……
『ライガー。インストレーション・システムコール……“パンツァー”!』
シオンの言い放ったシステムコールに反応し、待機するライガーの周囲に幾つもの亜空間転送ゲートが開放される。その中から無数のアームが伸び、ライガーのハードポイント……目的の追加装備を接続する場所にあるノーマルモード用の装甲パーツを本体から取り外していく。
ピピピッ、ビーッ……ガゴン、ガシュン、ガギン、パシュゥゥゥ……
シオンの眼前にもホロディスプレイが展開され、そこに作業工程の推移がリアルタイムで表示される。
通常装甲は全解除……コールに基づき、“高火力・砲撃戦闘用の追加装備”が選択され、緑色の三次元フレームがライガーの周囲の空間に投影されると、位置関係をシステムが把握……各部ハードポイントの位置に亜空間ゲートが接近していき、中から現れた追加装備が、後部から順番に接続されていく……
それは重戦車を思わせる分厚い装甲内に、針鼠の如く大小様々な火器類を仕込んだ超高火力砲撃仕様の各部追加アーマーと、“槍”の如く長大な背部の連装高出力ハイブリッド砲「グレイヴカノン」が2門、そして高性能レーダーやマルチロックオンシステムを内蔵した頭部パーツからなり、既存戦力で言えば一個大隊級の火力を詰め込んだ超攻撃仕様だ。
全アーマーの接続完了後、ホロディスプレイにその旨が表示され、投影フレームが解除される……囲みが全て消えると、ライガーはまるで猫が寝起きの伸びをするように身体を動かした。
見た目的は凄まじく重そうだが、実は装備に内蔵された「グラビコンシステム」の質量軽減効果によって、感覚的重量はノーマルと然程変わらない……
『ぶっつけ本番だけど……頼むわよ、パンツァー!!』
グオォォォンッ!!
シオンの激に応える様に最大音量の咆哮を上げ、そして走り出すライガー……重戦車の如き威容を放つ巨体がF1マシン並の速度で敵集団へと突撃を開始。
まずその光景に気付いたのは氷竜と炎竜だ……
『アレは……ライガー? しかし何だ、あの装備は……?』
『物凄く重そうな見た目なのに速ぇ……!』
ガオォォォンッ!!
咆哮を上げて走って来るライガーに、何かを察知する氷竜と炎竜……直感に従い姿勢を下げ、そのまま周囲を警戒。ライガーは走りながらアーマー各部のパネルを展開し、氷竜と炎竜の間をすり抜けると、その先にあった岩をジャンプ台代わりにして跳躍……空中で向きと角度を調整して着地すると、開いておいたパネル内に搭載されたミサイルを一斉に解き放った。
ボボボシュゥ…… パシュパシュ……ドドドォンッ!!
周囲に撒かれたミサイルは一定距離を飛ぶと分裂して細かく別れ、急に意志を持ったかの様に敵へ向けて乱れ舞う。氷竜と炎竜の間近にも敵は居たが、鋭く曲がる小型ミサイルは高速で飛翔し……あらゆる角度からゾンダーロボにだけ狙いを定めて殺到していた。
『この乱戦の中、敵だけを正確に狙っている……?!』
『なんて正確な識別能力だ……!!』
ストラトスライガーには、生物の本能が如く瞬間的に敵味方を識別する能力を持っている。その識別速度はなんと0.01秒間で約80体……それをただの1度もミス無く判別可能だ。
更にパンツァーの高性能レーダーと各種センサーを組み合わせる事で一定空間内の全てを完全に把握し、これだけの数のミサイルをバラ撒いてもキッチリ敵味方を違える事無く識別……正確に敵だけへ誘導する事が可能なのである。
ガオォォォンッ!!
『……?! 見ろよ氷竜、ゾンダーロボのコアが……!』
『ゾンダーロボの再生も、極端に遅くなっている……今なら、直接コアを抜き取れば!!』
ライガーの咆哮に、炎竜はゾンダーロボの状態を見て驚く……氷竜もそれを見て、間違いなくチャンスだと判断した。
そこにはマイクロミサイルの猛攻を喰らい、ボロボロになりながらも辛うじて立っているゾンダーロボ……その一部はコアが剥き出しになっており、もう一押しでコアを摘出できそうな状態にまでなっていたのだ。
『クレーン・トンファー!! はぁぁぁっ!!』
『ラダー・トンファーッ!! うぉりゃあ!!』
氷竜と炎竜はその隙を見逃さず、確実にコアが見えているゾンダーロボへ追撃を加えてコアを抉り出すと、護を護衛するボルフォッグへと受け渡し……
「クーラティオー! テネリタース、セプティオー……サルース、コクトゥーラ!!」
「Oh yes!! ライガーの攻撃でコアが見えてマース!」
「良いぞ! この調子で敵の数を減らせれば、原種に専念できる!」
ボルフォッグに護衛されながら、護が抉り出されたコアを浄解していく……ガオガイガーが不在であっても、アーマロイドとの連携でコアを浄解し、敵の数を確実に減らしていける事に、麗雄とスワンは破顔した。
だが、この状況をヘリから見ていた劉所長は真逆に苦々しい顔……そしてその直後に劉は、誰もが予想していなかった指示を風龍と雷龍へ飛ばした。
《風龍、雷龍! あの獣型も敵と同じだ、纏めて破壊してしまえ!!》
(あの獣型……小娘の指示で動いてはいるが、アレはGGGのメカではなかった筈……コレは使えるゾ!)
劉の指示は航空星際部側しか聞いていない為、無論GGGやシオンには聞こえていない……しかし、さすがに風龍と雷龍も、この指示には当然異議を唱え始めた。
『劉司令。あの獣型は現在、敵の排除に協力してくれています……なのに敵と判断するのは……』
『明確な敵対行動もしていない相手を敵として処理するには、相応の理由が必要と判断しますが……』
《煩いッ!! 奴等は元々
最後の一言に、風龍と雷龍は押し黙ってしまう……
事実、航空星際部の研究者達と彼等の間には、もう易い言葉では言い表せない強い絆が育っていた……彼等は航空星際部の研究者達の実情も知っているし、こうして盾に取られた事も既に何度かある。
……しかも実際に意に沿わないと判断され、辞職させられた研究者も少なくない。
それ故に風龍と雷龍も、劉所長の命令に逆らう事ができなくなっていたのである……
『…………。了解』
『……ッ……了解』
目を伏せ、力無く受諾する風龍。雷龍もまた、やるせない気持ちを強引に抑えながら受託の意を口にするのだった。
ソーグレーダーが待ち遠しい……!
しかし、悲しいかな。
此方の物語は今、非常にやるせなさ全開状態です……
……感想、お待ちしております。
アーマロイド達がそれぞれ持っている必殺技……見たい?
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本編内でド派手に!!
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使えそうなシーンがあれば
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設定に載ってれば良い