狂わなかった「Z」の力 ~勇者王ガオガイガーif   作:睦月透火

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今話のタイトル少し変えました()

さて前回、シオンちゃんは統合されていた筈の人格が誰かに都合の良い形に分離させられていた事が分かり、今以ての復帰は絶望的っぽい……

一方の現実世界では──
原種艦隊 vs 我らが勇者ロボ軍団を擁するGGG艦隊+アーマロイド隊&ジェイアークの連合艦隊……
という大激戦が続いているのだった。



第86話 饗宴、再び……(前編)

『唸れ疾風、轟け雷光……双頭龍ッ!!』

 

『FFミラー、放出開始!』

 

 撃龍神の双頭龍の援護を受け、百式司令部多次元艦スサノオをコントロールするボルフォッグは、スサノオの攻撃機能を展開……艦体中央上部に装備・格納されたミラーユニットを展開させ、唯一無二の攻撃武装“リフレクタービーム”を使用する。

 

『リフレクタービーム、発射!!』

 

 放たれた高出力ビームは先に放出されたFFミラーにて一度反射される事で、改めて設定された相手へ向けて照射される為、艦の向きや角度に関係なく攻撃が可能。その上FFミラーは遠隔操作可能な多数の小型ミラーユニットで構成されており、その一つ一つが自由に角度を微調整可能かつ分離合体機構を持つので、ミラー自体を攻撃されても回避行動としてバラバラに分離……攻撃をやり過ごした後再び集合させ反撃へと転じれるので、敵がミラーを破壊するのは非常に困難だ。

 設備そのものや運用に対するコスト面、また、宇宙空間でしか使えない等々の欠点はあるものの、原種にとっても無視出来ない状況に持ち込める稀有な武装であった。

 

「キーッ! 何なのよあの攻撃!? 止められないじゃないのぉん!!」

 

 爪原種は果敢にもスサノオの攻撃を止めようとミラーを狙い撃つが、ミラーユニットは爪原種の攻撃を、バラバラに分離する事で躱し、再度合体してスサノオが放つ高出力ビームを反射する。

 況してやそのスサノオ本体を撃とうにも、シオンから受けた技術供与により、原作よりも強化されたディビジョン艦となったスサノオの機動力は凄まじく、耳原種のピアスミサイルや爪原種の斬撃波動程度では掠りもせず、追尾を楽々と振り切り反撃し続けている。

 

『防御が疎かだぜ? ホゥアタァッ!!』

 

 スサノオに気を取られた隙に爪原種の懐へと潜り込む撃龍神。

 両腕に溜め込んだGパワーを、拳打の瞬間に合わせ発勁の要領で内部に浸透させ、深部で一気に爆発させる。

 

「あがァァァ?! アタシの身体に……よくもやってくれたわねッ?!」

 

『おっと、隙は晒さないぞ!』

 

 内部破壊まで引き起こされた爪原種は逆上して組み付こうとするも、撃龍神は装備している“SPパック”を巧みに利用し距離を取る……無論コチラもシオンからの技術供与により原作よりもパワーアップしている為、装備の習熟能力が早い撃龍神は既に無重力での戦闘機動にも慣れ、天才格闘家も舌を巻く程鮮やかに敵の攻撃を掻い潜り、的確に反撃を重ねダメージを稼いでいく。

 

『我々も負けてはいられませんね……!』

 

 全身に内蔵された火器を使い、耳原種のミサイルや瞳原種の予測を上回る面制圧能力で以て敵の攻撃を食い止めるグラヴィス。

 

『俺達は俺達の最善を尽くすまで、我らが主の理想……人々の未来と希望を掴む為に! でぇやぁぁぁッ!!』

 

 ダイキャンサーも手にした大太刀を握り直すと、裂帛の気合いを込めて振り抜き、腕原種の指向性超重力波を叩き斬る事で霧散させる。

 

『そうだ、俺達は絶対に諦めない……!』

 

『私達とシオンちゃんが、GGG(彼ら)と共にある限り……アナタ達の好きにはさせないわよ!!』

 

 アイゼンナシュティアも、自慢の突撃能力を遺憾なく発揮。肋骨原種の原子分解を掻い潜って懐に潜り込み、至近距離から両肩のクレイモアを一斉に放って大きく怯ませる。

 そのほぼ同じタイミングでシュトゥルムボルグも、瞳原種の予測を上回る超高速分身で撹乱し、更に的確な砲撃を加えて足止めを続けていた。

 

──────────

 

『ブロウクンファントムッ!!』

 

「チッ、小賢しい真似を……」

 

『ダブル・プラズマソードッ!!』

 

「……ええぃ、鬱陶しい!!」

 

 ジェイアークの変形パターンの一つ……ジェイダーをプラグアウトせず、上半身のみ人型にさせた“ジェイライダーモード”にて、戦艦形態の高速移動と人型形態の汎用性を両立させたJ。

 

 一時的な共闘状態とはいえ、ガオガイガーとの性能差を考慮しているのか、まるでタイミングを合わせてくるかの様にガオガイガーの隙をカバーしてくれていた。

 

『この戦況で、最早余裕などあるまい!?』

 

「ほざくなよ、Jジュエルの戦士! 此方からすればGストーンも纏めて始末できる千載一遇の好機! そして今のキサマ達に、勝ち目など無いと言うのが分からんようだな?」

 

『この期に及んで世迷言を……!』

 

 凱は腕原種の言葉を世迷言と切り捨てた。

 

 ……だが、腕原種の言はある意味、間違っていない……今この場には、人類最大の戦力の大半が集まっている。

 

 “もし、ジェイアークですら歯が立たない敵が現れたら……?”

 

「世迷言か……悲しいな、Gストーンのサイボーグ」

 

『何がだッ?!』

 

「勝ち戦だと、その場の勢いに目を奪われ、大局を見通せない事がキサマの敗北理由……」

 

 腕原種は凱達の攻撃を鬱陶しくは思っていたものの、“脅威”だとは全く思っていなかった。その余裕は口調からも明らかだが、理由には行き当たらない……

『《正体不明のエネルギー反応多数、急速接近!》』

 

 トモロの警告が、GGGの船やアーマロイド達にも向けて発された。その直後、腕原種は勝ち誇ったかのような笑い声を上げる。

 

「フハハハ!! キサマ達は自ら()()()()()を拾い、後生大事に守っていた! そして()()()()()()()()()()いる! キサマ達自身の()()()()()()()……それを存分に味わうが良いッ!!」

 

「《多数のエネルギー反応! そんな……数が多過ぎます!?》」

 

「《な……何なのだ、コイツ等は……?!》」

 

 通信から猿頭寺の報告に続き、大河の驚愕に満ちた声が響く……トモロがキャッチしたエネルギー反応の数はざっと見ただけでも数千に登り、光速の約15%*1という非常識な速度で迫っていた。

 

『《……分析の結果、既存のどのパターンにも該当しない生命反応が検出された……。正体不明ではあるが、アレは紛れもなく生物だ》』

 

 トモロは極めて冷静に分析結果を伝えようとしていたが、内心では明らかに動揺していた……ただでさえ地球文明よりも遥かに高度な三重連太陽系の技術を持つトモロですら未知の存在という事実に、原種以外の誰しもが動揺を隠せていない。

 

『……?! この反応、やはり()()()は人為的に呼び込まれているのか……? クッ、主の居ない時に……!』

 

『コイツ等……あの時、隕石破壊を阻止しにきた奴……?!』

 

 グラヴィスの言葉を聞き、クーゲルは先の隕石破壊作戦の裏で彼を襲った相手だと気付く……前以て共有されていたデータにも、同一の反応が記録されていたのだから。

 

 敵の第一陣が戦域に突入してくる……と同時に謎の敵は、乗組員が一番多く、かつ機動力が低いアマテラスへとまっしぐらに突撃して来た。

 

『クッ……当たらねぇ?!』

 

 撃龍神はアマテラスを狙う敵に向けて風導弾(フォンダオタン)を放つが、圧倒的な速度で振り切られ、全く掠りもしない……それ処か、攻撃を仕掛けた撃龍神に敵の一部が反応し、お返しとばかりに特攻して来る。

 

 撃龍神の攻撃を軽く振り切り、反撃に特攻してくる謎の敵……

 撃龍神は喰らえばタダで済まない事を直感で見抜き、回避を選択したが、あと数秒遅ければ直撃を貰っていた……というギリギリで回避に成功する。

 

『俺の反応でもヤバかった……!』

 

 スサノオもリフレクタービームで謎の敵を掃討しに掛かるが、やはり速度で振り切られ、反撃の特攻……スサノオも最大戦速で振り切ろうと加速するが、数秒も経たずに囲まれる。

 

『最大戦速でも振り切れない……?!』

 

 相手は単体で光速の域を叩き出す超常存在。如何な人類最速艦スサノオと言えども、相手が悪過ぎる。しかし、シュトゥルムボルグとアイゼンナシュティアの援護で辛くも囲みの脱出に成功し、ボルフォッグは戦闘データを分析し始める。

 

『奴等は、亜光速で戦闘行動を……我々では、打つ手すら……』

 

『……奴らは人類……いや、生命反応に群がっているのか?』

 

『んもぅ、手間が掛かるわね……!』

 

『奴等のこの気配……敵愾心か? 同種以外の生命体は、全て敵と見做している様に見えるな……』

 

 圧倒的多数……攻撃を当てさえすれば撃破できる程の相手ではあるが、その数と速度が尋常ではない。およそ生物とは思えない外観と、その大きさからは想像できない速度で迫る未知の敵……

 

 敵の大半を占めるのは、薄い紫色の円錐形で突撃を仕掛けてくるタイプ。中には表皮の一部を割り開き、内部から昆虫にも似た小型の多脚タイプを放出して来る奴もいる為、既に何十体も撃破しているにも関わらず、時を追う毎に敵の数は加速の一途を辿っている。

 

『……コイツ等、地球の創作物に出てくる“怪獣”っていう奴みたい……!』

 

 クーゲルの呟きに、GGGの面々がある意味納得する……凡そ既存の生物の常識を根本から覆す特徴。同種以外の反応……特に生命体に対する強い敵愾心。そして、通常の生物の尽くを拒絶するこの宇宙空間で、紛れもなく生存し活動しているという事実。

 

 そのどれもが、創作物の“怪獣”というキーワードに正しく該当するものだった。

 

「《非常事態につき、暫定ながら“謎の敵”を以後“()()()()”と呼称する! ……しかし、遺憾ながら我々の現有戦力では奴等を相手取る事は不可能に近い……アーマロイド隊、奴らを任せても良いかね?》」

 

『確かに我々でなければ、マトモに相手するのは危険すぎます……!』

 

『我々はGGGの活路を切り拓く事こそ本懐……その邪魔立てをするのならば、容赦などせん!!』

 

『奴等は俺達が相手する、奴等に構わず原種等を叩け!!』

 

『送り狼は、一匹たりとも通さないわよ!!』

 

 アーマロイド達の返答に大河は拳を握り締め、感謝の意を声に乗せて両部隊に司令を下す。

 

《「よろしく頼む……! GGG艦隊はこれより、原種艦隊に対し攻勢を掛ける!」》

 

 

⇐ To be continued...

*1
光速(光の速度)は秒速約30万km(299,792km/s)。

その約15%なので秒速約4万5千km(44,968km/s)……要はもう目に止まらないほどクッソ速い。




えー、謎の敵……
もう既にお分かりの人もいらっしゃるでしょうね
……紛れもなく“アレ”に出てくる“奴等”です。
少し変更点はありますが、脚色とか辻褄合わせ程度なので特徴的には原典ほぼそのまんまと思って良いです。
あと、奴等の特徴からすれば今回はまだ先遣隊というか小手調べ程度です。

……まぁ、残当ですわな。
既に色々仕込んでますしね〜
さ、カオスな艦隊戦はまだまだ続きます。

アレが出た……じゃあアレも……?

  • 出せっ、出せー!!
  • え、良いの?
  • ちょっと反則じゃない?

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