他にもやりたいことがたくさんあって遅れに遅れましたm(_ _)m
引き続き以下の注意事項があります。
①オリジナルキャラ多数追加
②キャラ崩壊
③設定ブレイカー
④パクリ要素
等といった可能性を大いに秘めています。それでも大丈夫という方のみ
ゆっくり読んでいってね~( -∀-)”ノ
数日後、料金徴収所の受付口に『改修工事につき自由通行キャンペーン中』の看板を吊り下げ、必要な荷物をまとめ終えた魔理沙はスネイプの到着を待っていた。
「………待たせたようだな」
「ああ、かなり待ったぜ」
では参ろうか、の声と共に背を向けようとしたスネイプに、すかさず手を差し伸べる魔理沙。
本人としては親子連れを装いたかったらしいが、当のスネイプはそのまま歩き出した。
やって来たのはロンドンの一角にあるパブ『漏れ鍋』
「…ひょっとして、この店のどっかが例の横丁に通じてんのか?」
「左様。ここでは特に話すこともあるまい…」
そう言って通り過ぎようとするスネイプだが……この時魔理沙は何かを感じ取っていた。
それは『気配』………それも邪悪に歪んだ気配。
まるでこっちを監視しているかのようだったという…。
一方その頃、紅魔館では――――――――――――――
「身支度バッチリね、パチェ」
「ったく、面倒だわ。何で私が学生なんか……」
「いいじゃない。案外似合うと思うわよ?」
「フン」
重厚な見た目のスーツケースに荷物を詰め込むパチュリーの姿があった。
教材の類は勿論、何故か制服まで用意されている。
…………出掛けるのは明日なのに。
「にしても、随分と気が早いのね♪」
「出発直前にバタバタしたくないのよ、私は」
「ふ~ん…ところでパチェ、杖が見当たらないようだけど?」
心なしかうずうずしている様子のレミリア。
「そんなの、そこらの枝で代用すれば…」
「ダメダメ、そんなズルしちゃ。バレた時に面倒くさいことになるわ。パチェはあくまで“皆と同じ”に見せないと。だから…はいこれ」
レミリアは懐から1本の杖を取り出し、パチュリーに手渡した。
「……これは?」
「見ての通り、魔法の杖よ。それもこの私、特製のね!」
そう言って踏ん反り返るレミリアを一瞥し、改めて杖に目をやる。
素材は吸血樹、芯は吸血馬の鬣と尻尾の毛…そしてレミリア自身の髪の毛を束ねたもの。
自己主張が過ぎる…………パチュリーはそれ以外の感想が出てこない。
とはいえ杖としては普通に上等な出来ばえなのに加え、振るってみても特に違和感を感じない。
「………なんか、気持ち悪いくらい馴染んでるんだけど」
「当たり前じゃない。これは私とパチェの友情の証だからね!」
「関係あるのかしら…?まぁいいわ」
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
場所を戻して、ダイアゴン横丁――――――――――――――
グリンゴッツ魔法銀行の貸金庫の契約を済ませ、必要な買い物も全て終えて、スネイプと魔理沙はとある小料理屋で一息ついていた。
「…スネイプ“せんせ”、どうしたんだい?思いつめたような顔しちゃって」
「……………………」
スネイプが複雑な表情なのも無理はない。
何故なら、彼女の言動に終始振り回されたからである。
グリンゴッツでは、当たり前のように帽子からピンクダイヤモンドを取り出して換金しようとし(受付のゴブリンがショックで椅子から転げ落ちた)、かと思えば学生服を卒業年度の分までまとめ買いしようとしたり……………………………
挙句の果てにはオリバンダーの店で、多くの魔法使いを聖マンゴ院送りにしたという曰く付きの杖にどういうわけか認められた(ゴムの木とスフィンクスの髪の毛)という。
スネイプはもう、今日1日で一生分の奇跡を見たんじゃないかという錯覚を覚えていた。
それくらい、メリッサ・ミスト・マクミランは一線を越えた存在である。
にもかかわらず、当の本人はケロッとしており………
「調子悪いんだったら、何時でも言ってくれよな。これでも頼りになるぜ、スネイプせ~んせ?」
それどころかこんな軽口を叩く始末。
そのせいか………彼の中で何かが変わったのか、はたまた崩壊したのか……
「…なに、心配無用さ“メルちゃん”」
苦笑いに合わなすぎる一言を
「よかったぁ、“私ぃ、せんせがいなくちゃ、生きていけないのぉ!!”」
そして魔理沙も魔理沙でラブロマンスのヒロインの様な雰囲気全開でスネイプに飛び付こうとした。
スネイプは今までの緩慢な動きが嘘のように素早く躱したものの………
「あの~、お楽しみのところ悪いんですが……騒ぐなら店の外でやってもらえませんか ス ネ イ プ せ ん せ い ?」
店長の注意喚起がジャストミート。
そしてふと下を見れば、床に這いつくばりながらニシシと意地悪い笑みを浮かべるメリッサの姿が。
自分が遊ばれていたことを悟ったスネイプは 失礼 の一言と共に、顔を真っ赤にしながら足早に店をあとにする。
「そんな怒んないでくれよスネイプせんせ、先に振ってきたのはそっちだろう?」
だからこそ余計に恥ずかしいのである。
「あそーそーところでさ、あの『ノクターン横丁』ってのは何なんだ?」
薄暗い路地を指さしながら問いかけてくる魔理沙。
「………一言で言ってしまえば、魔法界の闇の部分が集まってできた地…とでもいうべきかな?」
「ほ~う?早い話が、『禁制品の宝庫』ってな感じなのか?」
「そうとも言えるだろうな。闇の魔術に関する資料が多々あると聞く……だが同時に、掘り出し物もそれなりに存在している…というのも事実だ」
「…ほほぅ」
魔理沙は“掘り出し物”というワードに異常なほど食いついてきた。
「…警告しておくが、そういった物に手を出したことが判明すれば退学処分も検討せねばならんので、あしからず」
「分かってるって!せんせは心配性だな~」
相変わらず軽口の減らない魔理沙。
その様子にいちもつの不安を感じたのは間違いではないだろう……。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
そしてついに、登校日を迎えた。
魔理沙は遅刻しないようにと『漏れ鍋』で一泊しており、しかも7時に起きて9時にはすっかり準備を終えていたのである。
「うっし、ちと早いけど出掛けっか!」
意気揚々と『漏れ鍋』をあとにした魔理沙は、スネイプから事前に聞いたキングス・クロス駅を目指して歩き出した。
「え~っと、9と3/4番線はっと……」
スネイプから教わった通りに9番線と10番線の間の柱をくぐり、無事にホームへと到着した。
ほぼ同時刻、紅魔館――――――――――――――
「いってらっしゃい、パチェ」
「いってらっしゃいませ、パチュリー様」
「…………いってきます」
投げ槍気味の乾いた一声と共に、パチュリーはホグワーツ特急のホームへ移動。
因みにパチュリーの使う移動魔法は“姿くらまし/姿あらわし”とは異なるものであるため、当然ながら監視の目は皆無である。
魔理沙side ――――――――――――――
発車前の客室で魔理沙がくつろいでいると、とある人物がやってきた。
「突然押しかけて済まない。相席してもいいかな?なかなか空いてる席が見つからなくてね」
「ああ、別にいいぜ」
金髪の少年は魔理沙の返事を聞いて安堵した顔になると、彼の後ろで待機していた2人組と一緒に入ってきた。
「僕はドラコ。ドラコ・マルフォイだ。あ~…僕の連れがデカいから、ちょっと狭くなりそうだな」
ドラコは連れの2人、クラッブとゴイルを見つつそう言ったが、魔理沙は気にも留めずに彼らを受け入れた。
「私はメリッサ、メリッサ・ミスト・マクミラン。以後よろしく!」
「あ、あぁ…こちらこそ」
急に男友達みたいな感じで自己紹介をしてきた魔理沙に、少々戸惑い気味になるドラコ。
しかし、その後は割と直ぐに打ち解け、思い切り談笑するまでの仲となっていた。
これから彼らに、数奇なる運命がやって来るとは…この時はまだ知る由もなかった。
一方その頃、パチュリーは――――――――――――――
「へ~、ノーレッジ……『知識』か。ってことはもしかしたらレイブンクローに入るのかな?」
「さぁね」
偶然にもハリー・ポッターとロン・ウィーズリーの2人組(※ネクサスから聞かされた『この世界の主人公』+1)と相席することとなり、本を読む片手間にそばに置かれたお菓子に手をつけたり2人の会話に適当に参加したりして過ごしている。
「…あ!この百味ビーンズ、ミルクチョコ味だわ」
「ええ!?そんな味あったっけ?いいな~」
「そうそうハリー、これ確かブルーベリー味よ。ホラ」
「おっと……あ、ホントだ。これは普通においしい」
「あそうそう、ロン。あなたさっき鼻くそ味がどうたら言ってたけど、腐った卵や犬のヨダレなんかもあるらしいから注意した方が良いわよ」
「ウェ、そんなのも混じってるの!?何かヤダな…」
こんなやり取りが続いていたその時、
「ねぇ、誰かヒキガエルを見なかった?相席の子のペットが逃げちゃったのよ」
いきなり入ってきて図々しい物言いをする彼女は、ハーマイオニー・グレンジャー。
これから苦楽を共にするであろう3人が初接触したのを見て、パチュリーは少しだけ今後のプランをおさらいしておくことに。
ネクサスのレクリエーションプランには彼女について“1年次の
変に付きまとわれるのも面倒なので彼女とは距離を置いておこう、そう考えて意識を戻せば、どうやらロンが魔法を1つ披露する流れになったらしい。
「ん゛んっ…『お日様 雛菊 とろけたバター このデブネズミを黄色に変えよ』!」
杖から弱い光線のようなものがロンのネズミ(名前はスキャバース)に当たったものの、特に変化なし。
レクリエーションプランにて、最初からインチキ呪文と知っていたパチュリーは、ロンのことを少し不憫に思った。
「…その呪文本当にあってるの?何も起こらないみたいだけど」
「っ!そ、そういう君はどうなんだよ!」
飽きれと見下しが混ざったような顔のハーマイオニーに顔を赤く染めて食って掛かるロン。
「私もまだ簡単な呪文しか試してないわ。例えばそうね……『オキュラス・レパーロ』!」
ハーマイオニーがハリーの眼鏡(丁番部分が壊れており、テンプルをセロテープで固定している)に杖を向けて呪文を唱えると、あっという間に眼鏡が新品に近い状態にまで修復されたのである。
とここで、ハーマイオニーはパチュリーの方を向くと、
「で、そこのあなたは?使える呪文あるの?」
「……それよりあなた、ヒキガエルを探さなくていいわけ?後ろの子も困ってるじゃない」
「あっ」
「ったく、しょうがないわね。で、そのヒキガエルの名前は?」
「え?あぁ、名前はトレバーっていうみたい」
「それじゃ………『
パチュリーが呪文を唱えると、凄まじい力で引っ張られたかのように1匹のヒキガエルがパチュリーの手元目掛けて飛んできた。
「トレバー!よかったぁ…」
「ところで、あなた名前は?」
「あ……忘れてた。ぼ、僕はネビル。ネビル・ロングボトム………」
ネビル・ロングボトム――――――『この世界の主人公』と同じ日に生まれ、ある意味この中で最も不憫な運命を歩んでいる少年――――――彼には肩入れした方が良いかも…などとパチュリーは思考を巡らせた。
そんなパチュリーの静寂を破ったのは、またしてもハーマイオニー。
「ねぇちょっと!何したの一体!?」
「『呼び寄せ呪文』よ。まぁもっとも、4年生で習う魔法だけど…」
それなら何故知ってるんだ、とパチュリー以外の全員が思ったのは言うまでもない。
「……そろそろホグワーツに着くわね」
「あれ、どこ行くのパチュリー?」
「制服に着替えるのよ」
「あ!そうか…」
「それじゃ、私は適当に着替えてくる。頃合いを見てノックするから」
そう言って個室から出たパチュリーだが、実のところ彼女が個室を出る必要は全くない。
魔法を使えば一瞬で着替えられるのである。
では何故わざわざ個室を出たかと言えば……………
「………レミィ、聞こえるかしら?」
『勿論、よく聞こえるわ』
まさかの紅魔館へ通信テストである。
魔法で透明化されているが、パチュリーの左耳には初めから超小型のインカムが付いていた。
当然ながらこれもネクサスがらみであり、「手持無沙汰になったらコレでも作ってみ」と言って置いていったのがインカムの設計図。
科学分野は不得手という理由で当初パチュリーは難色を示していたが、「情報共有は大事」というレミリアの指摘もあり、結局作らされる羽目になったのである。
「ったく、何で私がこんなものを…」
『言っても始まらないでしょパチェ。“例の車”の件もあるんだから、これくらいで音を上げてたら、お先真っ暗よ?』
「分かってるわよ。それより報告があるわ」
『?』
「偶然にも“主人公”と接触できたの。今後は彼らと、つかず離れずで付き合っていく予定よ」
『へぇ……運がいいわね。取り敢えず付き合い方はそれでいいと思うわ。彼等の“運命”は、いじるべきじゃないから』
「それは“運命”の答え?それともあなたの勘?」
『前者に決まってるじゃない。私を誰だと思ってるの?』
「ハァ…それじゃそろそろ切るわ」
インカム越しでもドヤ顔してるのが丸わかりなレミリアのセリフに軽く辟易しながら、パチュリーは通信を終了させて個室に戻った。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「イッチ年生!イッチ年生はこっちだァ!」
汽車を降りると、そこには毛むくじゃらな大柄の男がランプ片手に声を張り上げている。
ルビウス・ハグリッド…ホグワーツの森番にしてハリーの“親友”…
パチュリーは彼を確認するなり、軽く情報整理を行う。
そして小舟に乗る際、パチュリーはマルフォイ、魔理沙はハリー達と相乗りすることとなった。
<パチュリーside>
「へ~
「よく言われるわ…」
パチュリーは本に目を通しつつ、適度にドラコの会話に対応している。
「ところでパチュリー、さっきから読んでるその本は何だい?」
「『究極の変身魔法大全』って本よ。見ての通りもうボロボロだから買い替えようかと思ってるんだけど…何処にも売ってないのよね」
ドラコは只々目をパチクリさせるだけであった。
一方その頃、魔理沙は――――――
「おいロン!話すどころか顔を見てすらいない奴に悪口抜かすのはどうかと思うぜ?」
自身の向かいに座ったロンに説教していた。
きっかけは魔理沙がドラコと相席になったことを話した時、反射的にロンが所謂“反マルフォイ論”を展開し始めたことにある。
「どうせお前、親から聞いた悪口を鵜呑みにしてるだけだろ?ハッキリ言うけどそれ、そこらのワルより質悪いからな」
「………………………………」
「ついでだからもっとハッキリ言うけどなぁ、今のお前の発言、『犯罪者の子は犯罪者』って言ってるのと同じだぜ?親が犯罪者だからって、子供にゃ何の罪もないだろう。大体、子供は親を選べないんだからな!」
「…………な、なんかゴメン」
「まぁ兎に角だ。ドラコはプライド高いが故に上から目線発言やら自慢話やらが多いけど、普通に仲間思いで気遣いもできる良いヤツだぞ?」
こんな感じでボートに乗ってる間中ずっとハリー達と魔理沙は険悪ムードのままであった。
ボートから降りた新入生一行は、石レンガでできた外階段をのぼっていく。
しかし、ホグワーツに向かって伸びる石階段はいたるところに苔が生えており、皆足元に注意しながら歩を進める。
この状況にドラコが不満を漏らす一方で――――――
「……ねぇパチュリー、大丈夫なの?」
「何が?」
「いやその……本読んだまま歩いて、転ばないのかなって………」
「気にしないで、いつものことだから」
「いつもって………」
それはそれで心配になるんだけど!?と心の中で叫んだロン。
しかしパチュリー本人はどこ吹く風。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
そして何事もなくホグワーツに到着。
校内の階段を上った先では、ホグワーツの副校長兼グリフィンドール寮監のマクゴナガル先生が待っていた。
寮や学則に関する説明を受ける中、異様に緊張した様子のハーマイオニーがパチュリーの目にとまる。
「ハーマイオニー…何してるの?」
「……ねぇパチュリー、この後…どんな試験があると思う?」
「…は?何よ試験って、そんなものあるわけないじゃない」
「ええ!?だってさっき上級生から……」
「出まかせに決まってるじゃない。皆がみんな魔法の知識があるとは限らないんだから……」
私より世間知らずとは思わなかった――――――それがパチュリーの感想である。
大扉をくぐると、そこは大広間。
天井には魔法がかけられており、星空が映し出されている。
そしてそれを誰に伝えるわけでもないのに、誰かに教えてる感満載の独り言をつぶやくハーマイオニー。
それを見たパチュリーは本気で彼女の将来が心配になってしまった。
新入生たちが進む先には椅子が1つ。
その上には見るからに古びた帽子が置かれていた。
椅子の前まで来るとマクゴナガル先生が再び口を開く。
「皆さんにはこれから、先ほど説明した寮に分かれることになりますがその前に、ダンブルドア校長からお話があります」
続いて口を開いたのは半月眼鏡に長い白髪と顎髭をたくわえた老人――――――ホグワーツ校長アルバス・ダンブルドア。
「ではワシの方から、注意事項を話しておこう。1年生の諸君、学校の外の森は立ち入り禁止じゃ。決して入ってはならぬ」
――――――ハグリッドが管理を任されている森…今後なにかと世話になる予定ね
ダンブルドアの言葉を聞きつつ、情報の整理に勤しむパチュリー。
「それから、管理人のMr.フィルチからも注意事項がある。3階右側の廊下には立ち入らんこと…そこには恐ろしい苦しみと死が待っておる。以上だ」
――――――その廊下の先に“賢者の石”っと………
「名前を呼ばれた生徒は前に出てきてください。この帽子があなた達に適した寮を決めますから」
マクゴナガル先生が名前を読み上げ始めたが……特にABC順とか言う感じでもないらしい。
恐らく入学可能な人を判明した順にリスト化したのだろう。
「パチュリー・ノーレッジ」
そうこうしているうちにパチュリーの番となり、前に出ると…………
「Ms.ノーレッジ、その本は組分けとは関係ないでしょう。組分けが終わるまでは、私が預かっておきます」
「あ、はい。どうぞ…」
パチュリーはマクゴナガル先生に本を手渡すと、そそくさと席に座り自ら帽子をかぶった。
『ん?お前さん、ここに来るような年ではないだろう?何故ここに?』
(…入学許可の手紙を貰ったからよ。文句あるの?)
そういえば年齢詐称のことすっかり忘れてた、とパチュリーは軽く後悔するも、すぐに開き直った。
(というか、後が詰まってるんだから早く決めてくれないかしら?)
『ウム、そうしたいのだが………難しいな』
(難しい?)
『博識なことは勿論だが、何物も恐れぬ勇敢さと目的のためなら手段を選ばない狡猾さ、そして膨大な知識とそれをもってなお輝き続ける探求心、それと同時に優しさも……一体どれが優れているのやら』
(…ならどうするの?)
『どうしたものか……お前さん、入りたい寮はあるのかね?』
(あら、私が決めていいの?そうね……レイブンクローは論外として、スリザリンもハッフルパフも合いそうにないし………となると消去法でグリフィンドールね)
「よろしい、では……グリフィンドール!!」
自分の組分けが終わり、パチュリーはそそくさと椅子から離れてマクゴナガル先生に預けた本を受け取ろうとしたのだが――――――
「………あの、マクゴナガル先生?」
「み、Ms.ノーレッジ!こ、この本…一体何処で?」
ここにきて更なるミス…この世界の常識の範疇を軽く超えた書物を持ち込んでしまったことに気付いたパチュリー。
―――――こうして彼女は、考えるのを止めることにした。
「どこって…家の本棚にあったのを適当に持ってきただけですけど?」
「も、申し訳ありませんがMs.ノーレッジ、この本を……3日ほど貸してはいただけないでしょうか?」
「3日…分かりました。3日ですからね、私も途中までしか読んでないので」
「勿論です!感謝しますノーレッジ!!」
さっきまでの“カッチリした大人”の雰囲気は何処へやら、まるで子供のように喜びをあらわにするマクゴナガル先生に、いちもつの不安を覚えるパチュリーであった。
その後は淡々と組分けは続き―――――
「メリッサ・マクミラン」
魔理沙の番となり、やっとかと言わんばかりに軽く溜息をつく。
『………ムゥ、これもまた難しい……』
(ハァ!?何がだよ?)
『どの寮がふさわしいのか……』
(おいおい、早いとこ決めてくれないか。お~い)
『早くしたいのはやまやまだが、難しくてな…』
(難しい?)
『あぁ、先ほどのパチュリー・ノーレッジと同じような感じだ』
(パチュリー・ノーレッジと?ますます分からん)
『要するに、君は彼女と同じく知識を求め続ける探求心や勇敢さ、手段を選ばない狡猾さ、そして優しさも持ち合わせている』
(ほほう)
『だが似ているようで、違いもある。これがまた表現しづらい…』
(???)
『つまりだな…互いが互いに影響を与え合っているのだ。ある時は混ざり合い、ある時は絡み合い、またある時はお互いを支え合う。もうこれ以上の表現方法が思いつかんよ』
(…で、結局どこに行けばいいんだよ?)
『……逆に君に問いたい。君には、入りたい寮はあるかね?』
(はぁ!?自分で決めていいのかよ!?)
『いいもなにも、全てを私が決めるわけではない。時には君のような、何処とも決め難い才覚の持ち主はこれまでもいた。であるからして、時には個人の意見も尊重する必要があるのだよ』
(あるのだよ、じゃねーよ!どうすんだよ何も考えてないぞ!!)
『う~む…では、グリフィンドールなどはどうかね?君のような言いたいことをハッキリ言える子には合う気がするのだが…』
(勘弁してくれよ。騎士道だか何だか知らないが、ありゃどう見ても野蛮人の集まりじゃん!あんなとこ入れねーよ!)
『では、スリザリンはどうかね?』
(…なんつーか、全体的に重苦しいし薄暗いのがなぁ)
『それでは、レイブンクローか…』
(あれは単に頭いいだけの連中だろ?どうせ『君のせいで授業が遅れてるんだもう学校に来ないでくれ』的なこと言われそうじゃん)
『ふむ…………』
しばしの沈黙。
それを破ったのは魔理沙。
(…おい、何時まで黙ってる気だよ?)
『それができないから今も悩んでいるのだが………』
(なら勘でもいいから早くしてくれよ)
『いやいや、流石に勘で決めるというのは……』
(じゃどうすんだよ!)
『むぅ…………』
(…まただんまりかよ、オイ)
『そうは言われてもな……本当に難しいのだよ』
(もう何でもいいから早くしてくれ!私はそんなに気長じゃないんでね!)
『……………………仕方あるまい。かくなる上は……』
(ん?)
この時、組分け帽子はある決断をする。
それは…………まさに前代未聞。
今まで―――――当てずっぽう―――――で組分けなど、今までなかったこと。
だか、今回ばかりはやむを得なかった。
帽子は自分の中でそのように正当化し、そして高らかに叫ぶ。
「スリザリン!」
「おっそい上にうるせェよこのすっとこアホ帽子がァ!!」
叫んだ魔理沙は組分け帽子を床に思い切り叩きつけた。
そのままドスドスと怪獣歩きでスリザリンの席へ。
この色々と予想外の事態に、メリッサがスリザリンに選ばれたら盛大に歓迎しようと思っていたドラコも固まったまま動けなかった。
因みにその後の組分けは概ね順調に進み、宴と続いてこの日は解散となった。
果たして“部外者2人”が紛れたことで、この世界はどう変わるのだろうか……………………
次回予告
奴の目論見通りの寮に配属された2人
のっけからパチュリーは頭角を現し、魔理沙はスネイプにベッタリ
同時に“とある計画”も始動する…!
次回「初めての授業でてんやわんや!?」