夕立の部屋に着いたあたしは、夕立に無理に部屋の中に入れられる。
「もう、何するのさ夕立! ああいう態度は失礼……うわあ!」
あたしが起こるよりも先に夕立はあたしをベッドに押し倒した馬乗りになってくる。ちょ、ど、どうなってるの!?
「白露は夕立達のお姉さんっぽい! 黒潮に取られたりなんかしたくないっぽい!」
「だ、だから黒潮とはもうそういう事は……!」
「うそっぽい! 信用できないっぽい! だから……白露にわからせる!」
そう叫ぶと夕立はあたしの制服のボタンを無理やり外して、はだけた胸に顔をこすりつけてくる。
「ちょ! 夕立、くすぐったい! くすぐったいよお!」
「白露は絶対に渡さないっぽい!」
ちょっ、あたしの声聞いてよお! 大体、あたしを渡さないからって行動の意味がわからないよぉ。
「ゆ、夕立! 白露! 何してるのさ! 扉を開けたままこんな……!」
不意に声が聞こえたと思ったら、時雨が驚いた顔で扉の前に立ってた。た、助かった。
「時雨助けて! 夕立がわけわかんない事言い出して暴走してるんだよお!」
「時雨! 手伝うっぽい! 白露がまた黒潮に手籠めにされそうになったから、マーキングするっぽい!」
あたしたちが同時に助けを求めると、時雨の顔が途端に笑顔になって、後ろ手で扉を閉めて鍵をかける音が聞こえた。
「そうなんだ……だめだよ白露。白露は僕達のお姉ちゃんなんだから……黒潮に手籠めにされたらだめだよ」
「ちょっ! 時雨まで何言って……うわああああ!?」
時雨まであたしに近づいてきたと思うと、体を擦り付けてくる。夕立も一緒に擦り付けてきて、暑いやら重苦しいやらでもうわけわかんないよお!
「こうして二人の匂いを擦り付けるっぽい。そうしたら白露は夕立達のものだって誰でもわかるっぽい」
「そうだね。白露は僕たちのものなんだ。僕たちのお姉ちゃんなんだ。だから絶対に渡さない。黒潮に渡したりなんてするものか」
「そ、そんな勝手な理屈……く、くすぐったいよ~~!」
あたしの抗議に耳も貸さず、二人はひたすらあたしに体を擦り付けていく。それは徐々に激しくなっていき、はだけた胸だけじゃなくてお腹にも、腕にも、足にも、自分の匂いを擦り付けるように、体をこすりつけて……んん!?
「ん……白露のお肌……おいしいっぽい……」
「うん……本当だね……」
って、ちょ、何舐めてるのさ!
「ちょっと! 何してるの二人とも!」
「こうしたほうが夕立達の匂いを擦り付けれるっぽい……」
「うん。だからこれから……もっと舐めるよ」
そう言って二人は更に舌を這わせて来る。も……もう……いい加減にしろー!
「いい加減に……しろー!」
「ワワッ!」
「ぽいッ!」
あたしはがむしゃらに暴れて二人を引きはがすと、その脳天に拳を落とした。
「痛ッ!」
「ぽいッ!」
「二人とも、いくら妹だからってやっていい限度っていうのがあるんだからね! あたしもう本気で怒ったから! しばらく二人とは口をきかない!」
そう言って、あたしは二人が何か言うよりも早く部屋を飛び出した。