狂わなかった「Z」の力 ~勇者王ガオガイガーif   作:睦月透火

8 / 138
毎度の如く非常に遅い更新ですが……
初回から閲覧継続し、感想・評価をされている方、また最近新たに閲覧を始めたり、評価をして頂いた方……
本当にありがとうございます!

……リアル(介護)の仕事は辛いけど、感想・評価を頂く事でもうしばらくは頑張れそうです。



第7話 その名は超竜神 ①(そしてまた秘密をバラす回)

 護の感情の高ぶりにより、Gストーンが活性化し……システムチェンジに成功した氷竜と炎竜。

 2人の活躍により、無事にゾンダーロボを撃破したガオガイガー……

 

 しかし、護の力を至近距離で浴びてしまったシオンは、戦闘終了直後に倒れてしまった。

 


 

回想

 

「……護くん、ゾンダーの居場所……分からなかったの?」

 

 私は今……GGG本部を出て、市街地でゾンダーロボを食い止めるガイガーと氷竜・炎竜の戦いを遠目に見ていた護くんへと話し掛けている。

 一応、居場所特定用に持たされているG-USBで『護くんの所に行く』と、抜け出した事後ながら連絡はしたので、本部までパニックにはならない……と思う。

 

「……っ……!」

 

 一瞬だけビクッとした護くん……如何に人類の未来を左右する能力者とはいえ、彼はまだ小学生。

 こんな重荷をいきなり背負わされて、普通にしている方が異常だし、本当なら私が代わるべきだ……だが、あの時以降……『私』も自己保存というか、臆病風に吹かれたらしい。

 

 今すぐにでも『本気出す』という気概にはなれない……種として不完全な人間故の感情、それが迷いに拍車を掛けていた。

 

「……ごめんなさい……」

 

 謝らなくても良い……私が臆病でなかったら、2年前の時点で全てを終わらせ、皆が平和な時間を謳歌できていたのだから。

 

 そんな目で見ないで欲しい……

 

『いや、謝るのは「私」の方だ……「私」が臆病なばかりに、罪を犯してしまった……許して欲しい』

 

「……シオンさん……?」

 

 私は護くんの側に膝を折り、彼を労る様に抱きしめる……原作を見ていた頃には気付かなかった事実。

 この世界はGストーンの導きによって彼の力に地球の未来が託され、世界そのものがそれを肯定し、時を推し進めている……それは本来、あってはならない事だと私は思う。

 

 この世界は、凄まじい程に残酷だ。

 まだ幼な過ぎる彼に、地球の未来など重過ぎる……況してや理解も追い付かないのに……

 そして私は、それを知って尚……自分可愛さ故に罪を犯した。

 

『もう遅いのに……始まってからでは遅いのに、私は何をしているんだろうね……』

 

「えっ?」

 

 自分の力はある程度把握している……だが、保身故に踏み切れない……子供の頃には無かった、複雑な感情の揺れ、大人故に理解してしまう現実と言う名の壁……力の差、そして未来を理解しているが故の、自身の“末路”。

 

 悔やんでも悔やみきれない……そんな思いで一杯だった私に、護くんはこう返してくれた。

 

「何だか、よく分からないけど……シオンさんは悪くないよ。

 だって、あの時……大勢の大人の人達から、僕を守ろうとしてくれたでしょ?」

 

 あの時か……よく、あの状況で彼を守ろうと必死になれたよな……と今更ながら『私』は自分に呆れた。

 

 あの時は彼の正体に思い至る暇もなく、子供一人に大の大人が何人も寄って喬って言うことを聞かせようとしている……そんな理不尽を見過ごせなかった、ただそれだけしか考えられなかったからだ。

 だから、彼はあの時の『私』の行動を好意的に受け止めてくれている。

 

「だから、シオンさんは悪くないよ……悪いのは、僕の方だから……」

 

 なんてこった……この一件だけで彼は自身の重荷を受け入れ、これからの命運をも背負う覚悟をしているというのか。

 

 それに比べて、今の『私』のこの体たらくは何だ……完全に立場が逆転しているではないか!

 ここで私が優しく諭し、励ますつもりが逆に弱みを晒し、励まされている。

 

 彼の優しさはあまりにも尊く……綺麗で、心が熱くなる。

 

 ……そうだ、『私』のこの『力』は奴らに近い……だからこそ『やれる事』もある筈と考えた。

 そしてこの『知識』も消えていない……それなら、不測の事態を回避する手立てを生み出せる筈だと考えた。

 

 罪は消えなくとも、罪滅ぼしはできる……!

 

『……ありがとうね、護くん……励ますつもりが、逆に励まされちゃったね』

 

 まだ心は、表に立つのを多少は躊躇っている……けれどやっぱり、何とか出来そうな力のある私が、何もしないのはダメだと思った。

 私は臆病だけど、力はある……怖いけど……このままずっと護くんに縋っていくほど、落ちぶれたままで居たくない。

 

 やっぱり止めた……皆の影に潜んで生存戦略とか考えたけど、原作思い返したら後味悪い展開もあるし……可能なら自分も生き残って、かつ、皆もちゃんと救える未来が欲しい。

 

「シオンさん……」

 

 その為にも、少しずつでも……今を変えていこう。

 

 感情の吐露か、決意の現れの影響なのか、私は『変異生命体』である()()()姿()へと戻っていた……が、護くんは特に何とも思って無いのかな……リアクションが薄かった。

 

 逃げ隠れしていた癖もあり、すぐ元に戻すと……私は彼にある事を頼んだ。

 

「じゃあ、1つ……お願いするよ。

 

 あのゾンダーロボに向かって、こんな事になっちゃった恨みをぶつけてくれないかな?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ……私のぶんも一緒に『ゾンダーのバカヤロー』ってね」

 

回想終了

 

 

(いやはや、参ったね……まさかあれ程高出力のGパワーを浴びる事になるとは……)

 

 我ながらやっちまったなぁ……『世界の修正力』なのか、原作通りに凄まじいGパワーを言葉とともに発揮した護くん。

 その影響を受け、氷竜と炎竜はシステムチェンジに成功し、ガイガーは敵の巨体を単独で押し返して隙を作り……ほぼ原作通りに撃破に成功して戦闘終了となった。

 

 ……そんで私も、至近距離で護くんのGパワーをモロに浴びて一部に組成崩壊が起き、身体機能の大半が麻痺……

 更に自己保存システムが消滅の危機に反応して、全エネルギーを防御と回復に全振りさせ……その反動と影響で意識を保てず気絶してしまったのだった。

 気絶中にも経過(ログ)は記録されていたので、順を追って確認すると……護くんのGパワーは『私』の対G防護(エネルギー)フィールドを容易く貫通し、体内へと浸透……ゾンダーではないものの、類似した特性を持つ身体機能の一部をごっそりと破壊してくれていた。

 

 この時、もし意識を保っていたら……今まで少しずつ重なっていた累積ダメージと今回の直撃によって()()()()()()を受け、精神的にもビジュアル的にも悲惨な事になっていただろう……と分かったので、気絶しちゃってて良かった……と本気(マジ)で安堵した。

 

 その後、何とか意識を取り戻した私は、取り敢えず身体機能はだいたい回復している事と、検査以上は何もされてない事を確認し……気絶する前の行動を鑑みて反省する。

 

 護くんのGパワーは、原作第二部となる「機界31原種」との初戦闘からガオガイガーの敗北……そして両親から渡されるペンダントの「リミッター解除」を経て本来の力を取り戻す……そう思っていた。

 ……が、その現状の最高出力というか……基本の出力自体が私の想定を大幅に越えていた。

 そういう事なのだろう……実際、私の身体の3割を占めている“Z由来の金属細胞”は、持ち前の超再生能力故に一時的な状態とはいえ、未だ軒並みダウンしているのだから。

 

 え? 残りの7割は何なのかって? 一応、5割はまだ人間本来の細胞なんだけど……残りの2割は私でも理解不能な未知の組成なのよね……

 実の所、この『Gショック』によって消耗したZ由来だった3割部分……そして本来の人間の細胞も、少しずつ未知の組成に置き換えられ始めている……といっても、前よりGパワーによる怠さを感じなくなったし、身体機能や能力としても前より安定かつ強化されてきたので良い事尽くめなんだけども。

 

 

 あの戦闘から3日で完全復帰した私は、やはり出勤直後に長官直々の呼び出しを喰らった。

 

 原因は勿論、護の側で攻撃も受けてないのに倒れた事であろう……

 場合によっては、自身の秘密をバラす他無い。

 

「復帰直後早々に済まないね、キミを呼んだのは他でもない……護くんと同じ場にいて、何故倒れてしまったのか……その原因の事さ」

 

「キミの身体は特殊な金属細胞と本来の生体細胞……そして()()()()()()()()()()()で構成されている、ボクの理解し得る限りで精密検査を行ったが……倒れた原因については掴めなかった訳じゃ」

 

 以前にも精密検査は受けた……その時はZ由来の金属細胞と本来の生体細胞のみだったので、改造人間という枠で見過ごされた経緯がある……だが、今回の検査で完全な未知の領域と呼ぶべき新たな発見をされてしまったのだ。

 

「それは……私にも分からないんです」

 

「何故かね? 君は肉体を改造されてしまったと過去に答えた……だが実際は改造というには度が過ぎる程の状態じゃ」

 

 侵食度……というよりは同化度と呼ぶべきだろう。

 痛い所を突かれた、詳細な生体スキャン……俗にいうMRIなどを使えば、私の身体がどんな変わり方をしているのかなど一目瞭然だと思う。

 今回、麗雄博士はそれを目撃したという事だろう……正体不明の金属細胞や未知の組成に汚染されている肉体、それを見て、正気で居られる科学者など皆無な筈……だが、麗雄博士はあくまでも私の事情を聞いて判断をしたい……そういう考えで敢えて私から話を聞こうとしている。

 

「……、…………分かりました。

 でも、話す前に1つだけ……約束をして下さい」

 

 もう逃げられない……核心に触れるには些か早過ぎるだろうけど、こうなっては逃げ隠れする方が却って墓穴を掘る結果を招くと思い、私は観念して少しずつ語る事にした。

 

──────────

 

 それから、正式にGGGの特別隊員という待遇を受け、本部へと招かれた護くんを交えて……初の全体会議が始まった。

 原作にもある、ゾンダーの目的や行動を推測していたシーンだ。

 

 だが、原作とはやや違う点が幾つか……この場に私が居るという事、そして……私の姿も、他のゾンダリアンに近しい様な、機械的なパーツが見え隠れする姿へと変化している事だ。

 

『さて……改めて自己紹介しないとね、私は【Z・オリジン】とでも名乗りましょうか……あなた方、地球とは違う異星文明の下で生まれた生機融合体……』

 

 嘘ではない……異星文明である三重連太陽系・紫の星が出身だしね。

 

『そして、今現在……この地球(ほし)で散発的に破壊活動をしているのは【ゾンダー】と呼ばれる突然変異性の機械生命体です』

 

 ここで皆の顔が一様に驚愕に染まる……当然だ、これまで理解すら出来なかった敵の情報が出たのだから……そして『私』は、予め制作していたデータと、GGGスタッフが制作した資料を併せてモニターへと表示し、説明を続ける。

 

『ゾンダーは、人間のような知的生命体が持つ【負の感情】をエネルギー源に活動します……

 そして、ゾンダーロボの外見的な特徴や行動原理は【コアにされた人間の負の感情】に基づいて構築されており、それぞれの特徴を以て、これまでの破壊活動も行われていました』

 

「……なる程、これまでの敵が行ってきた特異な能力や奇妙な行動原理は、人間をゾンダー化させた存在ではなく、素体(コア)となった者の【負の感情】によって決まっていたと言う訳じゃな?」

 

 さすが世界十大頭脳……麗雄博士の返しが的確かつ簡潔なので、他の大人達も全員が納得できた。

 

『はい、そして……この4人が、人間をゾンダー化させる存在……今後は【ゾンダリアン】とでも呼びましょうか……この姿は被害者から得られた情報を元に作って頂きました』

 

 原作でもおなじみプリマーダ、ポロネズ、ピッツァ、ペンチノンの4人……被害者の情報を元に、私の記憶で詳細を補完した3D画像データになっている。

 不測の事態を避ける為、また原作崩壊による混沌化を防ぐ為にも……一気に全てをバラすのではなく「段階的に情報を出す」と決めているので、今この場で正体や核心に触れる事はしない。

 

『じゃあ敵の目的は……!?』

 

 核心に迫る凱の一言……それに『私』は、ある種の()()を効かせた言葉で答えた。

 

『地球人類の完全排除……それが彼らの最終目標でしょう

 恐らく、あの巨大なロボを使って……ね』

 

 この発言を機に、一気に周囲が重苦しさを増す……敵の情報はありがたいものの、イキナリこんな重大な情報が齎されるとは思っても見なかったし、想定外だった筈だ。

 

「しかし……これに唯一、対抗できるのが彼……護くんの持っている、この【浄解】の力です」

 

 私は説明を命さんと麗雄博士に繋ぎ、護くんの浄解能力についての説明に入って貰った……その間に、私は一度立っていた壇上から降り……実験の準備に入る。

 

 命さんの説明が響く中、私は掌から【()()ゾンダー核】を生成する……これは『私』を構成する「Z由来の金属細胞」で構成したもので、本来のゾンダー核に近い分子構造をしている……唯一違う点は()()()()()()()()()()()事だろう。

 

 生成が終わった所で、命さんの説明と護くんの囮作戦の提案が一段落つき……私は博士に用意して貰った荷台へと【疑似ゾンダー核】を乗せて護くんの前へと出す。

 

 あれ以来、護くんは自分の意志で緑の光……「浄解モード」へと移行できるようになっており、その力を断片的ながら自分で行使できるようになっていた。

 

『見ていて下さい……これが私の倒れた理由……そして私が皆さんを助け、かつ助けを求める理由……』

 

 護くんは命さんに促されてGパワーを擬似ゾンダー核へと放出する……すると、疑似ゾンダー核は弱々しく抵抗するものの、あっさりと自己防御(パワーバリア)を破壊され……原子の塵と化して消滅していった。

 

「……な、なんという……!」

 

「Oh……」

 

「これは……!」

 

 皆、一様に驚く……無理もない、これが嘘偽りない私の不調の原因だし……死にはしないけど、ずっと不調を抱えたまま生きているという事実だけは、知って欲しかった。

 

 今後も良い関係で居続ける為にも……ね。

 

『そして……私の身体の3割を構成しているのは、この()()()()()()()()組成をしている、一種の金属細胞です』

 

 沈黙する全員……今まで普通の人間を演じ、こうやって懐に入り込んで、呆気なく身バレする……今の私は、出来の悪いスパイを描いた映画の様な役回りだ。

 普通なら、敵に近しい存在として何らかの処分が下され……よしんば存命したとしても、研究材料と同一視されてもおかしくない……ぶっちゃけ物凄く怖いけど、もう覚悟するしかない。

 

「……つまりキミは、敵であるゾンダーに近しい存在……と、いうことなのかね?」

 

『……ゾンダーとは……元々私と同種だった存在が、何らかのバグによってコアプログラムが突然変異を起こして進化を重ね、知的生命体を排除する事に固執するようになってしまったもの……故に、私と彼らは最も近しい、似て非なる存在と言えます』

 

 ついに言ってしまった……これでもう、研究材料ルート一直線かな。

 

「「「…………」」」

 

 皆が長い沈黙を守る……唯一、護くんだけは私を心配するような視線で見つめてくれていた。

 だが敵の情報を持ち、敵の近似種である私の存在など……到底仲間として、受け入れる事はあり得ないだろう。

 

 それが人間が持つ「集団心理」……大勢の中にたった1つだけできた違いを受け入れ難く、突然沸いた違いに過剰に反応し、時に排除しようとする。

 

 まさに、今の私の置かれた状況がそうだ……

 

「……最後に、1つだけ質問したい」

 

 大河幸太郎……このGGGを仕切る文字通りの頭とも呼べる彼が、私に1つの質問をしてきた……その内容は……

 

「キミは、敵の思想……地球人類の排除に賛同しているかね?」

 

 私が敵の近似種と知ったのならば、当然の返しだ……だが、私はこれだけは主張したい。

 

『それは……それだけは、真っ向から否定をさせて頂きます……

 

 私は、彼等に最も近しい存在……ですが私には、半分とはいえ人間の血が流れています。

 そして……たとえどんな(そし)りを受けようとも、私は人間として在りたいと思っています!』

 

 たとえ敵と同一視されようと……たとえ受け入れられなくとも、この胸に秘める思いだけは伝えたかった。




……本当はゾンダーロボの登場辺りまで引っ張りたかったけど、区切りが付けられなくなるのでココで切ります。

TIPS:シオン『生機融合体』モード
Z・オリジン本来の姿でもあり、「稀星シオン」の身体に様々な超絶能力を付与する「Z(ゾディアート)メイル」を装着した形態。
メインカラーはクロムシルバーの下地に紫やピンクの差し(発光)色が目を引く。
……こらそこ、ELS擬態(MS)言うなやw

アーマー自体は着脱可能で、形状も武装も自由自在……ビジュアル的には「フレームアームズ・ガール」をイメージすると分かりやすい。
……後に「FINAL」で、IDアーマーの参考にされる(予定)。

この形態になると単純なパワーだけでなく、化け物レベルの自己治癒能力に各種センサーによる感覚の保護や補正……超速演算による行動予測や索敵など、戦闘能力も大幅に強化される。

ビジュアルは綺麗だけど、能力の起源故か完全にダークヒーローかヴィランですよ……

シオンのビジュアル(絵)は需要ありますか?(´・ω・)

  • 是が非でも!
  • 書いてくれるなら
  • 別にいい
  • 誰か書いて(他力本願)
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。