狂わなかった「Z」の力 ~勇者王ガオガイガーif   作:睦月透火

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あ~! もぅ!!
ソーグレーダーはよ続きが見たいッ!!

この思いを糧に書き殴ってやるぅぅぅ!!
※08/20 文言等に一部修正を加えました。



第73話 運命の声(1)

 中国での原種戦も勝利に終わったものの、自業自得とはいえ管理責任者であった所長は生死不明。その為、組織として完全に立ち行かなくなってしまった航空星際部……

 

 政府は楊さんからの事後報告に驚愕し、事情聴取を行う為人員を派遣……

 

 事態が事態なので聴取は長引くであろうが、コレで楊さん達航空星際部の研究者達を抑え付けていた重荷は完全に外れる事になるだろう……

 

 しかし、報告の翌日に中国政府から発表された『航空星際部の組織解体』は寝耳に水であった。

 

『チクショウ! 俺達の居場所は……何処にも無ぇって事なのかよ?!』

 

『落ち着け雷龍、我々は国家防衛の為に造られた……早々お払い箱などにはならない筈だ。……ですよね、稀星女史』

 

 雷龍を嗜めつつ、シオンに同意を求めてくる風龍……ロボット故に表情からは読み取りづらいが、声色やシチュエーションから風龍も内心は不安で一杯だという事は容易に想像できた。

 

 下手な物言いで、却って心を傷付けてしまわない様に……不安な子供を優しく包み込む様に、シオンは慎重に言葉を選ぶ。

 

『そう……大丈夫よ。貴方達はこの国にとって……いえ、この星にとって無くてはならない大切な存在だもの。少なくとも私はそう思ってるし、貴方達を育てた楊さん達もそう信じているわ』

 

──────────

 

 その後、中国政府は調査報告を受けた後……楊らの境遇を鑑み、可能な限りの人員をGGGの中国支部に配置させてくれと打診してきた……

 裏では大河長官や麗雄博士……そしてあの国連事務総長まで手を回してくれたのだと後で知った。

 

『俺達も……GGGに……?』

 

「あぁ、書面上は事態が事態故“左遷”という扱いに近いが……君達にとっては実質“栄転”と言っても良い」

 

『しかし、それでは国家防衛の任務が……』

 

 国家防衛の任務……軍人として絶対に背かないと心に誓った事を妨げられるのではないか?と風龍は口に出すが、楊はその言葉にこう返した。

 

「それも問題はない……君達の本所属は“GGG中国支部”となる。GGGは急を擁する事態に対し、スムーズに連携を取る為に本部や各支部同士の融通や利便性を徹底的に追求し、所属や国家の垣根無く、緊急事態や各種の要請に応じて動く事が可能なのだ。そして私を含め、航空星際部の研究者全員がお前達と同じく中国支部に配属となった……所属の名は変わるが、お前達とは変わらぬ付き合いを継続できる……」

 

 そしてトドメを刺すかの如く楊が最後に告げた言葉に、風龍と雷龍はハッとなった。

 

「……それに、お前達ならば理解できるだろう? 我が国も地球にある国家の1つ……地球を守る事は、そのまま我が国の防衛にも繋がる事を」

 

『『……あ……っ!』』

 

「コレからも、よろしく頼むぞ……風龍、雷龍!」

 

──────────

 

 そんなこんなで風龍と雷龍もGGGに転属となり、楊さん達も含め、所属を新たに再出発……不穏要素は排し切れてないのはちょっと心配だけど、多分大丈夫よね……?

 

 

 それから数日後、風龍と雷龍の本部配備における準備が着々と進行する中……オービットベースでは“とある実験”が行われた。

 

 ……それは、ギャレオンの持つ『ブラックボックス』への再アクセス。

 

 2020年に初めてギャレオンからのメッセージを確認した時は、凱の左腕に移植されたオリジナルのGストーンがキーとなった……

 では、Gストーンと同種の力を持つ護がアクセスした場合、何か変化が現れないか? という疑問が出てきたのである……

 

 原作では原種に対抗する手段や、護の能力についての疑問を払拭できないかという点から始まったものだが、現状では戦力的にアーマロイド達の存在もあり、対抗策としても出遅れさえ無ければ解決が可能……護自身の問題は原作と同様だが、シオンの存在がある種の“セラピー効果”となっており、原作ほど卑屈な考えはしていない……それ故、単純で素朴な疑問から……という事の次第であった。

 

『……確かに、ギャレオンのメッセージ自体は、私も見てみたいものです。もしかしたから、より正確に解読する事ができたり、新たな解釈が見つかる可能性も……』

 

「そうじゃな……ギャレオンから得たあの情報は、稀星くんに解析をして貰った事も無い。ともなれば解釈の違いや、より深い意味で情報を捉えられるかもしれん」

 

 シオンは元々、紫の星出身の存在……それが地球人との融合により、新たなステージへと至った存在だ。しかもその“地球人”は転生者であり、『原典(勇者王)世界』の多くの情報を記憶する特異点……

 転生者の知識と、故郷の記憶……その2つを持つシオンは、三重連太陽系の言語を違える事無く翻訳可能であった。

 

(本音として、ギャレオンの情報に“何が書かれているのか”……単純に知りたいのもあるからね……)

 

 ……シオン自身も、ギャレオンのメッセージそのものに単純な興味があった。

 

──────────

 

 結論から言うと、アクセス実験は失敗に終わった……

 

 内容はほぼ原作と同様……護もアクセスできた事自体は問題なく、情報も引き出せた。しかし、肝心なその内容は最初のものと全く変わらず……解読結果も特に変わりなく、差異も認められなかった。

 

(ギャレオンからのメッセージ……それ自体もほぼ想定通りの内容だった。まぁ、想定通りではあるけど、本当にそのままだとは思わなかったけど……)

 

 ギャレオンから齎された情報……それは、ゾンダー襲来に関するメッセージと、対抗するための手段……

 

(まさかさ、本当にそのままだとは思わなかったよ……赤の星相手には秘匿してなかったっけ? ジェネシックガオガイガーの情報って……)

 

 シオンによって再度解析された情報は変化こそ無かったものの……シオン自身にはこう理解された。

 三重連太陽系から齎された数々の技術……その中に含まれる【ガオガイガー】に関する部分は間違いなく“ジェネシックガオガイガー”に相当する情報だったのだ。

 

(ボルティングドライバー、ブロウクンマグナムにプロテクトシェード……データ的には完全にジェネシック版をモデルとして組んであるわね……これは地球側との技術的な差異を考慮済みだったのか、それとも同レベルを期待していたのか……どちらにせよ、この情報が世に出るのは危険過ぎるわ)

 

 原作では完全な再現など絶対に無理、とさえ言われているジェネシック版装備の数々……勿論、不可能な部分はデチューンされ、変更点こそ多くなり不完全ながらも再現に至った“地球製ガオガイガー”だったが、今ここにはそんな超技術だろうと完全な設計図さえ見られれば完璧に理解し、再現すらも出来てしまうシオンが居る。

 

 しかしシオン自身もかつての麗雄と同様、この情報は絶対に世に出してはならない……と心に誓うのであった。

 

──────────

 

 その日の夜、護とシオンは夢で不思議な声を聞いた……

 

《……刻は来たれり……》

 

《……再誕の日は近い……》

 

《我が名はカイン……刻は来たれり……》

 

《無限の力……その禊を以て……運命を解き放て……》

 

──────────

 

 翌日の早朝……護からの緊急連絡により、原種が宇宙に上がっている事を知らされたGGGは緊急出動……迎撃体制に移行するが……

 

「……稀星くんは……どうして来ないのかね?」

 

 いつもならいの一番に駆け込んでくる筈のシオンが、何故かオーダールームに来ない……

 大河は何故なのかと問い掛け、猿頭寺がセキュリティシステムを利用して確認……するとそこにはトンデモナイ光景が広がっていた。

 

「……確認します。……こ、これは……?!」

 

「どうした、猿頭寺くん?!」

 

「彼女の自室に何か……コレを見てください!!」

 

 メインスクリーンに映し出された光景……その映像に全員が息を呑む。

 

「な……何なのだ、この光景は……?!」

 

「皆目、検討も付かんわい……これは……繭、とでも言えば良いのか?」

 

 部屋に転がっている黄金色の繭らしき物体……そしてそれを見守る2人の人影。

 見覚えのない2人の人影だがその挙動や特徴からシオンの眷属……アーマロイドに関する存在だという推測は出た。

 

──────────

 

 シオンの部屋から案内され、メインオーダールームに通された新参のアーマロイド2人組……ペアルックとはいえ目のやり場に困る様なハイレグレオタードに、ミドル丈のジャケット姿……いやらしい意図の籠もった視線を浴びそうな格好だが、現状そんな目をする輩など此処には居ない。

 

(わたくし)は【双子座】、姉のカズミと言いますの』

 

『同じく【双子座】、妹のノリコです』

 

 背格好からして大学生……雰囲気的に姉はどこかスワンに似ていて、妹は命に似ている感じのアーマロイド【双子座】。

 シオン自身が着込むアーマーであった乙女座を除けば、コレで黄道十二宮が全て揃った事になる……

 

「君達が【双子座】……あの時、稀星くんの身体を守っていた姿無きアーマロイドだと聞いたが、だいぶ変わった様だな……しかし、わざわざ人間態なのは何か意図があるのかね?」

 

『私達は来るべき原種との決戦に備え、戦闘可能な様に大型の本体を新たに追加されました。……その本体はまだ建造途中なので、無駄な混乱を招かぬよう亜空間にて待機させています』

 

『【双子座】は合体前提の大型機なんで、多分……この基地や輸送船には積めないかと思って……』

 

 詳細を聞くと、【双子座】へ新たに与えられた本体は、合体機構を備えた全長100m級の大型機との事……未完成であるという事情もあるが、確かにそのサイズではイザナギやアマテラスには搭載出来ない。

 

「な、なるほど……ご配慮、感謝します」

 

 全員がスケールの差に唖然としながらも、辛うじて牛山は【双子座】の配慮に感謝の言葉を告げたのだった。




とりあえずこの辺りで一区切りしよう……

やっぱり来たよ、台風。
皆さんもお気をつけて……
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