絶対絶望少女メルル   作:プレイズ

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プロローグ6における以下の文章を削除して修正しました。
>しかし、プラフタさんは声も凄いけど、格好もなかなか凄いですね。
身体の一部露出が凄いというか……。
なかなか攻めた衣装を着ています。
男性から見たら目に毒なのでは……?

不思議勢はリディー&スールの後の時系列から来た設定なのに、プラフタの格好を人形時代の設定で書いてしまっていました。それでは矛盾が生じる事に気付いたので、その部分の文章を人間状態の服装の説明に変更しました。

※※11/15追記:今回の8ページ目の文章を一部追加修正しました。


Chapter1 愛憎の怨嗟
(非)日常編1


さてと、何はともあれこれで無事全員に自己紹介が終わりました。

一息ついた所で、次は何をしましょうか?

「さーて、皆さん!そろそろお互いの紹介も終わった頃かな?」

唐突に、部屋の奥からまたモノクマの声がしました。

驚いて振り返ると、何と教壇の上に再びモノクマが現われていました。

「ま、またモノクマ……!」

「何をしに来た!?」

ロジーさんがモノクマに向けて叫びます。

「いや~さっきちょっと言い忘れてた事があってさあ。ちょっくらそれを伝えにね」

「伝え忘れた事?まだ何かあるのか」

「この学園の探索についてだよ」

モノクマはモノパッドを取り出して説明します。

「ここの校則にも書いてあるけど『希望ヶ峰学園について調べるのは自由です。行動に制限は課せられません』。だからお前らはこの学園内外を自由に散策して調べる事が出来るんだ。なので好きな時にいつでも好きな場所を探索してもらって構わないよ」

ただし、と言ってモノクマが注意点を付け加えます。

「現時点では学園の全ての場所に行けるわけじゃないからね。まだ解放してない場所が一杯あるんだ。封鎖されている所へは現状行けないからそこんとこ把握しといてちょーだい」

「封鎖?何でわざわざ特定箇所に行けないようにしているのよ?」

ミミさんが不愉快そうにモノクマに問いかけます。

「だっていきなり全部の場所に行けたらつまんないじゃん。少しずつ全貌が明かされていくから面白いしわくわくするんだよ!ま、現時点で行ける場所は限られてるけど、おいおい随時開放していくから期待して待っててよね」

ウインクして説明すると、モノクマは再び教壇からジャンプして裏側に消えていきました。

「何よ、あの苛つくウインクは…!」

モノクマの仕草を見て地団駄を踏むミミさん。

マスコットっぽい見た目なのに絶妙に相手を苛つかせる存在ですよねモノクマって。

「しかしそうか、校内を自由に探索出来るのか……」

ロジーさんが顎に手を当てて何か思慮しています。

彼はモノパッドを取り出すと、皆に向けて言いました。

「皆、一度モノパッドに目を通して全ての校則を確認してみないか?今のモノクマの発言もそうだが、知っておいて損はないだろう」

「それに、校則違反を犯して危険な目に合わないためにも見ておいた方がいいよね」

ロロナさんが相づちを打って賛同します。

私も早速モノパッドを起動させて校則の部分を確認してみました。

 

【希望ヶ峰学園校則】

校則1:希望ヶ峰学園での共同生活には期限はありません。

校則2:学園内で殺人が起きた場合、全員参加による学級裁判が行われます。

校則3:学級裁判で正しいクロが指摘できれば、殺人を犯したクロだけがおしおきされます。

校則4:学級裁判で正しいクロを指摘できなかった場合は、クロ以外の生徒であるシロ全員がおしおきされます。

校則5:クロが勝利した場合は希望ヶ峰学園から卒業し、外の世界に出る事ができます。

校則6:シロが勝ち続けた場合は、最後の2人になった時点でコロシアイは終了です。

校則7:夜10時から朝8時までの“夜時間”は、食堂と体育館が封鎖されます。

校則8:学園長であるモノクマへの暴力は固く禁じられています。

校則9:モノクマが殺人に関与する事はありません。

校則10:モノパッドは貴重品なので壊さないでください。

校則11:“死体発見アナウンス”は3人以上の生徒が死体を発見すると流れます。

校則12:希望ヶ峰学園について調べるのは自由です。特に行動や制限は課せられません。

校則13:校則違反を犯した生徒は、強制処分となり“殺処分”されます。

「ほうほう……」

随分色々と校則があるんですね。

学級裁判関連の物が多いようですが、よくもこんな悪趣味なルールを考えられるもんです。

「この死体発見アナウンスっていうのは……仮に誰かが殺されたら、その死体を見つけたら流れるって事だよね?」

「うー、私、何か怖くなってきちゃった」

リディーさんの言葉にスールさんが身震いして怖がります。

「大丈夫だよ!そもそも殺人なんて起こらないに決まってるから」

「フィリスさん…!そ、そうですよね」

スールさんを安心させるようにフィリスさんが言いました。

確かに。私達が誰も人殺しなんて真似をしなければ、学級裁判も死体発見アナウンスも起こり得ないわけです。

こんな凝ったルールを作ったのに残念ですが、モノクマの思う通りにはまずならないでしょう。

「学園内外を調べるのは自由とあるので、これからこの学園を調べてみませんか?」

皆がモノパッドの校則に目を通し終わったのを確認して、ロジーさんが言いました。

「モノクマは俺達の事を軟禁した気でいるようですが、学園を調べれば出口がどこかにあるかもしれません」

「うん、そうですね。こんな所早く出たいし、早いとこ出口を見つけておさらばしちゃおうよ」

ロジーさんの意見にロッテさんが頷きます。

「そうね、私もそう思うわロッテ」

「ロジーさんの意見に賛成!皆で手分けして調べれば、きっとすぐ出口も見つかるって」

ステラさんとスールさんも同じく頷きました。

「どうやらまとまったようだな。私もロジー君の意見に賛成だ。皆で協力して脱出口を探してみよう」

「私もステルクさんと同意見。皆で一緒に出口を探して調べてみようよ」

ステルクさんが同意し、それにロロナさんが賛同します。

皆から特に異論は出ず、これで方針は決まりのようです。

「おい、ちょっと待ってくれ」

ふと、静止の声がかかりました。

そちらを見ると、声の主はエクス君でした。

「どうした、エクス君」

「探索は既にあんたとそっちの女が済ませてるんじゃないのか?」

ステルクさんと、その横にいるロロナさんを見て彼は言います。

そういえば、さっき私が目覚めた時にお2人は周囲の探索に出ていましたね。

「確かにさっき少し調べたが。まだ近場を見回った程度でな。校内の全ては調べ切れていない」

「うん、私達はこの体育館を出た先の廊下と、その奥の門を出た先の外を見た程度だよ」

「ほう、門の外に出れたのか。外の様子はどうなっている?」

エクス君の問いに、ロロナさんは少々答えにくそうにして言いました。

「あ、うん……門の外は――」

「口で伝えるよりも実際に見てみた方がいいかもしれんな」

言いよどむロロナさんの返答をステルクさんが引き継ぎます。

実際に見た方がいい?どういう事でしょうか。

 

 

とりあえず私達は、体育館から出て学園内を探索してみる事にしました。

皆で協力して出口を探すのが目的です。

1人では危険なので、2人以上のペアを作って行動するという決まりになりました。

危険だから、という理由もありますが、万が一コロシアイを仕掛ける者が出ないように互いを監視するという意味合いもあるようです。

「まったく、互いを監視するだの神経質になりすぎだろうが」

「念には念を入れるって事だよ。私達は顔なじみの人以外はお互いの事をほとんど知らないんだから」

悪態をつくエクス君に向けてため息をつきつつ私は言いました。

ちなみにエクス君は私と一緒に2人で行動しています。

エクス君は自身以外に顔見知りが1人もいないらしく、1人で探索に行くというので、流石にそれはちょっと待てという事になり、見かねた私が一緒に回る事にしたんです。

「うっとうしいから俺の事はほっとけよ。わざわざ一緒に回る事もない」

「そういうわけにはいかないよ。2人以上でいないともしもの時に危ないし」

1人だけで探索するなんて、もし万が一誰かに襲われたらとっても危険な状態に陥りますよ。

「はあ……女に身の安全を心配されるいわれはないんだがな。俺は1人でも十分戦えるレベルに強いぞ」

「そうなの?って事はエクス君は剣とかの腕が凄かったりする?」

「いや、剣なんて余計な物は使わない。腕っ節だけで戦えるからな」

へえ、つまり生身で戦うって事ですか。

見た感じは筋肉質でもないしどっちかというと細身に見えるんだけど。

「見かけで判断するな。俺は力が強いんだよ」

「強いって、どのくらい?」

「その身で試してみるか?」

そう言ってエクス君は私に近付くと……。

 

ドン!

 

両肩をつかんで一気に壁際へと押しやりました。

「……な!」

「くく、これくらいだ」

掴まれた状態で両肩が壁に押しつけられ、私は驚愕に目を見開きます。

不意を突かれたのもありますが、この人かなり力が強いです。そして動きが素早い。

私、一応これでもアールズでたくさんの魔物と戦って戦闘経験を積んできましたし、体裁きの動きには結構自信があったんですが。

その私が一瞬で壁際に押しつけられるとは。

どうやら“強い”というのははったりではなさそうです。

「く……」

「どうした?この程度で驚いたか」

両肩を掴まれて壁際に押しつけられた状態になり、私は彼に対して主導権を握られてしまいました。

抵抗しようにも相手の力が強くて抗えそうにありません。

もしこのまま襲われたら――。

「……ふ」

しかし、私の不安は杞憂に終わりました。

彼は私の肩から手を放し、かけていた圧を収めます。

どうやら本気で襲う気はなく、威嚇のつもりだったようです。

「こういう事だ。お前に心配されるいわれはない。俺は1人で行かせてもらうぞ」

「あ、待って!」

1人で行こうとするエクス君の腕を私は追って掴みました。

「何だ、まだわからないのか」

「わかったよ、エクス君が強いって事は」

「なら何故付いてくる?」

「それでも君が1人じゃ心配だからだよ。エクス君一匹狼っぽいし、孤立しそうだから」

「何だと……?」

これは偽りの無い本心です。

彼は自己紹介の時もそうだったけど、集団から離れて1人でいる事が多いみたい。

それだとやっぱり寂しいじゃないですか。

本人は寂しくないかもしれないけど、私としては放ってはおけない。

だから一緒に回ってあげたい。

ただそれだけの理由です。

「お人好しって奴か?付いてこられても迷惑なんだがな」

「私が一緒に行きたいからそうしてるんだよ。だからエクス君は気にしないでくれていいから」

「そうか、なら勝手にしろ」

エクス君は文句を言うのを諦めたのか、私が付いてくる事を許容したようです。

ふふふ、私の根比べ勝ちですね。

 

さてさて、そうこうしている間にエクス君は門の前にやってきました。

ここから外に出れるようですが――。

ガチャリ、と門の取っ手を引いて彼は鋼鉄のドアを開け放ちます。

そして門を出た先に見えたのは………。

「こ、これは……?」

視界に捉えた奥にあったのは、高くそびえ立つ大きな壁でした。

高い、といっても並の高さじゃありません。

天上の先が見えないくらい、空高く上に伸びているのです。

それこそ雲の狭間まで先がかかるくらいには、壁の全長は長さがあります。

そして、その壁は今出てきた建物の周囲を取り囲むように360°全てを囲っています。

出口のような物はなく、見渡す限り周囲は壁・壁・壁です。

「な、何て高い…壁……!」

「何だこれは……どうしてこんな物がある」

「やはり驚いたようだな」

呆気にとられる私とエクス君を尻目に、横からステルクさんが声をかけてきました。

見ると彼の脇にはロロナさんもいます。

「ステルクさん……これはいったい何ですか?」

「おそらく我々を外に出さないようにするための壁だろう。頂点の先が見えない程にまで高く建造してあるようだ…」

「この壁って、壊せないんですか?」

「既に試したが、私の剣で切りつけても傷一つつけられなかった」

「うん、ステルクさんのアインツェルカンプでもびくともしなかったんだよ」

何と、ステルクさんの剣でも破壊できないなんて。

ご存じの通りステルクさんの剣の腕は超一流です。

その彼の剣技を持ってしてもびくともしないとは、この壁は錬金術か何かの特別な手法で作られているんでしょうか?

これでこちらも錬金術が使えたら破壊のしようもあったんですが。

さっきモノクマに錬金術の使い方は忘却させられてしまったため、錬金術を行使する事はもう出来ません。

「ならばこれならどうだ」

 

ドン!!

 

轟音が響き、壁に衝撃が走りました。

「うひい!?」

突然の大きな音にロロナさんが縮み上がります。

見ると、エクス君が壁に向けて拳を打ち込んだようです。

彼の強力な腕力による殴り込みが炸裂し、壁に苛烈な打撃が叩き込まれます。

「………ちっ」

しかし、壁に穴があく事はありませんでした。

それどころかヒビ一つ入っていません。

手応えの無さを感じたのか、エクス君はそれ以上拳を打ち込む事はありませんでした。

「…エ、エクス君って力強いんだね」

ロロナさんが心底驚いたといった顔で彼を見つめています。

壁を壊す事は出来なかったものの、先程の轟音で彼のパンチ力は相当な物である事が傍目から見てもわかりました。

「ふむ、何となく雰囲気から察してはいたが、彼はなかなかの手練れのようだな」

ステルクさんも腕組みをしつつ彼の力量に感心した様子。

歴戦の騎士を持ってしてもそう映るんですから、やはりエクス君は相当な強さを持つ人のようですね。

「…この壁は破壊不可能か」

どうやらこの壁を物理的に壊す事は不可能、そして壁に抜け穴のような物も見当たらない事がわかったので、仕方なく私達は壁を後にして他の場所へ行く事にしました。

 

 

次にエクス君が向かったのは、外にある別の建物でした。

何やら小規模ホテルのような設備があり、その中に入っていきます。

「ここは……寝泊まりする場所かな?」

「さあな。だが見た所“寄宿舎”と書かれているからそうなんだろう」

設備の正面ドアの前には寄宿舎の表札がかけられていました。

おそらく私の読み通りの場所のようです。

施設の中に入ると、先客がいました。

「あ、メルルさんとエクス君だ」

「ご無沙汰してます」

「ロッテさん。それとステラさんも」

出迎えたのはロッテさんとステラさんでした。

2人はこの施設内を散策中らしく、周囲の部屋を見て回っているみたい。

「ここってやっぱり私達が泊まる部屋なんですよね?」

「うん、部屋の上に私達の表札があるから多分そうだと思うよ」

ロッテさんがぐるりと周囲の部屋を見渡して言いました。

寄宿舎内には各部屋のドアが16個あり、それぞれに私達の顔のデフォルメされた表札がかけられています。

自分と同じ顔の表札がある部屋が、各自の部屋のようです。

「この寄宿舎自体は結構綺麗よね」

ステラさんが寄宿舎の外観の感想を述べます。

確かに、モノクマが用意した私達の寝床にしては、意外にもなかなか美観には優れているようです。

「じゃあ部屋の中は――」

「ではボクが説明しましょう!」

「「「うわっ!?」」」

またしても唐突に現われるモノクマ。

天井から降って降りてきたモノクマは、私達の前で見事に着地を決めてみせます。

「び、びっくりさせないでよ、もー」

「うぷぷ、で部屋の事なんだけどさ」

ロッテさんがモノクマに物申しますが、モノクマはさして気にせず部屋の説明を始めます。

「部屋に入るにはお前らが持ってるモノパッドがいるんだよね。これをこのカードリーダーにかざせばドアが開いて入室できるようになるよ」

「ふうん……」

試しに私が、目の前にあった自分の部屋のカードリーダーにモノパッドをかざしてみました。

すると、ピッと音がしてドアのロックが解除されました。

「おっ、本当にドアが開いた…!」

「あったり前じゃん!ボクは嘘なんてつかないからね」

ぷんすかするモノクマを尻目に私は部屋の中へ入ってみます。

室内は意外と綺麗でそこそこ快適なホテルの部屋って感じ。

……ただ、不自然なモニターと監視カメラがある点を除けばだけど。

「このモニターとカメラは何なわけ?」

「これはお前らを監視するためのカメラ、そしてお前らに随時情報を発信するための映像モニターだよ。これを通じて色々お前らに連絡を伝えたりするからね」

こんなプライベートな部屋まで監視下の中で生活しなきゃいけないなんて……!

私達にプライバシーって物はないんでしょうか?

「うぷぷ、まあお前らにはこの希望ヶ峰学園でコロシアイ生活を営んでもらうからね。その関係で多少の監視下に置かれるのは我慢して暮らしてもらうよ」

「何がコロシアイ生活だか…!私達は絶対誰もそんな事したりしないんだから!」

モノクマに向けて私は言い放ちます。

そうですよ、モノクマ何かの思う通りに誰が従うもんですか。

「どうかな?お前ら全員がお前と同じ思いでいるかどうかなんてわからないよ」

「同じに決まってる…!もういいよ、話は終わったんだからさっさとどっか行けば」

「しゅん……メルルさんはつれないですなあ」

私の言葉に肩を落としたモノクマはとぼとぼと部屋の外へと歩いて消えていきました。

ふん、いい気味だってもんです。

「どれ、お前の部屋の中はどんな感じなんだ」

「うわっ!?」

突然、エクス君が後ろから部屋に入ってこようとしました。

振り返った私は彼の入室を拒否します。

「駄目。エクス君は入ってこないで」

「?どうしてだ」

「どうしてもこうしても……女性の部屋に許可無しに入ってくるのは駄目だよ!」

ぐいぐいと彼の胸を押して私は部屋の外へ彼を押し出します。

まあ、まだ何の改装もしてないので私の色なんて全く入ってない部屋なんですけどね。

それでも生理的に知り合って間もない男性を部屋に入れたくはありません。

「ちっ……まったく面倒な奴だ」

彼は悪態を吐きつつも、抵抗する事なく大人しく出て行ってくれました。

ふう、これでひとまず安心です。

とにかくこれからこの部屋でしばらく暮らす事になりそうですね。

出来るだけ早く解放されたいものです……。

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