War of Gastrea/Black Out 作:ワンちゃん二世
ああ
まただ。
恐怖に染まった無線が聞こえてくる。
《こちらドラグーン2! そこらじゅう蟲だらけだ!》
《ドラグーン3、FOX2!》
《くそっ、振り切れ……ぐあぁ!!─────》
《ここが正念場だ!お前ら、人類様の意地を見せろッ!》
もう止めてくれ。
《援軍はまだか! 防衛ラインを突破される! もう持ちこたえられないぞ!》
《なんて数だ……冗談じゃない!!》
《メーデー、メーデー! こちらフェンリル5! 制御不─────》
やめろ。やめてくれ。頼む。
《エディ── エディ── エディ! おいルーキー! お前はフェアリー2の援護につけ。聞こえたか?!》
聞こえない。俺には何も聞こえない。
《生きて帰るぞエディ! おいエディ!》
もうよしてくれ。頼むから。
《エディ! 聞こえるか?返事しろ! エディ!》
頼むから。もう───
「エディ!!!」
「うおぉ!!」
ひときわ大きな声に俺ことエディ・ピアースはベッドから跳ね起きた。
ゴンッ
「ヴッ!」
同時に頭部に鈍い音と共に激痛が入った。
「イッテテテ……おい大丈夫か? ずいぶんうなされてたみたいだが」
起こしてくれたのは俺が新しく配属された隊の同僚、スチーム隊2番機のジェイク・ウルフマンだった。見上げると、オールバックの頭を手で押さえつけている。どうやら飛び起きた拍子に彼の頭と俺の頭が激しくキスをかましたらしい。
「ああ、大丈夫……大丈夫です。 多分」
「まぁ、夢見が悪くなるのも仕方ないよな。俺は噂でしか聞いたことないがヒドかったんだろ? サンフランシスコ。ホントよく生き残ったよ」
「…………そうですね。もうあんな初陣はゴメンだ」
俺は目頭を揉んだ。しっかり睡眠は取ったはずなのにどうもまだ疲れが取れていない。
あの海戦からもう1ヶ月が経っている。あれから俺は急遽空軍に移籍することとなり、アイダホ州にあるジョーンズ空軍基地のスチーム隊に配属された。その時スチーム隊は5機編成の隊だったが3番機が諸事情により欠けており、俺はその穴を埋める形で所属することとなった。
ジェイクは実とは軍のアカデミー時代の先輩後輩の仲であり、彼とは2、3年ぶりの再会となった。おそらくスチーム隊に配属されたのは、顔見知りである彼の存在があったからかもしれない。
澱みが未だ多くを占める俺の脳ミソにひとつの疑問が浮かんだ。現在の時刻は午後1時過ぎ。次の訓練までまだ2時間もある。なぜ彼は俺を起こしたのだろうか?
「とりあえず何で起こしたか言うとだな。急遽任務が入った。すぐにブリーフィングルームまで来い、ってさ」
「任務? どんなですか?」
「それを確かめに行くんだろ」
「ほら行くぞ急げ」と俺の肩を叩いてそのまま俺の寝ていた仮眠室から出ていってしまった。
まだ頭も痛い。眠気も取れていない。最悪の目覚めであった。
◇ ◇ ◇
小走りながらブリーフィングルームに到着すると、他の隊員はもうすでにほとんど席についていた。プロジェクターのスクリーンの右側の列にジェイクらスチーム隊のメンバーが座っており、ジェイクが自身の後ろの席に手招きしていた。
手招きに応じ席に座ろうとするととジェイクの隣の席に座っていた、大きなシルエットが特徴のスチーム隊隊長、ジェイソン・ハンプソン大尉が横目に俺を見ていることに気がついた。
「遅いぞ。寝坊か? また目覚まし時計が壊れてたのか? お前の場合は壊れてるのは体内時計か?」
隊長の軽口にジェイクも他の隊員もニヤニヤし始める。「プラスドライバーが2本ほどあれば直るんじゃね」という言葉も聞こえてくる始末。勘弁してくれ。
「申し訳ありません。最近寝付けが悪くて」
「言い訳するな。確かにお前は少々特殊な境遇にあることは認めるがそれと寝坊はなんら関係ない」
手厳しい。にべもなく項垂れながら席に座るとほぼ同時にブリーフィングルームの扉が音を立てて開いた。
基地司令やそれに続く地位のお偉いさん方が大股で歩いてくる。そして中央の壇上に陣取った。その表情は酷く険しいものだった。
その不穏な雰囲気を感じ取ったのか、さっきまで聞こえてきていた微かな私語も
司令が壇上に立ったはいいが、なかなか喋りださない。命令を下すのを躊躇っているのだろうか。何度か口を開きかけることはあるが声はそこから出てこない。
しばらくそれを繰り返した後、遂にその重苦しい口から声が発せられた。
「えー、諸君。あぁ……おはよう。いや、『こんにちは』かな。えー、総司令部より諸君らに新たな命令が下った。結論から言うと、この基地を放棄せよとのことだ」
「放棄? 冗談だろ」
「マジか」
その発言に僅かに言葉を溢す者もいたが、我が隊のメンバーは全員黙ったままだった。特に隊長は表情すら変わることがなかった。まるで事前に知っていたかのように。
基地司令は続ける。
「この指令については多少驚くことはあれど、我らの動揺を誘うほどでもない。だが、問題はここからだ。心して聞いてほしい」
基地司令はまたも言いよどんだ。しかし次の瞬間、覚悟を決めたように言葉を紡いだ。
「この基地より西北西の方角、及び50マイルほどの地点にあの怪物どもが集結しているのを基地のレーダーで捉えた。昨夜のことだ」
室内が不快なざわめきに満たされる。が、すぐに司令の「静かに!」の声でそのざわめきも消失してしまう。
「幸い、現在もヤツらに目立った動きは確認されていない。だが、ヤツらがここを標的に前進し始めるのも時間の問題だろう。そこで──」
「撤退──ということか。ヤツらが動く前に」
思わず口に出してしまった。予想以上に俺は動揺していたようだ。サンフランシスコの悲劇が脳裏をよぎる。
ふと前の席を見るとジェイクと隊長がこちらを見ていた。それはまるで何かを観察でもしているかのような目付きだった。
「そういうことだピアース中尉。だが恐らく、今から撤退の準備を開始したとしても、ここを離れる頃には怪物どもは目と鼻の先まで迫っているだろう。ヤツらも流石にこちらの撤退の準備が完了するまで待っているとは思えない。そこで……」
ここまで言って、基地司令は大きく息を吐いた。まだ何かあるのか。
「総司令部が出した結論は、合理的だが非常に冷酷だった」
「それは一体どういう……?」
中央の最前列に座っていた同世代くらいの隊員が堪えきれず聞いた。
「あぁ、それについても含めてハンプソン少佐。説明を」
「はい」
なんと、ここで隊長にバトンタッチをした。意味がわからない。なぜここで隊長なのか。そしてなぜジェイクも他のみんなも何も言わないのか。
隊長は基地司令に変わり壇上に上がる。そしてバリトンの声をブリーフィングルーム内に響かせた。
隊長の話は撤退の主な手順についてだった。まず3機ある各輸送機ごとにA班・B班・C班の3つに班を分け、各各々別方向に移動するとのことだった。そしてA班にはゴースト隊、B班にはスキップ隊、C班にはウルフパック隊がそれぞれつくことになった。
隊長の話の中にスチーム隊の名前が出てくることはなかった。
ブリーフィングが終わり室内にスチーム隊のメンバーしかいなくなった頃合いに早速隊長に聞いてみた。しかし、帰ってきた返答は俺の予想の範囲外だった。
「ああ、言い忘れてたがお前はC班のウルフパック隊についていけ。それか輸送機に乗せて貰え」
は?
「……? それは一体どうゆう……?」
「察しろよルーキー。このスチーム隊にもうお前の席はねーんだよ」
隊長の横にいた4番機のリッキーが煽るように言った。
「そうそう、今日も寝坊してさ。なまじっか腕があるからって生意気なんだよ」
後ろから5番機のサムが続く。
俺は助けを求めるように振り返ってジェイクの顔を見た。だが彼はとっさに顔を背けてしまった。おいマジか。
「でも……、そ…そうだ! 隊長、隊長達の任務は何なんですか? ブリーフィングでも名前が出てこなかったのですが──」
ぽんっ、と右肩に手が置かれるのを感じた。振り返ると手を置いていたのはジェイクだった。
「悪いなエディ。そういうことだ。もうお前にそれは関係ない」
「先輩……」
「それに隊長も何も言ってないことは隊長も同意見ってことだよ」
「そんな……、隊長……本当ですか?」
「俺からは何も言うことはない」
終わった。完全に見放されてるようだ。
しかしそんな前触れはブリーフィングの前まで全くなかった。それが少し違和感がある。昨日まではみんな優しく、よく気にかけてくれた良い先輩方だった。
ふと、一つの可能性が浮かんだ。
「もしかして…… あの怪物共に突っ込むつもりですか」
その瞬間自分以外の全員の顔が苦々しいものに変わったのを確かに俺は見た。どうやら当たりだ。
先ほど基地司令は今から撤退の準備をしても間に合わないかもしれないと言っていた。なら、怪物を来させないようにすればいい。いや、時間稼ぎが出来ればそれで十分だ。しかし、怪物の量から察するにここの基地の全戦闘機が迎撃してもこちらが圧倒的敗北を喫し大損害を被ることになるのは想像に難くない。
そこで基地一番のエリート部隊であるスチーム隊に白羽の矢が立ったのであろう。1部隊のみなら損害を最小限に抑えられる上に彼らの腕があれば怪物どもを減らすことも可能かもしれないと上層部は踏んだのだ。
だが、生還するのはほぼ不可能な任務である。基地司令の言っていた「合理的だが非常に冷酷」の意味がやっと分かった。
「俺はまだ若いから……まだ先があるから参加させないんですか? 俺だってもうスチーム隊のメンバーなんですよ! 何で俺だけ仲間外れにするんですか?!」
「エディ……。何で3番機が空いていたか知ってるか?」
隊長は子供を諭すように言った。
「いえ……」
「それはな、殉職だよ。歳もお前くらいだった」
俺は言葉が出なかった。
「あの怪物の1匹にやられたんだ。俺達はアイツが怪物に絡まれているのを見てることしかできなかった。思えば人類で初めて怪物に襲われたのはアイツだったかもしれないな」
聞いたことがある。内陸部にある基地の新人が正体不明の怪物に襲われたと。そこから同じような報告が増え始めたと。まさかその隊がスチーム隊だったとは。
「俺は、いや、
「でも、俺は。俺は……」
「しつこいぞルーキー。分かるだろ、ここにいるみんなお前には生きてほしいんだ」
「でも…… おかしいです。生き残るべきは経験を積んだあなた方だ。俺みたいなヒヨっこじゃない。俺が行きます」
「一人でか?それはな、犠牲でもなんでもない。ただの自殺だ。とりあえずまだ駄々をこねるならこちらにも考えがあるぞ」
「考え?」
隊長が後ろに目配せをした。そのとたん後ろにいたジェイクから羽交い締めにされる。
「えっ、ちょ。え?」
「すまない」
俺の腹に硬い、硬い拳が沈み込んだ。
俺は腹に走る苦しい痛みとともに意識を手離した。
「墜ちたか?」
「ええ、もうぐっすりです」
「よしジェイク。エディをぐるぐるに縛って輸送機に放り込んどけ。他は出撃準備だ」
「了解」
「了ー解」
「了解」
◇ ◇ ◇
目を覚ますとそこは狭い狭い空間だった。身動きが取れない。体を見るとガムテープでミイラ男のようにぐるぐる巻きにされていた。恐らくジェイクの仕業だろう。彼はアカデミー時代からこういうイタズラはどこまでも本気でやる先輩だった。
部屋を見渡せばどうやら飛行機の中の仮眠室に寝かされているようだ。飛行機の中。ということはもう基地を飛び立っていることだろう。
そして、彼らはもう……。
また。
まただ。
また俺は……。
屍がまた積み重なる音が聞こえた気がした。
─────────────
同時刻、アイダホ州ルイストン上空。
4機のF-15CがV字編隊で飛行していた。
尾翼にはWWの文字と赤い機関車のエンブレム。ジョーンズ空軍基地所属のスチーム隊の機体だった。
《今頃アイツは輸送機のなかで夢でも見てる頃ですかね》
《ジェイク、ちゃんと縛ったよな?》
《ああ。まさに、エジプトのミイラだぜ》
《うわ、ヒデェ》
無線内に明るい笑いが起こった。隊長であるジェイソンも思わず笑みを溢す。およそこの後に全滅が決まっている者達の会話だとは思えなかった。
ジェイソンの機体のレーダーに幾つもの点が写り始める。ようやくお出ましのようだ。
「スチームリーダーより全機、聞こえるか? おいでなすったぞ」
その言葉に無線内を支配していた笑い声も引っ込んでしまう。
「おいおい、これは確かにミッションだが同時に俺達最後の晴れ舞台でもあるんだ。もっと賑やかにいこうぜ」
《……分かってます。でも……》
《…………もっと地上の空気吸ってくるんだった》
《フッ、ジェイクらしいな》
「確かに」
怪物共が目の先の空に黒い点で見えてくる。案外移動が速かったようだ。
「こちらスチームリーダー、最期くらい派手に散ってやろうや。全機──」
コックピット内の空気をありったけ吸い込み、そして吐く。覚悟はもう決まっている。戻るつもりはない。
「──俺に続け。やってやるぞ!」
《了解!》
《了ー解》
《
4機の鋼鉄の
我々はミサイルだ。そう叫んでいるかのように。
エディがスチーム隊全滅の報せを聞いたのは、移動先であるユタ州のヒル空軍基地に到着してすぐのことだった。
◆ ◆ ◆ ◆
「里見くん、『
「え、えいがふ?」
「ん、何なのだそれは?」
木更さんがそんなことを聞いてきたのは、太陽がちょうど真上に浮かんでいる休日の真っ昼間のことだった。
蓮太郎、木更、延珠の3人は今、事務所でコンビニ弁当を食べながらガストレアに関する情報収集をしているところだ。ちなみに延珠だけはソファで漫画を読んでいる。全く羨ましい限りである。
「里見くん…… 座学で習ったでしょ」
「知らねぇよ。座学は寝てたしな」
「えぇ……」
「木更! その
延珠がソファに寝転がりながら聞いてくる。学校をやめてから何だかいつも以上にだらしなくなった気がしてやまない。
木更はコホンッと咳払いをした。
「A.G.A.Fというのはね、『アンチ・ガストレア・エアフォース』といって言わば『対ガストレア専門航空部隊』のことよ。肩書き上は国連主導にってことなってるわね」
「肩書き上は?」
蓮太郎がすかさず聞き返した。肩書き上"は"と強調しているあたり、実際は違うのか。
「ええ。国連はガストレア大戦の時に手酷くやられちゃってるらしくてまともに機能していないみたいなのよ。だから最近はA.G.A.Fだけ国連から組織ごと独立して自由に活動してるっていう話らしいわ。言わば"作ったのだけは国連"って感じかしら」
「へぇ。で、そのエイガフがどうしたんだ?」
「いやね里見くん。今読んでる記事によると、A.G.A.Fがどうやらイニシエーターを導入したらしくてね」
木更はパソコンを蓮太郎の目の前まで机づたいにスライドさせる。蓮太郎はその記事を覗き込んだ。
その記事には20代後半から30代前半くらいの男性と延珠と同世代くらいの銀髪の少女が写っていた。2人は向き合いながらそれぞれ敬礼をしており、服装はどちらも戦闘機のパイロットが着るような厚手の服装を身に纏っていた。
「えっ、これってイニシエーターも戦闘機に乗るってことか?」
「どうやらそうみたいなのよ。その記事によるとイニシエーターにレーダー士官? っていう役割を任せるつもりらしいわ」
「レーダー士官って何だ?」
「知らないわ。私、そういうのは詳しくないし」
そう言いながら木更は弁当の鮭を丁寧に口に運んだ。
「そういえば蛭子影胤事件の時にも彼ら、東京エリアに来てたわよ」
「へぇ。初耳だな」
「そりゃあほぼ極秘だったし。聖天子様が要請したのよ」
木更は事件の時に諸事情により聖天子やその他大臣がいる作戦本部にいた。そのため聖天子がどのような判断を下したかも知っているのである。
「やっぱり、スコーピオンか?」
「えぇ。彼ら、里見くんが『天の梯子』でいろいろ準備してる間、ずっとスコーピオンの注意を引いてくれていたのよ。直接的にとは言えないけど一応貴方、彼らに借りがあるのよ?」
「……作戦でそのエイガフはどうなったんだ?」
ステージ5のガストレアであるスコーピオンには通常兵器がほとんど通用しない。ヤツらの前に多くの人類が命を散らしていった。例え熟練の軍人でも結果は同じだろう。
「彼らは最後まで任務をやり遂げて、そのままの足で自分達の基地にすぐに帰っていったわ」
「生き残ったのか!?」
「それどころか損害はほぼゼロらしいわ。凄いわよね。4機小隊で来てたんだけど確かに1機も欠けてなかったわ」
「……世の中にはすげぇ人達もいるんだな」
「……貴方も人のことは言えないと思うけどね?」
延珠が読書に飽きたのか事務所に備えつけてあるテレビの電源を入れた。テレビは与えられた役割をきっちり果たし、とある画面を映し出した。それはドキュメンタリー番組のようで画面の左上には『A.G.A.Fの若き隊長、エディ・ピアース』と書かれている。どうやらたった今話の話題に出ていたA.G.A.Fの隊長を取材した番組のようだ。
「あら、噂をすればじゃない」
「記事の写真に写ってたの隊長だったのか」
『───降伏とかが無いのなら我々がいくら負けていないと言ようがそれは自由なのです。"
テレビから聞こえる彼の声は、さながら街頭演説のように事務所内に響き渡った。普段うるさい延珠も黙って彼の言葉を聞き入っていた。かくいう蓮太郎も弁当を食べる手を止めてテレビを見入っていた。
「不思議よね、人って」
「え?」
木更が突然話し始めた。その言葉は、テレビの演説風の音声よりもはっきりと凛々しいものに感じた。
「テレビに写ってるあの隊長さんも、里見くんも、延珠ちゃんも、私も、状況によっては簡単に人が変わっちゃうわよね。今の里見くんも蛭子事件の時とは全く別人みたいよ。あの時の里見くんからは想像もつかないくらい。この隊長さんもきっと空を飛んでる間は全く別人の顔をしてるわ」
確かに、と蓮太郎は思った。今ソファでぐぅたらしてる延珠もガストレアを前にしたら今のだらしない雰囲気はどこかへ消えてしまい、世界一頼りになる相棒に早変わりするだろう。テレビに写るA.G.A.Fの隊長も戦闘機のイスに座った途端、ただの広告塔ではなく百戦錬磨のエースパイロットとして空に飛び立つことだろう。
人は立場と状況次第では、いくらでもその人物像を変えてしまう。
──アンタも大概、人のこと言えねぇぜ。
蓮太郎はそう言いそうになった自分の口を、大きな紅鮭を使って無理矢理ふさいだ。
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