IS Heroes   作:D1198

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プロローグ


親友?

 

あぁ居るよ。

 

胸を張って言える奴が一人。

 

 

 

そうだな……

 

そいつと初めて会った時の印象は特になかったかな。

 

どこにでも居そうな普通の少年だった。

 

けれど、そのうち変な奴だと思うようになった。

 

一時、理解出来ないとまで考えた。

 

でも今は凄い、と掛け値無しにそう思う。

 

勇猛、壮大、英傑、雄大、威風堂々、偉大、そう言った言葉をどれだけ費やしても足りない、そんな奴だ。

 

 

 

あいつとは色々やった。

 

喧嘩もしたし馬鹿もやった。

 

良くあの人や、周囲の人達に怒られたよ。

 

だけども、そんなあいつと共に過ごした時間は、今では掛け替えのない大切な思い出。

 

言いきっても良い。

 

あいつと共にあった事、今ある事を誇りに思う。

 

決して忘れる事は無い。

 

 

この辺は適度に丸めてくれ。

 

あいつが聞いたら調子に乗る。

 

あぁ、親友と言うより相棒かな。

 

少なくとも俺らはそう思っている。

 

 

 

 

……すまない、あいつが呼んでいる、もう行かないと。

 

 

 

あいつの名前?

 

 

 

それは―

 

 

 

 

 

 

 

HEROES

 

 

 

 

 

 

 

 伊豆半島南端、石廊崎から南へ約40km。神津島近海。洋上より1.2km。時刻は18時24分。太陽が空と雲を赤紫色に照らすその幻想的なキリングゾーンに俺達は居た。

 

 

「一夏! そっち行ったぞ!」

 

 銀色のISを狩り損ねた俺は一夏に向かって叫んだ。バーニア全開で次第に青から黒くなりつつある海と銀色の背中と白いISを視界にとらえる。奴まで約800m、俺は撃ち出した14発全弾を奴の背中にだけ当て牽制をする。

 

「うぉぉぉぉぉ!」

 

 右手に持つ蒼銀の剣をかざし一夏は奴との距離を一気に詰めた。俺は直ぐさま空を切った一夏を狙う奴の頭を狙撃し援護する。

 

「ちくしょうめ! しぶとすぎだぜ!」

 

 最大速力で奴との距離をとった一夏が吐き捨てた。一夏と俺は中央に奴を見据えながららせんに距離を維持する。

 

「豆鉄砲じゃ奴への牽制がせいぜいか! くそ!」

 

 俺も堪らず悪態をつく。愛機の「みや」がアサルトライフルG3SGI/1の残弾が残り1カートリッジ(20発)と警告してきた。俺が奴の足を止め一夏が必殺の一撃を放つ。もう幾度となく繰り返したが、奴を捕らえる事が未だ出来ていない。原因は俺だ。足止めするのに必要な火力が不足しているのだ。一夏と合流前にアーマーピアシング弾(20mm)使い切ってしまった事が悔やまれてならない。自分の迂闊さが恨めしい。

 

「どうする真! このままじゃジリ貧だぜ!」

 

 奴の攻撃をどうにか躱しつつ一夏が俺の焦りを代弁してきた。みやが示す僚機ステータスを見ると白式のエネルギーは既に4割を切っている。一夏の言うとおりこのまま続ければ2人ともやられる事は明白だ。更に日没までもう時間が無い。俺は兵装一覧のそれと洋上をちらと一瞥した。俺の意図を察したみやが情報を補完してくる。俺は腹を決めた。

 

「一夏! 仕掛けるぞ!」

 

 

 俺らは全力で海面に向かっていた。後方の奴をHセンサーで捕らえながら、海面で俺が隙を作る、と一夏にそれだけを伝える。一夏は軽く頷いて離脱した。

 

 急に視界が黒い海で狭くなる。海面に立った俺はみやに黒釘(120mmカノン)を量子展開させる。あざ笑うかのように奴は頭上から致死の雫を浴びせてきた。幾つもの衝撃と水柱の中、俺はそれに構わず狙いを定めた。今は一夏が居る事を奴は忘れている。

 

 有頂天の奴を一夏が切りつけ、その怯みに通常弾(APFSDS)を見舞った。俺の持つ最大級の攻撃だ。轟音と閃光が一瞬辺りを支配し弾は奴を掠めた。ダメージは殆ど無いだろうが、それで十分。奴はこいつの威力を知った。餌は完璧。

 

「おいおい、あれだけ激しくした相手に冷たくねーか? つれないねぇお嬢さん」

 

 俺のぼやきを聞いたか銀のISが俺に急接近してくる。同じ無視できない攻撃力ならば死に体の俺を先に仕留めるか、正しい判断だ。だがそいつが命取りだぜ。

 

 奴は上空から海と空の極で方向を変え、一気に距離を詰めてくる。奴を静かに見据え黒釘を構えると、みやが特殊弾の装填完了を告げた。俺が躱しきれない距離まで近づいた奴はその死の翼を広げ形容できない不気味な声を上げた。きっと奴は俺を捕らえたと確信したのだろう、けどな。その瞬間奴の足下で水柱が爆発的に立った。ありったけのグレネードをリモート爆発させたのだ。この辺は適度に浅瀬でな、仕掛けは容易かったぜ。

 

 飛沫に巻かれた奴が逃げようとするがもう遅い。

 

「覚えとけ、水は案外重い」

 

 自由が効かない奴を捕らえ俺は引き金を引いた。今度は正真正銘、最大火力だ。発射された特殊弾頭は空気と水を励起させながらコンマ秒で奴に達しその力を一瞬封じる。それで十分だ!

 

「やれぇぇぇぇ! いちかぁぁーーーー!」

「今度は外さねぇぇぇーーーーー!!!」

 

 俺の叫びを合図に、閃光の如く一夏がその力を奴に解き放った。




ある程度まとめてから修正と思ったのですが、ひらめきました。
尚、エー○ンツッコミご容赦お願いします。
ネタバレせずに、掴み、話全体をイメージ出来るような導入を目指したところこうなりまして。
冒頭で戦闘シーンにつなげられると思うのですが、どうでしょうか。
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