狂わなかった「Z」の力 ~勇者王ガオガイガーif 作:睦月透火
果たして彼等は、この事態を乗り切れるのだろうか?
『落・ち・ろぉ〜ッ!!』
両手に握るヴンダーワーフェを直列に接続し、内蔵した2基のジェネレーターと粒子圧縮機構を直結稼働、通常より圧縮率と貫通力を増した粒子ビームを放つクーゲル。
しかし相手は自分と同様の姿のためか既にその手も把握済みらしく、強度と粘性の高い特殊な金属繊維で織られ、防刃処理を施したマントに、超微細プラズマ臨界制御層*1……そしてミラー粒子含有コーティング*2という2重の特殊処理が為されたナノラミネートリフレクターが尽く弾き、粒子ビームのエネルギーを全て拡散させ無効化する。
(……ッ、同じ見た目だからか。攻撃が通らない!)
反撃に撃ってくる実弾……というのもクーゲル自身よくやる手ではあるが、戦法や見た目からなどからして、何もかもがそっくりだった。
『アナタは……何者なんですか?! 何故、私達の邪魔を……!』
クーゲルの問い掛けに無言を貫き通し、弾丸が返答……とばかりに攻撃を重ねるクーゲルもどき。
ガゥン!! ギャリィィィン!!
『クーゲル! 大事無いか?!』
その返答に代わり放たれた実弾……しかしそこへダイキャンサーが射線に飛び込んで太刀の腹で弾き、クーゲルを庇った。
『キャンさん!? 原種は?!』
『ガオガイガーが既に仕留めた……しかし、此奴は何者だ?』
『あらら? 色以外はクーちゃんとおんなじ見た目ねぇ?』
『だが、奴はクーゲルに攻撃を仕掛けた。少なくとも味方ではあるまい……』
そんな会話すら気にも留めず、白いクーゲルもどきは不敵にも加勢に来たアイゼンナシュティアやシュトゥルムボルグにも弾丸で挨拶してくる。
『わお?! 可愛いクーちゃんと違って無愛想ねぇ?!』
『
モドキの挨拶(攻撃)から始まった火蓋は、3対1の乱戦模様の様相となっていく……しかし、ココには超竜神の元へ急ぐガオガイガーも揃って来ていた。
《ダイキャンサー! 何者だコイツは……?!》
『我にも分からぬ……だが、お主まで此奴に関わる事は無い! 此処は我らに任せ、お主は超竜神の元へ征けぃ!!』
ギャリィィィン!! キィィィン!!
ガオガイガーにすら無遠慮に放たれる弾丸、それをダイキャンサーは大太刀で受け流し、正体不明の敵に関わる事を制する……仲間を想うならば先に往けと、ダイキャンサーは立ち塞がる正体不明の敵をこの場に留め置く事に集中していた。
「……分かった、負けるなよッ!!」
凱も彼の想いに応えてそう言い残し、ガオガイガーを超竜神達の元へ急がせるのだった。
一方グラヴィスは、突如現れた謎の相手を迎撃し続けていた……
あらゆるコンタクトを受け付けず、一方的に敵愾心剥き出しの攻撃を仕掛けられるグラヴィス……しかし迎撃し撃破しても、遠目に開いた黄金の光のようなゲートから次々と増援が現れ、一向に数は減らない。
『……この数、そして絶えぬ増援……どうやら、この私を足止めするつもりの様ですね……!』
さしものグラヴィスでも、一撃では全滅させられない数……しかし、倒される事が前提なのかそれほど強力な存在でもない事に、グラヴィスは自身を足止めする事が目的だと推測する。その考えは的中しており、敵対する謎の存在は、単純な突撃ばかりを繰り返していた。
だが、そこへ思わぬ横槍が入る……数本の赤い光条が敵の数体を纏めて貫き、分子崩壊させていく……
『……ジェイアーク。赤の星の戦士ですか』
「貴様、確かあの女の眷属だったな……何故こんな場所を
グラヴィスは、主の名をちゃんと呼ばないJの態度に少し不機嫌になりながらも『……足止めを食らっていたんですよ。助かりました』と礼は返す。
「足止めだと? 貴様ら、何を「……ッ、J?! あれを!」……どうしたアルマ?」
戒道の驚き混じりの声に、Jが再び外へ意識を向ける。その目が捉えたのは、黄金の光のゲートから更に現れる謎の敵……しかもジェイアークの出現に呼応したのか更に数を増やしており、ゆうに100を超える数が一斉に彼らを襲ってきたのだ。
《敵集団、高速で接近中。ミサイルでの迎撃では抜かれるぞ?》
「ちぃっ、後で説明してもらうぞ! ジェイバード、プラグ・アウト! ……メガ・フュージョン!!」
グラヴィスとキングジェイダーの連携を嫌っているのか、やたらと2機の間を縫うように高速で突撃してくる敵集団。ミサイルでの迎撃は間に合わないと言うトモロの言葉に、Jは事態の説明を後でやって貰うぞと言い置き、ジェイアークとメガ・フュージョンしキングジェイダーへと変形させる。
『キングッ! ジェイッ! ダァァァッ!!』
『ちゃんと事態が収束すればお約束しますよ!』
グラヴィスも重力衝撃砲で擦り抜けようとする敵集団を削りながらそう答え、お互いに迎撃を再開するのだった……
その頃……ガオガイガーは超竜神と撃龍神、そしてマイクと牡羊座が居る宙域を目指していた。
グラヴィスの開いたゲートは維持されていたらしく、元の宙域に戻るまでワープゲートは維持されていたが、戻ってきた時には既に事態は進み過ぎていた……
直径10kmを超えるレベルの巨大小惑星……それがESウィンドウを通り抜けて来ようとしていたのである。
《止めろ超竜神! 貴様、それが何処に繋がっているのか……知らんとは言わせんぞ?!》
作戦に帯同させていた補給艦“クライマー1”とドッキングし、その推力と自身の超パワーで以て巨大小惑星をESウィンドウの中へと押し戻す超竜神……
その身勝手な行動に憤りを隠さない牡羊座だが、その言葉には彼を心配している感情がありありと浮かんでいた。
最初は撃龍神がこの役を引き受けると言って先行したのだが、超竜神は彼の背後からタックルしてクライマー1とドッキング……巨大小惑星へと突撃していったのである。その突然の行為に、一瞬理由が分からなくなった撃龍神だったが、『考える事は一緒か……』と直前に交わした言葉を思い出して全てを悟り(こんな時に限って兄貴面かよ……!)と何も出来ない悔しさを滲ませる。
《……超竜神……アンタは……!》
オービットベースにも、マイクからの中継映像で事態は伝わっている……が、この事態をどうにかする手は他に無く、全員が黙って見守るしか無い。
《……撃龍神、これは私の役目だ。君の力は、これからのGGGに必要になる……激化する原種との戦いが続く以上、ここで強力な戦力を欠く訳には行かない》
通信越しに聞こえてくる、撃龍神らの会話……すぐ近くではあるが、手が届かない凱やオービットベースの大河達には、この会話が何を意味しているのか……今にも感情が爆発してしまいそうであった。
『お姉様……やっぱり……』
『運命は変わらない……なら、行くしかないわね』
『……はいっ』
メインオーダールームに帯同していた双子座は、事態の悪化を知り……不可避の事実に憂いを覚えながらも使命を全うするべく、敢えて動く決意をする。
直後、双子座は赤と青の流星へと姿を変えてオービットベースを飛び出し、光の速度で巨大小惑星を押し戻す超竜神へ接近……姉は氷竜、妹が炎竜の側に現れるとそれぞれの内部へと入り込んでいく。
『な、二人共……何を?!』
『これも私達の使命の1つ……』
『貴方達に、寂しい想いはさせません』
双子座はこの行動すらも“使命”と称するが、超竜神だけでなくアーマロイド達もその言動には驚いていた。
《待て双子座! そんな指示は聞いていないぞ!?》
《貴女達は、まだ本体も未完成なのに……何故そんな無茶を!?》
牡羊座と天秤座が叫ぶも、既に巨大小惑星は完全に奥まで押し戻されており、超竜神と双子座を戻さぬままESウィンドウは閉じられていく……
《小惑星、99.9%後退! ESウィンドウ、消失していきます!》
オービットベース内……超竜神と双子座らの行動に一度は驚くが、超竜神の安否を確認するためにオペレーター達は手を止めない……
「超竜神は?!」
「あの状況で此方へ戻って来る事は……不可能じゃ」
「じゃあ……超竜神は
「あぁ……火星と木星の間を、漂い続ける事になる……永久に……」
大河の問いに力なく答える麗雄……火麻はその答えに末路を予想し、雷牙も力なくそれを肯定した。
「超竜神ッ!!」
ガオガイガーも後少しでこの宙域に到達するが、既にESウィンドウの直径は超竜神よりも小さい穴しか残っていない……
『……俺は……まだアンタに教わりたい事が山ほどあったのに…… 馬鹿野郎ォォォッ!!』
「……超竜神、聞こえるか?」
ようやく現場に辿り着いたガオガイガー。しかし、ESウィンドウの直径はもう1mを切っている……努めて冷静に……しかし、感情の籠もった声で、凱は超竜神に語りかけた。
《はい…聞こ…えています…》
徐々に明瞭さが失われていく通信音声……しかし、仲間を絶対に裏切らない……そんな感情を帯びたお互いの言葉は、しっかりと相手に届いていた。
「必ず、迎えに行くからな……!」
《……了解しました》
「僕も、僕も一緒に行くからね! 絶対だよ!?」
涙を堪え、護も必ず一緒に迎えに行く事を約束する。
《はい……待ってい…す……信じて…ます。必ず再会で…る日を……いつか、星の海で……ザザッ……》
その言葉を最後に超竜神との通信は途絶え、彼の反応を示す全てのシグナルも消えてしまったのだった……
……超竜神の反応が消え去った直後、グラヴィスらを襲っていた敵の増援も無くなっていた。
『……どうやら、足止めは済んだ様ですね』
「おい、眷族。……貴様は何故こんな所を」
『貴方も見ていたのでしょう? 地球を襲う小惑星群を……その迎撃ですよ』
「……フン。だが先程の奴等は原種ではなかった……奴等は何者だ?」
『それが分かればこんな苦労もしません……すぐに正体が分かる程度なら、私単独で対処できます。しかし、奴等には感知した事の無いタイプの生体反応があった……我々と敵対する原種でないとしたら、奴等は一体……』
謎しか浮かばない相手に、グラヴィスは考察を止めず……Jは正体不明という答えに半ば呆れたため息を漏らし、そのまま宙域を離脱するのだった……
……もう、何も言うまい。彼は使命を全うした……
双子座も、己の使命の為彼に帯同した、ただそれだけの事。
この選択が、後の運命に大きな変革をもたらす……
君達に、最新情報を公開しよう!
突如、制御不能に陥るオービットベース……
犯人は人型の何か……
それは、人間の姿に擬態した原種7体だった!
機界最強7原種による基地の直接攻撃に
白兵戦を余儀なくされるGGG……
このままでは、オービットベースと
黄金の繭に包まれたまま動けないシオンが危ない?!
次回、勇者王ガオガイガーif NEXT...
第78話『機界最強7原種』
次回もこの小説で、ファイナルフュージョン承認!!
これが(次回の)勝利の鍵だ!!
『*◁\=々#&@?!+』
感想、評価よろしくお願い致します!!
次回、どういう流れを予想した?
-
シオンが目覚め撃退するも不調が悪化
-
人型形態持ち眷族等が大活躍
-
シオンの護衛で眷族動けず原作通り