しかし、予選用の曲や衣装の準備が進まない。
ファーストライブの再来だけは避けたい穂乃果は早めのSOSを出す。
その相手は?そして、そこから派生する問題が?
穂乃果、海未、ことりのμ'sメンバーにPeloiades全メンバー、kure全メンバーはここ沖縄に来て
いた。修学旅行である。ワルキューレで学校に残っているのはミュウの1年生3人と3年生3人だけ
であったが、絵里と希は生徒会役員全員が不在である為、代理で業務をこなしていた。
修学旅行から帰宅した翌日には、ファッションショーでの公演依頼が入っており、その練習と
準備は1年生とにこに任された。
責任を持って遂行する為、臨時のリーダーとして凛が抜擢された。
ワルキューレの殆どが2年生で在ったが為に、沖縄に居るメンバーは27人中21人、何も出来ない
状況になっていた。
2日目から天気が崩れホテルで過ごす事を余儀なくされた。
暇を持て余していたが、悪天候の原因である台風が接近し、缶詰状態になってしまったばかりか、
飛行機が欠航しファッションショーには参加できなくなってしまった。
残された6人で振り付けの変更、衣装合わせなど準備を進めて行っていた。
ライブの衣装は、センターがウエディングドレスを、その他がタキシードを着る構成で、穂乃果が
着るはずだったドレスを、誰が着るか譲り合い、スタイルから花陽に決まったが、着てみたい
思いは有るが、似合わないと思い込んでいた凛の気持ちに気付いた5人が協力し、凛をセンターに
してしまった。
台風というトラブルに見舞われ、6人でのライブになったしまったが、成功させる事が出来き、
さらに、可愛い服は似合わないと言う凛のトラウマが払拭された。
ミュウ部室
海未、真姫、ことりの3人は作詞、作曲、衣装で悩んでいた。俗に言うスランプである。
中間テストが終わり、2年生が修学旅行から帰って来れなかったが、週末の20日に
ファッションショーを成功させた。
翌週末の27日にはハロウィンのイベント参加でライブ、その翌週末の2日は、講堂での合同
ライブと続き、更に2週間後には予選とスケジュールが押している。
失敗したら予選落ちと言うプレッシャーに、潰されそうになりアイデアが出てこない3人。
その為、合宿でなんとかしようとしていたのだが、時間的には3週間あっても練習を考慮すると
余裕は最大1週間、決定的に時間が足らなかった。
「海未ちゃん、ことりちゃん、真姫ちゃん、進んでる?」
「穂乃果ちゃん?
ダメ、3人共全然出来ない。
どうしたら良いの?」
「そっか、助っ人頼んでも良いかな?」
「え?そんな人居るの?」
「真姫ちゃん、何言ってるのよ。
居るじゃない校内に、とんでもない実力の人達が」
「???」
「じゃ、行きましょうか。付いて来て」と言って部室を出ていった。
向かった先はアデス部室
「お邪魔します。
救援要請しに来ました。
お助けくだせぇませ。
おでぇ官さまぁ~」
「む!なに奴、者ども狼藉者じゃ、出会え!出会え!」
「ミー Shut up Stay Home 話進まない。で、カー姉何?」
「あのね、海未ちゃんが作詞、ことりちゃんが衣装、真姫ちゃんが作曲してるんだけど、
プレッシャーと時間が無い焦りで、スランプなの、それで助けて貰えないかなって、
このままだと、初ライブの悪夢が来そうだから、早めにSOS出しに来ました。」
「判った。
私達もキュレと打ち合わせ中だったから良いよ。
しばらくこの3人与かるけど良い?
まぁ明日一杯で帰すから心配しないで。」
「よろしくお願いします。3人共頑張ってね。」
「ミー、ヨー、ナギ」
「「「ん」」」
軽く手を上げて答える3人。
「じゃぁ、海未ちゃんはナギ、ことりちゃんはヨーとミカね、真姫はミーの所に行って作業開始」
「あの~私達もええかな?エリチはダンス早よう決めたいゆうて、私はつきそいやけどな。」
「ポンコツも参加するのか。良いよ。ミサ。」
「判った。」
その瞬間、部屋の空気が変わった。張り詰めた緊張感の様な物が部屋中を覆った。
「「「「「えっ?」」」」」
「穂乃美さんよろしくお願いします。」
「うん、ミーで良いよ。
私も真姫って呼ぶからって既に呼んでるか、今回のテーマは?」
「繋がりかな?」
「ふむ」
ヘッドホンを被り、ギターを爪弾きながら譜面に向かう穂乃美、そこには、真姫が見た事のない
穂乃美が居た。
凛として厳粛で真剣な空気を纏、圧迫され呼吸が苦しくなる様なプレッシャーで、とても声を
掛ける事が出来ない雰囲気だった。
{これが本気の穂乃美さん?いつも巫山戯てバカな事ばっかり言ってるのに}
思わず周りを見渡すと、キュレの淑子・文香と話す淑詠を含め、穂乃美と同じ様な雰囲気を纏った
渚・翼・美彩・文誉だった。
{なに?これ、Peloiadesの人達、いつもと違いすぎる。私なんかじゃ足元にも及ばない。皆んな
凄い人だ。この人達に少しでも近づきたい。堂々と一緒のステージに立ちたい。今のままじゃ
だめ、もっともっと頑張らないとだめ}
真姫は、幼い頃からピアノを習い、コンクールの受賞経験もある、努力の秀才だからこそ判った。
絵里も、同じ様に感じていた。
{なにこの子達、私はこんな事すら判らずに付き合っていたの?私の想定以上、何倍も凄い、
とんでもない実力の子達ばかりじゃない。前に言ってた事は、この裏打ちが在ったからなのね。
じゃぁ今までの演奏は周りに合わせてたの?今の私じゃ同じステージに立つ資格さえ無い。
穂乃果ちゃん達に言った言葉、そっくりそのまま私に言いたい。}
「絵里ちゃん、ぼーとしてどうしたの?やるわよ。」
「あっ、ごめん、お願いします。」
渚から言葉を貰い詩を書いていく海未、翼・美華のアドバイスを受けデザイン画を掻いていく
ことり、ホワイトボードにカラーマグネットでポジション移動を検討する美彩と絵里、
ステージの構成を話している淑詠と淑子・文香、全体の進行をチェックし、連携を調整する文誉。
どこもかしこも真剣勝負を行っている様な、ピリピリとした雰囲気を漂わせていた。
「真姫これ聞いてみて。」 いきなり呼ばれヘッドホンをかぶらされた。
ヘッドホンからは16小節しか無いものの、サビと思える音が流れきた。
「これを芯にして膨らましてごらん。
楽器が要るならあそこのキーボード使って良いから。
大丈夫出来るよ。」
見惚れるほど優しい笑顔を向けられ、優しく頭を撫でられた真姫だった。
{あれ?ママ?パパ?なんだかホッとする}
そこからは、自分でも驚くほどスラスラと音が出てきた。作業をしていると海未が近づいてきた。
「真姫ちゃん、1番だけだけど、これで曲つけてみて、上手くいくと良いんだけど。」
と言って書いた物を渡してきた。
ふと周りを見回すと、穂乃美・文誉・希が居なかった。
暫くすると、コンビニの袋を抱えた三人が戻ってきた。
「皆んな、ご飯買って来たから食べよう。
お腹が空いてちゃ良い案も出ないよ。
休憩がてら食事だよ。
それと島田先生には泊まりの許可貰って来たから、各自家に連絡してね。」
なんでも無い、ごくごく普通の事、そんな日常の様に、打ち合わせもせずに行動して行く
アデスのメンバー達。
真姫は思った。
{この部屋に入ってから、私達がスランプだって言っただけ。淑詠さんはあだ名を呼んだだけ、
他の人は一言返事しただけ、その後会話はなかった。なのに其々が的確に動いてる。
ここまで分かり会えるものなの?}
「翼ちゃん、あなた達一切打ち合わせしてなかったのに、なんでこんなに普通に動けるの?」
「え?こと姉達が来たの見た瞬間、こうなるなって思ったし、ミー達が出て行ったからご飯
買って、先生に許可取るって思ったよ?なんで判らないの?」
「渚さん、あなたも同じですか?」
「うん、普通判るでしょ?」
「絵里ちゃん、真姫ちゃん判った?」
「無理」「理解不能」
その後、どのパートもサクサク進み夜半には曲が完成し、衣装のデザインも決まった。
ステージの装飾やダンスの構成も大まかなところは出来た。
「あんなに悩んで苦しんでたのに、なんでこんなに簡単に出来るのよ。
まるで魔法に掛かったみたいよ。」
「ほんとにそう。もうびっくりよね。」
「家の人が迎えに来てくれるなら帰った方が良いよ。
泊まると明日このままだからきついよ。」
「ミーちゃんはどうするの?」
「私だけじゃなくてアデスは全員残り。
どうせやらなきゃいけないから各自パート譜作成。
その前に私とフーは編曲かな、ヒデとナギ、ミサは私達の分の詰めね。
このまま終わらせた方が後が楽だから。」
「「あっ・・・・またやってしまった。(しまいました。)」」
「?海未ちゃん、ことりちゃん何の事?」
「ミュウの初ライブの歌、真姫ちゃんが渡してくれたの、ライブの何日前か覚えてる?」
「確か4日か5日前だっけ?」
「私達がCDをミーちゃん達に渡したのが2日前だったの。」
「真姫ちゃんなら、もう判るわよね。」
「嘘!あれを2日で?
それでもあの完成度?
あり得ない。
それじゃ今回も?」
「そう、同じ事をしてしまったの。」
「それ、気にしなくて良いよ。
もし合宿行ってたら、もっと遅かったはずだし。
それ思えば今回は良かったよ。
まだ2週間以上あるから大丈夫。
それにツバサ達の分もあるから、
早く終わって助かったよ?」
「「「ごめんなさい。」」」
「良いって」
「そんな事だから、皆んなは迎えに来てもらった方が良いよ。
居てもやる事ないしね。」
「「お姉、(こと姉)迎え来てくれるって。」」
「真姫ちゃんも電話しな。無理ならうちに泊まれば良いよ。」
「私は残ります。皆さんの作業を見させて下さい。お願いします。」
「見てても良いけど詰まらないよ。それでも良いなら構わないけど」
「「「「「「「私達も残る(わよ)(ります)(今断りの電話しました)」」」」」」」
「「「「「「変わってるね。」」」」」」
「「「「「「「「あんたらにだけは言われたくない(です)(わ)」」」」」」」」
その後は、各自が淡々と作業を進めていく、たまに打ち合わせで会話が、音合わせや確認で楽器の
演奏があるだけの、基本静寂の世界が支配した。
結局、未明まで掛かったがすべて完成した。
早朝ミュウ部室
「私、自分に呆れています。
今までアデスの人達は、小さい時から楽器やってたから上手なだけだって思ってました。
私と同じだって。
でも、昨日、直ぐ側で見て思いました。
この人達は普通じゃないって、前からパパやママみたいだなって思う事は、何度かあったんです。
それで思いました。
大人なんだって、1つ上でしか無いはずなのにずっと大人なんだって、穂乃美さんはいつも
巫山戯てばかりで、なんでこの人がリーダーなんだろって思ってました。
他の人も同じ、大した事無いって、でも違ってた。
上手く言えないんですけど、皆さん大人で凄い人達だって。
そして、今までそれを感じさせず、気配すら隠せるほど凄いって、これが無かったら、
多分卒業するまで知らなかったと思います。」
「それが判っただけでも、泊まった甲斐あったね。
私と海未ちゃんと穂乃果ちゃんね。
あなたに作って貰った最初の曲、嬉しくて1日中聞いてたの。
演奏するのに、各楽器に専用の譜面が要るなんて知らかったから。
これ演ってねって感じでCD渡したの、それがライブの2日前、穂乃果ちゃんは1週間前には
欲しいって言われてたって、後で言ってた。
渡した時はめちゃくちゃ怒られて、最後はお前と話す時間も惜しいって言われたんだって。
その後、お母さんに言われて見に行ったら、昨日の何倍も何十倍も張り詰めて厳粛な、でも鬼気
迫る神聖なそんな雰囲気だったの、あれは多分あの子達の全力だったのね。
真姫ちゃんは自分が作ったから、あのCDがどうだったか知ってるわよね。
あれから、演奏用に編曲して、パーカッション用、バイオリン用、ドラム用、キーボード用、
ギター用、ベースギター用の譜面作って、ステージで演奏出来るまで練習するのに
どれ位掛かる?」
「私、無理です。ピアノだけでも1週間じゃ出来ません。」
「そう、それが普通よね。
高校生だもん、でもあの子達はやった。
たった2日でやってしまったの。
更にね、ステージで幕が上がった時、誰も居ない客席を見た時、絶望したの。終わったって。
そしたら、自分達の初ライブの事を話してくれて、それよりはマシだって言ってくれたの。
しかも、こうなる事は分かってたって、それならなんで演ってくれたのって聞いたらね。
引き受けた以上は完遂するって、それが自分達だって、プライドと意地だって、それで思ったの、
この子達は妹だけど妹じゃないって、もっとずっと大きな存在だってね。
だからあの日から私達は、少しでもあの子達に近づく為にがんばってるの。」
「またやってしまいましたけどね。」
今にも泣きそうな顔でポツリと零す海未、俯いてじっと聞き入るしか無い真姫だった。
「追い打ちをかける様ですが、昨日のお昼だって同じですよ。
穂乃美ちゃんは、わざとあんなに明るく巫山戯ていたんです。
真面目くさった顔で淡々と連絡とって、スーテジ手配されたら、どうなっていたと思いますか?」
「見返りにバックバンド引き受けさせられたって思って辞退したかも。」
「そうですよね。それをさせない、気にもさせない、その為にあなたをからかったり、
穂乃果ちゃんと漫才じみた事やったりしてたんです。
私とことりちゃんと穂乃果ちゃんだけが判ってたんです。
でも、それすら穂乃美ちゃんは判っていたでしょうが。
穂乃美ちゃんばかりが目立っていますが他の5人も同じです。
彼女は他のメンバーを目立たせ無い様にしているんです。
それぞれ得意分野が違うだけ、皆んな良い意味で、途轍もない、凄い化け物ですよ。」
「私も昨日は思い知らされました。
初ライブの前、あなた達に言った言葉が突き刺さります。
まさに私に対しての言葉だったって痛感しました。
あなた達は家族だから、私達には見せない彼女達の姿を知っているんでしょうね。
だから、余計にいろんな事が見えてるんでしょ?
それって教えてもらう訳にはいかないのかしら?」
「出来るなら、うちも知りたいわ。」
「ことりちゃん、どうしましょう?」
「海未ちゃん、ミーちゃんに聞いて見たらどうかな?
あと、ヒフミちゃん達来るかな?」
「そうですね。
もしもし、穂乃美ちゃん?
あのね、絵里ちゃんと希ちゃんがあなた達の事知りたいって。
どうしたら良いですか? ええ ええ 判りました。
ありがとう。
それとヒフミちゃん達はまだそこに?
なら、ミュウの部室に来てほしいって言って下さい。」
「あれはダメだけど、それ以外は話して良いそうです。
真姫ちゃん、ごめんなさいね。
私達これから生徒会室に行くからここで待ってて下さい。」
「えっ、ここで話せば良いじゃない。」
「ごめんね。真姫ちゃんには聞かせられないの。」
「なんでよ!私も知りたい!聞きたい!」
「真姫ちゃん、これを聞きたら更に疑問が湧くのよ。
混乱するのよ。
でもその答えは教えられないの。
それを話して良いのはあの子達6人だけだから、絵里ちゃんも希ちゃんも同じ、
聞くならそれなりの覚悟がいる話なの。
全てを聞いてしまったら自分の将来すら変わってしまうほどの。
でも、全部は話せないから疑問だけが膨らんで行くのよ。」
「出来ば3人共聞かないでほしいです。」
「それでも私は聞きたいです。」
「うちもや。」
「私も聞き「なに?どうしたの?」
「呼び立ててごめんね。
この3人が妹達の事、知りたいって、ミーちゃんに聞いたら
あの事以外は構わないって言うから、一緒にって思ったの。」
「「「良いよ。」」」
「でも、聞かない方が良いよ。」
「私もそう思うな。」
「私も同感、止めた方が良いよ。」
「「「それでも」」」
「仕方ない。皆んな、移動しよう。」
生徒会室
「あれ?なんで穂乃果ちゃんが居るの?」
「おはよう、皆んなこそなんでって、そうか昨日泊まったんだね。
お疲れ様。終わったみたいだね。
そろそろ、予算編成じゃない?
だから資料の整理しとこうかなって、えへへ。
後、ミー達に朝食と着替えの差し入れかな。
あっ、姉組の着替えと皆んなのご飯もあるよ。
それよりなんでここに?
絵里ちゃん達は判るけど真姫ちゃんまで?」
「昨晩の作業中の様子を見て、あの子達の事を教えろって、それで、ミーちゃんに聞いたら、
あの事以外なら話して良いって言われて、ここに来ました。」
「あちゃぁ、そうなんだ。
辞めといた方が良いよ。
絶対後悔する。
自己嫌悪に落ちいるよ。
私達は家族だから立ち直れた。
それでも立ち直るのに1ヶ月以上掛かったし、最後に救ってくれたのはあの子達だった。
自分だけだったら、今だに落ち込んでると思う。」
「悪い事は言わない。止めた方が良い。」
「もう一度聞きます。
あなた達にそこまでの覚悟がありますか?
私達は大きな秘密の一部に触れました。
あなた達はその秘密の、更なる一部に触れ様としています。
聞いてしまったら、これまでの様な付き合いは出来なくなります。
人によっては生活ですら変わってしまいますよ。」
「「「・・・・・」」」
「今すぐ答えなく良いです。
ゆっくり時間を掛けて考えて下さい。
話す許可は貰いましたから
何時でも良いですよ。」
「私は知りたいです。ここで話して下さい。」
「うちも知りたいよって聞きます。」
「私も教えて下さい。お願いします。」
「「「「「「はぁ・・・・・」」」」」」
「仕方ないですね。
リーダーとして私が話します。
その前にお茶を用意しましょう。」
「さてどこから話しましょうか。」
「穂乃果ちゃん、やっぱり誕生日じゃないですか?」
「海未ちゃんもそう思う?ことりちゃんは?」
「私も同じです。全てはあの日から始まっていますから。」
「ヒ・フ・ミちゃん達は」
「同じ」
「始まりはあの日だから」
「そうだね。」
「私達6組の双子、其々4歳の誕生日の夜、それは起こりました。
何が起こったかは言えません。
全てはそこから始まりました。
淑詠ちゃんが誕生日を迎えた後、穂乃美、翼ちゃんと続き、3人は其々の両親を集め、
ある話をしました。
内容は言えません。
その後、残りの3人が誕生日を迎えるたびに両親達と一緒に個々の親に話したそうです。
彼女達は4歳から楽器を始め、小学校に上がると教室に通い、8歳からは覆面バンドとして
ライブハウスでの穴埋めや繋ぎの演奏をし、9歳で初のライブを主催しました。
誰一人お客の居ないステージで、1時間演奏したそうです。
私達の初ライブがどうだったか、3人共見てましたよね。
私達が後ろを向いていたその時、その事を聞かせてくれたんです。
譜面作りでボロボロになってまで、協力してくれたのは何故なのか訪ねたら、 一度引き受けた
依頼は絶対遂行するって言われました。
それが行動理念だって。
その後すぐに花陽ちゃんが来てくれて、私達は歌えました。
その後も学校存続の為にいろいろやっていました。
オープンキャンパスの成功にμ'sの結束強化、ラブライブに向けての心構えや危機感の
勃起なんかも、全部あの子達の提案と実行だったんです。
夏合宿が決まった時、絵里ちゃん、あの子達を生徒会室に誘ったでしょ。
希ちゃんも居たわね。
そこで秘密が有るって事だけは認めたでしょ?
私達姉組に、全てを話させてしまう切っ掛けになったんですよ。
あれが。」
「えっそうだったの?それって・・・」
「良いんです。
今は知って良かったと思っていますから。
あの日の夜、私はミーちゃんに、ヒデねはヒデちゃんに、他の姉達も其々秘密を教えろって
迫ったんです。
数日後に6家族全てが集まった席で、秘密を教えてくれました。
その後合宿に行って、朝、浜に居る6人が見えたんです。
手を繋いで立ってる6人が居て、今にも消えちゃいそうで、放っとけなくて、それぞれの妹を
後ろから抱き締めたんです。
そしたらあの子達、静かに泣き出して・・・・・黙って抱き締められたまま、
声を出さずに涙を流してたんです。」
「合宿への出発の時の事覚えてる?
あのやり取りもアドリブでやってくれたのよ。
1年生が馴染みやすい様にって。」
「あれがあったから、花陽や凛は絵里ちゃんが怖くなくなったのよ。」
「やっぱりね。」
「その後、帰りの出発まで時間があったじゃないですか。
部屋で色々話して、本当の気持ちを言ってくれました。
4歳で親に話した時は『死』を、私達に話した時は『蒸発』を覚悟していたって。
言われた時はゾッとしましたけど、それ位重い秘密なんです。
でも、そこまで話してやっと本当の家族だって信じて?
思って?
良い言葉が無いんですが本当の家族に、姉妹になれたんです。
ミーなんですけど、あれから父・母呼びだし私の事はお姉なんです。
それまでは穂乃果だったのに、雪穂も今は雪ですしね。」
「同じ事が、私やことりちゃんや他の双子にもあって今なんですよ。
母に教えられたんですが、穂乃果ちゃんが倒れてライブ壊してμ's辞めた件も、
ことりちゃんの留学の件も、親達にだけ相談して、裏で動いていたそうです。」
「「海未ちゃん、それほんと?」」
「ええ、穂乃美ちゃんと翼ちゃんが動いたって聞いています。
後、動かなかったけど渚は私の為に用意してたって。」
「「あれがそうだったの?」」
「ミー、凄く厳しいけど、本気で思ってくれてる言葉を掛けてくれた。」
「翼もだった。」
「あれがあったから、私は今こうして、ここに居られるの。」
「私も、あれが無かったら今頃異国の空の下。」
「私も、同じです。
ミーちゃんが動いてくれなければ、今だに穂乃果と疎遠状態だったと思います。
それでもダメだったら渚が動く事になってたって聞きました。
あの子達は私達の知らない所でも、いろいろと動いて居る様ですが、根底にあるのは私達の為、
自分達を犠牲にしても助けるって思いが感じられます。
まだまだ、私達や親にさえ話していない隠し事がありそうですが、最後まで信じて着いて
行こうと思ってます。」
「私達はサポートがメインだから、どっちのチームとも顔を合わせるの。
だから良く判る。
あの子達はほんとに深く考えて動いてる。
それも全部あなた達μ'sの、そして私達家族の為にね。」
「個人的な事を言えば、穂乃果達3人にあった事は私達全員にあったの、個々の事情が違うから
言って無いだけ、私だって文誉が居なかったら、動いてくれなかったら、言ってくれなかったら、
ここには居なかった。
あの子達は姉を妹を親を、そしてμ'sを守るために全力で動いてる。
それだけは、間違いないの」
「疑問だらけなのは判ります。
それでも、信じてあげて下さい。
普通に接してあげて下さい。
あの子達だって高校生なんです。
普通の女の子なんです。
少し変わってるだけなんです。」
「「「・・・・・・・・・・」」」
「どうですか?
此処から先は自分で答えを出すしか有りません。
話はここまでです。」
そのまま教室に戻った3人だが、まともに授業が受けられなかった。
3人のスランプから始まった救援。それが秘密の暴露に繋がっていった。
聞き出した3人は、どう考え、どう行動して行くのかだろう。