Girls und Kosmosflotte外伝 補給艦隊を守れ!トータス特務(生徒会)艦隊もう一つの戦い   作:Brahma

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イゼルローン要塞陥落の余勢を駆ってフォーク准将の作成計画で大挙して帝国領へ侵入した同盟艦隊。その弱点をローエングラム伯ラインハルトは看破し、決定的な打撃を与えるため、切り札の「赤い艦の用兵家」に補給艦隊攻撃を命じた。それを予測したヤンとみほは対策を立てる。


前編 トータス特務艦隊出撃

帝国暦487年9月23日帝国軍旗艦ブリュンヒルト艦上

「二万隻ですか。」

「うむ、ヤン・ウェンリーなら補給船団を守ろうと一個艦隊を用意するように進言するかもしれないし、そうでなくても補給船団を守るために一個艦隊つけることくらいは考えても不思議ではない。なにしろ生命線だからな。」

「数が多すぎて敵の索敵網にかかってしまわないでしょうか。」

「敵の補給船団が通りそうな場所に分散して通過すればいい。そのほかにもお前なら方法を考えられるだろう。」

「わかりました。謹んで拝命いたします。」

若き赤毛の名将が実は心のなかでは焦土作戦に納得のいっていない気持ちがうっすらと顔にでているのを金髪の親友で上官である若者は察していた。

あえて彼の名を呼びとめて念を押す。

「勝つためだ、キルヒアイス」と。

 

さて同日、宇宙暦796年9月23日同盟軍第13艦隊旗艦ヒューベリオン艦上である。

おさまりの悪い黒髪の学者風提督と子犬のような栗毛色の髪の少女、茶色のジャケットに胸元にリボンをつけた黒髪の少女が話し合っていた。

「敵は、補給船団を狙ってくるだろう。こちらが護衛をつけてくることを見越して。少なくとも一個艦隊、完璧を期して二個艦隊派遣してくるかもしれない。」

「二個艦隊なんてありうるでしょうか?」

「相手は戦争の天才ローエングラム伯ラインハルトだ。ここに派遣される補給船団が同盟の補給線、生命線だとよく承知しているだろう。私自身が補給船団の護衛をまかされるかもしれないと大軍を派遣してくるかもしれない。」

「同盟軍の哨戒網があるのにそんなことするでしょうか?」

「同盟軍は前線を広げていてイゼルローン周辺は手薄になっている。そこへつけいる隙があると手ぐすねひいているだろう。それなのにのんきなことだ。

補給艦隊の護衛はキャゼルヌ少将がせめて100隻といったのに26隻しかつけなかったそうだからな。我々がそれを何とかカバーするしかない。」

「あの...切り札があります。」

「なにかあるのか?ミス・ニシズミ?」

「辺境警備のクブルスリー中将の揮下にわたしたちの仲間がいるんです。わたしたちと別に海賊討伐をやってきた仲間ですからそういった敵の哨戒行動を監視するにはうってつけです。秘匿回線でメールを送っておきます。」

「ありがとう。」

 

 

「西住ちゃん。読んだよ~。補給船団を襲撃する敵艦隊の予想進路、カンパニア星系、コルマール星系だね。まずはカンパニア星系に追い込むことにするよ。」

「おねがいします。」

「こやま!かーしま!」

「はい会長」

「作戦会議するぞ。敵は、ルブルジャ星系、デユシャ星系、シャンベリ星系あたりからくるだろうね。同盟軍としては不案内な星系だから連中としては都合がいい。そうなるとテラモ、ペスカラ、ラキラ、チェーティの各星系でごれみよがしに哨戒行動してるふりをする。それで。カンパニア星系に誘い込むんだ。」

「どうしてここなのですか?」

「ここは宇宙気流が流れる回廊が一か所あるけど、追い込まれると抜けられない。しかもそれ以外の脱出ポイントは三か所しかないんだ。二万隻の艦隊を分散するにしても、集中するにしても敵の行動が把握しやすいんだ。うちらは、6千隻でもレーダー反射パターンで3万隻~6万隻くらいに見せることができる。ワープするときはワープトレースをかき乱す。ただし、解析可能な程度かき乱して敵に分析させる。いかにも慌てて逃げたみたいに演技するんだよ。」

 

9月25日

「ワープアウト完了。恒星ルブルジャから1000光秒。」

「2時の方向、敵艦隊発見。距離800光秒」

「拡大してください。」

「2000隻程度です。逃げていきます。追いますか?」

「いえ。逃げていく方向を分析してください。」

 

 

「8時の方向帝国艦隊発見。恒星ルブルジャから1000光秒。」

「2000隻程度です。どうしますか。」

「とにかく逃げの一手だよ。戦力を温存しなければいけないからね~。」

「ワープ準備、ワープトレースはなんとか敵に読める程度にかき乱しておいてね。」

「了解。」

「ワープ!」

 

「敵艦隊ワープしました。」

「ワープトレースは解析できますか?」

「かき乱されているようですが何とか解析できます。」

「わずかですが、わざと解析できるようしている可能性もありますから用心したほうが良いとは思いますが、結果を教えてください、」

「ペスカラ星系のほうへ向かっているように思われます。」

 

9月26日

「提督、デユシャ星系へワープした分艦隊より報告。こしゃくな叛徒どもの偵察衛星を発見とのことです。」

「ただちに破壊してください。」

「了解。」

 

「デユシャ星系の「こんぺいとう」、反応消失。」

「敵に破壊されちゃったね。」

 

9月27日

「恒星シャンベリより700光秒にて敵艦隊発見。10時の方向、900光秒です。数3000」

「補給船団でははないようです。警備隊かなにかでしょう。」

「ほうっておきましょう。我々の進路を知られてはならない。ワープトレースはかき乱してください。」

 

「帝国艦隊、4時の方向に発見。数4000。」

「追ってきません。ワープするようです。」

「ワープしました。」

「ワープトレースのべクトルは?」

「完全にかき乱されていてわかりません。」

 

「ラキラ星系の分艦隊より報告。敵偵察衛星発見。」

「ワープしましょう。ただしワープトレースのベクトルは偽のベクトルになるよう操作してください。」

「了解。」

 

 

「ラキラ星系偵察衛星から報告。敵5000隻は、シャンベリ星系へワープした模様。」

「これみよがしなのか、本物なのか」

 

9月28日

「テラモ星系にて敵艦隊。数1万。」

「敵、攻撃してきます。」

「数で勝てません。ワープするよう伝えてください。」

 

「テラモ星系にて帝国艦隊発見。数5000、700万キロ」

「全艦隊、距離を保って斉射」

「撃て~撃てええ」

「ももちゃん当たってない。」

「ももちゃん言うな。」

「敵、ワープする模様。なにがあってもいいように戦力を温存するつもりのようです。」

オペレーターが杏のほうをむいて伝える。

「ヤン提督と西住ちゃんがここの戦線を担当している場合を警戒してるんだろうね。

補給は軍事上の常識だから。」

柚子が杏へ話しかける。

「会長、貧弱な護衛艦隊がばれないようしないといけませんね。」

「そのために厳重な警戒をしてさそいこんでるんだけどね。」

 

9月29日

「敵に見張られているようですね。」

赤毛の青年提督はオペレーターに話しかける。

「それらしくあります。チェーティ星系でも1万の敵に攻撃されました。」

もちろん実数ではないが帝国軍のレーダー反射パターンには1万隻に見えている

「カンパニヤ星系しかないですが....。」

「そうですね。敵が焦っているのか、我々を罠にはめようとしているのか。

全艦隊カンパニア星系に終結させてください。」

「提督、もし罠だったら...。」

赤毛の若き提督は苦笑する。

「ビッテンフェルト提督に倣いましょう。2万隻をつぶすには相当の戦力を用意しなければならないはず。同盟にそんな力はないと見積もります。」

「了解しました。全艦隊にカンパニア星系に集結するよう伝達。」

(これで敵が何を考えているか分かるはず。)

 

 

「帝国艦隊、ワープしてカンパニア星系に集結。」

「なにかうまくいきすぎて怖いねえ。」

杏の目は笑っていないが愉快そうな笑顔をつくる。

柚子は不安そうな表情でつぶやく。

「ヤン提督と西住さんが警戒している「赤い艦の用兵家」がこんなにあっさり罠にはまるとは...なにかかえって不気味です。」

 

「カンパニア星系に全艦隊集結しました。

「出口は、カンパニア回廊、アゲル星系方向、フレヌス星系方向ですが....」

「敵艦隊確認できません。」

「このままだとアゲル星系方向、フレヌス星系方向に行くことになりますが...。」

「敵を誘ってみましょう。1万をアゲル星系方向、1万をフレヌス星系方向に。ただしすぐに戻れる態勢でお願いします。」

 

「帝国艦隊、動き出しました。」

「いっくよ~」

赤いツインテールの少女はほくそ笑む

 

「アゲル星系方向に敵艦隊。数1万5千ワープアウト!」

「フレヌス星系に数1万5千ワープアウト!」

 

「やはり来ましたか...。」

「提督どうしますか。」

「撤退です。2万になる前に攻撃されてしまう。」

「カンパニア回廊北側に敵艦隊2万、南側に500」

「同盟軍にこんな余裕があるとは.....。」

 

「カンパニア星系北側にアンコウ型の艦艇確認。」

「提督、完全に囲まれました。」

「やはり、罠だったということですね。レーダー反射パターンを利用している可能性はありますが、本当に全部そろえている可能性もあります。」

 

「こっちにはアルテミスの首飾りがあるから逃げられないよ。敵さんどうするのかな。」

「会長、撃ってもいいですか?」

「桃ちゃんおちついて。」

「カンパニア星系の宇宙気流は帝国艦隊側へ吹いている。袋のネズミのはず。」

 

「提督、カンパニア星系の宇宙気流はこちら側に吹いています。このままだと座して死をまつことになります。」

「敵艦隊が攻撃してきます。」

「戦艦シュレスヴィッヒ撃沈!」

「戦艦ホルシュタイン通信途絶...」

帝国艦隊いくつかの艦艇が火球に変わっていく。

しかしキルヒアイスは激しい攻撃に違和感を感じる。

(もしかして....そうだとしたら指向性ゼッフル粒子工作艦を用意してくるべきだったか...。)

赤毛の若き提督は冷静さを保ちつつもささやかな後悔をつぶやいた。

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