狂わなかった「Z」の力 ~勇者王ガオガイガーif 作:睦月透火
三方に分かれて侵入してきた原種達
オービットベース内で始まる白兵戦
しかし、原種の力は圧倒的……
迎撃に向かう凱達に、勝算はあるのか?
「ケヒヒッ、脆弱な奴等が揃ってお出迎えかぁ?」
手足を床に付け、しゃがんだ格好で待っていた男……耳原種が溢す。
「幾ら数を揃えても、アタシ達を止める事なんて出来やしないのに」
細身のスキンヘッド……爪原種も怪しい笑みでそう応える。
「なんてこった……ほぼ人間じゃねーか(ココも情報通りって訳かよ)?! 狼狽えるな! 射て撃てぇぇぇっ!!」
駆け付けた火麻が原種の姿に一瞬驚くも部下に命令し、一斉にアサルトライフルを乱射する……が、原種はバリアに頼らず、爪原種が前に立ち己の爪を利用して防御していた。
「無駄よ、アタシの爪は何でも切り裂く」
「クソッ、やっぱ効かねえか……!」
ケヒヒヒ! と不敵な笑みで耳原種が飛ばしてきたピアス攻撃を咄嗟の横っ飛びで避ける火麻……しかし、逃げ遅れた他の職員等は直撃を受け、額にピアスが刺さってしまった。
「……?! ………………」
一瞬だけリアクションをとった職員達はその場でダラリと頭や両腕を下ろしてしまう……
「……な、何だと……?!」
しかしその後、再び持ち上げた顔は皮膚が紫に変色し、目の焦点も合わないまま再び動き始める……ユラユラと危ういバランスを何とか保ちながら歩いてくる様は、まるでホラー映画のゾンビだ。
「あら、当て損ねたのが居るわね……」
正気のままである火麻を見た爪原種が腕を振るい、それを掻い潜った隙を耳原種のピアスが突くも、火麻は大柄な身体に似合わぬ素早さで何とか回避。
「クソッ、なんてザマだ……ッ!」
そのまま火麻は悪態を吐きながらも、続けられる攻撃を何とか回避し、緊急退避用に設けられていたスペースへと転がり込む。
「……あら、逃げられちゃったわ」
「ケヒヒッ、まァ良いさ。俺達の目的は……」
「この施設の中枢の占拠、だものね」
三方から同時侵入してきた原種達……大河は火麻の一時撤退に驚くも、その際に敵の目的を聞いていた事を知り、オービットベースの主要通路は全て閉鎖。勇者ロボ達が居るビッグオーダールームへと退避し、風龍・雷龍、ゴルディーマーグ等と共に迎撃体勢を整える事を決定した。
その頃、凱も原種の迎撃に向かい、遭遇した腕原種と瞳原種と戦闘を開始する……が、同行していた瞳原種の能力により苦戦を強いられていた。
「私の能力は“遠距離探知”と“未来予測”……如何なる攻撃でも、先を読んでいれば対処できる」
地球文明の技術では“演算による予測”など可能性の高い確率でしかなく、確定した未来までは見えない……しかし、瞳原種の高い探知能力と演算能力による予測であれば、ほぼ確定した未来が見える。
──しかし、その能力にも穴はあった。
「……?! 後ろ……ッ!?」
突如、腕原種の背後の空間が歪み、予測外からの攻撃に瞳原種の知覚が遅れ、腕原種は空間の歪みから現れたミサイルに背中を押されてバランスを崩し、凱へ放とうとした重力衝撃波の狙いを外されてしまった。
「“空間転移型ミサイル”には、こういう使い方もある……!」
「お前は……!?」
「……フン。機界昇華を終えても尚、無駄な足掻きを続けるか? 赤の星の戦士」
「あの時、貴様を倒しきれなかった雪辱……今此処で晴らさせて貰う!」
「ッ?! 勝手な事を……!」
「フハハハ……! 雪辱か、無謀なものよ……JとG、揃って消去してくれるッ!!」
三者三様……それぞれの思惑が入り交じる戦場で、3人は再び火花を散らし始めた。
その頃……他と分かれて進んでいた肋骨原種と肝臓原種。
本来の目的である勇者ロボ達の破壊を遂行しようとしたものの、対象が全員ビッグオーダールームに集まっていた為、先に不可解なエネルギー反応を辿って居住区画へと来ていた。
「……おかしい。我々に近い、しかし同質ではないエネルギーを感じる」
「利用できるならそれで良し。しかし、我らの邪魔となるならば……」
『そこまでです……!!』
「「ッ?!」」
原種2人が気配に気付き、その場を飛び退る……直後、床へ大きな凹みが発生。Gパワーの反応もなく現れた突然の襲撃者に、肋骨原種と肝臓原種は一瞬だけ慄いた。
『……この波長。やはり主を狙いに来たか、原種……!』
声と共に現れたのは、握っていた己の本体である黄金の天秤を、大きく空いた服の胸部分から体内へとしまい込む天秤座……たった1人で原種2体を迎え撃つという状況だが、その顔に焦りは微塵もない。
あるのは、平和の為に戦う事を決意した漢の顔そのものだった。
「お前は……例の裏切り者の眷属か。飛んで火に入る何とやら」
『……へぇ、随分と強気ですね?』
「お前が何者であろうとも、我々に敗北は無い!!」
展開した肋骨を細かく振動させ、“原子分解”の能力を行使する肋骨原種……しかし、天秤座は少しだけ横にズレて範囲から逃れた後……
『……ッ! オォォォラァァァッ!!』
己に備えられた防衛能力の1つ……「
「ぐ?! おぉぉぉっ?!」
「な……なんだと?!」
突然弾き飛ばされた肝臓原種に、驚きを隠せない肋骨原種……それもその筈、天秤座の守護幻影である「
『敵を知らぬ者に、勝利などありません……!!』
『オォォォッ!!』
原種には見えない幻影の男……
『オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ!!!』
「ぐおぉぉぉおぉぉぉおぉぉぉ……っ?!」
具体的には、位相空間で活動する精神エネルギーの塊──
……所謂“エネルギー生命体”、或いは勇者達の“魂”に近いものであり、同系統の存在、またはその本質的な部分を識り得る*1者にしか姿を見る事は叶わず、如何なるセンサーだろうと捕捉できない。
だが、逆に
その為、機械生命体である原種にとっては“認識できない不可解な現象”としか知覚できない。
「……ば、馬鹿なッ?!」
さらに言えば、
「リバース!!」
驚愕の瞬間から数秒の間に大ダメージを受け、盛大に吹き飛ぶ肋骨原種。辛うじて肝臓原種の能力発動が間に合いダメージから回復するが、天秤座は再び肝臓原種へと狙いを変更し
「えぇい、原子分解ッ!!」
見えない相手に能力を行使する肋骨原種、しかし物理的にどうこう出来ないものを迎え撃つのは悪手過ぎる。
そう思った肋骨原種は天秤座に攻撃を繰り出すが、天秤座は既に攻撃を予測しており……
『……想像していた相手より“芸が乏しい”ですね』
天秤座自身が肋骨原種へと逆に急接近……そのまま背後へと回り、逆に肝臓原種へと向かわせた
この動きは原種達にとってフェイントのように作用……
ご丁寧に天秤座を目で追っていた肝臓原種は再び意識外からぶっ飛ばされ、肋骨原種も己の背後へと意識を持っていかれ、正面に再出現した
『オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオーラァッ!!』
「ぐあぁぁぁっ?!」
「な、何故だ……何故、奴の攻撃が見えない?!」
『……なるほど。どうやらアナタ方には、僕の
「
鸚鵡返しの様に言葉にする肝臓原種……肋骨原種を回復させながらも天秤座の動きには注意していたが、まさかこの場にはもう一人、見えない“誰か”が居るのか? と疑心暗鬼に陥るのだった。
原作とは少し流れが変わりましたね。
天秤座は水瓶座と別れてシオンの防衛……そこへ肝臓原種と肋骨原種が来てバトルスタート!
そして凱の方も……本来は一度宇宙に放り出されてから腕原種とバトり始めるのですが、本作では先にJが割り込んで……
とはいえ、アレは結構重要な展開だし、カットした訳ではないので次回をお楽しみに!
最近執筆のモチベが下がりつつあります……
エタりたくない……応援してくださいッ!!(切実)
その時、水瓶座は……?
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護&ギャレオンと人質救出を!
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戒道幾巳の援護に……
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爪原種&耳原種の迎撃だ!