外伝 黒潮改二
「黒潮。改造、終わりましたよ」
明石はんに呼ばれて意識が目覚める。ベットから体を起こして自分の体を確認する。
「調子はどうですか? 艤装に不具合とかは?」
「うーん……今のところ大丈夫やと思います。実戦で動かしてみんとようわかりませんが……」
「まぁ、そうですよね。……しかし、黒潮、美人さんになりましたねぇ。はい、これ見てください」
明石はんがそう言って渡してきた手鏡を覗き込むと……ホンマやなぁ。自分で言うんもなんやけど、気持ち以上に綺麗になっとる。これが……改二になることなんやろか? でも、陽炎も不知火も綺麗になっとったし、そんなもんなやろなぁ。
「手袋、陽炎や不知火とお揃いにはしなかったんですね。髪飾りは……あれ、親潮と同じものですか?」
「んー、あー、陽炎と不知火ってペア言うか、二人で一組みたいな感じがしますやん。それで、ウチは親潮とペアなるんも良いかなぁ思ったんですわ」
「そうなんですか……。さ、取り敢えず皆さんに顔見せしてきてください。後は、艤装の動作確認のために近海への出撃とレポートの提出も、忘れないでくださいね」
「わかっとりますわ。それじゃ明石はん、ありがとうございました」
明石はんに頭を下げ、ウチは工廠から出る。すると、外で待っとった姉妹達に一斉に取り囲まれてしもうた。
「黒潮、改二おめでとう! なによ、綺麗になっちゃって」
「おめでとうございます黒潮。これで、私達三人、お揃いですね」
「ホンマやなぁ。これで、やっとウチも二人に追いつけたで」
先頭を切って抱き着いてきた陽炎と、そのすぐ後ろから話しかけてきた不知火。これで、やっとウチも二人に追いつけた。これで、二人だけに負担を強いる事はなくなったで。
「黒潮さん、おめでとうございます。私も……すぐに追いついてみせますよ」
「いやぁ、同じチンチクリンどうしだと思ってたのに、改二になって綺麗になっちゃったねぇ。羨ましいよ黒潮」
「親潮もすぐに追いつけると思うで。ってか谷風。何気にそんなん考えとったんかいな。ヒドイなぁ」
更にその後ろから親潮と谷風にも声をかけられる。そこまではまぁ良かったんやけど。更に後から後から妹たちに声をかけられると流石に反応しきれん。妹が多すぎるんもこういう時は困ってまうわ。
「はい、全員その辺にしましょう。黒潮も、艤装チェックのための出撃がありますし、その準備に取り掛かりましょうか」
不知火がそう言って場を収めてくれて助かったわ。陽炎もウチから離れてくれたし……さぁ、出撃や。艤装に不備があったらアカンからな。