狂わなかった「Z」の力 ~勇者王ガオガイガーif 作:睦月透火
そして1日に起きた「能登半島地震」で被災した方に対し、心よりお見舞い申し上げます。
さて、皆様お待ちかねぇッ!
新年1発目の投稿はもちろん勇者王しかないッ!!
ついに水瓶座ちゃんが動くぞぉ!!
「三重連太陽系。全ての命と幾多の機械が溶け合い、貴様達の星は機界昇華された……故郷を失ってもまだ抵抗を続けるか」
フードの影に光る双眸を細め、腸原種は懐かしむように語る……しかし、感傷に浸る気などさらさら無く、戒道幾巳は言い放った。
「……お前達を完全に滅ぼすのが僕達の使命だ!」
その言葉を聞いた腸原種の脳裏に、原種らの司令塔であるパリアッチョの呟きが響く……
《GとJ、2つのエネルギー相互作用……裏切りのZ、未知のエネルギー反応……絶対危険度、極めて高レベル……直ちに消去せよ!》
「貴様たちを吸収し深き闇に閉ざせば、我らを脅かす存在は絶える……そして『……煩いのは嫌いですの』……何?」
宣言するような腸原種の言葉を、水瓶座は冷めた一言で切って捨てた……その瞳は“のうのうと御高説を垂れるな”とでも言わんばかりに冷たく、威嚇する様に腸原種を睨んでいる。
『この宇宙は……雑音が絶えず……煩いですの……私は、静かな宇宙で……命の“鼓動”が聞きたいのに……アナタ達はそれを絶やし……雑音を掻き立てる……アナタ達は……邪魔な存在ですの』
最早怒りさえ滲むような態度の水瓶座だが、腸原種も負けじと反論を繰り出す。
「貴様たちこそ! 我らと袂を分かち、況してや不完全な存在たる地球人に手を貸す……その見下げ果てた精神、我らが原種にして同種にあるま『違いますの……』……なっ?!」
しかしまたもバッサリと腸原種の言葉を遮り、水瓶座は護と幾巳を優しい目で見つめた後……腸原種に対してこう言い放つ。
『私達は……アナタ達の原種でも……同種でもありませんの』
何もなかったその手に、いつの間にか立派な拵えの鞘に収められた日本刀を握る水瓶座……そこから刃渡り約90cmほどの打刀をスルリと抜き放ち、切っ先を腸原種に向けて更に続けた。
この言葉は主であるシオンや、GGGの仲間たちを通じて得た“己の矜持”……そして“心の支え”でもある。
『私達は“生命”と共に“進化”を続ける……狂わず、絶えず、未来を紡ぐ為に……それは“生命の在るべき姿”……道を違え、間違っているのは……アナタ達の方ですの』
その言葉尻に合わせ、刀を振るう水瓶座……その刀身からは“無”から“有”を生み出すが如く水流が発生、やがて水瓶座の周囲に3つの水球を作り出す。その大きさは直径約30cmほど……
「……消去されたし! ブラックホール……!」
水瓶座の行動に危険を感じ、腸原種は己の能力を行使。マントの隙間から伸ばした腸の先端にブラックホールを生成し、全てを吸い込まんとする。
「……っ?! ミィさん! 戒道!!」
護は咄嗟にブラックホールの引力圏から飛び退く……が、前に立っていた2人が気になり、思わず幾巳達に声を掛けた。
「その手は喰いませんの……!」
「……心配ない! ……ハァァァッ!!」
ブラックホールに吸い込まれれば、例えアーマロイドである水瓶座でもタダでは済まない。
「今のうちに皆を……!」
「……?! う、うん!」
幾巳の言葉に促され、クラスメイト達と共に離脱しようとする護……
腸原種は幾巳に対し「青の星で過ごす内に、同族意識を持ったか」と卑下するが、幾巳は「違う! 僕はお前達を滅ぼすのが目的だ!」と反論。しかし腸原種は更に続ける……
「……ほぅ……では、これでも滅ぼせるかな?」
腸原種の言葉に合わせ、深く被っていた腸原種のフードが風に煽られてめくれ……その顔が顕になった。
「「……ッ?!」」
『……無粋ですの……!』
一瞬とはいえ見間違えようもない顔に驚く護と、動揺を悟られまいとする幾巳……そして唾棄するように「無粋」と吐き捨てた水瓶座。
「久しぶりね……幾巳」
腸原種の人間態……それは戒道幾巳の育ての親、戒道婦人だった。
「……母さんと融合していたとは……!」
心理作戦だと分かり切っているとはいえ、さすがに動揺を隠しきれない幾巳……なお、水瓶座はこの情報を事前に知らされていなかった為、幾巳の心情を利用しようとする腸原種の行動に対し、更に怒り心頭な模様。
腸原種は幾巳の精神に更なる揺さぶりを掛けるべく、言葉を続けた……
「会いたかったわ……幾巳……」
「……猿芝居は止めろ。融合した時点で、母さんの意識は失われている筈だ……!」
言葉では平静を装うが、声色には僅かながら動揺を隠せていない。それを知った腸原種は更に続ける……
「いいえ、母さんよ。目が覚めたの……さぁ、私の所にいらっしゃい?」
お互いに攻撃の手は緩んでいない……しかし、今の幾巳に精神的な余裕はなく、隠し切れない動揺は徐々に疑心暗鬼を生む。しかし、此処には“真実を知る存在”がいた。
『……冗談が過ぎるですの……原種にとって……人間の身体は“仮の入れ物”……幾ら姿形を真似ても……原種には相違ないですの』
水瓶座のその目には、何か……他の誰にも見えない“何か”が見えている。
それは……“精神の形”とでもいえば良いか……
水瓶座には幾巳の母の顔をした腸原種の姿ではなく、醜い腸原種本体の姿が見えている。しかし、幾巳の母は間違いなく身体を利用されているので、水瓶座の思考は冷静に隙を伺っていた。
『……少年……私が付いていますの』
「……!」
水瓶座の言葉に、幾巳は驚く……まだ己を信じる事も出来ない相手に対して共闘の姿勢を見せた水瓶座の思惑に、当初考えていた意図が完全に崩壊したからだ。
「フン……どんな手を使おうとも、私のブラックホールから逃れる事はできない……!」
自身の能力に絶対的な自信を持つ腸原種……普通に考えれば、至近距離で発生しているブラックホールから逃れる術など無い。だが水瓶座は不敵な笑みのまま、護の救助活動を支援するように腸原種の意識を護から外し、幾巳の行動もサポートし続ける。
「戒道!! 皆を助けたよ!!」
空気の薄くなっている腸原種本体の内部空間……クラスメイト達を閉じ込めていたバリアを解除しつつ、Gパワーによる防護膜を作り出して確保。護は皆がまだちゃんと生きている事を確認し、幾巳へと叫んだ。
……だが当の幾巳からは、思わぬ答えが帰ってきた。
「……なら早く、此処から離脱しろ!」
「え……っ?!」
互いに千日手状態の幾巳と腸原種……そこへ更に割って入っている水瓶座との駆け引きにより、腸原種は護の方へ意識を向ける事ができない。
3人がこの状態を意図的に崩せば、それぞれが少なくないダメージを負う事が分かり切っているからだ。それに、幾巳は最初から護へクラスメイト達を託し、自らの手で決着を付けるつもりだった……
《僕なら心配ない。それに
テレパシーで伝わって来た、戒道幾巳の想い……それは拒絶からではなく、友達を想う彼の優しさから来る言葉だった。
《……うん。分かった……でも、辛くなったら何時でも呼んで! 地球人の「友達」として!》
護もまた、シオンを受け入れた時と同じく……たとえどんな境遇であっても、共に地球で育った掛け替えのない友人として戒道幾巳を見ていた。彼の言葉に頷きながらも、護は何時でも頼ってくれと返す。
《……ありがとう》
護からの思わぬ言葉に、戒道も存外の心地良さから少しだけ微笑みつつ、皆を引き連れ離脱していく護へ感謝の言葉を返した。
『護……頑張るですの』
熱い友情を交わした2人、そして離脱していく護を見送った後……水瓶座は居住まいを正しつつ、千日手の相手である腸原種を見やる。
『主様も仰っていましたの……“機界31原種は倒すべき存在”……故に、私は……
此処のやり取りはもう少しだけ続くんじゃ……
さて、原作と違ってこの場で省かれた部分について。
原作ではこの場で語られた“護の生まれやGストーンの起源”については、原種の初襲来後辺りでシオンから既に明かされています。
この事は当然、故郷を同じくするJやアルマ達も「話してるだろう」と推測していたので大して驚かず……
勿論、三重連太陽系の悲劇や生みの親の事は、護に大きな動揺を与えましたが、シオンは「護くんのご両親は両方よ」と、世間一般にも存在する“生みの親と育ての親が違う例”を挙げたり、自身に残された僅かな記憶から「どちらの両親も君を心からの愛している、それだけは紛れもない事実だから」とフォロー。
そして「地球人か、異星人か……選ぶのは自分だ」と優しく諭しています。
もちろんすぐには受け入れ難い事だけど、それからしばらく経っている為か、護は己の能力の事も自分なりに受け止め、既にある程度折り合いをつけ始めています。
……この辺りもできれば盛り込みたかったんですが、メインのお話が遅々として進まなくなる為、已む無くこの場はカット……
そして外の激戦は……
ゴメンナサイもう少し待っててぇぇぇ><
ちなみに、水瓶座の能力については次回で。
カンの良い方は既に分かってそうだけど、もう少しだけ待っててね?
固有名称のあるアーマロイド達は……
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名前で呼び合う
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一部のみ座名を徹底
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座名で呼び合う