妹たちと別れたウチは、陽炎、不知火の二人と一緒に近海へ出撃した。この辺なら強力な敵も出てこんし、艤装の試運転にはもってこいや。実際、陽炎も不知火も、ここで艤装のチェックの出撃をしとるしな。
「お、敵が居たわよ。二人とも、準備は大丈夫ね?」
「勿論です。さぁ、行きましょう黒潮」
「こっちもOKや。いくでー」
遭遇した敵艦隊に向けて、ウチらは攻撃を仕掛ける。敵はイ級が3体だけ、今の陽炎と不知火なら一人で戦っても余裕で勝てる相手や。やからウチにとっても余裕よゆ……おお!?
「お、おわー!?」
主砲で攻撃したら思ったら、思いのほか反動が強くて、思わず後ろにこけそうになる。でも、ウチが倒れる事はなかったわ。いつの間にか後ろにおった不知火が支えてくれとった。
「大丈夫ですか、黒潮?」
「おお、スマン不知火。思いのほか反動が大きかったわ」
「不知火もその経験はあるのでわかります。ですが使っているうちに慣れると思いますので、今は遠慮なく攻撃してください。不知火が後ろで支えておきますから」
そう言って不知火はウチの肩と腰に手を押し当てて、支えようとしてくれる。ウチもそれに応え、今度は腰を下げつつ……今や!
「いくでー!」
反動を不知火に支えられつつ耐え、敵を攻撃する。攻撃は無事に命中した上に、一発で敵を轟沈させおった。おお、思った以上に強うなっとるかもしれへん。
「やるじゃないのくろし……ちょっと不知火。姿が見えないと思ったら何やってるの」
「黒潮が反動でバランスを崩さないように支えています。それより陽炎、前を見て集中してください」
「ん? おっと!? まったく、邪魔するんじゃないわよ!」
不知火に注意された陽炎が寸での所で敵の攻撃を回避して、即座に魚雷を叩き込んどる。流石にええ反応速度や。
「まったく……って、あー、敵全部沈めちゃったわね。どうしよう」
「あー……ホンマやなぁ。流石に主砲二発撃っただけじゃレポートは書けへんで」
気付いたら敵は全部沈んで、当たりは静かになっとった。
「仕方がないですね、先に進んで他の敵を倒しましょうか。黒潮、走行のほうは大丈夫ですか?」
「そっちは問題ないで。まぁ、早なった分、ちょっと注意する必要はありそうやけど」
「そう。それじゃぁ行くわよ。なんか変調があったらちゃんと言いなさい」
そう言って陽炎が滑り出し、それに不知火とウチも付いていく。さて、次はちゃんとせんとな。しっかし、こうして三人だけで走っとると、昔を思い出すで。
(あの頃は、まだ艦娘も少なくて、ウチらはよう前線行っとったなぁ)
あの頃に比べたらウチが前線に行く機会は滅多に無くなっとった。陽炎と不知火が改二になって置いてかれとったが、これで追いつけたで。
「さぁ次の敵を見つけたわよ。黒潮、ちゃんとやってね」
「勿論や。さぁ、いくでー」