狂わなかった「Z」の力 ~勇者王ガオガイガーif 作:睦月透火
GGGとキングジェイダーは、即効再生能力を司る“肝臓原種”の撃破に成功……
しかし、残る6体の原種全員が融合し
強大な“合体原種”へと変貌してしまった!!
原作でも苦戦を強いられた相手に、
この世界のGGGはどう立ち向かうのか……?!
「フフフ……さぁ、まずは小手調べと行こうか……?」
主人格であろう腕原種の声に、僅かな変化が見られる独特な声色で、合体原種はそう呟く……
その巨大な右腕に、凄まじいエネルギーを収束させながら。
・
・
・
「合体原種の腕に高エネルギー反応!?」
猿頭寺は飛び込んできたセンサー類からの情報に驚愕しながらも、合体原種の動向を報告する。
「ッ?! プロテクトシェード展開!!」
「了解ぃっ!!」
大河は直感で自分達が狙われている事に気付き、オービットベースの防御機構である超大型プロテクトシェードを起動するように指示を飛ばす。
シオンの介入により原作よりも大幅に改修されたオービットベースには、他にも様々な機能があるが、信頼性と即応能力に優れた防御機構は、さすがガオガイガー譲りである。
……だが、合体原種のパワーは異常過ぎた。
「「「うわぁぁぁ……ッ?!」」」
オービットベースのプロテクトシェードが最大出力で展開されるも、合体原種の放つ指向性超重力波を受け止めたまでは良いが、凄まじい威力故に反射どころか、破られない様に耐えるのが精一杯……
「?! 反射不可能!!」
「敵のエネルギー出力が桁違い過ぎる……耐えるので精一杯じゃ!」
麗雄の言葉に、大河の頬を嫌な汗が伝う……この攻撃がもし、直接地球へと向けられでもしたら。
(何という事だ……合体した原種に、これ程の力があるとは?!)
開幕の一撃となった合体原種の攻撃は、オービットベースを直撃……
オービットベースはプロテクトシェードで辛うじて防ぎきったものの、攻撃の余波が地球を掠めており……北半球の大気層を大幅に削った他、最も近かったロシア本土の地殻の一部を盛大に揺るがし、地形を変えてしまう程のものだった。
「……いかんな、少し力み過ぎたようだ。せっかく苗床にする地球の生き物を、この程度で殺してしまうのはさすがに惜しい……」
合体原種の物言いに、驚愕するしかない凱。Jも合体原種の繰り出した攻撃力に一瞬だけとはいえ怯んでしまった……
「……だが、力加減に慣れない今の内ならば……!」
機体をジェイアークへ変形させ、月の衛星軌道へと急ぐJ。GGGも勇者達を船に収容し、補給させながら月軌道へと向かう事に……
(……奴に……勝てるのか……?)
一抹の不安が凱の思考に過ぎる……しかし、状況は待ってはくれなかった。
《地球方面に異常重力反応!! これは……ESウィンドウです!?》
《何っ?!》
スサノオの艦橋に繋がれた通信から、通信士と火麻の声が響く。
「状況はッ?!」
「月方面のラグランジュポイント付近に重力場異常! ESウィンドウの発生パターンと一致! これは……何かが此方へ転移してきます!!」
猿頭寺の報告に悪い予感がする大河……やがて開かれたESウィンドウから現れたのは、先程からアーマロイド達が迎撃している宇宙怪獣に近い……が、それらよりもさらに大きく、凶悪な風貌の個体。
まるで複数の生物を無理矢理合体させた様な薄気味悪い外観に、蠢く青黒い管……先端が鋭利な刃物の様に尖った白い鼻先を前に向けて、ゆっくりとESウィンドウを潜って出て来ようとしている存在。
「……こ、固有波形を確認! 間違いありません、大型の宇宙怪獣です!?」
アーマロイド達からの情報共有により、宇宙怪獣には独自の生態固有パターンがあるとの事で、提供されたデータベース……そのリストにマッチした事を牛山が告げる。
「推定サイズ、体長3000m以上……?! そんな……あまりにも巨大過ぎる……!?」
計測されたサイズはなんと脅威の3000m超え……オービットベースよりも遥かに巨大な単一個体の生物。報告する猿頭寺の声も、明らかに慄いていた。
「こんな化け物が、もし地球を襲ったら……?!」
「人類だけではない、地球の生命全てが絶滅してしまうぞ?!」
「勇者達は?!」
「ムダじゃ!! 今スサノオで月軌道から戻ったとしても間に合わん!!」
「そんな……ッ?!」
だが、メインクルー達の恐怖に満ちた声を掻き消す様に通信から声が響く。
《心配ありません、私達が迎撃します!!》
《馬鹿デカいだけで良い的だ!!》
《ハイハイ、弾幕行くわよぉ!!》
足の早いクーゲルザウター、アイゼンナシュティア、シュトゥルムボルグが横槍を入れる。
どうやら先程現れた一団の掃討は粗方片付いている様で、一足先に此方へ戻って来たらしい。
大型の宇宙怪獣は開かれたESウィンドウよりも巨大な身体が引っ掛かっているようで、なかなか全体が出てこない。
このサイズで亜光速を出されるとさすがのアーマロイド達でも勝ち目は非常に薄くなるので、今のうちに仕留めんと矢継ぎ早に高火力の攻撃をひたすら叩き込んでいく……
『撃ち抜く……止められるものなら、止めてみろッ!!』
『わおわおーん♪』
『最大出力……逃しはしません!!』
3人はそれぞれ高威力の攻撃を撃ち込んでいく……が、当の大型宇宙怪獣はさして気にも留めず、徐々にその巨体をESウィンドウから出していく……
『参っちゃうわね……』
『私達の攻撃が……』
『ここまで通じんとはな……!』
己の最大火力をぶつけて尚、気にも留められない事に毒づく3人……その時、宇宙怪獣は体表近くの管から無数の“光弾”を吐き出し、此方へと反撃をしてきた。
『ちぃ……っ!?』
『あっぶないわね……!』
『思ったより速い……それにコレは……当たると危険です!!』
クーゲルは足だけでなく“眼”も良い……センサーの情報と内包されるエネルギー反応から
「……っ?! コレは……!?」
「どうしたのかね?!」
「宇宙怪獣のあの光弾には、見た目の数百倍の質量があります!! それにこのエネルギー反応……コレは、まさか……光子崩壊反応……?!」
「なんじゃと?!」
その言葉に麗雄は驚愕を隠せない、そして猿頭寺の言葉にただならぬ雰囲気を感じた大河は、麗雄に詳細を確かめた。
「一体何だというのだ、あの攻撃は……?!」
「あの光弾は光子崩壊反応を引き起こす一種の爆弾だ!! あの攻撃を何の防御措置もなしに受ければ、内包された光子エネルギーが一気に崩壊を始め、擬似的なマイクロブラックホールと化し、空間ごと削り取る様に消滅するぞ!?」
つまり、あの光弾に何の対抗措置もなく触れればその瞬間……内部の光子反応が一瞬で促進され、マイクロブラックホールを生成。
その超強力なマイクロブラックホールの引力は全てを空間ごと削り取り、0.5秒という僅かな時間で範囲内の全てを消滅させてしまうというのだ。
「なんと……余りにも危険過ぎる……!?」
「空間ごと消し飛ばすなんて……!?」
「弾道や速度も不規則過ぎて、トレース不可能……光弾の弾道予測も出来ません!!」
《問題ない……!》
《要は当たらなければ良いんでしょ!》
《回避の特訓だと思えば、まだまだ甘いです!!》
恐怖に引き攣るメインクルー達の心配を他所に、足自慢のアーマロイド達は巧みな挙動で避け続ける。だが……
『……ッ?! イカン!?』
一発の流れ弾が、軌道上で浮遊するだけのオービットベースへと迫る……しかも、このタイミングで大型宇宙怪獣はESウィンドウからその身体をほとんど出し終え、加速を始めようと後方からエネルギーを放出し始めていた。
『ダメ! 間に合わない……?!』
『そんな……お母さまっ!?』
「光子エネルギー反応、接近!?」
「プロテクトシェードは?!」
「駄目です! 距離が近過ぎて間に合いませんっ!?」
如何に人類の叡智を結集し建造されたオービットベースとはいえ、ブラックホールを生み出し空間ごと消し飛ばす光弾を受けてしまえば、決して無事では済まない。
「凱……っ?! シオンちゃん……!!」
絶体絶命のピンチにか細く呟く命……しかしその直後に命は『大丈夫です』と言う幻聴を聞く。
そして万事窮すかと思われた次の瞬間……
光弾が進み、オービットベースへと迫る弾道上……そこが唐突に硝子を割る様に空間ごと砕かれ、進み続けていた光弾を、何も無い明後日の方向へと吹き飛ばす。
「……な、何が起こっとるというのだ……?!」
メインオーダールームの正面モニターに映る、異様であり得ない光景に真っ先に気付いた麗雄……彼の言葉に、事態急変を知り他のクルー達も背けてたり、伏せていた顔を揃えてその異様な光景を映し出すモニターを次々に見上げ始めた。
突如として空間が砕かれ、自分達に死を運ぶはずだった攻撃を弾き飛ばした……その原因は一体何なのだろうか?
やがて……砕かれた空間の中から、
この際だからネタの再現度高めに……
あ、でも次回はこの続きじゃなくて原種の方からです。
進行の時間軸的にこの宇宙怪獣戦と合体原種戦は同時並行なので、ある程度進んだら交代しないと(ウチが)進行把握しにくいので(笑)
それでは、次回もお楽しみに!!
この時“例のBGM”は……
-
各自の脳内で流す
-
推奨として表記させる
-
実際に流す(令和の“彼”を参考)