真剣でKUKIに恋しなさい!   作:chemi

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12話『初体験』

 

 

「誘われるまま来てしまいました……」

 

 由紀江は、高くそびえる九鬼極東本部のビルを見上げながら呟く。左手に刀、右手に紙袋。その中身は、ここへ来る前に買っておいた仲吉の葛餅である。

 

『てか、やべぇ……ここ、ラスボス級の闘気が渦巻いてるべ』

 

 立ち止った反動で、ポケットから出ているストラップの松風がブラブラと揺れている。由紀江の服装は学生服ではなく、私服――なぜなら、今日は学生にとっての休息日、日曜だからである。

 昨夜、由紀江が父宛の手紙をしたためている途中、携帯が震えだしたのだ。恐る恐る開いて、画面を確認すると、そこには李静初からのメール。

 内容は、もし明日時間があれば、私の所へ遊びに来ないか、というものだった。

 風間ファミリーとは、ゴールデンウィークに旅行。そして、その次の週にはこのお誘いである。

 隕石が落下してくるかもしれない、私の頭の上に。由紀江は、画面に映る本文を読みながら思ったものだった。

 

『サクヤヒメも大胆な提案してくれるよなー。極東本部に来いなんて……初の友達の家がこことか、色んな意味でやばい気がするのはオイラだけ?』

「ですが、せっかくのお誘い! 友達0だった私が断れるでしょうか!? いえ、断れません!!」

 

 由紀江は一人力説する。わざわざ反語まで用いていた。

 そして、何気に『0だった』という部分に感激する北陸娘。友達の数は、征士郎と李、そして伊予に加え、風間ファミリーの8人で、大台であった二桁にのっている。

 電話帳を開けば、それを何度でも確認でき、あまりに順調すぎて怖いぐらいであった。

 しかし、彼女の目標は壮大である。何しろ、友達100人だからだ。

 今までの由紀江なら、その目標はただの夢に近いものだった。だが、ここに立つ彼女は、僅かだが達成できるかもしれないという希望を持ち始めていた。

 

『まゆっち、お前ならできるさ……会長の言葉を思い出すんだ』

 

 松風も由紀江を応援する。

 

「はい、松風! それでは、黛――」

 

 由紀江推して参ります、と続けようとしたところで、声がかかった。

 

「おーい! そこの不審人物。本部前で、あんま一人でぶつくさ言ってると、問答無用で連行していくぞ!」

 

 由紀江の肩がびくりと震え、ゆっくりと声のする方へと顔を向ける。

 

(笑顔、笑顔で接しなければ……)

 

 由紀江の頭の中に、笑顔の文字が次から次へと溢れ出て来る。

 

「ヘイ! んなメンチ切ることないぜ……お前が黛由紀江だな? 李から話は聞いてる」

 

 ステイシーが自身の名を語り、由紀江へと握手を求める。無邪気さを感じさせる笑顔だった。

 由紀江は慌てて荷物を左手に持ち替え、右手を差し出す。そこからは、ステイシーが勝手に手をとり、力強い握手が成り立った。

 そして、握手を交わしながらも、由紀江は自然と相手の力量を測ってしまう。

 さすが九鬼の従者だ、と心の中で思った。このレベルに達する人間はそういないからだった。

 相手も同じことを考えていたのか、ステイシーが笑みをこぼす。

 

「やっぱ、征士郎様がお声をかけるだけはあるな。黛……あー、面倒だから由紀江でいいか? 由紀江、まじ半端なく強いのな」

 

 由紀江の了承を得ることなく、名前で呼ぶことを決めるステイシー。もちろん、由紀江がそれを不快に思うこともない。むしろ、なんてフレンドリーな人、と友達候補へとリストアップしていた。

 ヒュームの爺も褒めるわけだ。ステイシーはそう言い放って、ケタケタ笑う。そこに一陣の風が吹いた。由紀江は思わず、反応してしまう。それはただの風ではなかったからだ。

 それに続くようにして、先ほどまで笑顔だったステイシーの顔が歪む。それはもう苦虫を口いっぱいに放り込まれたような表情であった。

 2人の視線の先には、ヒュームがいた。

 

「ステイシー……客人の前で、なんだその態度は?」

 

 この言葉に、ステイシーは少し安堵した。爺という部分で絞られることはなさそうだと判断したのだ。そんなに甘い男であるはずがないと、骨身に沁みてわかっているはずなのに。李がいれば、そんなステイシーを見て、ため息をもらしたに違いない。

 ヒュームは一旦、ステイシーから目を離し、由紀江を見る。

 由紀江は反射のように、体を90度折り曲げる。ステイシーとの対面で、しっかりと挨拶ができていなかったのを悔いていたからだ。

 

「あ、あのあの……本日はお招き下さりありがとうございます! 川神学園1-C、黛由紀江です!!」

 

 まるで、彼女の家に初めて行った彼氏のようである。ヒュームの役どころは、彼女の父親といったところだろうか。

 

「ヒューム・ヘルシングだ。ヒュームさんでも伯爵様でも好きに呼んでいいぞ」

 

 由紀江もまさかこの目の前の人物が、1ヶ月後、自身の同級生になるなど夢にも思うまい。

 ヒュームはステイシーに視線を移し、さらに続ける。

 

「さっさと客人を案内して差し上げろ」

 

 それだけ言い残すと、再度その場から消え去った。ステイシーは辺りをキョロキョロと見回し、よしと頷くと、ひそひそと由紀江に話しかける。

 

「おっかないだろ? あれがウチのトップ、序列0番だ」

 

 それだけ伝えると、ステイシーは、ついてきな、と由紀江を本部の中へと案内する。

 由紀江は生唾をごくりと飲み、意を決して本部へと足を進めた。彼女の初体験にして、憧れだった一つ――友達の家訪問が今始まる。

 

 

 ◇

 

 

 ヒュームはステイシーの前から姿を消し、どこへ向かったかというと征士郎のいる鍛錬場である。あと数分もすれば、彼の鍛錬時間となるのだ。

 征士郎は既にそこにおり、体をほぐしている途中だった。

 ヒュームが告げる。

 

「黛由紀江が本部へと到着しました」

「ああ……李が呼んだのか」

 

 征士郎は開脚して、上半身を床へとべったりつけた。今日は終日、李に休みが与えてある。というのも、彼の予定が急遽キャンセルとなったためであった。

 征士郎は体を起こし、どうだった、とヒュームへ問いかける。

 

「やはり良いですね。素質は言わずもがな、自己鍛練もかかしておりません。動作の一つ一つも洗練されている、その辺りも叩きこまれているのでしょう」

「ヒュームにして、その評価か。欲しいな……」

 

 九鬼に、ということである。征士郎が続ける。

 

「今一度、大成殿にも挨拶へ行っておいてもよいかもしれんな」

 

 黛大成。由紀江の父であり、剣聖と呼ばれ、国から帯刀許可をもらっている人間国宝。

 征士郎自身、大成には何度か会ったことがあった。それは三大名家である不死川や綾小路の主催するパーティであったり、現総理の誕生会であったり。

 決して親しいとは言えないが、由紀江が川神学園に入学する以前に、娘が入るからよろしく頼むと声をかけられる程度の仲ではあった。

 ちなみに、そのパーティ等でよく会う人物に、川神学園の生徒がいる。

 名を不死川心。名前の通り、不死川家の令嬢であり、英雄のクラスメイトである。京極同様、和服にこだわりがあるらしく、学園へも毎日着てきている。

 幼い頃からの教育により、征士郎に対しても威張ろうとするが、母の言葉である『九鬼と川神にだけはぶつかってはならない』という教えから、それもどうも中途半端になりがち。そして、征士郎が生徒会長になってからは、ようやく対等であるという扱いだった。

 話は戻り、ヒュームが口を開く。

 

「その際は、ぜひステイシーを同行させてやってください」

 

 人格者としても有名な大成である。言葉は交わせずとも、その場で感じることも多いだろう。加えて、ステイシーに多くの人物と関わらせることで、彼女の目を養わせたいという思惑もあるようだ。

 

「ステイシーも愛されているな」

 

 征士郎の言葉に、ヒュームは何も言わなかった。クラウディオ然り、ゾズマ然り、弟子を持っている者達は、彼らなりに愛着をもっているようだ。

 2人は鍛錬のため向かい合った。

 

 

 □

 

 

 由紀江は、途中までステイシーに案内されていたが、迎えにきた李によって、そのあとを引き継がれる。去り際、ステイシーは、仕事上がったらそっちに行く、と一言添えて、颯爽と元来た道を歩いて行った。

 その後ろ姿を見送ったあと、2人は李の私室へ向かった。彼女も休日のため、メイド服ではなく私服である。

 

「迎えが遅くなってしまって、すいません。由紀江」

「い、いえいえ。私が早く来てしまっただけですから! それより、今日はお誘いくださってありがとうございます!」

 

 つまらないものですが。由紀江はそう言いつつ、右手にあった葛餅を李に手渡す。

 

「ありがとうございます。お茶を入れるので、一緒にいただきましょう」

 

 李はそれを受け取ると、由紀江に着席を促し、自身はキッチンのほうへと足を進めた。

 由紀江は、その間、部屋を見渡す。李は物を多く置かないのだろう、シンプルなコーディネートであった。そんな中で、特に目につくのが、収納棚の上に置かれているものである。

 ガラスケースに入ったクリスタルのパンダが2頭。その隣には、アンティーク調の置時計、そして飾り立てに入れられた写真が数枚。

 一つはどこかの旅行先で撮ったもの。左にいるステイシーがとびきり笑顔で、中央にあずみ、右に李がおり、李は串焼きか何かを頬張っていた。写真が少し傾いているのは、ステイシーが自身を入れながら、シャッターをきったからであろう。

 一つは親子で撮ったと思われるもの。初老のメガネをかけた執事服の男性と李が写っている。男性は穏やかに笑っているが、それと対照的に李は固い表情である。

 一つはごく最近のもの。征士郎が腕を組み、その隣で李が柔らかい笑みを浮かべている。背景に桜の並木道が写っていた。

 一つは古いもの。そこに写っている人たちが今より幼い。征士郎と同じ髪色の女の子が2人と男の子が1人。そして、李とステイシー、あずみ、それともう2人執事服の男性がいる。

 由紀江がそれを熱心に見ていると、その背後から声がかけられる。

 

「この真ん中に立たれているのが、紋白様。征士郎様の妹君になります」

 

 紋白は腰に手をあて、仁王立ちしている。

 李が指を指しながら、続けて人物を紹介していった。

 紋白の背後に並ぶのが、左から英雄、揚羽、征士郎。英雄は腕を組み、揚羽と征士郎は紋白の肩に片手を置いている。

 英雄の左隣にあずみ、征士郎の右隣に李。揚羽らの後ろに、桐山と小十郎、ステイシーが並んでいる。

 区切りがついたところで、由紀江は李に礼を言って、再び席についた。

 風間ファミリーとの旅行。征士郎の供で向かったマレーシア。伊予のこと。百代やマルギッテのこと。同じ学園に通っていることもあってか、話す事は尽きそうにない。

 また、李は征士郎の弁当を作るため、料理の勉強もしていたので、そういう面でも会話に花が咲いた。由紀江も得意分野といえるものなので、饒舌だった。

 会話の途中には、李自身もうまく笑顔をつくることができなかったことを由紀江に伝え、彼女に驚かれたりした。

 由紀江があまり緊張せずに会話を楽しめたのは、学園で話したり、メールで遣り取りをしたり、他にも風間ファミリーや伊予らとの交流のおかげであろう。

 お茶がなくなれば、由紀江が、次は自分がと席を立った。

 時間が経つと、仕事を終えたステイシーが加わって来て、賑やかさも増す。李は学園でどんな様子なのか。刀を見せてくれないか。どんな鍛錬を行っているのか。他にも、アルバムを勝手に引っ張りだしたりした。

 由紀江の初体験は、とてもいい思い出になった。

 

 

 ◇

 

 

(……と思ってたんですけど、一体、なぜこんなことになってしまったのでしょう?)

 

 由紀江は、目の前で自身を褒めてくる征士郎と固まっている紋白を見て思う。

 今の由紀江の格好は、ここへ来る前と全く違っていた。束ねていた髪を解き、櫛を通して整え、その頭上にはホワイトブリム、紺色のシャツとロングスカートを着用し、その上に真っ白なエプロンを身に着けている。つまり、九鬼従者の制服を着ていたのだ。

 着せ替え人形と化した由紀江。それもこれも、後ろで笑みをこぼしているステイシーと李のせいである。比率で言えば、7対3くらいになるであろう。

 征士郎は一しきり褒めたあと、紋白の肩に手を置いた。

 

「黛……こいつは俺の妹で紋白という」

 

 それに合わせて、紋白が自己紹介を行った。ついで、由紀江も同様に名を名乗った。

 先に動いたのは紋白。

 

「すいませんが、兄上。我は黛と少し話をしてみたいのですが、よろしいでしょうか?」

 

 征士郎は了承したが、李たちの意見も聞け、と促した。それに彼女らも別に構わないと答えたのを確認し、紋白は由紀江を連れ出す。部屋は李の所からほど近いステイシーの所を借りるようだ。

 先を行く紋白に、静かについて行く由紀江。傍から見れば、完璧なる主とメイドである。

 そんな2人を見送ったのち、李が、ご休憩ですか、と征士郎に問う。

 

「ああ……で、時間もあったからな。紋白ももうすぐ学園入りだろう? 紹介しておいてやろうと思ったのだ」

「にしても、紋様……由紀江見た瞬間、固まっていましたね」

 

 ステイシーが、先の様子を述べた。

 

「そうだな。少し珍しいものを見た。ただ驚いただけじゃないか? 知らない人間がメイド服を着て、李の部屋から出てきたんだ、無理もないと思うが」

 

 ステイシーも征士郎の言葉に納得したようだった。

 立ち話もなんですから、と李が自室へと征士郎を招く。彼はマナーとして、入って良いのか、と一度確認したが、彼女としては見られて困るものもないため、すんなりと許可を出した。

 征士郎が席についたところで、ステイシーが李に耳打ちする。

 

「もしかして、私邪魔者か?」

 

 李は、ステイシーの背中を激しく叩くことで答えた。

 

 

 □

 

 

 一方の紋白と由紀江である。

 ステイシーから借りた鍵で部屋へ入り、2人は向き合った。

 紋白が一度深呼吸をしてから、尋ねたかったことを口に出す。

 

「黛……お前、兄上のことをどう思っているのだ?」

 

 由紀江は、質問の意味がわからないのか、固まったままだ。

 そこで、はっとした紋白。再度、深呼吸を行ったところで、ようやく本来の彼女が戻ってきた。同時に、張り詰めていた空気が弛緩する。

 一度謝罪の言葉を口にして、紋白は言葉を選びながら、問いかける。

 

「黛は……その、兄上と親しいのか?」

『いや、親しいというか一方的に面倒みてもらってるだけです、はい』

 

 由紀江の心の代弁者、松風が答えた。たとえメイド服に着替えようとも、松風は手放さなかったらしい。もちろん、刀もしっかりと持っている。

 しかし、紋白の気迫に圧倒されているのか、松風も従順であった。そして、紋白も会話が、由紀江の腹話術で成り立っていようとあまり関係なさそうだった。

 

「ふむ。つまり……先輩後輩というだけか?」

『Yes,ma’am』

「黛から見て、兄上はどういう人だ?」

『絵に描いたような生徒会長やね。まゆっちを気遣ってくれるし』

 

 そこで、由紀江が恐る恐る疑問を投げかける。

 

「も、もしかして……その、間違ってたら申し訳ないのですが、私が先輩に気があるかどうか、を気にしているんですか?」

 

 ぴくっと紋白の体が反応した。それを由紀江が見落とすはずもなく。

 

(九鬼の方たちは、もっと泰然とされていると思っていましたけど……)

 

 接する機会があったのは、主に征士郎であり、英雄のほうは遠目から見るだけであった。

 近寄りがたい雰囲気があるのは確かである。今でこそ征士郎とも普通に話すが、始業式での一件がなければ、会話をする機会があったかどうかも怪しい。

 そういう意味では、由紀江も伊予と同じく、運がよかったと思っている。征士郎がどういう人間か知ることができたからだ。それでも、英雄に対しては、易々と話しかけることなどできそうにない。

 しかし、由紀江は少し見直す必要があると考え始めた。九鬼一族も人の子なのである。それを目の前にいる紋白が教えてくれた。

 由紀江が持った思いは、何も紋白を貶しているわけではない。

 

(紋白ちゃんは、お兄さんである士郎先輩が好きなんだ)

 

 親しみがもてると思ったのだ。

 ちなみに、征士郎は、学内では士郎先輩で通っていた。語呂がよく、言いやすいため、会長や九鬼先輩と呼ばれる以外はこれである。

 少し間があいたが、紋白は正直に頷いた。その顔には、やってしまったという表情が浮かんでいる。

 笑ったり、泣いたり、怒ったり、嫉妬したり。由紀江らと変わらない一人の女の子がそこにはいた。

 

「あまりに、その……兄上が黛を褒めていたからな。正直、妬いていた」

 

 紋白は既に切り替え、開き直った。そして、話を聞くと、どうやら、征士郎は由紀江と会う前に、紋白へ彼女のことを色々伝えていたらしい。

 由紀江は、今、自身が微笑んでいることに気づいているだろうか。

 

「心配いりません。確かに、私は士郎先輩にお世話になっていますけど、そういう関係にはならないと思います」

 

 その言葉に、紋白は、なぜだ、と首をかしげた。

 

「士郎先輩は立派な方です。憧れの存在って言えばいいんでしょうか?」

 

 由紀江自身、征士郎と恋をするなんて考えられなかった。むしろ、紋白に言われて初めて、それについて考えたと言って良い。

 それでも、そういう関係にはならないと断言できた。既に憧れてしまっているからだ。ある種、最も遠い場所に征士郎を置いているから、そのような感情が生まれてこない。

 それを聞いた紋白が、再度、先の態度について由紀江に謝罪した。

 

「紋白ちゃんの気持ち分かる気がします。私にも、あんなお兄さんがいたら、同じ気持ちになっていても不思議ではありませんから」

「変ではないだろうか?」

 

 紋白は結構気にしているらしい。

 

「私には妹がいるんですが、私も妹大好きですよ」

 

 そこからは、お互いの兄弟の話に移った。そして、由紀江は、紋白が兄や姉をどれほど尊敬し、好きであるかを知る。知れば知るほど、九鬼紋白という人間が身近に思えた。

 成長すれば、彼らの力になりたいのだ、と目を輝かせて言う紋白。

 嬉しそうな紋白を見ながら、由紀江は離れて暮らす妹のことを思った。

 そんな2人が距離を縮めるのに、然程時間はかからなかった。

 

「フッハハ! では、由紀江よ。また遊びに来るとよいぞ!」

 

 別れ際、紋白がそう述べるほどであった。それに対して、またお喋りしましょう、と淀みなく返した由紀江、そんな2人の親密具合に驚かせられた征士郎達であった。

 

「一体、何を話していたんだ?」

 

 征士郎の質問に、紋白は、女同士の秘密です、と笑って答えた。

 

 




紋白のイメージが壊れてないか心配。
私の中ではまだ大丈夫なんだが!!

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